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【発明の名称】 家畜類の飼育方法、飼育設備
【発明者】 【氏名】西部 愼三

【氏名】三田村 隆

【要約】 【課題】飼育舎内のアンモニアガス濃度を直接的に低減することができ、家畜類の呼吸器系疾患を効果的に予防でき、生育歩留が高く、しかも作業員に格別な負担を要することがない家畜類の飼育方法を提供すること。

【解決手段】家畜類を飼育する空間に電解水を適宜噴霧して飼育することを特徴とする家畜類の飼育方法。電解水は、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、pHが4.5〜6.8の範囲の電解水であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 家畜類を飼育する空間に電解水を適宜噴霧して飼育することを特徴とする家畜類の飼育方法。
【請求項2】 電解水の噴霧を断続的に行い、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に維持する請求項1に記載の家畜類の飼育方法。
【請求項3】 空間中のアンモニアガス濃度が所定の値より高い場合に電解水を噴霧し、所定の値より低い場合に噴霧を停止し、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に維持する請求項2に記載の家畜類の飼育方法。
【請求項4】 電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、pHが4.5〜6.8の範囲の電解水である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の家畜類の飼育方法。
【請求項5】 電解水が、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸を添加した水を無隔膜電解槽に通水し、電気分解し、水で希釈して製造された電解水である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の家畜類の飼育方法。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の飼育方法によって飼育された家畜類。
【請求項7】 家畜類が居住する空間に電解水を適宜噴霧し、前記空間中に存在するアンモニアガスを電解水によって低減し、アンモニアガスの濃度を所定の範囲に維持し、アンモニアガスに起因する家畜類の呼吸器系疾患を予防することを特徴とする家畜類の呼吸器系疾患の予防方法。
【請求項8】 電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、pHが4.5〜6.8の範囲の電解水である請求項7に記載の家畜類の呼吸器系疾患の予防方法。
【請求項9】 電解水が、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸を添加した水を無隔膜電解槽に通水し、電気分解し、水で希釈して製造された電解水である請求項7又は請求項8に記載の家畜類の呼吸器系疾患の予防方法。
【請求項10】 家畜類を飼育するための飼育舎(2)と、電解水を製造する電解水作成手段(100)と、前記飼育舎(2)内の空間(E)に電解水を噴霧する電解水噴霧手段(200)と、前記飼育舎(2)内のアンモニアガス濃度を検出するセンサー(300)と、前記電解水噴霧手段(200)及び前記センサー(300)が結線され前記センサー(300)から入力された検出値が所定の上限値よりも高い場合に前記電解水噴霧手段(200)を作動し前記センサー(300)の検出値が所定の下限値よりも低い場合に前記電解水噴霧手段(200)を停止する制御手段(400)と、を備えたことを特徴とする家畜類の飼育設備。
【請求項11】 電解水作成手段(100)が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下でありpHが4.5〜6.8の範囲である電解水を作成する手段である請求項10に記載の家畜類の飼育設備。
【請求項12】 電解水作成手段(100)が、次のa)〜e)、a)陰陽両極を備えた無隔膜電解槽(104)、b)塩酸を貯留する塩酸タンク(101)及び貯留された塩酸を定量的に送液する塩酸ポンプ(103)を有し、前記無隔膜電解槽(104)に塩酸を供給する塩酸送液管(102)、c)無隔膜電解槽(104)により電気分解された電解水を送出する電解水送出管(108)、d)先端側が水の供給源(110a)に接続され末端が前記電解水送出管(108)に合流し、電解水送出管(108)を流れる電解水を希釈する希釈手段(110)、e)前記電解水送出管(108)の末端に配設され、希釈手段(110)により希釈された電解水を貯留するとともに、適宜、電解水噴霧手段(200)に送出する電解水貯留タンク(120)、を備えている請求項10又は請求項11に記載の家畜類の飼育設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家畜類の飼育方法に関する。更に詳しくは、本発明は、家畜類の生育歩留を向上させる家畜類の飼育方法、飼育された家畜類、このために用いられる家畜類の呼吸器系疾患を予防する方法、及び、これらの飼育方法や予防方法を実施するための飼育設備に関する。
【0002】本発明において家畜類とは、家畜、家禽、ペット、実験動物等の飼育動物を総称する用語である。
【0003】本発明において百分率は、特に断わりのない限り重量による表示であり、ppmはmg/kgを意味する。
【0004】本発明において、「電解水」とは、塩素イオンを含有する水を電気分解して得られ、塩素ガスが溶解している殺菌作用のある水を意味する。
【0005】
【従来の技術】人間社会では、様々な家畜類が飼育されているが、特に畜産、養鶏の分野においては、大規模な飼育舎において大量の家畜類が飼育されている。このような家畜類の飼育を、産業として確立するためは、家畜類の疾病を可及的に予防し、飼育中に死亡する個体数を減少させ、家畜類の生育歩留を上げることが不可欠である。
【0006】家畜類の疾病には様々な種類があるが、例えば、疾病に感染した家畜類が、病原菌、ウイルス等を含む排泄物を排泄し、このような病原菌、ウイルス等が飼育舎に飛沫し、これを他の家畜類が直接吸入して、又は飼料、飲用水を介して感染する例が見られる。
【0007】このような疾病を予防するためには、従来は、家畜類を飼育する飼育舎を良好な衛生状態に維持するという、やや消極的な方法しかなかった。
【0008】従って、飼育舎内を清潔に維持するために、飼育舎内を定期的に洗浄し、糞尿を洗い流すことが行われており、この場合、水道水を紫外線、除菌フィルタ−、次亜塩素酸ソ−ダ等で殺菌除菌した水を使用することが行われていた。
【0009】ところで、近年は、家畜類の各種の疾病の中でも、特に、気管支や肺等の呼吸器系に関する疾患が問題になりつつある。このような呼吸器系疾患は、飼育舎の中では集団的に発生することが多く、一旦発生した場合には、家畜類の多くが死亡してしまうため、生育歩留が大きく低下する要因となってしまうのである。
【0010】このような呼吸器系疾患の原因は、飼育舎の内部におけるアンモニアガスであると言われている。アンモニアガスは、主として家畜類の糞尿より発生し、飼育舎の中に滞留して蓄積していく。例えば、牛を飼育するための牛舎を例示すると、一般にアンモニアガスは比重が重いため、牛舎内の比較的に下方においてアンモニアガスの濃度が高くなる傾向にあるが、牛舎内では、牛の鼻は床に近いところに位置するため、牛がアンモニアガスを吸入しやすいのである。
【0011】アンモニアガスを恒常的に吸入した牛は、気管支粘膜がアンモニアガスによって侵され粘膜剥離となり、同時に吸入した空中細菌が定着しやすくなるため、牛が感冒から肺炎へと進行しやすく、肺炎症状を呈することが多い。このため、アンモニアガスを吸引した牛は、総じて、体力の無い個体から先に死亡していきやすいのである。
【0012】このように、近年は、アンモニアガスに起因する家畜類の呼吸器系疾患を予防することが火急の課題となっているのである。
【0013】一方、近年、種々の溶液を電気分解して得られる電解水に殺菌効果があることが知られており、このような電解水の応用技術の確立が急がれている(芝紀代子ら著、「強電解水ハンドブック」、医学情報社、平成7年)。
【0014】従来の電解水は、例えば、特開平1−180293号に開示された技術により製造されるものであった(以下、従来電解水1と記載する。)。この技術においては、食塩を添加した水を隔膜付きの電解槽に通水し、これを電気分解し、陰極側に生成する強酸性水を電解水として取得するものであり、この電解水のpHは1.5以上3.2以下であって、単なる低pH液に比して殺菌効果が高いとされている。
【0015】また、特許第2627100号に開示された技術によって製造される電解水(以下従来電解水2と記載する。)は、塩化ナトリウムを添加した水と、塩酸を添加した水とを混合し、これを無隔膜電解槽によって電気分解して得られるものであり、この塩化ナトリウムを添加した水は、電解する際の電解効率を上げるために不可欠の添加物とされている。
【0016】本発明者らは、先に、塩化ナトリウムを添加せず、ほぼ中性のpHを有する電解水、及びその製造法を見出し、特許出願している(特開平10−128336号。以下、この電解水を推奨電解水と記載する。)。
【0017】これらの各電解水は、例えば、次亜塩素酸ソ−ダを水に溶解して調製した殺菌水に比して、低塩素濃度であっても殺菌等の効果が高く、また、毎回使用する度に細かい濃度調整を行なう必要がない点で好ましいと言われている。
【0018】以上のような各種の電解水は、家畜類の飼育舎で使用することも提案されており、例えば、本発明者らは、先に、推奨電解水を、陸生動物を飼育するための用水に使用することを提案している(特願平10−39570号)。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、電解水を、家畜類の飼育舎に使用することは公知であったが、その具体的な態様としては、電解水によって飼育舎の床、壁等を洗浄又は殺菌すること、電解水によって家畜類の体を洗浄又は殺菌すること、電解水によって飼育舎内で使用される用具を洗浄又は殺菌すること、更には、飼育舎内を消臭すること等しか知られていなかった。
【0020】このような技術は、糞尿を洗い流し、飼育舎の内部を清潔に保つことによって、飼育舎の内部のアンモニアガスを間接的に低減しようとするものであるため、家畜類の呼吸器系疾患を予防するという目的のためには消極的な方法としかいえず、その効果には限界があった。
【0021】家畜類の呼吸器系疾患を予防するためには、更に効果的な技術が待望されており、特に、飼育舎内のアンモニアガス濃度を直接的に低減できる積極的な技術が待望されていた。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、飼育舎内のアンモニアガス濃度を直接的に低減することができ、家畜類の呼吸器系疾患を効果的に予防でき、生育歩留が高く、しかも作業員に格別な負担を要することがない家畜類の飼育方法を提供することである。
【0023】本発明の他の目的は、そのような飼育方法によって飼育された家畜類を提供すること、である。
【0024】本発明の他の目的は、そのような飼育方法に好適に適用でき、家畜類の呼吸器系疾患を効果的に予防できるとともに、作業員に格別な負担を要することなく生育歩留の向上を図ることができる家畜類の呼吸器系疾患の予防方法を提供すること、である。
【0025】また、本発明の他の目的は、そのような家畜類の飼育方法、呼吸器系疾患の予防方法を実現できる家畜類の飼育設備を提供することである。
【0026】本発明の第一の発明は、家畜類を飼育する空間に電解水を適宜噴霧して飼育することを特徴とする家畜類の飼育方法、である。
【0027】この第一の発明は、電解水の噴霧を断続的に行い、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に維持すること、空間中のアンモニアガス濃度が所定の値より高い場合に電解水を噴霧し、所定の値より低い場合に噴霧を停止し、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に維持すること、電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、pHが4.5〜6.8の範囲の電解水であること、及び、電解水が、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸を添加した水を無隔膜電解槽に通水し、電気分解し、水で希釈して製造された電解水であること、を好ましい態様としている。
【0028】本発明の第二の発明は、前記第一の発明の飼育方法によって飼育された家畜類、である。
【0029】本発明の第三の発明は、家畜類が居住する空間に電解水を適宜噴霧し、前記空間中に存在するアンモニアガスを電解水によって低減し、アンモニアガスの濃度を所定の範囲に維持し、アンモニアガスに起因する家畜類の呼吸器系疾患を予防することを特徴とする家畜類の呼吸器系疾患の予防方法、である。
【0030】この第三の発明は、電解水が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、pHが4.5〜6.8の範囲の電解水であること、及び、電解水が、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸を添加した水を無隔膜電解槽に通水し、電気分解し、水で希釈して製造された電解水であること、を望ましい態様としている。
【0031】本発明の第四の発明は、家畜類を飼育するための飼育舎(2)と、電解水を製造する電解水作成手段(100)と、前記飼育舎(2)内の空間(E)に電解水を噴霧する電解水噴霧手段(200)と、前記飼育舎(2)内のアンモニアガス濃度を検出するセンサー(300)と、前記電解水噴霧手段(200)及び前記センサー(300)が結線され前記センサー(300)から入力された検出値が所定の上限値よりも高い場合に前記電解水噴霧手段(200)を作動し前記センサー(300)の検出値が所定の下限値よりも低い場合に前記電解水噴霧手段(200)を停止する制御手段(400)と、を備えたことを特徴とする家畜類の飼育設備、である。
【0032】この第四の発明は、電解水作成手段(100)が、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下でありpHが4.5〜6.8の範囲である電解水を作成する手段であること、及び、電解水作成手段(100)が、次のa)〜e)、a)陰陽両極を備えた無隔膜電解槽(104)、b)塩酸を貯留する塩酸タンク(101)及び貯留された塩酸を定量的に送液する塩酸ポンプ(103)を有し、前記無隔膜電解槽(104)に塩酸を供給する塩酸送液管(102)、c)無隔膜電解槽(104)により電気分解された電解水を送出する電解水送出管(108)、d)先端側が水の供給源(110a)に接続され末端が前記電解水送出管(108)に合流し、電解水送出管(108)を流れる電解水を希釈する希釈手段(110)、e)前記電解水送出管(108)の末端に配設され、希釈手段(110)により希釈された電解水を貯留するとともに、適宜、電解水噴霧手段(200)に送出する電解水貯留タンク(120)、を備えていること、を望ましい態様としている。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の第一の発明は、家畜類を飼育する空間に電解水を適宜噴霧して飼育することを特徴とする家畜類の飼育方法、である。
【0034】空間とは、家畜類が生育している空間を意味しており、例えば、家畜類を飼育するための畜舎、鶏舎等の飼育舎における内部空間である。このような空間は、少なくとも、外界とは仕切られた空間であることは言うまでもない。
【0035】本発明において噴霧とは、電解水を空間中に散布することを意味しており、例えば、電解水をシャワ−のように大量に流して床を洗浄する等とは異なり、専ら空気と接触させることを目的とした噴霧である。従って、電解水を霧化した状態で噴霧することが好ましいといえる。
【0036】このような噴霧は、少量づつ連続的に行っても良いが、断続的に適宜行うことが好ましく、タイマー等によって一定間隔で噴霧する態様、所定の時刻に毎日噴霧する態様等を例示することができる。
【0037】噴霧する装置としては、圧力噴霧ノズル、二流体噴霧ノズル、超音波霧化機等を例示することができるが、この中では、電解水に溶存している塩素を有効に活用することができる圧力噴霧ノズルが最も好ましい。
【0038】このような噴霧は、空間1立方メートルあたり電解水10cc以上、好ましくは25cc以上行うことが望ましい。例えば、空間1立方メートルあたり10〜15000ccの範囲、好ましくは空間1立方メートルあたり100〜10000ccの範囲で適宜設定した量の電解水を噴霧する。
【0039】また、電解水としては、遊離次亜塩素酸濃度10〜30ppmのものを使用し、噴霧した際の液滴は、ザウター平均径で20〜80μmの微細な液滴になるように噴霧すれば、空気中のアンモニアガスとの接触の効率が良く、好ましい。
【0040】このような本発明の飼育方法においては、後記試験例に示すように、噴霧された電解水が、空間中のアンモニアガスと接触することによって、空間中のアンモニアガス濃度が低下するのである。
【0041】このため、飼育舎の中の家畜類は、高濃度のアンモニアガスを吸気することがなく、家畜類の呼吸器系疾患は効果的に予防される。本発明は、従来のように、間接的にアンモニアガスを低減させるものではなく、直接的にアンモニアガスを低減させる点に特徴を有しており、むろん、従来のように、飼育舎の床や家畜類の体を電解水によって洗浄・殺菌する等の消極的な方法と組み合わせて実施することが可能である。
【0042】また、本発明の飼育方法では、電解水を噴霧することにより、空間中に浮遊している細菌を殺菌・除菌する効果も得られ、更に、電解水の消臭効果によって、作業員の作業環境の向上に役立つことも期待できる。
【0043】そして、飼育舎を頻繁に換気する必要がなくなるため、温度の低下が少なくなり、省エネルギーの効果が期待できるとともに、換気に伴う冷気の導入により家畜類が感冒にかかる確率を減少させることも可能である。
【0044】更に、夏には、電解水の噴霧によって冷却の効果を得ることができるため、特に、乳牛の飼育においては、乳牛の夏バテによる搾乳量の低下を軽減することも可能である。
【0045】このような本発明においては、電解水の噴霧は、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に収めるように断続的に行うことが好ましい。
【0046】特に、空間中のアンモニアガス濃度が所定の上限値より高い場合に電解水を噴霧し、所定の下限値より低くなった時点で噴霧を停止する操作を行うことにより、空間中のアンモニアガス濃度を所定の範囲に維持することが推奨される。このような態様であば、作業員に過度な負担をかけることなく、自動化が可能である。
【0047】尚、この場合に、上限値と下限値とは別々な値であっても良いが同じ値であっても良い。即ち、上限値と下限値とを同値とし、この一つの値を越えた場合に電解水を噴霧し、この一つの値より下がった場合に噴霧を停止する態様であっても良い。
【0048】本発明において使用される電解水は、従来公知のものであって良く、前記の従来電解水1又は2を使用することもできる。
【0049】しかしながら、前記従来電解水1及び2は、いずれも食塩を含有しているため、噴霧した後に、電解水が乾燥した際に食塩が固体として析出してしまうという問題点がある。
【0050】また、前記従来電解水1及び2は、いずれも食塩が大量に含有されているため、金属を腐食する性質があり、金属製の器具が多い飼育舎内で使用した場合には、器具が腐食し易く、長期間の使用は望ましくないという問題もある。
【0051】このような観点から、本発明においては、前記の推奨電解水を使用することが好ましいといえる。
【0052】本発明に使用する推奨電解水は、ナトリウムイオン濃度が、一般的な上水の水質基準である200ppm以下、より好ましくは50ppm以下の電解水からなることを一つの特徴としている。
【0053】従来の電解水(例えば、従来電解水1又は2)は、水を電気分解して得られるものであるが、電解効率を上昇させるために塩化ナトリウムを添加することが常識であったが、本発明では、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下の推奨電解水を使用することが好ましいのである。また、この推奨電解水は、pH値が4.5〜6.8の中性付近であることを他の一つの特徴としている。
【0054】このような推奨電解水を、本発明の家畜類の飼育方法に使用すれば、前記従来電解水1又は2のように金属を腐食することが少ないのである。また、このような推奨電解水であれば、実質的に塩化ナトリウムを含有しない電解水であるから、噴霧した後に、仮に蒸発したとしても食塩が析出することはない。
【0055】このような電解水は、次の手順で製造されるものであることが望ましい。即ち、まず、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水に塩酸を添加する。
【0056】ここに「水」は、水道水、地下水、伏流水、脱塩水、蒸留水、精製水(RO水、膜処理水)、これらの混合水等であって、実質的に塩化ナトリウムを含有しない水を意味している。
【0057】「実質的に塩化ナトリウムを含有しない」の意味は、人為的に塩化ナトリウムを添加することがないということである。この場合、水に自然に含有されている微量の塩化ナトリウムは考慮しない。
【0058】塩化ナトリウムが人為的に添加されていないということは、塩酸を添加した水のナトリウムイオン濃度が、前記「水」に含有されていたナトリウムイオン濃度を越えることがないことを意味している。例えば、このような「水」は、一般にナトリウムイオン濃度200ppm以下であるから、本発明における塩酸を添加した水も、ナトリウムイオン濃度は200ppm以下である。
【0059】また、塩酸を添加した水の塩化水素濃度は、適切な反応を起させるためには0.01%以上であることが望ましく、特に0.1%以上であることが推奨される。ただし、経済性を追及する場合には、塩化水素濃度は、1.0%以上、21.0%以下であることが望ましい。即ち、塩化水素濃度が1.0%以上であれば、工業的に安定した反応を得ることが可能であり、また21.0%以下であれば、常温で発煙することがなく、保管、取扱いの点で望ましいからである。
【0060】このような塩酸を添加した水を無隔膜電解槽に通水した後、陰陽両極に通電し、電気分解する。尚、無隔膜電解槽は、隔膜を有しない電解槽である。
【0061】この無隔膜電解槽は、単極式の電解槽であっても良いが、複極式の電解槽であることが望ましい。
【0062】このように電解水を製造した後は、得られた電解水は希釈する。一般に、電解水の製造においては、塩素濃度が高い水を少量だけ製造し、その後これを希釈して使用することが経済性の上からは望ましい。従って、電気分解した後は、希釈した上で、電解水を採取するのである。希釈の度合いは、pHが4.0以上、好ましくは4.5〜6.8、有効塩素濃度が10〜30ppmの範囲になるように希釈することが好ましい。
【0063】本発明の製造方法により製造された電解水は、有効塩素濃度が1ppm乃至2ppmの濃度まで希釈されたとしても殺菌効果が消失することがない。尚、有効塩素濃度は、オルトトリジン法(日本薬学会編、「衛生試験法・注解 1980」、第746頁、金原出版株式会社、1980年3月20日)又はヨウ素滴定法(社団法人日本水道協会、「上水試験方法 1993年版」、第218〜219頁、平成5年11月15日)によって測定することが可能である。
【0064】また、電解水は、中和剤により中和しても良い。有効塩素濃度が高い電解水を得た場合に、その電解水のpHが低くなる場合があるが、一般に、塩素が溶解した水は、pHによってその殺菌力が変化することが知られており(株式会社フジ・テクノシステム発行、「食品工業の微生物制御総合技術資料集」、第242〜243ペ−ジ、昭和52年)、電解水のpHも7.0以下、好ましくは6.8以下であれば殺菌力が高くなるため望ましいのである。また、電解水が強酸性であれば、使用する場所、方法等に制約を受けることになるため、電解水のpHは4.0以上、好ましくは4.5以上であることが好ましい。このような中和剤としては、アルカリ性の薬品が好適であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等を使用することができるが、水酸化ナトリウムが最も望ましい。このように電解水を中和する場合は、中和剤の添加は、希釈の前であっても後であっても良いが、後の方が望ましい。
【0065】以上の操作は、例えば、市販の電解水製造装置であるピュアスタ−(商標。森永エンジニアリング社製、以下同じ。)によって行うことができる。この装置に、21%の塩酸又は3%の塩酸を貯留したタンクを設置する。前者の場合は21%の塩酸を水で希釈した後に無隔膜電解槽に通水し、後者の場合には、3%の塩酸は、それ自体が「塩酸を添加した水」であるから、そのまま無隔膜電解槽に通水する。そして連続的に電気分解し、電解水を製造することが可能である。この際は、得られた電解水が、pH4.0以上、好ましくはpH4.5〜6.8、有効塩素濃度10〜30ppmの範囲になるような条件で、無隔膜電解槽の電解条件を調節し、また電解水を希釈する。
【0066】このようにして得られた電解水は、塩化ナトリウムが実質的に添加されておらず、しかもpHはほぼ中性の付近にあり、前記従来電解水1又は2に比して、より自然水に近い物性を有している。従って、本発明に好適に利用することができるのである。
【0067】以上のような本発明の飼育方法によって飼育された家畜類(即ち本発明の第二発明。)は、アンモニアガスによって体力が消耗されていないため、比較的元気な家畜類として、安心して市場に供給することが可能である。
【0068】本発明の第三の発明は、家畜類の呼吸器系疾患の予防方法である。この予防方法では、家畜類が居住する空間に電解水を適宜噴霧し、前記空間中に発生するアンモニアガスを電解水によって低減し、アンモニアガスの濃度を所定の範囲に維持することによって家畜類の呼吸器系疾患を予防するものである。
【0069】アンモニアガスの濃度が高い空間中に、電解水を噴霧した場合には、後記試験例に記載するように、アンモニアガスの濃度が低下する。本発明は、このような作用を生かして、電解水を家畜類の呼吸器系疾患の予防に利用した点が特徴である。
【0070】この場合も、前記のような推奨電解水を使用することが好ましい。この理由は、推奨電解水には食塩が添加されておらず、空間中に噴霧するには特に好適なためである。
【0071】次に本発明の第四の発明の飼育設備について説明する。以下の説明において、本発明の要素には、後述する実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記している。本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであって、本発明の技術的範囲を実施例に限定するためではない。
【0072】図1は、本発明の家畜類の飼育設備の一実施例の概略構造を説明するための説明図であり、図2は、図1における電解水作成手段の拡大図である。
【0073】本発明の第四の発明は、家畜類の飼育設備(1)である。この飼育設備(1)は、家畜類を飼育するための飼育舎(2)を備えている。そして、この飼育舎(2)には、電解水を製造する電解水作成手段(100)と、飼育舎(2)内の空間(E)に電解水を噴霧する電解水噴霧手段(200)と、飼育舎(2)内のアンモニアガス濃度を検出するセンサー(300)と、を備えており、更に、制御手段(400)を備えている。
【0074】この制御手段(400)には、前記センサー(300)が結線され、また前記電解水噴霧手段(200)が結線される。
【0075】電解水噴霧手段(200)は、電解水を噴霧できるものであればいかなるものでも使用できるが、圧力ノズル(205、206)により噴霧するものが最も好ましい。圧力ノズル(205、206)を採用した場合は、電解水を昇圧して送液するポンプ(201)を併設して構成することが望ましく、この場合は、このポンプ(201)の稼動及び停止によって電解水噴霧の開始及び停止を遠隔操作できる設計とすることが好ましい。即ち、前記制御手段(400)によって遠隔操作するのである。尚、この場合、ポンプ(201)とともに開閉弁(図示せず)を設けて、稼動及び停止を確実に行うようにすることが好ましい。
【0076】センサー(300)としては市販のアンモニアガスセンサーを使用することができるが、防塵に対して配慮された設計のものが好ましい。
【0077】制御手段(400)としては、市販のシーケンサー、パーソナルコンピューター等(例えば、キーエンス社KZシリーズ、三菱電機社MELSEC[商標]、オムロン社SYSMAC[商標]等)を例示することができる。このような制御手段(400)は、前記センサー(300)の検出値を受信し、この検出値と、予め設定された上限値及び下限値とを比較し、検出値が所定の上限値よりも高い場合には、前記電解水噴霧手段(200)を作動させる制御信号を発信し、電解水噴霧手段(200)によって飼育舎(2)の内部の空間(E)に電解水を噴霧する。
【0078】また、前記センサー(300)の検出値が所定の下限値よりも低い場合には、制御手段(400)は、前記電解水噴霧手段(200)を停止させる制御信号を発信し、電解水噴霧手段(200)は噴霧を停止するのである。
【0079】尚、制御手段(400)は一体として構成しても良いが、複数の別体の制御機器によって構成されても良い。例えば、センサー(300)の検出値を予め設定した上下限値と比較して判断し、判断結果を出力する機能を、センサー(300)付属の制御機器に請け負わせることも可能である。
【0080】電解水作成手段(100)は、例えば、図2のような構成を備えていることが好ましい。尚、この電解水作成手段(100)としては、例えば、市販の電解水製造装置ピュアスタ−を採用することが望ましい。
【0081】以上の本発明を適用されるべき家畜類としては、例えば、牛、馬、羊、山羊、豚、兎、ミンク等の家畜の他、鶏、うずら、七面鳥、ほろほろ鳥、あひる等の家禽を例示することができ、また、例えば犬、猫、小鳥、鳩、爬虫類等の各種のペットや、マウス、ラット、モルモット、うさぎ、かえる等の実験動物、動物園における各種の鳥獣等も例示することができる。しかしながら、家畜が最も好ましく、特に牛(牛舎)に適用した場合に、本発明の効果を最も享受することが可能である。次に試験例によって本発明を詳しく説明する。
【0082】試験例この試験は、電解水を噴霧した場合の空気中アンモニアガス濃度の低減効果を確認するために行った。
1)試験方法20l容の低密度ポリエチレン製容器6個に、0.3%アンモニア水1mlを入れ、栓をして10分間室温(25℃)に静置した。この容器からアンモニアガスが漏れないように注意しながら栓を外し、アンモニアガス検知管(ガステック社製、No.3La)により、6個の容器内のアンモニアガス濃度を測定した。
【0083】一方、市販の電解水製造装置ピュアスタ−(商標。森永エンジニアリング社製)によって、有効塩素濃度30ppm、pH6.1の電解水を製造し、園芸用噴霧器(ナショナルパナスプレーBH−568。商標。)に充填した。前記の6個の容器のうち3個に対し、容器の口に園芸用噴霧器の噴霧口を挿入し、容器の内部に電解水を350ml噴霧した。
【0084】噴霧後、再び容器に栓をし、室温で3分間静置した。このように処理した容器3個を、各々試料1〜試料3とした。
【0085】次いで、前記の園芸用噴霧器に精製水を充填し、残りの3個の容器に対し、同様に精製水350mlを噴霧し、再び容器に栓をした後、室温で3分間静置した。このように処理した3個の容器を、各々対照試料1〜対照試料3とした。以上の容器6個について、容器内のアンモニアガス濃度を同様に測定した。
【0086】2)試験結果この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1は、試料1〜3及び対照試料1〜3について、各々、電解水又は精製水を噴霧する前、及び噴霧した後のアンモニア濃度を示した表である。尚、表1における「0< ≦2」は、0ppmを越え2ppm以下であることを示している。
【0087】表1からは、精製水を噴霧した対照試料1〜3は、いずれもアンモニアガスが残留しているのに対し、電解水を噴霧した試料1〜3は、いずれもアンモニアガスが完全に消失していることが明らかである。
【0088】この試験の結果、アンモニアガスの濃度が高い空間中に電解水を噴霧した場合は、アンモニアガス濃度を効果的に低減できることが判明した。
【0089】
【表1】

【0090】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1図1は、本発明の家畜類の飼育設備の一実施例の概略構造を説明するための説明図である。図1において、本発明の飼育設備1は、乳牛を飼育するための飼育舎2を備えている。
【0091】この飼育舎2は、電解水作成手段100(電解水製造装置ピュアスタ−。森永エンジニアリング社製。)、を備えており、更に電解水噴霧手段200、センサー300(フィガロ技研社製、2000シリーズ。)、及び制御手段400(コントローラー。)を備えている。
【0092】図2は、図1における電解水作成手段100(ピュアスター)の拡大図である。
【0093】ピュアスタ−100は、21%塩酸が貯留された塩酸タンク101を備えており、塩酸タンク101には、塩酸送液管102が接続されている。塩酸送液管102には、塩酸用の定量ポンプ103(ダイアフラムポンプ)が配設されており、末端には無隔膜電解槽104が接続されている。
【0094】無隔膜電解槽104には、電極105及び106が内設されている。尚、図1及び図2では電極105及び106を一対の電極として簡略化して図示しているが、実際は電極105及び106は複極式の電極である。この電極105及び106は電源107に結線されている。
【0095】無隔膜電解槽104の排出口104aには、電解水送出管108が接続されており、この電解水送出管108の末端は、電解水貯留タンク120に至る。
【0096】また、電解水送出管108には、電解水を希釈する希釈手段110が接続されている。
【0097】この希釈手段110は、基本的には、水の供給源110a(水道タップ)と、この供給源110aに接続される水供給管111によって構成されている。水供給管111には、自動開閉弁112及び定流量弁113が配設されている。水供給管111の末端111aは、前記電解水送出管108に合流する。
【0098】また希釈手段110においては、水供給管111より塩酸希釈管114が分岐しており、この塩酸希釈管114には定量ポンプ115が設置され、塩酸希釈管114の末端は、前記塩酸送液管102に合流する。
【0099】尚、前記無隔膜電解槽104には塩酸タンク101及び塩酸送液管102のみが、又はこれらに加えて塩酸希釈管114のみが配設されることが望ましい。即ち、無隔膜電解槽104には、実質的に塩化ナトリウムを添加しない塩酸を通液することが好ましいのである。
【0100】電解水貯留タンク120は、電解水を一旦貯留するタンク本体120aを有しており、このタンク本体120aには、図示しない空気源からの空気管121の末端が接続されており、更に、タンク本体120aの上面には、水素排出口122が備えられている。
【0101】また、タンク本体120aには、レベル計123が設置されているが、このレベル計123は、タンク本体120aの内部の電解水のレベルをチェックするものであり検出部124を備えている。尚、電解水貯留タンク120には、前記電解水噴霧手段200の先端が接続される。
【0102】電解水噴霧手段200(図1参照。)は、定量ポンプ201と電解水噴霧管202、並びに電解水噴霧管202から分岐して飼育舎2に至る噴霧管203、204を備えており、噴霧管203、204は、末端に圧力ノズル205、206が設けられている。
【0103】尚、図1では、噴霧管203、204は、圧力ノズル205、206の他にも、噴霧管及び圧力ノズルが設けられているが、図示を省略している。
【0104】センサー300は、飼育舎の内部空間Eにおけるアンモニアガスを検出するものであり、図1では、説明のために比較的高い位置に設置されている態様を図示しているが、実際には、家畜類の鼻の高さに配置することが望ましい。
【0105】以上、自動開閉弁112、定量ポンプ103、定量ポンプ115、無隔膜電解槽の電源107、及びレベル計の検出部124、定量ポンプ201、センサー300は、各々信号線112a、103a、115a、107a、124a、201a、及び300aによって、コントロ−ラ−400に結線されている。以上の図1及び図2の飼育設備の作用について説明する。
【0106】電解水作成手段100において、塩酸タンク101には21%塩酸が貯留されており、この塩酸は、塩酸送液管102を介して定量ポンプ103によって無隔膜電解槽104に送液される。この際、塩酸希釈管114を介して定量ポンプ115によって、希釈水が送られ、無隔膜電解槽104に流入する塩酸の濃度が調節される。
【0107】無隔膜電解槽104においては、電極105及び106に電流が通電され、塩酸は電気分解され、電解水となる。電解水は、無隔膜電解槽104の排出口104aより排出され、電解水送出管108を介して電解水貯留タンク120に至る。
【0108】希釈手段110において、水の供給源110aより、水供給管111を介して水が供給されるが、この場合の水量は定流量弁113によって一定に保たれる。この水は、水供給管111を介して末端111aにおいて電解水排出管108に合流し、ここで電解水は希釈された上で、電解水貯留タンク120に送水される。
【0109】電解水貯留タンク120においては、レベル計123によって液位が検知されており、液位が所定位置よりも下がった場合は、検出部124より、信号線124aを介してコントローラー400に信号が出力され、この信号を受けて、コントローラー400が、信号線112a、103a、115a、107aを通じて、自動開閉弁112、定量ポンプ103及び115、無隔膜電解槽の電源107を稼動し、電解水を作成かつ希釈して電解水貯留タンク120に補充するのである。尚、液位が所定位置よりも上がった場合は、同様に電解水の作成を中断する。
【0110】一方、電解水貯留タンク120には、図示しない空気源からの空気管121の末端が接続されており、上部の空間には常時空気が少量供給される。供給された空気は水素排出口122よりが排出されるが、この際、タンク本体120a内部の電解水から発生した水素ガスも同伴され、水素ガスが除去される。以上の作用によって、電解水貯留タンク120においては、水素が除去された電解水が、所定の液位で貯留されているのである。
【0111】センサー300が、飼育舎2の内部の空間Eにおけるアンモニアガス濃度を検出し、検出値を制御手段400に出力する。制御手段400は、入力された検出値を、予め設定された上限値及び下限値と比較し、検出値が上限値よりも高い場合には、出力線201aを介して定量ポンプ201を稼動し、電解水を電解水貯留タンク120より電解水噴霧管202に流し、圧力ノズル205、206より噴霧するのである。
【0112】このような電解水の噴霧によって、飼育舎2の内部の空間Eにおけるアンモニアガス濃度が下がり、センサー300の検出値が下限値よりも低くなった場合には、出力線201aを介して定量ポンプ201を停止し、噴霧を停止するのである。
【0113】かくして、飼育舎2の内部の空間Eにおけるアンモニアガス濃度は、一定の範囲に維持される。
【0114】
【発明の効果】本発明の家畜類の飼育方法によれば、飼育舎内のアンモニアガス濃度を直接的に低減することができるため、家畜類が呼吸器系疾患に罹患することが少なく、生育歩留が高く、しかも作業員に格別な負担を要することがない。従って、このような飼育方法によって飼育された家畜類は体力が強く、出荷先に安心感を与えることができる。また、本発明の呼吸器系疾患の予防方法によれば、家畜類の呼吸器系疾患を効果的に予防できるとともに、作業員に格別な負担を要することなく生育歩留の向上を図ることができる。また、本発明の飼育設備は、このような家畜類の飼育方法、呼吸器系疾患の予防方法を簡単に実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
【出願日】 平成13年3月26日(2001.3.26)
【代理人】 【識別番号】300019386
【氏名又は名称】重兼 彰夫
【公開番号】 特開2002−281852(P2002−281852A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−87674(P2001−87674)