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【発明の名称】 魚釣用リール
【発明者】 【氏名】関本 昭夫

【氏名】南部 一弥

【要約】 【課題】リール本体に変位自在に支持されている各種の切換操作部材を、操作性、耐久性および強度の面から、支障なく長期間使用できる構成とした魚釣用リールを提供する。

【解決手段】本発明は、リール本体内に装備された各種装置の動作状態を切換制御する切換操作部材30をリール本体に変位自在に支持してなる魚釣用リールに関するものであり、切換操作部材30は、リール本体に変位自在に支持された連結部31と、この連結部31に対し軸部32aを介して一体結合される操作部32と、連結部31と軸部32aの結合露出部を覆うカバー部材40とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体内に装備された各種装置の動作状態を切換制御する切換操作部材を前記リール本体に変位自在に支持してなる魚釣用リールにおいて、前記切換操作部材は、リール本体に変位自在に支持された連結部と、この連結部に対し軸部を介して一体結合される操作部と、前記連結部と軸部の結合露出部を覆うカバー部材とを有することを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】 前記切換操作部材は、巻取駆動装置の動力伝達状態を切り換えるクラッチ機構用であり、前記連結部をハンドル側に屈曲形成したことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リール本体に装着されたスプールにハンドルの回転操作で釣糸を巻回する巻取駆動装置や、釣糸の繰り出しに伴う回転体(両軸受リールのスプールやスピニングリールのロータ等)の逆回転を防止する逆転防止装置等をリール本体内に備えた魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】上記した魚釣用リールの巻取駆動装置や逆転防止装置等は、釣り操作上、及び釣り場の状況等により、動力伝達状態や逆転防止状態をON/OFF切り換えする切換操作部材をリール本体に回動可能に支持した構成となっている。
【0003】このような切換操作部材の一構成例として、例えば、実公昭31−2584号に開示されているような、リール本体にプレートを回動可能に支持すると共に、このプレートの先端部分に操作部を取り付けたものが知られている。この操作部は、その中心部に軸部が設けられており、これらは、通常、切換操作時の切換抵抗力(強度)、使用頻度等を考慮して金属材によって構成されると共に、カシメやネジ等の手段によってプレートの先端部分に取付固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、魚釣用リールは、他の技術分野の製品と比べ、海水、水、異物等が付着し易い厳しい環境で使用されるため、切換操作部材には高耐久性、高耐食性が要求されると共に、釣糸の巻取り操作や繰り出し操作等の実釣操作時には、リール本体を手で握持保持するため、状況に応じて握持した手の指で前記切換操作部材を迅速かつ支障なく操作できることが要求される。
【0005】しかしながら、従来の上記した構成では、カシメやネジ等による結合部分が外部に露出しているため、腐食したり異物が付着、固化し易くて強度低下の可能性があると共に、外部にカシメによるバリやネジの頭部が露出することから、切換操作時における迅速操作の妨げになる可能性がある。また、カシメやネジの外表面は表面処理が剥がれ易く、使用環境の厳しい釣り場においては、耐食性の面では充分ではない、等の問題がある。
【0006】この発明は、上記した問題に基づいて成されたものであり、その目的は、リール本体に変位自在に支持されている各種の切換操作部材を、操作性、耐久性および強度の面から、支障なく長期間使用できる構成とした魚釣用リールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体内に装備された各種装置の動作状態を切換制御する切換操作部材を前記リール本体に変位自在に支持しており、前記切換操作部材は、リール本体に変位自在に支持された連結部と、この連結部に対し軸部を介して一体結合される操作部と、前記連結部と軸部の結合露出部を覆うカバー部材とを有することを特徴としている。上記した構成によれば、切換操作部材の操作部と連結部との結合部分は、カバー部材によって露出しない状態となる。このため、結合部分に異物等が付着することが無くなり、腐食が防止されると共に、結合部分に指が触れるようなことも無い。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る魚釣用リールの一実施の形態を示す図(リール本体を後方から見た断面図)であり、図2は、クラッチ機構を切換操作する切換操作部材の取付部分を拡大して示す図である。
【0009】図1に示すように、魚釣用リールのリール本体1は、左右フレーム2a,2bと、これら左右フレーム2a,2bに所定の空間をもって夫々シール材を介して装着される円形状の左右側板3a,3bとを備えている。左右フレーム2a,2bは、複数の支柱(特定の支柱はサムレストとしての機能を有していても良い)を介して一体化されており、その下方支柱4には、釣竿のリールシートに装着されるリール脚4aが取り付けられている。
【0010】また、左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸5が軸受6を介して回転可能に支持されており、このスプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール5aが取り付けられている。
【0011】スプール5aは、ハンドル8を回転操作することによって回転させることができるように構成されており、ハンドル8は、右側板3bから突出したハンドル軸9の端部に取り付けられている。なお、ハンドル8は、ハンドル軸9に取り付けられる連結レバー8aと、連結レバー8aの端部において、ネジ、カシメ等によって装着されるハンドルツマミ8bとを備えて構成されている。
【0012】また、ハンドル軸9は、右フレーム2bに軸受10を介して回転自在に支持されていると共に、右側板との間に介在された転がり式の一方向クラッチ12a(逆転防止装置)によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。なお、ハンドル軸9の基端には、ラチェット12bが取り付けられており、前記一方向クラッチ12aに大きな負荷が作用して滑りが生じても、ストッパ(図示せず)が係合してハンドル軸9の逆転防止機能を果たすようになっている(第2の逆転防止装置を構成している)。
【0013】右フレーム2bと右側板3bとの間には、ハンドル8の回転運動をスプール軸5に伝達する巻取駆動装置、巻取駆動装置における駆動力の伝達を継脱するクラッチ機構、魚釣時にスプール5aから釣糸が繰り出された際、スプール5aにドラグ力を付与する制動装置等が配設されている。
【0014】前記巻取駆動装置は、ハンドル軸9に回転可能に支持された駆動歯車13と、この駆動歯車13に噛合するピニオン14とを備えている。
【0015】ピニオン14は、前記スプール軸5と一体的に延出し、右側板3bに軸受15を介して回転可能に支持されたピニオン軸5bに設けられており、このピニオン軸5bに沿って軸方向に移動可能となっている。また、ピニオン14の外周には、円周溝14aが形成されており、この円周溝に、後述するクラッチ機構の作動部材21が係合して、ピニオン14を軸方向に移動することによって駆動力が継脱されるようになっている。
【0016】すなわち、ピニオン14の端部には、嵌合部が形成されており、ピニオン14が作動部材によってスプール側に移動されて、その嵌合部がスプール軸の端部に形成されている断面非円形の係合部5cに嵌合することで駆動力伝達状態(クラッチON状態)となり、また、ピニオン14が作動部材によって右側板側に移動されて、嵌合部が係合部5cから外れることで駆動力非伝達状態(クラッチOFF状態)となる。
【0017】前記クラッチ機構は、右フレーム2bに沿って摺動可能に配設されたクラッチ作動プレート20と、このクラッチ作動プレートを駆動するようにリール本体に対して変位自在(回動可能)に支持された切換操作部材30とを有している。
【0018】この切換操作部材30は、リール本体から延出し、リール本体に変位自在に支持された連結部31と、この連結部31の先端部分に取り付けられ、指によって操作が行なわれる操作部32とを備えている。本実施の形態における連結部31は、加工性、組み付け性が良いように板状に形成されており、その基端部には、右側板側から右フレームに向けて挿入、抜け止め支持され、所定の角度だけ回動可能に支持された支軸35が回り止め固定されている。また、支軸35の内側端部には、前記クラッチ作動プレート20に形成された長孔20aに挿入される係合ピン35aを具備した作動体35bが回り止め固定されている。
【0019】前記操作部32は、例えば、真鍮、ステンレス材等の金属材料で円柱状に形成されて表面が防食処理(メッキ等)されており、その中心に軸方向に突出する軸部32aが一体的に形成されている。この軸部32aは、板状の連結部31の先端に形成された貫通孔31aにスプール側から挿入されており、連結部31と面接するように介在されるアルミ、真鍮等によって形成されたカラー33の外側面において、カシメによって抜け止め固定されている。
【0020】この場合、カラー33の外側面には、凹所33aが形成されており、この部分にカバー部材40が圧入、接着等によって、あるいは弾性係止等(カバー部材を弾性変形可能な素材で形成しておく)の手段によって装着されており、カシメによる結合部分を外部に露出させないようにしている。なお、このような凹所33aが形成されたカラー33を介在することで、連結部31の構成を簡略化することが可能になる。
【0021】また、前記支軸35も同様に、連結部31と面接するように介在されるカラー34の外側面においてカシメによって固定されており、その部分にカバー部材41が圧入、接着、弾性係止等の手段によって装着されてカシメによる結合部分を外部に露出させないようにしている。
【0022】前記クラッチ作動プレート20は、切換操作部材30の回動操作に伴い、前記ピニオン14の円周溝14aに嵌合した作動部材21を駆動して、ピニオン14を軸方向に移動させる。なお、図1は、ピニオン14がスプール軸の端部に形成されている係合部5cに嵌合したクラッチON状態を示しており、この状態で切換操作部材30を回動操作すると、ピニオン14は、作動部材21によって右側に移動され、スプール軸の端部に形成されている係合部5cから外れてクラッチOFFになる。
【0023】また、上述した制動装置は、駆動歯車13に形成された凹所に複数枚の摩擦板50を収容した、いわゆる多板式の制動方式で構成されており、ハンドル軸9の端部に取り付けられた調節部材51を回転操作することで、前記摩擦板に対する押圧力を強弱に加減し、これによって、スプール5aの釣糸繰り出し方向への回転に所望の制動をかけるようになっている。
【0024】上述したように構成される魚釣用リールによれば、ハンドル8を巻取り操作することで、スプール5aは、駆動歯車13及びピニオン14を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。また、切換操作部材30を操作することで、クラッチ機構がOFFとなり、スプール5aをフリー回転可能な状態にすることができる。
【0025】このような構成において、切換操作部材30の、腐食し易いと共に指による操作時に触れ易い結合露出部分(カシメ部分、あるいはネジによって固定する場合はネジ頭部分等)をカバー部材40で覆って外的保護しているので、環境の厳しい釣り場での使用に対しても、腐食発生、異物付着等を確実に防止でき、結合部分における強度低下を回避することができる。また、カシメ後のバリ、ネジ頭等の突出する部分がカバー部材40によってカバーされたことで、その部分に指が触れるようなことも無く、切換操作性の向上が図れる。なお、このような作用効果は、切換操作部材30の基端部におけるカバー部材41の部分においても同様に得られる。
【0026】また、上述した構成において、板状に形成された連結部31は、図に示すように、その操作部側が、所定のシフト量Xだけハンドル8側に屈曲形成されていることが好ましい。このような構成によれば、操作部32がハンドル8に近付く配置構成となるため、ハンドルの回転操作を行ないながら、状況に応じた切換操作部材による切換操作が容易に行なえるようになる。
【0027】図3は、上記した実施の形態の変形例を示す図である。この変形例は、連結部31の先端部に凹所31bを形成しておき、この凹所内で軸部32aのカシメを行なうと共に、この凹所に直接、カバー部材40を圧入、接着、弾性係止等の手段によって装着したものであり、カラーを介在させない構成例を示している。
【0028】このような構成においても、カシメによる結合部分が外部に露出しないことから、図2に示した構成と同様な作用効果を得ることができる。
【0029】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、図に示したような両軸受リールに限られず、スピニングリール等、他の形式の魚釣用リールに適用することが可能であり、例えば、各種魚釣用リールのリール本体に変位自在に支持された、各種の切換操作部材(例えば、ストッパーレバー、ドラグ切換レバー、クリックレバー等)において適用することが可能である。
【0030】また、本発明における切換操作部材を構成するリール本体に変位自在に支持される連結部としては、図1に示すハンドル8の連結レバー8aを含み、また、そのような連結部に結合される操作部としては、ハンドルツマミ8bを含む概念であり、両者を連結するリベット等の結合部分において、上記したようなカバー部材を装着したものであっても良く、この場合においても前記と同様な作用効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、リール本体に変位自在に支持されている各種の切換操作部材の操作性の向上が図れると共に、そのような切換操作部材の耐久性および強度の向上が図れ、支障なく長期間使用できる魚釣用リールが得られる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【代理人】 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
【公開番号】 特開2002−253092(P2002−253092A)
【公開日】 平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願番号】 特願2001−61039(P2001−61039)