| 【発明の名称】 |
魚釣用具 |
| 【発明者】 |
【氏名】小池 守
【氏名】松橋 学
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| 【要約】 |
【課題】電気的腐食の発生し難い構成の魚釣用具を提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁被膜で保護された卑金属で形成された本体部材6に、取付部品8を組み付けた魚釣用具において、本体部材6に取付部品を取り付け固定する固定部材20を、Fe成分が0.6重量%以下、Cu成分が0.2重量%以下、Ni成分が0.1重量%以下、Ti成分が0.03重量%以下のアルミニウム合金で形成したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁被膜で保護された卑金属で形成された本体部材に、取付部品を組み付けた魚釣用具において、前記本体部材に取付部品を取り付け固定する固定部材を、Fe成分が0.6重量%以下、Cu成分が0.2重量%以下、Ni成分が0.1重量%以下、Ti成分が0.03重量%以下のアルミニウム合金で形成したことを特徴とする魚釣用具。 【請求項2】 前記魚釣用具は、釣糸を巻回保持可能な魚釣用リールであることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用具。 【請求項3】 前記本体部材を構成する卑金属は、マグネシウム合金又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用リール等、海辺で使用される魚釣用具に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的に、魚釣用リール等の魚釣用具は、操作性を向上させると共に、強度を向上させるため、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの卑金属にて本体部分を形成して軽量・高剛性を図ろうとしている。また、魚釣用具は、磯や船などの海のそばで用いられることが多く、上記のように卑金属にて本体部分を形成する場合、電気的な腐食を防止すべく、表面に絶縁被膜を形成することが必須の構成となっている。 【0003】そして、上記したように構成された魚釣用具の本体部分には、通常、これに関連して各種の取付部品が、SUSや鉄、真鍮によって形成されたビス、リベット等の固定部材によって取り付けられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記したように、本体部分を卑金属にて形成した場合、その表面には絶縁被膜を形成することが一般的に行なわれており、固定部材が取り付けられる部分の表面(例えば、雌ネジ部の表面)にも、そのような絶縁被膜を形成することから、両者の間では、電位差に基づく腐食(電気的腐食)は発生しない、と考えられてきた。 【0005】ところが、場合によっては、固定部材と本体部分との間で腐食が発生することがある。これについては、固定部材の取り付け作業時において、卑金属表面に形成された絶縁被膜を剥離させてしまうことがあり、これが原因で、両者の間に電位差が生じて電気的腐食が発生するのである。 【0006】本発明者らは、このような固定部材の取り付け作業時には絶縁被膜を剥離させ易く、これが原因で本体部材側に電気的な腐食を発生させる、という問題が生じることを見出し本発明を着想するに至った。 【0007】すなわち、本発明は、卑金属で形成された本体部材に、ビス等の固定部材を用いて取付部品を取り付けている魚釣用具において、本体部材側の電気的腐食を効果的に防止する構成を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明は、絶縁被膜で保護された卑金属で形成された本体部材に、取付部品を組み付けた魚釣用具において、前記本体部材に取付部品を取付け固定する固定部材を、Fe成分が0.6重量%以下、Cu成分が0.2重量%以下、Ni成分が0.1重量%以下、Ti成分が0.03重量%以下のアルミニウム合金で形成したことを特徴としている。 【0009】上記のように固定部材を、卑金属であるアルミニウム合金とすることで、卑金属である本体部材の絶縁被膜が剥離したとしても、本体部材と固定部材との間での電位差は少ないことから、本体部材の電気的腐食を抑制することができる。ただし、この場合、アルミニウム合金として添加される成分である鉄・銅・ニッケル・チタン等の成分が多くなると、合金成分と本体部材の卑金属との間で電気的腐食が発生する傾向が強まるため、少なくとも、上記した各添加成分の重量比率を上記した範囲内に設定しておく。なお、上記した各添加成分は、すべての成分が含まれなくても良く、いずれかの成分の比率が0重量%であっても良い。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る魚釣用具の一実施の形態について、添付図面に沿って具体的に説明する。 【0011】図1は、魚釣用具として、釣糸が巻回保持される魚釣用リール(スピニングリール)を例示している。魚釣用リール1は、リール脚2を有するリールボディ3と、このリールボディ3の前方において、ハンドル4の巻取り操作により回転駆動するロータ5と、ロータ5に設けられた一対のベール支持腕(片方のみ図示)6間で、ハンドル4の巻取り操作によって前後動するスプール7とを備えている。各ベール支持腕6には、夫々ベール8aの基端を取り付けたベール支持部材8が回動可能に支持されており、一方のベール支持部材8には、釣糸案内部材(図示せず)が設けられている。 【0012】そして、釣糸は、ハンドル4を巻取り操作することで、ロータ5と共に回転する釣糸案内部を介して、前後動するスプール7に均等に巻回保持される。 【0013】上記した構成において、ベール支持部材8は樹脂等によって形成されており、図2及び図3に示すように、ベール支持腕6に対し、ビス(固定部材)20を介して回動可能に支持されている。すなわち、ベール支持腕6には、雌ネジ部6cが形成された保持部6aが突出形成されており、この保持部6aにベール支持部材8に形成された係合部が配され、ビス20を嵌め込むことで、ベール支持部材8は、ベール支持腕に対し回動可能に抜け止め支持されている。 【0014】上記したベール支持腕6は、ロータ5と共に、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の卑金属で一体的に形成されて軽量・高剛性を実現させており、その表面には、絶縁被膜6bが形成されている。そして、この絶縁被膜6bは、ビス20が螺入される前記雌ネジ部6cの表面部分にも形成されている。 【0015】このような取付構造において、上記ビス20は、ベール支持腕と同様な卑金属であるアルミニウム合金によって形成されている(表面に絶縁層が形成されていても良い)。この場合、アルミニウム合金としては、鉄、銅、ニッケル、チタン等の成分が添加されるが、各成分の添加比率は、Fe成分が0.6重量%以下、Cu成分が0.2重量%以下、Ni成分が0.1重量%以下、Ti成分が0.03重量%以下となるように定められる。具体的にこのような合金としては、例えば、JIS規格のA5056材、A5052材等が好ましい材料として挙げられる。 【0016】あるいは、上記したアルミニウム合金以外にも、例えば、亜鉛合金、マグネシウム合金、樹脂等を用いても良い。 【0017】ベール支持腕6と接触するビス20を、卑金属であるアルミニウム合金とし、そこに添加される各成分比率を上記のように設定しておくことで、ベール支持腕6とビス20との間の電気的腐食が防止できると共に、ビス20の取り付け作業時等において、ベール支持腕6の表面に形成されている絶縁被膜6bを剥離させて両者が部分的に直接接触しても、両者の間の電位差が小さいことから、電気的導通を少なくすることができ、これにより、卑金属構成部材であるベール支持腕6の電気的腐食を回避することが可能になる。 【0018】また、上記した本体部材となるベール支持腕6を形成する卑金属材料としては、イオン化傾向の大きいもの、例えば、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム合金、アルミニウム合金等を用いることができるが、これらの材料の内でも、マグネシウム合金を用いることが好ましい。すなわち、従来、マグネシウム合金は、卑金属の中でも格段に軽量でありながら電気的腐食が発生し易いため、魚釣用具として用いることが難しかったが、上記したような構成にすることで、電気的腐食を効果的に防ぐことが可能になり、この結果、軽量・高剛性で高耐久性の魚釣用リールを容易に構成でき、釣人の負担を大幅に軽減することが可能となる。 【0019】また、魚釣用リールは、磯や船などの足場が不安定なところで使用することが多く、誤って落下させて傷等を付け易い環境で使用されるため、傷や変形を効果的に防止するべく、傷の付きやすい部分にSUS等の貴金属、又は金属や樹脂で形成された母材の表面にクロムメッキやニッケルメッキ等の貴金属の表面処理を施した高強度部材が本体部材の保護部品として用いられるのが一般的となっている(例えば、図1に示すスピニングリールでは、リールボディ3の後端部に保護部品13が取り付けられ、ベール支持腕6の表面に保護部品16が取り付けられている)。 【0020】ところが、前記の貴金属が使用された保護部品は、卑金属で形成された本体部材との間で電位差が大きいため、電食(電気的腐食)が生じ易い。すなわち、上記した構成と同様な構成のビス22を用いて保護部品を装着しても、ビス22と保護部品が接触・導通し、本体部材と保護部品とに大きな電位差を生じさせてしまうため、本体部材に傷等があると、その部分から腐食が進行する可能性がある。 【0021】このため、ビス20と同様な構成のビス22を用いて、上記したような保護部品13,16を取り付けるに際しては、ビス22と保護部品13,26との間に、両者の間で電気的導通を絶縁する絶縁部を設けておくことが好ましい。具体的には、ビス22の頭部の裏面と保護部品表面との間に、樹脂カラー(樹脂ワッシャ)を介在させたり、保護部品表面の、ビス22が接触する部分に、樹脂コーティングやゴムコーティングを施したり、或いは、両者の間に絶縁機能を有する接着材を流し込む、等の手段を講じれば良い。 【0022】また、上記したような保護部品13,16を取り付ける構造では、更に、卑金属で形成された本体部材と保護部品との間に絶縁部材を介在しておくことが好ましい。このような絶縁部材を介在させることで、両者の取り付け時に発生する傷の付着を回避することができ、確実に電気的腐食を防止することが可能となる。 【0023】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、種々変形することが可能である。例えば、固定部材は、ビスとして構成したが、それ以外にも、例えば、リベットとして構成されていても良い。また、本発明は、魚釣用リール以外、例えば、釣竿、竿掛け等の魚釣用具においても適用することが可能である。更に、本発明における本体部材、及び取付部品とは、卑金属で形成された部材に対して取り付けられる部品との間で定義されたものに過ぎず、その魚釣用具を構成する部品名によって定義されるものではない。 【0024】 【発明の効果】本発明によれば、絶縁被膜で保護された卑金属によって形成された本体部材に取付部品をビス等の固定部材によって取り付けた魚釣用具において、本体部材に電気的腐食の発生し難い構成の魚釣用具が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月2日(2001.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097559 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−253089(P2002−253089A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−58694(P2001−58694) |
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