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【発明の名称】 係留金具
【発明者】 【氏名】木根 博文

【要約】 【課題】犬などのペットを引き紐によって所定の場所へ繋ぎ止めておく場合に用いる係留金具として、設置用ベースと、このベースに対して遊動自在に連結された基部側連結部材と、この基部側連結部材に連結された先側連結部材と、この先側連結部材に設けられるリング等より成る紐連結具とを有したものがあった。この係留金具では、基部側連結部材と先側連結部材との連結間が伸縮しない構造であったので、ペットが引き紐を引っ張る方向へ突進を繰り返したようなときに、ベースの固定状態が壊されることがあった。

【解決手段】基部側連結部材3と先側連結部材5との連結間を伸縮自在な構造とし、且つバネ13,14によって相互近接方向に付勢される構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 設置用ベース(2)と、該ベース(2)に対して遊動自在に連結された基部側連結部材(3)と、該基部側連結部材(3)に連結軸(4)を介して連結された先側連結部材(5)と、該先側連結部材(5)に設けられる紐連結具(6)とを有しており、上記基部側連結部材(3)と先側連結部材(5)とが、連結軸(4)を軸心において相対回動自在で且つ連結軸(4)の軸方向に沿って相互近接離反自在に保持されていると共に、相互近接方向へ向けてバネ付勢されていることを特徴とする係留金具。
【請求項2】 前記連結軸(4)は、基部側連結部材(3)及び先側連結部材(5)の双方に対して貫通する部分を有して設けられており、それぞれ各部材(3,5)を貫通した両端側に抜け止め部(10,11)が設けられていると共に、基部側連結部材(3)に対する貫通部分と同側の抜け止め部(10)との間、及び先側連結部材(5)に対する貫通部分と同側の抜け止め部(11)との間の双方に、相互近接付勢用の圧縮バネ(13,14)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の係留金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紐の一端部を所定位置に固定しておくのに利用できる係留金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】犬などのペットを引き紐によって所定の場所へ繋ぎ止めておく場合に、図4に示すような係留金具100を用いることがある。この係留金具100は、設置用ベース101と、このベース101に対して遊動自在に連結された基部側連結部材102と、この基部側連結部材102に連結された先側連結部材104と、この先側連結部材104に設けられるリング等より成る紐連結具105とを有している。
【0003】ベース101に対する基部側連結部材102の遊動とは、ベース101を中心として基部側連結部材102が旋回したり上下揺動したりする状態を言う。上記基部側連結部材103と先側連結部材104との間は、連結軸106によって連結されており、この連結軸106を軸心としてそのまわりで相対回動自在になっている。ベース101は、スクリュウネジ107等によって地盤108上に固定されており、紐連結具105には、引き紐109の一端部を例えばフック具110によって繋ぎ止めるようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の係留金具100では、ベース101から紐連結具105の間が軸方向に剛体(伸縮しない構造)であったため、ペットが引き紐109を引っ張る方向へ突進を繰り返したようなときに、ベース101を固定するスクリュウネジ107の部分に負荷が集中して、このスクリュウネジ107が地面108から抜けてしまったり、引き紐109を介してその先の首輪(図示略)等がペット自身に食い込んでペットを負傷させたりするおそれがあった。
【0005】そこで、これらの不具合を解消する対策として考えられることは、例えば紐連結具105(リング等)をゴムリング等として、その径方向の弾性変形を可能にさせ、これによって引き紐109に伸縮方向の遊びを持たせるようにすることである。しかし、このような対策を講じた場合、紐連結具105が弾性強度を超えて引き千切れたり、弾性の限界を超えて原形復帰をしなくなったり、或いは材質劣化を原因として千切れたり、ペットによって噛み切られたりするということが予測される。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、紐連結具を弾性材製とした場合に予測される各種不具合を未然に防止しつつ、従来の欠点を解消除去できるようにした係留金具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係る係留金具は、設置用ベースと、このベースに対して遊動自在に連結された基部側連結部材と、この基部側連結部材に連結軸を介して連結された先側連結部材と、この先側連結部材に設けられる紐連結具とを有している。そして、上記基部側連結部材と先側連結部材とは、連結軸を軸心において相対回動自在になっている。
【0008】また、上記基部側連結部材と先側連結部材とは、連結軸の軸方向に沿って相互近接離反自在に保持されている。また更に、これら基部側連結部材と先側連結部材とは、相互近接方向へ向けてバネ付勢されている。このような構成であると、基部側連結部材と先側連結部材との間で許容されている相互近接離反動作を元にして、紐連結具に繋いだ引き紐等に対し、その伸縮方向への遊びを持たせることができる。そのため、ペットが引き紐を引っ張る方向へ突進を繰り返したようなときに、ベースの固定状態が壊されることがなくなり、また引き紐を介してその先の首輪等がペット自身に食い込んでペットを負傷させることも防止できる。
【0009】勿論、紐連結具自体に弾性変形を起こさせるものではないので、この紐連結具として金属製リングとする等、剛体化することができ、従って紐連結具の千切れ等の各種不具合が起こることもない。なお、上記した連結軸は、基部側連結部材及び先側連結部材の双方に対して貫通する部分を有して設けられたものとし、それぞれ各部材を貫通した両端側に抜け止め部を設け、そのうえで、基部側連結部材に対する貫通部分と同側の抜け止め部との間、及び先側連結部材に対する貫通部分と同側の抜け止め部との間の双方に、相互近接付勢用の圧縮バネを設ける構造とすることができる。
【0010】このようにダブルでバネを設けることで、確実且つ強力で、寿命の長いバネ力を得ることができることになる。また、このバネとして圧縮バネを使用していることは、基部側連結部材と先側連結部材との間に引張バネを介在させる構造とは異なり、バネに対して弾性の限界を超えるような外力が作用することがなく、それだけ係留金具としての破損に繋がらないという利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。図1及び図2は、本発明に係る係留金具1の第1実施形態を示している。この係留金具1は、設置用ベース2と、このベース2に対して遊動自在に連結された基部側連結部材3と、この基部側連結部材3に連結軸4を介して連結された先側連結部材5と、この先側連結部材5に設けられる紐連結具6とを有している。
【0012】基部側連結部材3及び先側連結部材5は、板金折り曲げ加工によって形成されたものであり、Uターン状に折り返された部分でそれぞれ輪部3a,5aを形成している。基部側連結部材3の輪部3aにはベース2との連結を行う連結リング8が遊嵌され、先側連結部材5の輪部5には、上記紐連結具6(リング形)が遊嵌されている。一方、基部側連結部材3において輪部3aとは反対側となる端部、及び先側連結部材5において輪部5aとは反対側となる端部には、折り返された板端同士を揃えて重ね合わせることで、それらの重ね合わせ間に上記連結軸4用の抱持部3b,5bが形成されている。
【0013】これら抱持部3b,5bは、スポット溶接やカシメなどにより板端同士の重ね合わせ状態が外れないようになっている。連結軸4は、基部側連結部材3に対してはその抱持部3bを貫通して輪部3a内へ突き出るようになされ、また先側連結部材5に対してはその抱持部5bを貫通して輪部5a内へ突き出るようになされている。そして、基部側連結部材3の輪部3a内へ突き出た先端側には径大化された抜け止め部10が設けられ、また先側連結部材5の輪部5a内へ突き出た先端側には径大化された抜け止め部11が設けられている。
【0014】この状態で、基部側連結部材3の輪部3a内には、抱持部3bと抜け止め部10との間に介在するようにして、軸方向圧縮を受けた状態でバネ13が装填され、同様に先側連結部材5の輪部5a内には、抱持部5bと抜け止め部11との間に介在するようにして、軸方向圧縮を受けた状態でバネ14が装填されている。15,16は、それぞれバネ押さえ座である。従って、基部側連結部材3と先側連結部材5とは、連結軸4を軸心としてそのまわりで相対回動自在になっていると共に、連結軸4の軸方向に沿って相互近接離反自在で、相互近接方向へ向けてバネ付勢されていることになる。
【0015】図例の上記ベース2は、取付孔18を有した座板部19に対して上記連結リング8を挿通する支持軸20が立設され、この支持軸20の上端部に抜け止め用頭部21が設けられたもので、連結リング8は、支持軸20を中心とした水平旋回と、支持軸20に沿った上下動及び傾動が自在な状態で保持されている。取付孔18には、この係留金具1を固定しようとする地面に応じて、スクリュウネジや釘、アンカー杭等を打ち込めばよい。以上の説明から明らかなように、この係留金具1では、紐連結具6に引き紐(図4中の符号109参照)を繋いで、その引き紐の先端に首輪等を介してペットを繋いだ場合に、ペットが暴れて引き紐を引っ張る方向へ突進を繰り返すことがあったとしても、基部側連結部材3と先側連結部材5との間の相互近接離反動作によって、ベース2への負荷を緩和できることになる。
【0016】そのため、このベース2を地面へ固定した状態が壊されることが防止でき、また引き紐を介してその先の首輪等がペット自身に食い込んでペットが負傷するということも防止できる。なお、ペットの動きは、連結軸4を中心とした基部側連結部材3と先側連結部材5との相対回動をはじめ、先側連結部材5と紐連結具6との遊嵌状態、基部側連結部材3と連結リング8との遊嵌状態、連結リング8とベース2との水平旋回及び上下動等の自在状態、更には紐連結具6に対する引き紐のフック具(図4中の符号110参照)の遊嵌状態等々により、殆ど制限されない。
【0017】図3は、本発明に係る係留金具1の第2実施形態を示している。この第2実施形態の係留金具1が上記第1実施形態と異なるところは、唯一、ベース2に対して、その座板部19に対して下方へ延びるアンカー杭25が設けられている点にある。このアンカー杭25には、その先端寄りに抜け止め用のフィン26が設けられている。言うまでもなく、この第2実施形態の係留金具1は、固定しようとする地盤が土質(殊に軟弱地盤等)である場合に好適に使用されるものとなる。
【0018】ところで、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。例えば、この係留金具1は、ペット用に使用することが限定されるものではない。また、この係留金具1を設置する面も、地面に限らず、コンクリート面や建物内の床面等としてもよい。ベース2、基部側連結部材3、先側連結部材5、紐連結具6における各細部形状や、ベース2と基部側連結部材3との連結構造等は、何ら限定されるものではない。
【0019】バネ13,14の代わりに、基部側連結部材3と先側連結部材5との間に引張バネを介在させる構造としてもよい。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る係留金具では、基部側連結部材と先側連結部材とが相互近接離反自在であって且つ相互近接方向へバネ付勢されているので、紐連結具に繋いだ引き紐等に対し、その伸縮方向への遊びを持たせることができ、結果、従来の各種欠点を解消除去できる。また、紐連結具自体に弾性変形を起こさせることで予測される不具合も、未然に防止できる。
【出願人】 【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
【出願日】 平成13年3月2日(2001.3.2)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2002−253079(P2002−253079A)
【公開日】 平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願番号】 特願2001−59029(P2001−59029)