| 【発明の名称】 |
魚釣用電動リール |
| 【発明者】 |
【氏名】丸山 憲二
|
| 【要約】 |
【課題】反ハンドル側側板の保持性が良好で、且つ、スプールへの釣糸の均一な巻取りが可能な魚釣用電動リールの提供。
【解決手段】魚釣用電動リールは、手動ハンドル47を有し、手動ハンドル47は、リール本体1の一部をなす右側板3bに設けられている。又、スプール4と手動ハンドル47とを駆動連結する手動駆動連結機構と、スプール4とスプール駆動モータ31とを駆動連結する電動駆動連結機構と、手動ハンドル47又はスプール駆動モータ31とレベルワインド機構とを駆動連結するレベルワインド機構駆動連結機構と、スプール4と手動・電動駆動連結機構との駆動連結を遮断するクラッチ機構の駆動連結機構とを有する。これらの駆動連結機構は、手動ハンドル47が設けられている右側板3b内に収納されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体の両側板間に回転可能に支承されたスプールと、前記両側板間に設けられて前記スプールに電動駆動連結機構にて駆動連結されたスプール駆動モータと、前記両側板のいずれか一方に設けられて前記スプールに手動駆動連結機構にて駆動連結された手動ハンドルと、前記スプールと前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構との駆動連結中に設けられて前記スプールと前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構との駆動連結を遮断するクラッチ機構と、前記両側板間の前記スプールの前方に設けられたレベルワインド機構の駆動軸と前記スプール又は前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構とを駆動連結したレベルワインド機構の駆動連結機構とを備えた魚釣用電動リールにおいて、前記手動ハンドルを設けた側板内に前記手動駆動連結機構と共に前記電動駆動連結機構、前記クラッチ機構及び前記レベルワインド機構の駆動連結機構を収納してなることを特徴とする魚釣用電動リール。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は魚釣用電動リールに関し、特に手動ハンドル、スプール駆動モータ、クラッチ機構、及びレベルワインドを備えた魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、リール本体の両側板間に回転可能に支承されたスプールを、スプール駆動モータにて駆動するタイプの魚釣用電動リールが知られている。 【0003】実公平6−5744号公報には、リール本体内部であって且つスプール内部以外の部分にスプール駆動モータが設けられている魚釣用電動リールが記載されている。この魚釣用電動リールでは、リール本体の一部を構成する左右の側板が設けられており、右側側板には手動ハンドルが回転可能に支承されている。又、両側板間には、スプールが回転自在に支承されており、手動ハンドルの回転をスプールへ伝達させるための手動駆動連結機構が、手動ハンドルの設けられている側の側板内、即ち、リール本体内部であって手動ハンドルの支承されている側板近傍と、リール本体内部であって手動ハンドルの支承されている側板とは反対側の側板近傍、即ち、反ハンドル側側板近傍とに収納されている。左右の側板近傍に設けられた手動駆動連結機構間は、両側板間に掛け渡され手動駆動連結機構の一部をなす駆動軸によって駆動連結されている。リール本体にはスプール駆動モータが設けられており、スプール駆動モータの回転をスプールへ伝達させるための電動駆動連結機構が、リール本体内部の反ハンドル側側板近傍に収納されている。 【0004】スプールは、両側板間に掛け渡された駆動軸に外装された状態で設けられており、駆動軸に対して同軸的に自由回転可能に構成されている。駆動軸の左側板近傍、即ち、反ハンドル側側板近傍には、スプールへ回転を伝達するための爪車が設けられており、また、爪車に対して手動ハンドルから回転を伝達させるかスプール駆動モータから回転を伝達させるかの駆動連結の切換えを選択的に行うための切換機構が設けられている。 【0005】実開平1−105468号全文明細書には、左右2つの側板が設けられ、手動ハンドルの回転をスプールへ伝達させるための手動駆動連結機構と、スプール駆動モータの回転をスプールへ伝達させるための電動駆動連結機構とが、手動ハンドルの取付けられた右側板近傍に収納された魚釣用電動リールが開示されている。 【0006】この魚釣用電動リールには、スプール上に釣糸を均一に巻回するためのレベルワインドが設けられており、手動ハンドル又はスプール駆動モータの回転をレベルワインドへ伝達させるためのレベルワインド駆動連結機構が、反ハンドル側側板近傍に設けられている。スプール駆動モータ又は手動ハンドルの回転は、両側板間に掛け渡されレベルワインド駆動連結機構の一部をなすスプール軸を介してレベルワインド機構へと伝達されるように構成されている。 【0007】特開昭62−175126号公報には、実開平1−105468号全文明細書に開示されている魚釣用電動リールと同様、手動ハンドルの回転をスプールへ伝達させるための手動駆動連結機構と、スプール駆動モータの回転をスプールへ伝達させるための電動駆動連結機構とが、リール本体内であって手動ハンドルの取付けられた側板近傍に収納された魚釣用電動リールが開示されている。但し、この魚釣用電動リールには、スプール上に釣糸を均一に巻回するためのレベルワインド機構は設けられていない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、実公平6−5744号公報に記載されているような、従来の魚釣用電動リールでは、リール本体内の左右側板各々の近傍に、電動駆動連結機構、手動駆動電動機構の収納スペースをそれぞれ設けなければならないため、左右の側板がリール本体外方へ大きく突出してしまい、釣糸巻取り時に反ハンドル側側板を釣人が手で持つ場合の保持性に問題がある。 【0009】又、リール本体内の左右両側板近傍それぞれに収納された電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構とスプールとの連結を、反ハンドル側側板近傍に設けられた切換機構にて選択的に行う構成とし、手動ハンドルの回転を、両側板間に掛け渡された駆動軸を介して左側板近傍に設けられた手動駆動連結機構から右側板近傍に設けられた手動駆動連結機構へと伝達する構成としたため、部品点数が可及的に増大して機構の複雑化を招くのみならず、重量増大をも招いていた。又、手動・電動駆動連結機構が左右両側板近傍と左右両側板間とに亘って組込まれる構成であるため、これらのリール本体への組込み作業が困難であり、更に、作動不良時の修理や使用後のメンテナンスも困難であった。 【0010】又、実開平1−105468号全文明細書に開示されている従来の魚釣用電動リールでは、手動・電動駆動連結機構はハンドルの設けられている右側の側板近傍に収納されているのであるが、反ハンドル側側板である左側板近傍にはレベルワインド駆動連結機構が収納されるため、レベルワインド駆動連結機構の収納スペースを確保しなければならず、実公平6−5744号公報記載の魚釣用電動リールと同様に、両側板がリール本体外方へ大きく突出していた。又、レベルワインド駆動連結機構の一部をなすスプール軸を介して、右側板側における手動ハンドルの回転又はスプール駆動モータの回転を、左側板近傍に設けられたレベルワインド駆動連結機構の一部へと伝達し、レベルワインド機構へと伝達させているため、実公平6−5744号公報記載の魚釣用電動リールにおいて生じていた問題を解決することはできなかった。 【0011】又、特開昭62−175126号公報に記載されている従来の魚釣用電動リールでは、レベルワインド機構が設けられていないため、スプールへの釣糸の均一な巻取りができないといった問題があった。【0012】そこで本発明は、反ハンドル側側板の保持性が良好で、且つ、スプールへの釣糸の均一な巻取りが可能な魚釣用電動リールを提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体1の両側板3a、3b間に回転可能に支承されたスプール4と、前記両側板3a、3b間に設けられて前記スプール4に電動駆動連結機構17、20、24、25、26、27、28、46、66にて駆動連結されたスプール駆動モータ31と、前記両側板3a、3bのいずれか一方に設けられて前記スプール4に手動駆動連結機構13、17、19、20、23、24、28、66にて駆動連結された手動ハンドル47と、前記スプール4と前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構との駆動連結中に設けられて前記スプール4と前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構との駆動連結を遮断するクラッチ機構65と、前記両側板3a、3b間の前記スプール4の前方に設けられたレベルワインド機構29の駆動軸30と前記スプール4又は前記電動駆動連結機構及び手動駆動連結機構とを駆動連結したレベルワインド機構29の駆動連結機構16、32とを備えた魚釣用電動リールにおいて、前記手動ハンドル47を設けた側板3b内に前記手動駆動連結機構と共に前記電動駆動連結機構、前記クラッチ機構及び前記レベルワインド機構の駆動連結機構6、15a、15b、16、17、32、40、41、44、51、52を収納する。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明による魚釣用電動リールの実施の形態について、図1乃至図4に基づき説明する。魚釣用電動リールを構成するリール本体1には、釣糸を捲回するためのスプール4が回転可能に設けられている。スプール4の手前側にはクラッチOFFレバー5が、右側にはクラッチONレバー6(図3)が設けられている。リール本体1の右側には、手動ハンドル47が回転可能に設けられている。リール本体1の下部であってリール本体1の左右方向の略中央の位置には、リール脚39が設けられている。手動ハンドル47の内側にはドラグ調整ハンドル7が設けられており、釣糸をスプール4へ捲回する時のドラグ力の調整ができるようになっている。リール本体1の上部には、コントロールボックスC/B(図3)が設けられており、コントロールボックスC/Bの上面には図示せぬ船縁スイッチと、後述のスプール駆動モータ31用の図示せぬON/OFFスイッチとが設けられている。コントロールボックスC/Bの内部には図示せぬ制御基板を備えている。 【0015】リール本体1は、左右の枠板2a、2bを図示しない支柱にて所定の間隔で保持する枠体を備え、左右の枠板2a、2bの外側には左右の側板3a、3bを備えている。スプール4は、左右の枠板2a、2b間に回転可能に配置されている。手動ハンドル47の回転の軸をなすハンドル軸47aは、一方向回転軸受11にて逆回転を拘束されて、右枠板2bと右側板3bに回転可能に軸支されており、ハンドル軸47aの右端に手動ハンドル47が取付けられている。 【0016】ハンドル軸47aには主歯車13が相互回転可能に取付けられており、ドラグ調整ハンドル7とドラグ機構12とにより、ハンドル軸47aと主歯車13との間の摩擦結合力を調整できるように構成されている。ドラグ調整ハンドル7を手動ハンドル47の巻き取り方向と同方向に締め込むと摩擦結合力が強まり、大きな張力のかかった釣糸をスプール4に巻取ることができるようになる。ドラグ調整ハンドル7を前記と反対方向に緩めると、摩擦結合力が弱まり、大きな張力のかかった釣糸をスプール4から繰出することができるようになる。右側板3bとハンドル軸47a間には一方向回転軸受11を介在し、手動ハンドル47は釣糸巻き取り方向のみ回転可能に構成されている。 【0017】ハンドル軸47aと相互回転可能に設けられた主歯車13は、右側板3b近傍に設けられた第1歯車19に噛合している。第1歯車19は、後述する遊星歯車減速機構の第2腕輪23と一体回転可能に設けられている。第2腕輪23は略円盤状の部材により構成されており、略円盤状の部材と第1歯車19とは同軸的な位置関係で一体に回転可能に構成されている。略円盤状の部材には、その軸心から偏心した位置に、略円盤状の部材から第1歯車19の軸方向であって第1歯車19から離間する方向に延出する棒状の軸23aが設けられている。棒状の軸23aは、第2遊星歯車24を貫通しており、第2遊星歯車24は棒状の軸23aを中心に自転可能に構成されている。 【0018】リール本体1には、スプール駆動モータ31が設けられている。スプール駆動モータ31は、このモータ軸22が後述するスプール軸4aに平行な位置関係となるように配置されている。該モータ軸22の一端には第1太陽歯車27が設けられている。第1太陽歯車27が設けられているモータ軸22の他端とリール本体1との間には、一方向クラッチ31aが設けられており、モータ軸22の一方の回転は許容され、逆方向の回転は阻止されるように構成されている。第1太陽歯車27に対しては、第1太陽歯車27から離間してこれを取巻くように、筒状の内歯車20が設けられている。内歯車20と第1太陽歯車27との間には、内歯車20と第1太陽歯車27とにそれぞれ噛合した状態で設けられて後述の第1腕輪46に支承された第1遊星歯車25が設けられている。従って、第1遊星歯車25は、自転しながら内歯車20及び第1太陽歯車27と噛合しつつ第1太陽歯車27の回りを公転するように構成されている。 【0019】第1遊星歯車25は棒状の軸46aによって貫通されており、棒状の軸46aは第1腕輪46の一部を構成する。第1腕輪46は略円盤状の部材により構成されており、棒状の軸46aは、略円盤状の部材上の軸心から偏心した位置に、略円盤状の部材の軸方向であってスプール駆動モータ31に接近する方向に延出して設けられている。第1腕輪46を構成する略円盤状の部材の一方の側であって棒状の軸46aが設けられていない側には、第1腕輪46と同軸的且つ一体に回転する第2太陽歯車26が設けられている。前述の第2遊星歯車24は第2太陽歯車26に噛合しており、又、第2遊星歯車24と前述の内歯車20とは噛合している。従って、第2遊星歯車24は、第2腕輪23に設けられた棒状の軸23aを中心として自転しながら、内歯車20及び第2太陽歯車26と噛合しつつ第2太陽歯車26の回りを公転するように構成されている。 【0020】スプール軸4aは、左右側板3a、3b間に回転可能に支承されている。より具体的には、スプール軸4aは、軸受2c、3cを介して左枠板2a、右側板3bにそれぞれ軸支されている。スプール軸4a上であって左枠板2aに近い位置には、スプール4がスプール軸4aと同軸的に設けられている。スプール4は、スプール軸4aに固定された状態で設けられており、スプール軸4aと一体回転するように構成されている。スプール軸4a上であってスプール4の設けられている位置と右側板3bとの間には、スプール軸4aと同軸的にスプール軸4aに外装した状態で第1歯車17が設けられている。第1歯車17は、スプール軸4aの軸方向の略中央部に設けられた大径の歯車部17aと、その両側に設けられた小径部17b、17cとにより構成されている。スプール4のスプール軸4a上であってスプール4が設けられている位置から僅かに右側板3b寄りの位置には、クラッチ爪15bが設けられており、第1歯車17のスプール側の小径部17bの、クラッチ爪15bに対向している端部には、クラッチ爪15bと係脱可能に構成されたクラッチ爪15aが設けられており、クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとが係合しているときには、第1歯車17がスプール軸4a及びスプール4と一体回転可能に連結された状態となっている。クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとが、後述するクラッチ機構65によって連結を解除したときには、スプール4が自由回転するように構成されている。 【0021】第1歯車17は、前述の内歯車20と駆動連結されている。即ち、前述の内歯車20は、軸受19a、20aを介して、リール本体1に対して回転可能に構成されており、内歯車20の外周には内歯車20と一体回転可能な歯車66が設けられている。歯車66は、リール本体1に軸支されて設けられた連結歯車28と噛合しており、連結歯車28は第1歯車17の歯車部17aと噛合している。従って、スプール駆動モータ31や手動ハンドル47の回転が、回転する内歯車20や連結歯車28や第1歯車17を介してスプール軸4a及びスプール4へと伝達可能に構成されている。 【0022】一方、内歯車20には、歯車66と同軸的に一体回転するように歯車16が設けられており、歯車16はレベルワインド機構駆動連結機構を構成する従動歯車32に噛合している。従動歯車32は、トラバースカム軸(駆動軸)30の一端に設けられており、トラバースカム軸30の外周にはトラバースカム溝が刻設されている。トラバースカム軸30上には釣糸案内ホルダー29aが設けられており、トラバースカム溝には釣糸案内ホルダー29aの図示せぬ係合爪が係合している。従って、スプール駆動モータ31や手動ハンドル47の回転が、歯車16、従動歯車32を介して後述のレベルワインド機構29をなす釣糸案内ホルダー29aにも伝達するように構成されており、トラバースカム軸30の回転に伴い釣糸案内ホルダー29aが左右に移動して、釣糸をスプール4に均一に捲回するように構成されている。 【0023】左右の枠板2a、2b間には、上下方向に移動可能にクラッチOFFレバー軸5aが掛渡された状態で設けられており、このクラッチOFFレバー軸5aにクラッチOFFレバー5が設けられている。前記クラッチOFFレバー5を押下すると、右枠板2bに設けられた第2連結板44(図3)が連動してスプール軸4aを軸心として回動されるように構成されている。第2連結板44にはフォーク43が設けられており、前記フォーク43はスプール軸4aを回動軸芯として回動するカム板40に設けられた突起部40cに係合している。このため、クラッチOFFレバー5が押下られて第2連結板44が回動すると、第2連結板44によってカム板40もスプール軸4aを軸心として回動するように構成されている。 【0024】カム板40の、右側板3bに近い側の側面には、カム40a、40aが突設されている。また、シフター41が、リール本体1に対してスプール軸4aと平行に植設された突起部42により案内されスプール軸4aの軸方向に移動可能に設けられている。シフター41は、第1歯車17の他の小径部17cの端部付近に形成された環状溝に嵌合しており、シフター41の両端に配置されたバネ41a、41aによって、常時、第1歯車17と共に左側板3aに接近する方向、即ち、クラッチ爪15a、15bが係合しようとする方向へと付勢されている。 【0025】クラッチOFFレバー5が押下されると、カム板40がスプール軸4aを軸として回動し、カム板40上のカム40aがシフター41に当接し、カム40aによってシフター41が第1歯車17と共に、スプール軸4aの軸方向であって右側板3bへ接近する方向へ移動させられる。このことによって、クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとの係合が解除され、スプール軸4と一体に設けられたスプール4は、リール本体に設けられた何れの歯車とも駆動連結していない状態となり、自由回転可能な状態となるように構成されている。 【0026】クラッチOFFレバー5が、後述するクラッチONレバー6の操作により押下られていない状態にされて、カム板40のカム40aがシフター41に当接せずに、カム40aによってシフター41がリール本体1の右方向へ押圧されていない状態になると、シフター41が第1歯車17と共に、スプール軸4aの軸方向であって左側板3aへ接近する方向へ移動し、クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとが係合し、スプール駆動モータ31や手動ハンドル47からの回転がスプール4へと伝達可能な状態となるように構成されている。 【0027】右枠板2bには、図3、図4に示すように、クラッチONレバー6が設けられており、クラッチONレバー6は略「く」の字形状に屈曲している。クラッチONレバー6の「く」の字形状に屈曲した部分には、リール本体1に設けられた回動軸6aが貫通しており、クラッチONレバー6は回動軸6aを中心にして回動可能に構成されている。クラッチONレバー6の一端は、リール本体外部に露出しており、釣人により押下可能に構成されている。クラッチONレバー6の他端には、フォーク6bが設けられており、フォーク6bは突起部40cに係合している。このため、クラッチONレバー6が押下されると、図4においてカム板40がスプール軸4aを軸心として時計方向に回動するように構成されている。又、クラッチOFFレバー5が押下されると、クラッチONレバー6が図3において時計方向に回動して持ち上がり、クラッチONレバー6が押下可能な状態となるように構成されている。クラッチOFFレバー5、クラッチONレバー6とが、押下された状態又は押下可能な状態を保持すると共に、カム板40を所定の位置に振分け付勢することができるように、後述のデッドポイントバネ36が設けられている。 【0028】カム板40には、スプール軸4aの半径方向外側に延出する突出腕部40bが設けられており、突出腕部40bの先端部には、略長方形状をした板状のキック爪51の一端51aが軸止された状態で設けられている。一端51aには、前記デッドポイントバネ36がリール本体1との間に設けられており、クラッチOFFレバー5が押下された状態、又は、押下されていない状態を維持できるように構成されている。キック爪51の他端51bは、クラッチOFFレバー5が押下されているときに、主歯車13と同軸的且つ一体回転可能に設けられたラチェット52に噛合可能なように構成されている。クラッチOFFレバー5が押下され、ラチェット52とキック爪51の他の端部51bとが噛合可能な位置にある時に、手動ハンドル47が図4の時計方向に回転されると、ラチェット52がキック爪51を押し、カム板40がラチェット52の軸芯に対して図4の時計方向に回動される。この回動によって、カム板40を介してクラッチOFFレバー5は押下されていない状態となり、クラッチONレバー6は押下されている状態となり、クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとが係合し、手動ハンドル47及びスプール駆動モータ31の回転がスプール4へと伝達可能な状態となるように構成されている。 【0029】主歯車13、第1歯車19、第2腕輪23、第2遊星歯車24、内歯車20、歯車66、連結歯車28、第1歯車17は、手動駆動連結機構を構成する。第1太陽歯車27、第1遊星歯車25、第1腕輪46、第2太陽歯車26、第2遊星歯車24、内歯車20、歯車66、連結歯車28、第1歯車17は、電動駆動連結機構を構成する。歯車16、従動歯車32は、レベルワインド機構駆動連結機構を構成する。クラッチOFFレバー5の第2連結板44、クラッチONレバー6、ラチェット52、キック爪51、カム板40、シフター41、第1歯車17、クラッチ爪15a、クラッチ爪15bはクラッチ機構65の駆動連結機構を構成する。内歯車20、第2腕輪23、第2遊星歯車24、第1遊星歯車25、第2太陽歯車26、第1太陽歯車27、第1腕輪46は、遊星歯車減速機構64を構成する。これら、手動駆動連結機構、電動駆動連結機構、レベルワインド機構及びクラッチ機構65の駆動連結機構は、全て手動ハンドル47の設けられている側板3b内、即ち、リール本体1内部であって右側板3bの近傍に設けられている。 【0030】手動ハンドル47が時計方向に回転されると、手動ハンドル47の回転は、主歯車13、第1歯車19、第2腕輪23、第2遊星歯車24、内歯車20、歯車66、連結歯車28、第1歯車17、クラッチ爪15a、クラッチ爪15bの順に伝達され、スプール4に伝達されて、スプール4が巻取り方向に回転する。又、内歯車20と一体の歯車16から従動歯車32へと回転が伝達され、レベルワインド機構29へ伝達される。このため、トラバースカム軸30によりレベルワインド機構29が往復動される。この際、スプール駆動モータ31のモータ軸22は、一方向クラッチ31aによって回転が規制されているため、第1太陽歯車27の回転も規制されている。 【0031】スプール駆動モータ31が回転すると、スプール駆動モータ31の回転は、第1太陽歯車27、第1遊星歯車25、第1腕輪46、第2太陽歯車26、第2遊星歯車24の順に伝達され、内歯車20が減速回転される。内歯車20からスプール4、レベルワインド機構29へと回転が伝達されるのは、手動ハンドル47が回転されたときと同様である。この際、一方向回転軸受11によって主歯車13の反時計方向への回転が規制されているため、第2腕輪23の回転も規制されている。 【0032】クラッチOFFレバー5の押下操作を行うと、クラッチ爪15aとクラッチ爪15bとの係合が解除されクラッチOFFの状態となり、スプール軸4aと一体のスプール4は自由回転可能なフリー状態となり、仕掛けの重量によってスプール4から図示せぬ釣糸が繰出される。クラッチOFFレバー5が押下されている状態のときに、手動ハンドル47を時計方向に回転させるか、又は、クラッチONレバー6を押下すると、クラッチOFFレバー5が押下されていない状態となりクラッチONの状態となる。 【0033】リール本体1内部であって手動ハンドル47を設けた右側板3b近傍に、手動ハンドル47やスプール駆動モータ31からスプール4へと回転を伝達させるための手動駆動連結機構、電動駆動連結機構、クラッチ機構及びレベルワインド機構駆動連結機構を収納するようにしたため、手動ハンドル47を設けていない左側板3a近傍にリールの駆動に必要な部材を何等収納する必要がなくなり、これらの部材を収納するスペースを設ける必要もなくなる。このため、左側板3a外形の小型化を図ることができ、釣糸巻取り時における左側板3aの保持性の向上を図ることができる。 【0034】又、電動リールの駆動に必要な駆動連結機構等は、全て手動ハンドル47を設けた右側板3b近傍に集約して収納されるので、左右側板3a、3b近傍にそれぞれ設けられた駆動連結機構間を連結するための駆動軸等を左右側板3a、3b間に掛渡す必要がなくなり、部品点数の削減、機構の簡略化、重量の削減を図ることができる。 【0035】又、電動リールの駆動に必要な駆動連結機構等は、全て手動ハンドル47を設けた右側板3b近傍に集約して組込まれるので、これらのリール本体内への組込み作業の簡易化を図れるのみならず、作動不良時の修理や使用後のメンテナンス等も手動ハンドル47を設けた右側板3bを外すのみで容易に行うことができる。 【0036】又、レベルワインド機構29が設けられているため、スプール4の釣糸の均一な巻取りができるのであるが、このレベルワインド機構29とスプール駆動モータ31とを駆動連結する駆動連結機構も、手動ハンドル47を設けた右側板3b近傍に収納されているので、レベルワインド機構の作動不良時やメンテナンス時にも右側板3bを外すのみで容易に修理等を行うことができる。 【0037】本実施の形態による魚釣用電動リールでは、スプール駆動モータ31によって釣糸を巻取っているときであっても、手動ハンドル47を時計方向へ回転することができる。このため、スプール駆動モータ31によるスプール4及びレベルワインド機構29の作動に、手動ハンドル47の時計方向への回転によるスプール4及びレベルワインドの作動を併用できるので、何れか一方の高速な回転速度で追巻きをすることができ、スプール駆動モータ31への過度な負荷によるモータ焼損等の防止も図ることができる。 【0038】又、手動ハンドル47或いはスプール駆動モータ31によるスプール4への駆動伝達のONとOFFとを、第1歯車17に設けたクラッチ爪15aとスプール軸4aに設けたクラッチ爪15bにより行っているため、クラッチOFF時には、スプール4は全ての歯車から分離され、スプール4の回転摩擦抵抗は、スプール軸4aとリール本体1との間にある軸受のみとなり、軽い仕掛けでもその自重によりすばやく繰出すことができる。 【0039】本発明による魚釣用電動リールは上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、クラッチOFFレバー5は上下方向にスライド操作可能に設けられているが、公知技術であるリール本体の後部に回動操作可能に設けてもよい。 【0040】又、リール脚39は、リール本体1の下部であってリール本体1の左右方向の略中央の位置に設けられているが、リールの重心、即ち、手動ハンドル47の取付けられた右側板に寄せて設けられてもよい。このように重心位置にリール脚を設けると、釣竿取付け時のバランスがよくなるとともに、リールを取付けた釣竿と手動ハンドルとの距離を近接させることができるので、手動ハンドルによる釣糸の巻上げ動作の安定化を図ることができる。 【0041】又、本実施の形態においては、釣糸の繰出し時におけるスプールのフリー回転を実現するために、クラッチ機構65にて第1歯車17とスプール軸4aとの係合を遮断するようにしたが、歯車66と連結歯車28との間での駆動連結をクラッチ機構にて遮断したり、連結歯車28と第1歯車17との間での駆動連結をクラッチ機構にて遮断したりする等、本実施の形態においてクラッチ機構を設けた位置以外の位置において、駆動連結をクラッチ機構にて遮断するようにしてもよい。 【0042】本実施例においては、釣糸の繰出し時におけるスプール4のフリー回転を実現するためにレベルワインド機構29の従動歯車32を内歯車20に一体に設けられた歯車16に駆動連結したが、従動歯車32とスプール4とを駆動連結するようにしてもよい。このようにスプール4と駆動連結すると釣糸繰出し時においても釣糸案内ホルダーを往復させることができる。 【0043】又、リール本体の右側に手動ハンドルを設けたが、左側に設けてもよい。但し、この場合には、手動駆動連結機構、電動手動連結機構、クラッチ機構、及び、レベルワインド機構駆動連結機構をリール本体内部であって左側側板近傍に設ける必要がある。 【0044】 【発明の効果】請求項1記載の魚釣用電動リールによれば、手動ハンドルを設けた側板内に手動駆動連結機構と共に電動駆動連結機構とクラッチ機構とレベルワインドの駆動連結機構とを収納するため、手動ハンドルを設けていない側板内には、リールの駆動等に必要な機構を構成する部材を何等収納する必要がなく、これらを収納するスペースを設ける必要がないので、手動ハンドルを設けていない側の側板外形の小型化を図ることができ、釣糸巻取り時におけるリール本体の反ハンドル側側板の保持性の向上を図ることができる。 【0045】又、従来の魚釣用電動リールのようにハンドルを設けた側板内の駆動連結機構の一部から反ハンドル側側板内に設けられていた駆動連結機構の一部へと、回転を伝達し駆動連結するための駆動軸等を両側板間に掛渡す必要がなくなるため、部品点数の削減、機構の簡略化、重量の削減を図ることができる。 【0046】又、各駆動連結機構のリール本体への組込み作業の簡易化を図ることができるのみならず、作動不良時の修理や使用後のメンテナンス等も手動ハンドルを設けた側板を外すのみで容易に行うことができる。 【0047】又、レベルワインド機構が設けられているので、スプールへの釣糸の均一な巻取りができる。更に、レベルワインド機構の作動不良時やメンテナンス時にも、手動ハンドルを設けた側板を外すのみで容易に修理等を行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592262163 【氏名又は名称】株式会社 上州屋
|
| 【出願日】 |
平成13年2月23日(2001.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094983 【弁理士】 【氏名又は名称】北澤 一浩 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−247942(P2002−247942A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月3日(2002.9.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−49016(P2001−49016) |
|