| 【発明の名称】 |
魚釣用リール |
| 【発明者】 |
【氏名】関本 昭夫
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| 【要約】 |
【課題】リール本体内に回転可能に支持される駆動軸の軸受部分に対し、安定した防水性能が得られるシール材を設けた魚釣用リールを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、リール本体の支持部3cに軸受6aを介して回転自在に支持されるスプール軸5を備え、軸受6a近傍にシール材60を配設している。そして、シール材60を、スプール軸5の外周に接触する状態で、軸受6aに対し軸方向に離間して配置すると共に、軸受に対するスプール軸の挿脱時に、シール材60のスプール軸5の外周に対する接触部分が変形して、軸受6a内に入り込むのを防止する変形許容間隙Tを軸受とシール材との間に形成したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リール本体の支持部に軸受を介して回転自在に支持される駆動軸を備え、前記軸受近傍にシール材を配設した魚釣用リールにおいて、前記シール材を、前記駆動軸の外周に接触する状態で、前記軸受に対し軸方向に離間して配置すると共に、前記軸受に対する前記駆動軸の挿脱時に、前記シール材の前記駆動軸外周に対する接触部分が変形して、前記軸受内に入り込むのを防止する変形許容間隙を前記軸受とシール材との間に形成したことを特徴とする魚釣用リール。 【請求項2】 前記駆動軸は、前記軸受による回転支持部と、前記シール材が接触する防水部とが同一径であることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用リールに関し、詳細には、リール本体内に回転自在に支持される各種駆動軸の支持構造に特徴を有する魚釣用リールに関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣用リールは、海水、水、砂、ゴミ等がリール本体に付着し、内部に侵入し易い厳しい環境で使用されるため、耐食性の良好な材料を用いたり、各種の表面処理等が適宜選択されて構成されている。そして、リール本体内に配設される各種の駆動軸(回転軸)は、本体の支持部に配設される軸受との間で、例えば、実開昭57−201173号や特開平11−220985号に開示されているように、シール材を介在させることが行なわれている。 【0003】従来のシール材は、上記公報に開示されているように、駆動軸を支持する軸受に、軸方向に沿ってこれに接触する状態(軸受に隣接して接触する状態)で、かつ駆動軸外周にも接触するように構成、配設されており、これにより、軸受に対するシールを行なっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したような、駆動軸外周に接触するシール材が、軸受に接触する状態で隣接配置されている構成では、製造段階・アフターメンテナンス段階での組み込み、分解時や、実用時における駆動軸の軸方向移動、回転時等に、両部材が接触したり、圧接して干渉することがあり、これによって、シール材が変形したり、位置がずれたりして、シール効果が安定しないという問題が生じる。 【0005】また、軸受に対する駆動軸の挿脱時に、シール材と駆動軸外周との接触摩擦抵抗の影響により、シール材の先端部を軸受内に巻き込んでしまい、先端部を破断して、防水性能が低下してしまうという問題も生じる。 【0006】この発明は、上記した問題点に着目してなされたものであり、リール本体内に回転可能に支持される駆動軸の軸受部分に対し、安定した防水性能が得られるシール材を設けた魚釣用リールを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記した問題を解決するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体の支持部に軸受を介して回転自在に支持される駆動軸を備え、前記軸受近傍にシール材を配設した構成において、前記シール材を、前記駆動軸の外周に接触する状態で、前記軸受に対し軸方向に離間して配置すると共に、前記軸受に対する前記駆動軸の挿脱時に、前記シール材の前記駆動軸外周に対する接触部分が変形して、前記軸受内に入り込むのを防止する変形許容間隙を前記軸受とシール材との間に形成したことを特徴とする。 【0008】上記したように、軸受に対して変形許容間隙をもって、シール材を配設することによって、駆動軸を挿脱したり、或いは駆動軸が回転したり移動しても、シール材と軸受は干渉しないため、良好なシール作用が得られる。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る魚釣用リールの一実施の形態を示す図(リール本体を後方から見た断面図)であり、図2は、スプール軸の支持部分を拡大して示す図である。 【0010】図1に示すように、魚釣用リールのリール本体1は、左右フレーム2a,2bと、これら左右フレーム2a,2bに所定の空間をもって夫々シール材を介して装着される略円形の左右側板3a,3bとを備えている。 【0011】左右フレーム2a,2bは、複数の支柱(特定の支柱はサムレストとしての機能を有していても良い)を介して一体化されており、その下方支柱4には、釣竿のリールシートに装着されるリール脚4aが取り付けられている。 【0012】また、左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸5が軸受6a,6bを介して回転可能に支持されており、このスプール軸5には、釣糸が巻回されるスプール5aが取り付けられている。この場合、軸受6aは、左側板3aの内側に形成された凹所3cに配設されてスプール軸5の一方を支持し、軸受6bは、右フレーム2bに形成された貫通孔2cに配設されてスプール軸5の他方を支持している(この軸受部分におけるスプール軸5の支持構造については後述する)。 【0013】右フレーム2bと右側板3bとの間には、ハンドル軸8が配設されており、このハンドル軸8は、右フレーム2bに軸受9を介して回転自在に支持されていると共に、右側板との間に介在された転がり式の一方向クラッチ10a(逆転防止機構)によって、釣糸巻取方向にのみ回転可能となっている。なお、ハンドル軸8の基端には、ラチェット10bが取り付けられており、前記一方向クラッチ10aに大きな負荷が作用して滑りが生じても、ストッパ(図示せず)が係合してハンドル軸8の逆転防止機能を果たすようになっている(第2の逆転防止機構を構成する)。 【0014】ハンドル軸8の端部は、右側板3bから突出しており、その部分にハンドル11が装着されている。ハンドル11は、先端にハンドルツマミ11aを装着したレバー11bを備えており、このレバー11bの基端部が前記ハンドル軸8に装着され、ツマミ11a部分を握持し回転操作することで、スプール5aは回転するようになっている。 【0015】右フレーム2bと右側板3bとの間には、ハンドル11の回転運動をスプール軸5に伝達する駆動力伝達機構と、この駆動力の伝達を継脱するクラッチ機構と、魚釣時にスプール5aから釣糸が繰り出された際、スプール5aにドラグ力を付与する制動装置が収容されている。 【0016】前記駆動力伝達機構は、ハンドル軸8に回転可能に支持された駆動歯車12とこの駆動歯車12に噛合するピニオン13とを備えている。 【0017】ピニオン13は、前記スプール軸5と一体的に延出し、右側板3bに軸受15を介して回転可能に支持されたピニオン軸5bに設けられており、このピニオン軸5bに沿って軸方向に移動可能となっている。また、ピニオン13の外周には、円周溝13aが形成されており、この円周溝に、以下に述べるクラッチ機構の作動部材が係合して、ピニオン13を軸方向に移動することによって駆動力が継脱されるようになっている。 【0018】すなわち、ピニオン13の端部には、嵌合部が形成されており、ピニオン13が作動部材によってスプール側に移動されて、その嵌合部がスプール軸の端部に形成されている断面非円形の係合部5cに嵌合することで駆動力伝達状態(クラッチON状態)となり、また、ピニオン13が作動部材によって右側板側に移動されて、嵌合部が係合部5cから外れることで駆動力非伝達状態(クラッチOFF状態)となる。 【0019】前記クラッチ機構は、右フレーム2bに沿って摺動可能に配設されたクラッチ作動プレート20と、このクラッチ作動プレートを駆動するようにリール本体から突出した操作レバー(切換操作部材)30とを有している。この切換操作部材30は、その支軸30aが右側板側から右フレームに向けて挿入、支持されており、その先端には、前記クラッチ作動プレート20に形成された長孔20aに挿入される係合ピン30cを具備した作動体30bが回り止め固定されている。 【0020】前記クラッチ作動プレート20は、切換操作部材30の回転操作に伴い、前記ピニオン13の円周溝13aに嵌合した作動部材21を駆動して、ピニオン13を軸方向に移動させる。なお、図1は、ピニオン13がスプール軸の端部に形成されている係合部5cに嵌合したクラッチON状態を示しており、この状態で切換操作部材30を回転操作すると、ピニオン13は、作動部材21によって右側に移動され、スプール軸の端部に形成されている係合部5cから外れてクラッチOFFになる。 【0021】また、上記制動装置は、駆動歯車12に形成された凹所に複数枚の摩擦板50を収容した、いわゆる多板式の制動方式で構成されており、ハンドル軸8の端部に取り付けられた調節部材51を回転操作することで、前記摩擦板に対する押圧力を強弱に加減し、これによって、スプール5aの釣糸繰り出し方向への回転に所望の制動をかけるようになっている。 【0022】上述したように構成される魚釣用リールにおいて、回転駆動されるスプール軸5は、図2に示すように、リール本体の支持部に対して、以下のようなシール材を配設して回転可能に支持されている(なお、図面では、スプール軸の左側の支持部を示してあるが、右側も同様な支持構造となっている)。 【0023】左側板3aの内側には、スプール側に向けて開口した円筒状の凹所(支持部)3cが形成されており、スプール軸5は、この凹所内に軸受6aを配設して矢印方向に挿入されて一端が支持される。 【0024】凹所3cの内壁中央部分には、円周溝3dが形成されており、ここにリング55が嵌入されて軸受6aは抜け止めされている。また、凹所3cの先端の内壁には、円周溝3eが形成されており、ここに、中央に貫通孔60aが形成された輪帯状で弾性変形可能なシール材60が取着されている。 【0025】シール材の貫通孔60aは、スプール軸5の径よりも小さい径をもって形成されており、図に示すように、スプール軸5が挿入された際、その外周面と接触して、軸受6a側に弾性変形するようになっている。すなわち、このような寸法関係によって、スプール軸5の外周面とシール材60の貫通孔周縁とが密着し、軸受6aに対するシールが成される。 【0026】シール材60は、図に示すように、軸受6aに対し、軸方向に変形許容間隙Tをもって離間して配置される。この場合、変形許容間隙Tは、軸方向における両部材間の距離であり、軸受6aに対してスプール軸5を挿脱した際、シール材60のスプール軸外周に対する接触部分が図に示すように変形しても、軸受6a内に入り込まない(軸受6aと干渉しない)程度に設定される。 【0027】このため、変形許容間隙Tは、シール材60の貫通孔60aと、スプール軸5の径との関係によって変えることができ、貫通孔の径が比較的大きい場合、弾性変形量が小さくなるため、それに応じて変形許容間隙Tも小さく設定することが可能であり、逆に、貫通孔の径が比較的小さい場合、弾性変形量が大きくなるため、それに応じて変形許容間隙Tを大きく設定しておけば良い。 【0028】このように、シール材60と軸受6aとの間に、変形許容間隙Tが形成されるようにシール材をリール本体の支持部に取着する構成としたので、軸受に対するスプール軸の挿脱作業時において、シール材の変形や位置ズレ等、干渉による不具合が解消でき、シール材60の支持及び形状が安定する。また、スプール軸の挿脱時に、シール材の先端部を軸受内に巻き込む現象を確実に防止できるので、良好な防湿性能の維持を確実に図りながら、組み込み・分解の作業性を向上することが可能になる。 【0029】上記した構成においては、スプール軸5は、軸受6aによる回転支持部と、シール材60が接触する防水部とが同一径となる(面一状となる)ように形成しておくことが好ましい。このように構成することで、切削加工や部品としての取扱いが容易になり、コストの低減が図れる。 【0030】また、スプール5aがスプール軸5に対して接着剤によって固定される構成の場合、シール材60とスプール5a間のスプール軸5に、円周溝5dを形成しておくことが好ましい。このように円周溝を形成しておくことで、接着剤が流出しても、その溝の位置で停止するため、シール材60に影響を与えることなく、防水性能を確保することができる。 【0031】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、スプール軸以外の駆動軸の支持部分に適用することが可能であり、また、図に示した形式以外の魚釣用リールについても適用することが可能である。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、リール本体内に回転可能に支持される駆動軸の軸受部分に対し、安定した防水機能を有する魚釣用リールが得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月22日(2001.2.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097559 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 浩司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−238415(P2002−238415A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−47328(P2001−47328) |
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