| 【発明の名称】 |
魚釣用リール |
| 【発明者】 |
【氏名】南部 一弥
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| 【要約】 |
【課題】電装部品を収容する収容部内に水分が侵入したり結露が生じた場合でも、電気的なトラブルを防止して、円滑な使用を確保することができる魚釣用リールの提供を目的としている。
【解決手段】本発明は、釣糸が巻回されるスプールを保持するリール本体2に、電装部品39を収容した収容ケース20が設けられた魚釣用リール1において、電装部品39とこれを実装する基板35の表面にそれぞれ撥水処理45が施されていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣糸が巻回されるスプールを保持するリール本体に、電装部品を収容した収容ケースが設けられた魚釣用リールにおいて、前記電装部品とこれを実装する基板の表面にそれぞれ撥水処理が施されていることを特徴とする魚釣用リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールを巻き取り駆動するスプール駆動用モータや、スプールの回転数に基づいて釣糸の繰り出し量や巻き取り量等の釣り情報を計測して表示する計測表示装置等の電装部品を備えた魚釣用リールに係わり、特に前記電装部品の防水構造の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】魚釣用リールは、他の技術分野の商品とは異なり、海水や異物等が侵入し易い過酷な環境(釣場)で使用されるため、電気的な接続部分や電装部品の収容部の防水処理が必要不可欠である。そのため、特開平8−280303号公報等にも開示されているように、前記電装部品を収容する分割形成された収容部としての制御ケースは、実用に耐え得るような一般的防水構造をもってリール本体に装着固定されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、実釣時には、多量の水分を含んだ釣糸を巻取り操作する必要があり、また、釣場によっては、リール本体に波しぶきもかかるため、リール本体の上部に装着された制御ケースに多くの水分が付着する。そのため、制御ケースが実用に耐え得るような一般的防水構造を備えていたとしても、制御ケースに多くの水分が付着した状態で制御ケースが長期間にわたって放置されれば、微小な隙間を通じて水分が制御ケース内に侵入する可能性がある。また、電子機器の使用中においては、制御ケース内の電装部品の発熱作用によって、ケースの内部と外部との間で温度差が生じ、その結果、結露が発生することもある。 【0004】このような制御ケース内への浸水や結露は、制御ケース内の基板上の回路をショートさせたり、通電不能を生じさせたりするだけでなく、腐食を誘発して電子部品を機能させなくする等、様々な電気的トラブルを発生させる。その結果、正常な電子制御が不可能となり、使用環境の厳しい状況下で魚釣用リールを支障なく円滑に使用することができなくなる。 【0005】本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、電装部品を収容する収容部内に水分が侵入したり結露が生じた場合でも、電気的なトラブルを防止して、円滑な使用を確保することができる魚釣用リールを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、釣糸が巻回されるスプールを保持するリール本体に、電装部品を収容した収容ケースが設けられた魚釣用リールにおいて、前記電装部品とこれを実装する基板の表面にそれぞれ撥水処理が施されていることを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。 【0008】図1および図2は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示されるように、本実施形態に係る魚釣用リールとしての両軸受型リール1は、左右にそれぞれ位置する一対の側板4,6を有するリール本体2と、側板4,6間に回転自在に支持され且つ釣糸が巻回されるスプール8と、リール本体2に取り付けられ且つスプール8を回転させるためのハンドル10と、リール本体2内に設けられ且つハンドル10の回転力をスプール8に伝達する図示しない駆動機構と、リール本体2に設けられハンドル10からスプール8への回転力の伝達を遮断してスプール8をフリー回転させるためのクラッチレバー12とを備えている。また、図示しないが、リール本体2内には、スプール8の回転数に基づいて、釣糸の繰り出し量や巻き取り量等の釣り情報を計測する図示しない計測装置や各種の駆動機構および制御機構が設けられている。 【0009】なお、両軸受型リール1は、スプール8を巻き取り駆動するスプール駆動用モータ(図示せず)をスプール8の内部または外部に備えた電動リールであっても良い。 【0010】リール本体2には、スプール8の上側前方に位置して、電装部品を収容して操作パネルを形成する収容ケース20が搭載されている。この収容ケース20の操作パネル上には、前記計測装置で計測された計測値を表示する3つの表示部21,22,23が一体的に設けられている。 【0011】具体的には、水面からの糸長値を表示する第1の表示部21が、操作パネルの上段部(前方側)に設けられている。また、操作パネルの下段部(手元側)には、水底から或いは所定の棚からの糸長値を表示する第2の表示部22が設けられている。なお、第1の表示部21と第2の表示部22は、これらの間に設けられた境界を規定するライン部13により、操作パネル上において区画されている。また、第2の表示部22の例えば左側部には、第1および第2の表示部21,22との境界を規定する例えば円形の表示枠11によって、第3の表示部23が設けられている。この第3の表示部23は、所定のスイッチの操作に連動して作動するタイマー(図示せず)の計測値を10秒単位もしくは分単位でセグメント表示する。 【0012】また、これらの表示部21,22,23内に表示される表示値と近接する位置には、表示内容の変更や設定等を実行するための各表示部21,22,23に対応した機能スイッチが設けられている。具体的に述べると、第1の表示部21の例えば右側部には、第1の表示部21に対応した機能を果たす第1のスイッチ部24が配設されている。この第1のスイッチ部24は、第1の表示部21に表示される「水面からの糸長値」に関連付けられた操作、すなわち、リセットや船縁停止等を行なうためのスイッチである。 【0013】また、第2および第3の表示部22,23の例えば右側部には、例えば第2の表示部22に対応した機能を果たす第2のスイッチ部25が、第1のスイッチ部24から処置距離離間して配設されている。この第2のスイッチ部25は、第2の表示部22に表示される「水底から或いは所定の棚からの糸長値」に関連付けられた操作、すなわち、底の位置もしくは棚の位置を設定するためのスイッチである。 【0014】このように、各表示部に対応するスイッチ部がそれぞれ、その対応する表示部の近傍に位置して設けられ、他の表示部及びそれに対応するスイッチ部から区画されていれば、表示部内に表示される内容とそれに対応して機能するスイッチ部との位置関係が明確となり、各種スイッチの選択や設定操作を実釣時に誤操作することなく容易且つ確実に行なえるようになる。 【0015】収容ケース20内の概略的な構成が図2に断面で示されている。図示のように、収容ケース20は、リール本体2に着脱自在に取り付けられており、本体収容部20aと底部20bとから成る。また、各表示部21,22,23は、液晶表示器31と、その上側に位置する例えば透明のアクリルガラス板30とから成る。 【0016】液晶表示器31は、基板35上に搭載(固定)されており、この基板35と電気的に接続されている。基板35は、ネジまたは溶着等によって、収容ケース20の底部20bに固定されている。基板35の表面および裏面には、前記計測装置や表示部21,22,23或いはスプール駆動用モータの駆動および制御を司る各種の制御用電子素子(電装部品)39が実装されている。 【0017】図2の(b)に明確に示されるように、素子39とこれを実装する基板35の表面および裏面にはそれぞれ撥水層45が形成されている。撥水層45は、具体的には、素子39及びこれを実装する基板35の表面に超撥水性被膜を例えばコーティングすることによって形成される(液晶31をマスキングして、素子39が実装された基板35の全体に撥水剤を塗布しても良い)。超撥水性被膜は、水の接触角が130度以上、好ましくは140度以上、特に好ましくは150〜180度であるような極めて高い超撥水性を有するものである。このような超撥水性被膜は、例えば、撥水性樹脂に撥水性粒子を混入し且つ表面に微小な凹凸を形成することにより得ることができる。 【0018】撥水性樹脂としては、弗素系樹脂やシリコン系樹脂を挙げることができる。なお、撥水性樹脂として他の材料を用いることもできるが、水の接触角が130度以上、好ましくは140度以上の表面性質が得られる材料を用いるのが良い。 【0019】また、撥水性粒子としては、四弗化エチレン樹脂、四弗化エチレン樹脂−六弗化ポリプロピレン共重合樹脂、三弗化塩化エチレン樹脂、弗化ビニル樹脂、四弗化ビニリデン樹脂、四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、弗化エチレン樹脂−エチレン共重合樹脂、エチレン−三弗化エチレン共重合樹脂、その他酸化ケイ素やシリコン樹脂等を挙げることができる。 【0020】超撥水性被膜の微小な凹凸表面は、撥水性被膜の形成の際に表面の溶剤の量を多くしておき、溶剤を揮発させることにより形成することができる。また、その際、撥水性材料のモノマーあるいはオリゴマーをポリマー化することにより形成することができる。更にまた、その際、被膜が完全に形成される前に膜内からガスを発生させて、不膜中に微細な穴を多く設けることにより、凹凸を形成することもできる。或いは、撥水性粒子よりも粒径の大きい粒子、例えば耐摩耗性粒子を混入することにより形成することも可能である。 【0021】超撥水性被膜の微小な凹凸表面は、凹部と凸部とが組み合わされて形成されている。この場合、「微小」という概念は、微小な凹凸の凹部に入った空気が凹部に保持され、水滴が凹部に入らない程度の微小さのことである。具体的な例としては、超撥水性被膜を平面上に見たときに、凹部と凸部との組み合わせ個数が、単位面積(例えば、1mm2 )当たりに換算して、100個以上または1000個以上、好ましくは、5000〜100万個またはそれ以上形成されていることを意味する。また、別の言い方をすると、「微小」という概念は、凹部と凸部との高低差が、10μm以下、好ましくは、0.1〜5μmであって、且つ、凹部と凸部との間のピッチが、10μm以下、好ましくは、0.1〜5μmに設定されていることを意味する。 【0022】超撥水性被膜の厚さは、1μm〜100μmの範囲内で任意に設定することができるが、2μm〜30μm程度が好ましい。撥水性樹脂に混入する撥水性粒子は、単一の形状や大きさでなく、2種類以上の様々な形状や大きさのものとすることが好ましい。様々な形状や大きさの撥水性粒子を用いることにより、超撥水性被膜表面の凹凸形状を複雑な形状にすることができ、それによって撥水性を一層向上させることができる。また、外観性を向上させるために、撥水性被膜を透明または略透明状に形成することが望ましい。 【0023】また、撥水性を向上させるために、表面にフッ素粒子が露出するように被膜形成することが望ましい。特に、超撥水性被膜の表面における撥水性粒子の割合を、基板35(素子39)側における撥水性粒子の割合よりも多くすることが好ましい。これは、材料の物性、例えば撥水性樹脂と撥水性粒子の比重差や表面張力の差を利用したり、被膜の形成時に遠心力を利用したり、或いはまた、撥水性粒子の含有量の異なる撥水性樹脂を段階的に複数回コーティングすることにより達成することができる。具体的には、撥水性粒子の割合を表面側で多くした超撥水性被膜は、例えば撥水性粒子とバインダーとの比重差を利用して形成することができる。即ち、被膜の加熱硬化や光硬化等の硬化段階において、またはその前の段階において、遠心力を利用して撥水性粒子の割合を表面側で多くするように調整することが可能である。また、表面張力の差によって撥水性粒子を表面に浮き出させることも可能である。或いはまた、撥水性粒子の割合の少ない塗料を塗布し、半硬化状態の樹脂層の上に撥水性粒子の割合の少ない塗料を塗布し、内・外層を加熱硬化するようにしても良い。 【0024】このように、超撥水性被膜の表面における撥水性粒子の割合を基板35(素子39)側よりも多くすることにより、超撥水性被膜の表面の撥水性を更に高くすることができるとともに、バインダーとしての樹脂が基板35(素子39)側で多くなることにより、相対的に基板35(素子39)との密着性を向上させることができる。 【0025】なお、撥水性被膜は、複数層で形成することもできるが、単層または一体に同時に加熱硬化する複数層に形成するとよい。撥水性被膜であっても、層間剥離を防止することができるからである。 【0026】超撥水性被膜中の撥水性粒子の混入比率は、30%( 断面の面積比率 )より多くすることが好ましく、40〜70%の範囲がより好ましい。それによって、撥水性粒子の突出を多くすることができ、高い撥水性の表面を得ることができる。 【0027】超撥水性被膜には、耐摩耗性粒子を混入することができる。この場合、耐摩耗性粒子が撥水性被膜の表面に突出するように形成することで、撥水性被膜の表面に釣糸が接触しても、撥水性被膜の早期の磨耗を防止することができる。耐摩耗性粒子としては、シリカ、アルミナ、ガラス、SiC、ステンレス鋼等を用いることができる。 【0028】耐摩耗性粒子の大きさは、特に限定されないが、撥水性被膜に含まれている他の粒子、例えば撥水性粒子の大きさよりも大きく且つ撥水性被膜の膜厚よりも小さいことが好ましい。撥水性粒子の粒子径は、例えば0.1μm〜1μmであり、耐摩耗性粒子の粒子径は、例えば0.2μm〜5μmである。その結果、大きさの異なる複数種の粒子が突出して、複合的な凹凸面を形成することができる。なお、耐摩耗性粒子の量は、撥水性粒子の量よりも少ないことが望ましい。 【0029】このように、撥水性被膜の表面に、耐摩耗性粒子による凹凸と撥水性粒子の集合による凹凸からなる複合的な凹凸面を形成することにより、被膜の耐久性を向上させることができるとともに、撥水性を更に向上させることができる。特に、撥水性粒子と耐摩耗性粒子とを、材料等、異なる性質とした場合には、その性質に応じた特性を付加した凹凸面を形成することができる。 【0030】耐摩耗性粒子の混入比率は、特に限定されないが、1重量%以上、通常は3〜30重量%が適当である。 【0031】本実施形態における撥水性被膜の形成は、スプレーによるコーティング法、ディッピング法(塗液注入後、不要分を除去)、刷毛塗り等により行なうことができる。また、メッキ法を用いて形成することも可能である。更に、撥水材料の取り付けや一体成形する等により撥水性被膜を容易に形成することができる。 【0032】以上説明したように、本実施形態の両軸受型リール1では、電装部品としての制御用電子素子39及びこれを実装する基板35の表面および裏面にそれぞれ撥水処理が施されている。そのため、海水等が付着侵入し易い実釣時や温度変化の大きい環境下等で使用された場合に、制御用電子素子39を収容する収容ケース20内に水分が僅かに浸入したり、あるいは、結露が発生しても、撥水層45の撥水作用により、収容ケース20内の基板35上の回路のショートや通電不能を防止できるとともに、腐食が誘発されて電子部品が機能しなくなるといった電気的トラブルの発生を防止できる。したがって、正常な電子制御が可能となり、使用環境の厳しい状況下でリール1を支障なく円滑に使用することができる。 【0033】図3は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と共通する構成部分については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。 【0034】図示のように、本実施形態において、撥水層45は、素子39とこれを実装する基板35の表面および裏面だけでなく、液晶表示器31の表面および裏面にも形成されている。撥水層45の形成方法としては、第1の実施形態において説明した方法の他、基板上35に液晶表示器31を装着固定した状態で、基板35の全体に撥水剤を塗布する方法も考えられる。 【0035】このように、液晶表示器31の表面および裏面にも撥水層45を形成すれば、素子39周りの撥水性が更に向上するとともに、浸水や結露による視認性の低下も防止できる。 【0036】なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態においては、本発明が両軸受型リールに適用されているが、本発明をスピニングリールにも適用可能であることは言うまでもない。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の魚釣用リールによれば、電装部品を収容する収容部内に水分が侵入したり結露が生じた場合でも、電気的なトラブルを防止して、円滑な使用を確保することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002495 【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−238413(P2002−238413A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−40199(P2001−40199) |
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