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【発明の名称】 釣り用リールの表示装置
【発明者】 【氏名】川辺 雄三

【要約】 【課題】開閉式の表示装置を有する釣り用リールにおいて、必要な情報を容易に視認できるようにする。

【解決手段】開閉式の水深表示装置4は、リール本体1の上方にリール本体1と一体で設けられた第1部材4aと、第1部材4aに対して開閉自在に設けられた第2部材4bと、第1部材4aと第2部材4bとを揺動自在に連結する連結部材4cとにより構成されている。第2部材4bは、第1部材4aと対向する面に配置された第1表示部5aと、第1表示部5aの近傍に配置され複数のスイッチからなるスイッチ操作部6と、第1部材4aと対向しない面に配置された第2表示部5bとを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】スプールを回転自在に支持するリール本体に設けられ、仕掛けの水深等の各種の表示を行う釣り用リールの表示装置であって、前記リール本体に設けられた第1部材と、前記第1部材に対して開閉自在に設けられ、前記第1部材と対向する面に各種の表示を行う第1表示部と前記第1部材と対向しない面に各種の表示を行う第2表示部とを有する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを揺動自在に連結する連結手段と、を備えた釣り用リールの表示装置。
【請求項2】前記第1表示部及び前記第2表示部の少なくともいずれかはセグメント方式の液晶表示を行う、請求項1に記載の釣り用リールの表示装置。
【請求項3】前記第1表示部及び前記第2表示部の少なくともいずれかはドットマトリックス方式の液晶表示を行う、請求項1又は2に記載の釣り用リールの表示装置。
【請求項4】前記第2表示部の表示面積は前記第1表示部の表示面積より小さい、請求項1から3のいずれかに記載の釣り用リールの表示装置。
【請求項5】前記第2表示部は前記第2部材を前記第1部材に対して閉じたとき表示を行う、請求項1から4のいずれかに記載の釣り用リールの表示装置。
【請求項6】前記第1部材は前記リール本体と一体で設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の釣り用リールの表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置、特に、リール本体に設けられ仕掛けの水深等を表示する釣り用リールの表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、リール本体の上面に装着され、水深表示用の表示部を有する表示装置とを備えている。表示部は、たとえば液晶ディスプレイであり、棚位置や現在の仕掛けの水深等を表示することができる。
【0003】この種の表示装置では、リール本体に設けられた第1部材と、第1部材に対して開閉自在に設けられ第1部材と対向する面に表示部を有する第2部材と、第1部材と第2部材とを連結する連結手段とを備えたものが、たとえば実開平2−36976号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の表示装置では、リール使用時は第2部材を第1部材に対して開いて表示部が視認できる状態にする。一方、リール収納時は第2部材を第1部材に対して閉じるので、表示部が第1部材と第2部材との間に隠れてしまい、表示部を視認することはできない。
【0005】このため、第2部材を閉じたときに、たとえばバッテリの残量や現在のモード等の情報が必要なときは、第2部材を開いて表示部を表出させなくてはならず、必要な情報を容易に視認するのは困難である。
【0006】本発明の課題は、開閉式の表示装置を有する釣り用リールにおいて、必要な情報を容易に視認できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る釣り用リールの表示装置は、スプールを回転自在に支持するリール本体に設けられ仕掛けの水深等の各種の表示を行う釣り用リールの表示装置であって、リール本体に設けられた第1部材と、第1部材に対して開閉自在に設けられ第1部材と対向する面に各種の表示を行う第1表示部と第1部材と対向しない面に各種の表示を行う第2表示部とを有する第2部材と、第1部材と第2部材とを揺動自在に連結する連結手段とを備えている。
【0008】この表示装置では、第2部材の第1部材と対向する面及び対向しない面にそれぞれ第1表示部及び第2表示部が設けられている。ここでは、第2部材の第1部材と対向しない面に第2表示部が設けられており、第2部材を閉じた状態でも第2表示部を視認することができる。したがって、たとえば第2表示部にバッテリの残量や現在のモード等の情報を表示させることにより、必要な情報を容易に視認することができる。
【0009】発明2に係る表示装置は、発明1の表示装置において、第1表示部及び第2表示部の少なくともいずれかはセグメント方式の液晶表示を行う。この場合、たとえば第2表示部に時刻やバッテリの残量等の比較的少量の情報を表示させるためにセグメント方式の液晶を用いることにより、低コスト化及び省電力化を図ることができる。
【0010】発明3に係る表示装置は、発明1又は2の表示装置において、第1表示部及び第2表示部の少なくともいずれかはドットマトリックス方式の液晶表示を行う。この場合、たとえば第1表示部に各種情報を示す文字や図形等の比較的多量の情報を表示させるためにドットマトリックス方式の液晶を用いることにより、視認性の向上を図ることができる。
【0011】発明4に係る表示装置は、発明1から3のいずれかの表示装置において、第2表示部の表示面積は第1表示部の表示面積より小さい。この場合、たとえば第1表示部は多量の情報を表示させるために大画面であるが、第2表示部は小さい画面でも比較的少量の情報を副次的に表示させることができる。
【0012】発明5に係る表示装置は、発明1から4のいずれかの表示装置において、第2表示部は第2部材を第1部材に対して閉じたとき表示を行う。この場合、たとえば第2部材を開いたときは第2表示部の表示をオフさせ、第2部材を閉じたときは第2表示部の表示をオンさせることにより、省電力化を図ることができる。また、第2部材を開いたときは第1表示部の表示をオンさせ、第2部材を閉じたときは第1表示部の表示をオフさせるようにしても、同様の効果が得られる。
【0013】発明6に係る表示装置は、発明1から5のいずれかの表示装置において、第1部材はリール本体と一体で設けられている。この場合、たとえば第1部材としてリール本体と別体のケースをさらに設けなくてもよいので、部品点数の増加を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を採用した釣り用リールは、図1に示すように、モータ駆動によりスプール回転を行う電動リールであって、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、リール本体1の上方に設けられた開閉式の水深表示装置4とを主に備えている。
【0015】リール本体1は、左右1対の側板7a、7bとそれらを連結する複数の連結部材8とからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の側カバー9a、9bとを有している。ハンドル2側の側カバー9bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。リール本体1後方に配置された連結部材8の側カバー9a側後部には、外部電源接続用のコネクタ19が先端に取り付けられたリールコード18が延出されている。
【0016】リール本体1の内部には、図1に示すように、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動するモータ12が配置されている。また、リール本体1のハンドル2側側面には図示しないクラッチ機構を操作するためのクラッチレバー11が配置されている。リール本体1のハンドル2側側面のクラッチレバー11の前方には、モータ12をオン、オフするためのモータスイッチ50と、モータ12の回転速度を変更する速度変更レバー60とが設けられている。
【0017】水深表示装置4は、リール本体1の上方にリール本体1と一体で設けられた第1部材4aと、第1部材4aに対して開閉自在に設けられた第2部材4bと、第1部材4aと第2部材4bとを揺動自在に連結する連結部材4cとにより構成されている。
【0018】第1部材4aは、図1〜図5に示すように、リール本体1の両側部上方にリール本体1と一体成形されている。第1部材4aの内部に収納空間を有しており、この収納空間には、いずれも図示しないが、モータ12をPWM駆動するPWM駆動回路や、スプールセンサ等の各種の電気部品が収納されている。また、第1部材4aの前端部は連結部材4cを取り付けるために一部が上方に突出した形状となっている。第1部材4aの上面は、両側部とも同一高さの平坦面になっており、連結部材4c取り付け用の突出部分から後方に向かって斜め下方に傾斜している。
【0019】第2部材4bは、第1部材4aに対して開閉自在に取り付けられている。第2部材4bの取り付け部分は第1部材4aの突出部分に合致する形状になっている。第1部材4a及び第2部材4bの取り付け部分には連結部材4cが装着されている。
【0020】第2部材4bは、第1部材4aと対向する面に配置された第1表示部5aと、第1表示部5aの近傍に配置され複数のスイッチからなるスイッチ操作部6と、第1部材4aと対向しない面に配置された第2表示部5b(図3〜図5参照)とを有している。第2部材4bの内部には、いずれも図示しないが、第1表示部5a及び第2表示部5bの表示制御及びモータ12の駆動制御を行うマイクロコンピュータ等のリール制御部や、ブザー等の各種の電気部品が収納されている。
【0021】連結部材4cは、図2〜図4に示すように、揺動軸芯Xを有する金属製のシャフトであり、第1部材4aに対して回転不能に、かつ第2部材4bに対して揺動可能に取り付けられている。また、連結部材4cは、ねじりばね等による図示しない位置決め機構を備えており、第2部材4bの開閉位置を段階的に決めることができる。なお、第2部材4bの揺動角は0度以上180度以下であり、第2部材4bが完全に開くまで揺動させることができる。
【0022】第1表示部5aは、第2部材4bに設けられ第1部材4aと対向する面に配置されたドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであり、外側に透明樹脂製の図示しないレンズカバーを有している。第1表示部5aは、図6に拡大して示すように、仕掛けの水深や棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するためのものであり、中央に配置された4桁の水深表示領域と、その下方に配置された3桁の底水深表示領域と、水深表示領域の右側に配置された変速段数表示領域とを有している。なお、第1表示部5aは、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであるので、たとえば各種設定のためのメニュー画面や、現在のテンション等を切り替えて表示させることができる。
【0023】第2表示部5bは、第2部材4bに設けられ第1部材4aと対向しない面に配置されたセグメント方式の液晶ディスプレイであり、図7に拡大して示すように、現在の時刻や、バッテリの残量や、各種のモードに対応する文字や図形等の副次的な比較的少量の情報を表示可能である。また、第2表示部5bの表示領域は、第1表示部5aの表示領域より小さくなっており、第2部材4bを第1部材4aに対して閉じたときに表示を行うようになっている。
【0024】スイッチ操作部6は、図1及び図6に示すように、第1表示部5aの下側の連結部材4cの揺動軸芯X近傍に左右に並べて配置されたメニュースイッチMNと、モードスイッチMDと、底メモスイッチSMとを有している。
【0025】メニュースイッチMNは各種のメニューを設定するためのスイッチである。モードスイッチMDは各種のモードを設定するためのスイッチであり、たとえばモータ12の回転制御としてテンション一定モードとスピード一定モードとが切り替えられる。底メモスイッチSMは、仕掛けが底に到達したときに押されるスイッチであり、そのときの水深が底として設定される。
【0026】モータスイッチ50は、速度変更レバー60近傍に設けられ、後述する速度変更レバー60の揺動軸芯Yに沿って下方向への押圧操作(移動操作)を行うことによって、モータ12のオン、オフを行っている。
【0027】速度変更レバー60は、揺動軸芯Yを基準として前後方向に揺動自在に設けられ、前方の増速位置に揺動させるとモータ12が増速し、後方の減速位置に揺動させるとモータ12が減速する。速度変更レバー60は、増速位置及び減速位置のいずれかに位置していても、常に中立位置に付勢されている。
【0028】この水深表示装置4では、第2部材4bの第1部材4aと対向しない面には第2表示部5bが設けられている。したがって、たとえば第2部材4bを閉じたときでも、各種情報を第2表示部5bに表示させることにより、第2表示部5bを視認することができるので、釣人は必要な情報を容易に得ることができる。
【0029】〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、釣り用リールとして電動リールを例にあげて説明したがこれに限定されるものではなく、開閉式の水深表示装置4を有する手巻きリールにも本発明を適用できる。
【0030】(b) 前記実施形態では、第1表示部5aはドットマトリックス方式の液晶表示を行い、第2表示部5bはセグメント方式の液晶表示を行っていたが、これに限定されるものではなく、たとえば第1表示部5a及び第2表示部5bはドットマトリックス方式の液晶表示を行うようにしてもよい。なお、第1表示部5a及び第2表示部5bの表示内容や表示面積や表示制御等は任意に設定できる。
【0031】(c) 前記実施形態では、第1部材4aは、リール本体1と一体で設けられていたが、別体で設けてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、開閉式の表示装置を有する釣り用リールにおいて、第2部材の第1部材と対向しない面に第2表示部が設けられているので、第2部材を閉じた状態でも各種情報を第2表示部に表示させることにより、必要な情報を容易に視認することができる。
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開2002−238412(P2002−238412A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−35733(P2001−35733)