| 【発明の名称】 |
釣 竿 |
| 【発明者】 |
【氏名】山中 慎一郎
|
| 【要約】 |
【課題】コルク材の特性を損なうことが殆ど無く、コルク材を清潔に保つことができる釣竿を提供する。
【解決手段】竿管にグリップ部が設けられ、該グリップ部の少なくとも表面にコルク材が備えられてなる釣竿であって、前記コルク材の表面に穴が備えられ、該穴に抗汚染剤が設けられてなることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竿管(1)にグリップ部(2、3)が設けられ、該グリップ部(2、3)の少なくとも表面にコルク材(7)が備えられてなる釣竿であって、前記コルク材(7)の表面に穴(5)が備えられ、該穴(5)に抗汚染剤が設けられてなることを特徴とする釣竿。 【請求項2】 前記抗汚染剤が、抗菌性の金属を備えた金属系無機抗菌剤である請求項1記載の釣竿。 【請求項3】 前記穴(5)には、充填材(9)が充填、固定された穴埋め処理が施されてなり、前記抗汚染剤は、前記充填材(9)に混入されてなる請求項1又は2記載の釣竿。 【請求項4】 前記穴(5)は、自然環境下でコルク材(7)に形成された天然穴(5)である請求項1乃至3の何れかに記載の釣竿。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿に関し、詳しくは、グリップ部の少なくとも表面にコルク材が備えられてなる釣竿に関する。 【0002】 【従来の技術】コルク材は、適度なフィット感、柔らかさ、汗の吸湿性、更には、冷えすぎたり熱くなりすぎたりし難いという優れた恒温性を備えていることから、釣竿のグリップ部として理想的な素材とされており、従来、釣竿のグリップ部の表面材として度々使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、釣竿は、船上、水辺等のように、湿気が多く、濡れ易い環境で使用されることが多く、又、餌や魚を触った手で把持されることが多いことから、上述の如く、グリップ部の表面材としてコルク材が備えられた釣竿は、コルク材に菌が発生したり、カビが発生したり、又、ひどい場合には、虫が繁殖してコルク材が穴だらけになる場合等があり、不潔となり易いものであった。 【0004】これに対して、コルク材を清潔に保つため、コルク材の表面を樹脂等でコーティングすることも考えられるが、樹脂でコーティングした場合には、コルク材の特性であるフィット感、吸湿性、恒温性等が阻害されることになる。 【0005】そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、コルク材の特性を損なうことが殆ど無く、コルク材を清潔に保つことができる釣竿を提供することを課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討した結果、部分的な抗菌剤や防虫剤等の存在で十分にコルク材を清潔に保てることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明にかかる釣竿は、竿管にグリップ部が設けられ、該グリップ部の少なくとも表面にコルク材が備えられてなる釣竿であって、前記コルク材の表面に穴が備えられ、該穴に抗汚染剤が設けられてなることを特徴とする。 【0007】斯かる構成からなる釣竿においては、穴に埋入された抗汚染剤が菌や虫の繁殖、カビの発生が抑制され、コルク材を清潔に保つことができる。しかも、抗汚染剤は、コルク材の穴に設けられてなるので、樹脂等で表面をコーティングした場合の如く、コルク材の優れた特性が損なわれる虞も殆ど無い。さらに、抗汚染剤は、穴に設けられているため、例えば、表面に塗布した場合の如く、グリップ部を強く握ったために剥離するといったこともないことから、抗汚染剤の脱離する虞も少ないものとなり、長期間に渡り、コルク材を清潔に保つことができる。尚、本発明において、抗汚染剤とは、抗菌性又は防虫性を有する材料で、該抗汚染剤としては、従来一般に、抗菌剤又は防虫剤として使用されているものを用いることができる。 【0008】本発明においては、前記抗汚染剤が、抗菌性の金属を備えた金属系無機抗菌剤であるものが好ましい。金属系無機抗菌剤は、有機系抗菌剤に比べて、手がかぶれ難いことから、グリップ部に使用する抗汚染剤として好適である。しかも、金属系無機抗菌剤は、抗菌性に対する耐久性が高いことから、長期間に渡って抗菌性を呈するものとなる。 【0009】本発明において、前記穴には、充填材が充填、固定された穴埋め処理が施されてなり、前記抗汚染剤は、前記充填材に混入されてなるものが好ましい。斯かる構成を採用することにより、抗汚染剤は充填材に混入された状態で穴の中に固定されることとなり、抗汚染剤が脱離する虞がより一層低減され、より長期間に渡ってコルク材を清潔に保つことができる。 【0010】本発明において、前記穴は、人為的に設けられたものであっても良いが、自然環境下でコルク材に形成された天然穴であることが好ましい。斯かる構成からなる釣竿は、別途コルク材に穴を設ける作業工程が省略でき、比較的製造の簡便なものとなる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に付いて、図面を参照しつつ説明する。 〈第一実施形態〉本実施形態の釣竿は、竿管1の竿尻側にグリップ部2、3が設けられて構成されている。詳しくは、図1に示すように、竿尻端部に設けられた後グリップ部3と、該後グリップ部3の竿先側に、リールシート部4を介して設けられた前グリップ部2とを備えて構成されている。 【0012】前記前グリップ部2及び後グリップ部3は、それぞれ円筒形上に形成されたコルク材7が、竿管1に外嵌されて構成されてなり、各グリップ部2、3の表面にコルク材7が露出してなる。 【0013】前記前グリップ部2及び後グリップ部3を構成するコルク材7には、表面に多数の天然穴5が備えられてなり、該天然穴5には、充填材9が充填され且つ固定された所謂穴埋め処理(コルメイト)が施されてなる。ここで、充填材9としては、樹脂粉末やバルーン(樹脂製の中空粉末)が使用され、これらの充填材9は、例えば、加熱溶融させて天然穴5内に流し込んだ後に、冷却固化させたり、充填後に接着剤や溶融状態の樹脂を流し込んだりすることによって天然穴5内に固定されている。 【0014】さらに、充填剤には、抗汚染剤が添加混合されている。抗汚染剤としては、銀を多孔質担体に担持させた銀系無機抗菌剤が使用されている。ここで、使用される銀系無機抗菌剤として、具体的には、銀イオンをシリカ・アルミナ担体に担持させたもの、銀イオンをゼオライト担体に担持させたもの(例えば、商品名「バクテキラ」、鐘紡(株)製)又は銀イオンをジリコニウム担体に担持させたもの(商品名「ノバロン」、東亜合成(株)製)等を挙げることができる。 【0015】尚、抗汚染剤が混入された充填材9を、コルク表面の天然穴5に充填し固定する方法としては、樹脂粉末からなる充填材9に、抗汚染剤を添加し十分に混合した後、加熱により樹脂粉末を流動状態とし、天然穴5に流し込んだ後に、冷却固化する方法等が採用される。 【0016】本実施形態の釣竿は、以上のように構成されてなるため、以下の利点を有するものである。即ち、本実施形態において、抗汚染剤として、銀系無機抗菌剤が使用されてなるので、銀系以外の金属からなる無機抗菌剤を使用した場合に比べて、金属アレルギーの発生が少なく、使用者の手に優しい釣竿となる。また、本実施形態において、抗汚染剤は、コルメイト処理における充填材9に混合されてなるので、単に穴5に抗汚染剤を塗布するような場合に比べて、穴から抗汚染剤が脱離する虞が少なく、より長期間に渡ってコルク材7を清潔に保つことができるという利点を有する。 【0017】尚、本実施形態の釣竿は、上記の如く構成されてなったが、本発明の釣竿は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態において、抗汚染剤として、銀系無機抗菌剤を用いたが、亜鉛系無機抗菌剤を用いても良い。また、無機抗菌剤に代えて、例えば、わさび抽出物、孟宗竹抽出物、キトサン等の天然物抗菌剤、有機窒素イオウハロゲン系化合物等の有機化合物系抗菌剤、パラオキシ安息香酸エステル類等の食品添加物系抗菌剤等の抗菌剤を使用しても良い。 【0018】さらに、抗汚染剤としては、抗菌剤に代えて、樟脳、ナフタレン等の防虫剤を使用することもできる。 【0019】また、上記実施形態において、グリップ部2、3は、円筒状に形成されたコルク材7が竿管1に外嵌されて構成されたが、本発明において、コルク材7は、少なくとも表面に備えられていれば良く、例えば、竿管1に円筒形に成形された合成樹脂材が外嵌され、該合成樹脂材の表面にシート状のコルク材7が貼着されてグリップ部2、3が構成されてなる場合であっても本発明の意図する範囲内である。 【0020】 【発明の効果】以上のように、本発明にかかる釣竿は、コルク材の特性を損なうことが殆ど無く、コルク材を清潔に保つことができるという効果を奏する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
|
| 【出願日】 |
平成13年2月22日(2001.2.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外5名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−238406(P2002−238406A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−46794(P2001−46794) |
|