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【発明の名称】 魚釣り具及びルアー
【発明者】 【氏名】藤原 裕

【氏名】島田 竜二

【要約】 【課題】

【解決手段】ルアー本体1の表面に、20gのケイ酸アルミニウムに対し、シリコーン樹脂及び助剤をそれぞれ100g及び適量の割合で混合してなる材料を塗布し、紫外光反射層2を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣りの対象となる魚の視覚上の注意を惹くようにした魚釣り具であって、本体の少なくとも表層部分に、紫外光を反射する紫外光反射物質が含有されていることを特徴とする魚釣り具。
【請求項2】 請求項1記載の魚釣り具において、本体の表面に、紫外光反射物質を含有してなる紫外光反射層が設けられていることを特徴とする魚釣り具。
【請求項3】 請求項1又は2記載の魚釣り具は、水中において上下の向きが一定するように設けられたルアーであり、紫外光反射物質は、ルアー本体の下面側に配置されていることを特徴とするルアー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルアーやフライ等の魚釣り具に関し、特に魚による被視認性を向上させる対策に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、魚の視覚上の注意を惹くようにした従来のルアーとしては、特開平5−56731号公報に記載されているように、ルアーの表面に金属蒸着膜を設けるようにしたものが挙げられる。
【0003】これによれば、上記の金属蒸着膜により、ルアー表面に金属光沢を付与することができるので、魚類を効果的に誘導することができるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人間にとって視覚上の注意を惹くものは、魚にとっても視覚上の注意を惹く、とは限らない。つまり、従来の場合には、人間が見て目立つものであっても、魚にとってはそうは見えず、その結果、実際の釣果の向上には必ずしも結び付かないという問題がある。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象となる魚の視覚上の注意を惹くようにしたルアー等の魚釣り具において、魚の視覚の特性を利用することで、魚による被視認性を効率よく高めて高い釣果が得られるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、「或る種の魚の網膜には、赤錐体,緑錐体及び青錐体の3種類の錐体に加え、紫外光を吸収する視物質を含有する『UV錐体』が存在する」との知見に基づき、魚釣り具本体の表面に、紫外光反射物質を含有させるようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、釣りの対象となる魚の視覚上の注意を惹くようにした魚釣り具を前提としており、本体の少なくとも表層部分に、紫外光を反射する紫外光反射物質が含有されているものとする。
【0008】上記の構成において、魚釣り具は、その紫外光反射物質により紫外光を反射するので、紫外光を反射しない従来の場合よりも、魚による被視認性は高くなる。
【0009】尚、本発明において、「対象となる魚」とは、網膜にUV錐体を有する魚のことである。また、「紫外光反射物質」の代表例としては、ケイ酸アルミニウムが挙げられる。
【0010】ここで、魚の「UV錐体」について簡単に説明しておくと、これは、東京女子医科大学の橋本葉子氏の研究(『脊椎動物網膜におけるTetrachromacyの研究−I.錐体視物質の再検討』〔「東京女子医科大学雑誌」,第56巻第1号,昭和61年1月発行,第28頁〜第33頁〕)等により明らかにされたものであって、顕微分光光度計を用い、コイ科の魚類であるウグイの網膜に波長λがλ=320〜700nmである測定光を照射してその網膜に吸収される波長の極大領域を測定した結果、吸収極大波長λmax がそれぞれλmax =570〜620nmである赤錐体,λmax =500〜530nmである緑錐体,及びλmax=405〜415nmである青錐体に加え、λmax =355〜370nmであるUV錐体(紫外光を吸収する視物質を含む錐体)の存在が確認されたというものである。尚、同氏の同じテーマを扱ったその他の発表論文としては、『紫外光受容視細胞−コイ科魚類の視細胞を中心に−』(「蛋白質 核酸 酵素」,Vol.34 No.5,1989年発行,第222頁〜第229頁)等が知られている。
【0011】請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、本体の表面に、紫外光反射物質を含有してなる紫外光反射層が設けられているものとする。
【0012】上記の構成によれば、紫外光反射物質は、本体表面の紫外光反射層に含有されているので、その紫外光反射層により、上記請求項1の発明の場合と同様の作用が営まれる。
【0013】その際に、上記の紫外光反射層は、本体の表面に設けられるものであるので、例えば既製の魚釣り具を本体とし、その表面に紫外光反射層を設けるようにすれば、本体の全体に紫外光反射物質を含有させる場合に比べて、容易に本発明の魚釣り具が得られることとなる。
【0014】請求項3の発明では、上記の魚釣り具が、水中で上下の向きが一定になるように設けられたルアーである場合に、紫外光反射物質は、ルアー本体の下面側に配置されているものとする。
【0015】上記の構成によれば、魚釣り具が、水中において上下の向が一定になるようになされたルアーの場合に、紫外光反射物質がルアー本体の下面側に位置していてその部分が紫外光を反射するので、対象となる魚にとっては、ルアー本体の下面側があたかも対象魚の餌になる小魚の腹部のように視認される。よって、上記請求項1及び2の発明による効果は効率よく得られることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0017】図1及び図2は、本発明の実施形態に係るルアーの全体構成を示している。このルアーは、本体1が例えばシリコーン樹脂やアクリル樹脂等の硬質樹脂からなるハードルアーであって、小魚の形状に似せて形成されている。
【0018】上記本体1の長手方向一端部(図2の右端部)には、釣り糸を止着するための止着金具2が環状の止着部分を外部に突出させた状態に埋設されている。また、本体1の長手方向他端部(同図の左端部)及び中間部にも、それぞれ、止着金具2,2が環状の止着部分を外部に突出させた状態に埋設されており、それらの止着部分には、それぞれ、環状の連結金具3を介して釣り針4が連結されている。
【0019】そして、本実施形態では、上記本体1の表面には、紫外光を反射する紫外光反射物質を含有してなる紫外光反射層5が設けられている。
【0020】具体的には、上記の紫外光反射層5は、紫外光反射物質としてケイ酸アルミニウム(Al2 3 +SiO2 )を含有してなっている。その際に、紫外光反射層2の材料としては、20gのケイ酸アルミニウムに対し、シリコーン樹脂が100gの割合で混合されるとともに、それに適量の助剤が添加されてなるものが用いられており、その材料を本体1の表面に塗布することにより紫外光反射層5が形成されている。また、紫外光反射層5の表面は、微細な凹凸の極めて少ない鏡面状に仕上げられている。
【0021】したがって、本実施形態によれば、対象となる魚の視覚上の注意を惹くようにしたルアーにおいて、その本体1の表面に紫外光反射層5を設けるようにしたので、図3に模式的に示すように、赤色光R,緑色光G及び青色光Bに加え、紫外光UVを反射することができる。
【0022】よって、同じく図4に模式的に示すように、本体aの表面に上記のような紫外光反射層が設けられていないか、又は逆に劣化防止のために紫外光吸収物質を含有する従来の場合には、赤色光R,緑色光G及び青色光Bについてはそれらを反射することができる一方、紫外光UVについては、拡散ないし吸収するのに比べると、紫外光UVを反射する分だけ、魚による被視認性を高めることができ、その結果、従来の場合よりも高い釣果が期待できるようになる。
【0023】尚、上記の実施形態では、ルアー本体1の表面のみに紫外線反射物質を含有させるようにしているが、ルアー本体が例えば樹脂成形品である場合には、その成形材料に紫外光反射物質を混入して本体全体に紫外線反射物質を含有させるようにしてもよい。
【0024】また、上記の実施形態では、ルアー本体1の全表面に紫外線反射物質を配置するようにしているが、ルアー本体が水中において腹部に相当する部分を下面側にするように設けられたものである場合には、その下面側に紫外線反射物質を配置するようにすれば、対象魚にとって餌となる小魚としての視覚上の効果を高めることができる。
【0025】また、上記の実施形態では、紫外光反射物質として、ケイ酸アルミニウムを使用しているが、紫外光反射物質としては、紫外光を実質的に必要な程度に反射できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0026】さらに、上記の実施形態では、ルアーの場合について説明しているが、本発明は、対象となる魚の視覚上の注意を惹くための魚釣り具であれば、擬餌針等、種々のものに適用することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、対象となる魚の視覚上の注意を惹くようにした魚釣り具として、本体の少なくとも表層部分に紫外光反射物質を含有させるようにしたので、紫外光を反射しない従来の場合よりも魚による被視認性を高めることができる。
【0028】請求項2の発明によれば、上記本体の表面に紫外光反射層を設けるようにしたので、本体の全体に紫外光反射物質を含有させるようにする場合に比べて、容易に本発明に係る魚釣り具を得ることができる。
【0029】請求項3の発明によれば、上記魚釣り具が水中において上下の向きを一定させるように設けられたルアーとして、ルアー本体の腹部に相当する下面側に紫外光反射物質を配置するようにしたので、対象魚の餌になる小魚としての視覚効果を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】501073839
【氏名又は名称】有限会社テトラテック
【出願日】 平成13年2月22日(2001.2.22)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
【公開番号】 特開2002−238403(P2002−238403A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−46255(P2001−46255)