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【発明の名称】 魚釣用リ−ル
【発明者】 【氏名】関本 昭夫

【要約】 【課題】軸受部材に対する駆動軸の着脱操作時にシ−ル材を損傷せず、防水性能が低下しなこと。

【解決手段】駆動軸4の太径部4aの左右の中径軸受部4b、4cは軸受部材12、17で回転自在に軸承され、駆動軸4の外周径はシ−ル材13、18が嵌合された太径部4aを接触部a、bとし、接触部a、bは軸受部材12、17が軸承された中径軸受部4b、4cより大径に形成されている。シ−ル材16が嵌合された駆動軸4の中径部4fを接触部cとし、接触部cは軸受部材14が軸承された一側小径軸受部4gより大径に形成されている。シ−ル材20が嵌合された細径軸部4iを接触部dとし、接触部dは軸受部材19が軸承された細径軸受部4jより大径に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】リ−ル本体の支持部に軸受部材を介して回転自在に支持される駆動軸の軸受部近傍のリ−ル本体との間にシ−ル材を介在した魚釣用リ−ルにおいて、前記駆動軸の外周径を前記軸受部より前記シ−ル材が接触する接触部を大径に形成したことを特徴とする魚釣用リ−ル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動軸を支持する軸受部材及び軸受部材より内側のリ−ル本体内部をシ−ル材で防水した魚釣用リ−ルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】魚釣用リ−ルは、他の技術分野の商品とは異なり、海水、水、異物等がリ−ル本体に付着し、内部に侵入し易い厳しい環境の釣場で使用されるため、耐食性の良好な材料や表面処理等が適宜選択処理され、又、駆動軸部と本体支持部との間には、例えば実開昭57−201173号公報に開示されているように、駆動軸を支持する軸受の軸方向に隣接して駆動軸外周に接触するシ−ル材が装着固定されて軸受及びリ−ル本体内部への海水、水、異物等の侵入が防止されている。
【0003】しかしながら、同一外径の駆動軸の外周上に軸受とシ−ル材が隣接支持されているので、本出願図4(a)のように、リ−ル本体7の支持部に軸受42とシ−ル材43が装着固定されてシ−ル材43側から駆動軸8が挿入される構成では、製造段階の組み込み作業時に、軸受42の凹凸嵌合部に隣接してシ−ル材43が介在されている構成の影響により、図4(b)のようにシ−ル材43の孔縁が駆動軸8の先端と軸受42の孔縁の間に挾み込まれてシ−ル材43の孔縁が破断されてしまい、防水性能が低下してしまう問題がある。又、本出願図5(a)のように、リ−ル本体7の支持部に軸受42とシ−ル材43が装着固定されてシ−ル材43側とは反対側の軸受42側から駆動軸8が挿入される構成では、メンテナンス作業時に駆動軸8を軸受42より引き抜く時等に、シ−ル材43と駆動軸8の接触抵抗や駆動軸8と軸受42の凹凸嵌合部に隣接してシ−ル材43が介在されている構成の影響により、図5(b)のようにシ−ル材43の孔縁が軸受42の嵌合開口部に巻き込まれてシ−ル材43の孔縁が破断してしまい、防水性能が低下してしまう問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、同一外径の駆動軸の外周上に軸受とシ−ル材が隣接支持されていると、軸受とシ−ル材の孔に駆動軸が挿入されたり、引き抜かれる時にシ−ル材の孔縁が軸受と駆動軸の間に挾み込まれてシ−ル材の孔縁が破断してしまい、防水性能が低下してしまうことである。
【0005】本発明の目的は前記欠点に鑑み、軸受部材に対する駆動軸の着脱操作時にシ−ル材を損傷せず、防水性能が低下しない魚釣用リ−ルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係わる本発明は、リ−ル本体の支持部に軸受部材を介して回転自在に支持される駆動軸の軸受部近傍のリ−ル本体との間にシ−ル材を介在した魚釣用リ−ルにおいて、前記駆動軸の外周径を前記軸受部より前記シ−ル材が接触する接触部を大径に形成したことを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1の本発明により、駆動軸4、6の各軸受部材が嵌合される各軸受部より各シ−ル材が嵌合される各接触部の外周径を大径にする異径形状とすることにより、駆動軸4、6を組み込み作業時等に各シ−ル材側から組み込む場合や、メンテナンス作業時等に各軸受部材で支持されている駆動軸4、6を各軸受部材より引き抜く時等においても、各軸受部と各軸受部材の嵌合開口部に各シ−ル材の孔縁が巻き込まれて変形したり破損する現象を確実に防止できるので、良好な防水性能の維持を確実に図りながら、組み込み、分解の作業性を向上することが可能となる。
【0008】
【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1は魚釣用リ−ルの断面平面図、図2は反ハンドル側の拡大断面平面図、図3はハンドル側の拡大断面平面図と一部拡大断面平面図である。
【0009】魚釣用リ−ルのリ−ル本体Aは側枠1と左側枠1aの外側に取り付けられた支持板2と側板2′と、右側枠1bの外側に取り付けられた支持板3と側板3′で構成されている。側枠1の左右両側枠1a、1bは図示しない支柱とリ−ル脚固定板10と指載せ板11で平行に保持されている。左側枠1aの透孔1cに支持板2に形成されたスプ−ルカバ−部2aの外周が嵌合されている。支持板2のスプ−ルカバ−部2aの中心には筒部2bが形成されて筒部2b内に軸受部材12とシ−ル材13が取り付けられている。側板2′の内側には筒部2cが形成されて軸受部材14とスラスト板15とシ−ル材16が取り付けられている。
【0010】右側枠1bの透孔1dに支持板3に形成されたスプ−ルカバ−部3aの外周が嵌合されている。支持板3のスプ−ルカバ−部3aの中心には筒部3bが形成され、筒部3b内に軸受部材17とシ−ル材18が取り付けられている。側板3′内に筒部3cと透孔3dが形成され、筒部3c内に軸受部材19とシ−ル材20が取り付けられている。筒部3c位置の側板3′の外側に筒部3eが形成され、筒部3eの外周にネジ部3fが形成されてネジ部3fに調整ツマミ21が螺合されている。調整ツマミ21内にスラスト板22が取り付けられている。シ−ル材13、16、18、20は弾性を有するゴムで円板に形成され、夫々中心に透孔が穿設されている。
【0011】左右両側枠1a、1b間にスプ−ル23がスプ−ル軸からなる駆動軸4の太径部4aに固定配置され、駆動軸4の太径部4aの両側外周にはシ−ル材13、18が嵌合されている。太径部4aの左右の中径軸受部4b、4cは軸受部材12、17で回転自在に軸承されている。中径軸受部4bには周溝4dと回り止め部4eが形成されて歯車24が回り止め嵌合されてEリング25で抜け止めされている。中径軸受部4bの左側の中径部4f外周にはシ−ル材16が嵌合されている。中径部4fの左側の一側小径軸受部4gは側板2′に取り付けられた軸受部材14で回転自在に軸承されている。
【0012】中径軸受部4cの右側にクラッチ機構の係合部4hが、その右側に細径軸部4iと細径軸受部4jが形成されている。細径軸受部4jは側板3′に取り付けられた軸受部材19で回転自在に軸承されている。細径軸部4i外周にピニオン5が左右に移動自在に嵌合されてハンドル軸26に摩擦結合された駆動歯車27に噛合されている。調整ツマミ21内のスラスト板22に細径軸受部4jの先端が当接されている。ピニオン5にクラッチ機構の係合部5aが形成されている。細径軸部4iの外周にシ−ル材20が嵌合されている。
【0013】スプ−ル軸からなる駆動軸4の外周径は前記シ−ル材13、18が嵌合された駆動軸4の太径部4aを接触部a、bとし、接触部a、bは軸受部材12、17が軸承された中径軸受部4b、4cより大径に形成されている。更に前記シ−ル材16が嵌合された駆動軸4の中径部4fを接触部cとし、接触部cは軸受部材14が軸承された一側小径軸受部4gより大径に形成されている。シ−ル材20が嵌合された細径軸部4iを接触部dとし、接触部dは軸受部材19が軸承された細径軸受部4jより大径に形成されている。
【0014】スプ−ル軸からなる駆動軸4の中径軸受部4bと一側小径軸受部4gが軸受部材12と軸受部材14に軸承されると、太径部4aにシ−ル材13が嵌合され、中径部4fにシ−ル材16が嵌合される。駆動軸4の中径軸受部4cと細径軸受部4jが軸受部材17、19に軸承されると、太径部4aにシ−ル材18が嵌合され、細径軸部4iにシ−ル材20が嵌合される。
【0015】駆動軸4の中径軸受部4bと一側小径軸受部4gが軸受部材12と軸受部材14に軸承される時、シ−ル材13とシ−ル材16は中径軸受部4bと一側小径軸受部4gより太径の太径部4aの接触部aと中径部4fの接触部cに嵌合されるので、シ−ル材13とシ−ル材16が中径軸受部4bと軸受部材12の間及び一側小径軸受部4gと軸受部材14の間に挾み込まれることがなく、軸受部材12と軸受部材14から駆動軸4が引き抜かれる時も巻き込まれることがない。駆動軸4の中径軸受部4cと細径軸受部4jが軸受部材17と軸受部材19に軸承される時、シ−ル材18、20は中径軸受部4cより太径の太径部4aの接触部bと細径軸受部4jより太径の中径部4iの接触部dに嵌合されるので、中径軸受部4cと軸受部材17の間及び細径軸受部4jと軸受部材19の間に挾み込まれることがなく、軸受部材17と軸受部材19から駆動軸4が引き抜かれる時も巻き込まれることがない。
【0016】支持板3の右外側には凹部3gが形成されて軸受部材28が嵌合され、前記ハンドル軸26の一端26aが回転自在に嵌合されて抜け止め板29で抜け止めされている。側板3′に筒部3hが形成されて筒部3h内に透孔3iと凹部3jが形成されている。凹部3jには軸受部材30が嵌合されて取り付けられている。軸受部材30でハンドル軸26が、ハンドル軸26の軸線方向に移動自在に回り止め嵌合されたカラ−31を介して軸承されている。カラ−31の外周にシ−ル材を嵌合してもよい。スプ−ル23はクラッチ機構とピニオン5と駆動歯車27とハンドル軸26に取り付けられたハンドル32を介して回転されるように構成されている。
【0017】スプ−ル23の外周には釣糸33が巻回されて釣糸33はスプ−ル23より前方の左右両側枠1a、1b間に配置されたレベルワインド装置Bで左右に案内される。支持板2の他側には中間歯車34が軸部35で回転自在に嵌合軸承され、中間歯車34にスプ−ル軸からなる駆動軸4に回り止め嵌合された歯車24が噛合されると共に、レベルワインド装置Bのレベルワインド軸からなる駆動軸6に回り止め嵌合された歯車36が噛合されている。左右両側枠1a、1bには凹部1e、1fと透孔1g、1hが形成され、凹部1e内に軸受部材37とシ−ル材38が取り付けられている。凹部1f内に軸受部材39とシ−ル材40が取り付けられている。支持板2に透孔2dが穿設されている。
【0018】レベルワインド軸からなる駆動軸6は太径部6aと太径部6aの左右の中径部6b、6cと中径部6b、6cの左右の細軸受部6d、6eとで形成されている。中径部6b、6cの外周にシ−ル材38、40が嵌合されている。細軸受部6d、6eは軸受部材37、39で回転自在に軸承されている。支持板2から側板2′内に突出された細軸受部6dに歯車36が回り止め嵌合されてEリング41で抜け止めされている。
【0019】レベルワインド軸からなる駆動軸6の外周径は前記シ−ル材38、40が嵌合された駆動軸6の中径部6b、6cを接触部e、fとし、接触部e、fは軸受部材37、39が軸承された細軸受部6d、6eより大径に形成されている。シ−ル材38、40は弾性を有するゴムで円板に形成され、夫々中心に透孔が穿設されている。
【0020】レベルワインド軸からなる駆動軸6の細軸受部6d、6eが軸受部材37、39に軸承されると、中径部6bにシ−ル材38が嵌合され、中径部6cにシ−ル材40が嵌合される。駆動軸6の細軸受部6dと細軸受部6eが軸受部材37と軸受部材39に挿入される時、シ−ル材38とシ−ル材40は細軸受部6dと細軸受部6eより太径の中径部6bの接触部eと、中径部6cの接触部fに嵌合されるので、シ−ル材38とシ−ル材40が細軸受部6dと軸受部材37の間に及び細軸受部6eと軸受部材39の間に挾み込まれることがなく、軸受部材37と軸受部材38から駆動軸6が引き抜かれる時も巻き込まれることがない。
【0021】前記のように魚釣用リ−ルが構成されると、駆動軸4、6の各軸受部材が嵌合される各軸受部より各シ−ル材が嵌合される各接触部の外周径を大径にする異径形状とすることにより、駆動軸4、6を組み込み作業時等に各シ−ル材側から組み込む場合や、メンテナンス作業時等に各軸受部材で支持されている駆動軸4、6を各軸受部材より引き抜く時等においても、各軸受部と各軸受部材の嵌合開口部に各シ−ル材の孔縁が巻き込まれて変形したり破損する現象を確実に防止できるので、良好な防水性能の維持を確実に図りながら、組み込み、分解の作業性を向上することが可能となる。
【0022】前記説明では、魚釣用リ−ルを魚釣用両軸受型リ−ルで述べたが、他の形式のリ−ルに実施してもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0024】請求項1により、駆動軸の各軸受部材が嵌合される各軸受部より各シ−ル材が嵌合される各接触部の外周径を大径にする異径形状とすることにより、駆動軸を組み込み作業時等に各シ−ル材側から組み込む場合や、メンテナンス作業時等に各軸受部材で支持されている駆動軸を各軸受部材より引き抜く時等においても、各軸受部と各軸受部材の嵌合開口部に各シ−ル材の孔縁が巻き込まれて変形したり破損する現象を確実に防止できるので、良好な防水性能の維持を確実に図りながら、組み込み、分解の作業性を向上することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成13年1月31日(2001.1.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−223675(P2002−223675A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−24255(P2001−24255)