| 【発明の名称】 |
スピニングリールの釣り糸案内機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅原 謙一
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| 【要約】 |
【課題】糸ふけした釣り糸が釣り糸案内側と逆側に回り込んでもベールアームに絡みにくくする【解決手段】 スピニングリールのベールアーム7は、第1及び第2ベール支持部材と、固定軸10と、固定軸カバー11と、ラインローラ12と、ベール13と備えている。固定軸10は、第1ベール支持部材から突出している。固定軸カバー11は、固定軸10の突出端に第1ベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、その頂点が固定軸10の軸芯Fを基準にしてスピニングリールの後方向かつスプールの径方向外方に配置された略円錐形状のものである。ラインローラ12は、固定軸10に回転自在に支持されたものである。ベールは、第2ベール支持部材と固定軸カバー11の頂点11aとに両端が挿入固定され、固定軸カバー11の釣り糸案内側の第1稜線11bと第1稜線11bと頂点を挟んで対向する第2稜線11cとに滑らかに連結されている。
【解決手段】スピニングリールのベールアーム7は、第1及び第2ベール支持部材と、固定軸10と、固定軸カバー11と、ラインローラ12と、ベール13と備えている。固定軸10は、第1ベール支持部材から突出している。固定軸カバー11は、固定軸10の突出端に第1ベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、その頂点が固定軸10の軸芯Fを基準にしてスピニングリールの後方向かつスプールの径方向外方に配置された略円錐形状のものである。ラインローラ12は、固定軸10に回転自在に支持されたものである。ベールは、第2ベール支持部材と固定軸カバー11の頂点11aとに両端が挿入固定され、固定軸カバー11の釣り糸案内側の第1稜線11bと第1稜線11bと頂点を挟んで対向する第2稜線11cとに滑らかに連結されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】スピニングリールの第1及び第2ロータアームの先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢の間で揺動自在に装着されスプールに釣り糸を案内するためのスピニングリールの釣り糸案内機構であって、前記第1及び第2ロータアームの先端にそれぞれ揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材と、前記第1ベール支持部材から突出する固定軸と、前記固定軸の突出端に第1ベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、その頂点が前記固定軸の軸芯を基準にして前記スピニングリールの後方向かつ前記スプールの径方向外方に配置された略円錐形状の固定軸カバーと、前記固定軸に回転自在に支持されたラインローラと、前記第2ベール支持部材と前記固定軸カバーの前記頂点とに両端が挿入固定され、前記固定軸カバーの釣り糸案内側の第1稜線と前記第1稜線と前記頂点を挟んで対向する第2稜線とに滑らかに連結されされた線材製のベールと、を備えたスピニングリールの釣り糸案内機構。 【請求項2】前記固定軸カバーの頂点には、前記ベールを装着するための装着穴が形成され、前記固定軸カバーの前記第1稜線側の周面には、前記装着穴の縁が楕円の円弧の一部を構成するように斜めに形成されている、請求項1に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。 【請求項3】前記楕円は前記固定軸カバーに装着されるベールの軸芯と直交する面に対して所定角度傾いた楕円である、請求項2に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。 【請求項4】前記第1稜線側の前記楕円の長軸長さは、前記ベールの直径の2倍以下である、請求項3に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。 【請求項5】前記固定軸と前記固定軸カバーとは一体形成された金属製のものである、請求項1から4のいずれかに記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、釣り糸案内機構、特に、第1及び第2ロータアームの先端に揺動自在に装着されスプールに釣り糸を案内するためのスピニングリールの釣り糸案内機構に関する。 【0002】 【従来の技術】スピニングリールのロータには、釣り糸をスプールに案内するためのベールアーム(釣り糸案内機構の一例)が設けられている。ベールアームは、第1及び第2ロータアームの先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢との間で揺動自在に装着されている。ベールアームは、第1及び第2ロータアームの先端に各別に揺動自在に装着された第1及び第2ベール支持部材と、固定軸と、固定軸カバーと、ラインローラと、ベールとを備えている。固定軸は、第1ベール支持部材に一端が固定された軸である。固定軸カバーは、固定軸の他端に第1ベール支持部材と間隔を隔てて設けられたカバーである。ラインローラは、固定軸に回転自在に支持された金属製のローラであり、外周に釣り糸が案内される。ベールは、金属線材製であり、第2ベール支持部材と固定軸カバーとの間にわたって設けられている。 【0003】この種のベールアームで、ロータの軽量化を図るために、第1及び第2ベール支持部材に、たとえばガラス繊維で強化したナイロン66等の合成樹脂を使用したものが知られている。 【0004】このようなベールアームでは、糸開放姿勢に反転させて釣り糸をスプールから繰り出した後に、糸巻取姿勢に復帰させると、ベールに釣り糸が接触してベールを摺りながら固定軸カバーを経てラインローラに釣り糸が案内され、さらにスプールに釣り糸が案内される。 【0005】この種のベールアームで釣り糸をラインローラにスムーズに案内するために、固定軸カバーを円錐形状の尖らせたものが特開平10−117644号公報に開示されている。このベールアームでは、固定軸カバー及びベールのラインローラ側部分の釣り糸案内側接触部とスプール上の釣り糸接触部との距離がベールからラインローラに向かうに従って短くなるように、ベール及び固定軸カバーが構成されている。これを実現するために、固定軸カバーを頂点がリールの後方かつスプールの径方向外方を向くような偏芯した三角錐形状にしている。また、固定軸カバーの頂点を隠すために、頂点近傍の釣り糸案内側の稜線にベールが差し込まれ、その稜線と滑らかに連結されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記従来のベールアームでは、釣り糸がベールからラインローラに案内されるときには、スムーズに釣り糸が案内され糸絡み等のトラブルは生じにくくなる。しかし、糸ふけなどの要因により釣り糸案内側接触部と逆側に釣り糸が回り込んだとき、ベールから固定軸カバーに釣り糸が移動するときに、固定軸カバーの突出した頂点部分に釣り糸が引っ掛かるおそれがある。釣り糸が引っ掛かった状態でロータを回すと釣り糸がベールアームに絡みつくおそれがある。 【0007】本発明の課題は、糸ふけした釣り糸が釣り糸案内側と逆側に回り込んでもベールアームに絡みにくくすることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、スピニングリールの第1及び第2ロータアームの先端に糸開放姿勢と糸巻取姿勢の間で揺動自在に装着されスプールに釣り糸を案内するための機構であって、第1及び第2ベール支持部材と、固定軸と、固定軸カバーと、ラインローラと、ベールと備えている。第1及び第2ベール支持部材は、第1及び第2ロータアームの先端にそれぞれ揺動自在に装着された部材である。固定軸は、第1ベール支持部材から突出する軸である。固定軸カバーは、固定軸の突出端に第1ベール支持部材と間隔を隔てて設けられ、その頂点が固定軸の軸芯を基準にしてスピニングリールの後方向かつスプールの径方向外方に配置された略円錐形状のものである。ラインローラは、固定軸に回転自在に支持されたものである。ベールは、第2ベール支持部材と固定軸カバーの頂点とに両端が挿入固定され、固定軸カバーの釣り糸案内側の第1稜線と第1稜線と頂点を挟んで対向する第2稜線とに滑らかに連結されされた線材製のものである。 【0009】この釣り糸案内機構では、糸開放姿勢側に揺動させてキャスティングを行う。キャスティング後に仕掛けが水面に着水すると糸開放姿勢から糸案内姿勢に反転させる。そしてロータを回転させると、釣り糸が釣り糸案内側でベールから固定軸カバーを介してラインローラに案内される。そして、ラインローラで釣り糸の方向が変えられてスプール外周に巻き取られる。また、釣り糸案内機構を糸巻取姿勢に反転させたときなどに、風などの影響により糸ふけが生じてベールの釣り糸案内側と逆側に釣り糸が回り込むことがある。 【0010】ここでは、略円錐形状の固定軸カバーの頂点に線材製のベールが挿入固定されかつ釣り糸案内側の第1稜線にベールが滑らかに連結されているので、釣り糸案内側に引っ掛かり部分がなくなり、釣り糸がベールから固定軸カバーに釣り糸案内側で案内されるとき、釣り糸がベールと固定軸カバーとの境界部分で引っ掛かりにくくなる。また、糸ふけにより釣り糸案内側と逆側に釣り糸が回り込んだ場合にも、固定軸カバーの頂点にベールが装着されかつ釣り糸案内側と逆側の第2稜線にベールが滑らかに連結されているので、釣り糸案内側と逆側にも引っ掛かり部分がなくなり釣り糸が境界部分で引っ掛かりにくくなる。このため、糸ふけした釣り糸が釣り糸案内側と逆側に回り込んでもベールアームに絡みにくくなる。しかも、ベールが線材製のため、パイプ製のベールに比べて径を細くすることができ、濡れた細い釣り糸であってもベールに釣り糸が付着しにくくなり、釣り糸がベールアームにより絡みにくくなる。 【0011】発明2に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1に記載の機構において、固定軸カバーの頂点には、ベールを装着するための装着穴が形成され、固定軸カバーの第1稜線側の周面には、装着穴の縁が楕円の一部を構成するように斜めに形成されている。この場合には、装着穴の縁が斜めに楕円に形成されているので、釣り糸がベールから固定軸カバーに移動するとき、斜め縁部分でベールと固定軸カバーとの両方に接触しながら最終的に固定軸カバーの第1稜線に乗り移る。このため、ベールから固定軸カバーに釣り糸が円滑に乗り移り、固定軸カバーに円滑に案内される。 【0012】発明3に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明2に記載の機構において、楕円は固定軸カバーに装着されるベールの軸芯と直交する面に対して所定角度傾いた楕円である。この場合には、楕円の傾いた部分で滑らかに釣り糸が案内される。 【0013】発明4に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明3に記載の機構において、第1稜線側の楕円の長軸長さは、ベールの直径の2倍以下である。この場合には、釣り糸案内側と逆側に引っ掛かった釣り糸により釣り糸案内側に強い力が作用してもベールが釣り糸案内側に曲がりにくくなる。 【0014】発明5に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1から4のいずれかに記載の機構において、固定軸と固定軸カバーとは一体形成された金属製のものである。この場合には、部品の組み立て工数や加工工数を削減でき、製造コストを低減できる。 【0015】 【発明の実施の形態】図1に示すスピニングリールは、ハンドル1を有するリール本体2と、リール本体2の前部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置され釣り糸が巻き付けられるスプール4とを備えている。 【0016】リール本体2の上部には、スピニングリールを釣竿に取り付けるための竿取付部2aが形成されている。また、リール本体2の内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構や、スプール4を回転軸芯に沿って前後方向に移動させてスプール4に釣り糸を均一に巻き取るためのレベルワインド機構等が設けられている。 【0017】ロータ3は回転軸に沿って前方に延びる第1ロータアーム5及び第2ロータアーム6を有しており、この両ロータアーム5,6は互いに対向して配置されている。両ロータアーム5,6の先端には釣り糸案内機構としてのベールアーム7が揺動自在に装着されている。ベールアーム7は、糸開放姿勢と糸巻取姿勢との間で揺動し、かつベール反転機構(図示せず)によりハンドル1の糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻る。 【0018】〔ベールアームの構成〕ベールアーム7は、第1ロータアーム5の先端に揺動自在に装着された第1ベール支持部材8と、第2ロータアーム6の先端に揺動自在に装着された第2ベール支持部材9とを備えている。さらに、ベールアーム7は、図2及び図3に示すように、第1ベール支持部材8の先端に一端が固定された固定軸10と、固定軸10の他端に第1ベール支持部材8と間隔を隔てて設けられた固定軸カバー11と、固定軸10に回転自在に支持されたラインローラ12と、第2ベール支持部材9と固定軸カバー11との間にわたって設けられたベール13とを有している。第1ベール支持部材8は、第1ロータアーム5の先端外側に揺動自在に装着されている。第2ベール支持部材9は、第2ロータアーム6の先端外側に揺動自在に装着されている。これらの両ベール支持部材8,9は、高強度合成樹脂製である。 【0019】第1ベール支持部材8は、図4及び図5に示すように、第1ロータアーム5に固定ボルト30により揺動自在に取り付けられる円形の取付部31と、固定軸10が固定されラインローラ12が装着される円形のローラ支持部32と、取付部31とロータ支持部32とを連結する略均一肉厚に成型された連結部33とを有している。ローラ支持部32は、取付部31とねじれた位置に配置されており、そこには段付きの貫通孔34(図2参照)が形成されている。貫通孔34には、固定軸10を第1ベール支持部材8に固定するための固定ネジ35が貫通している。 【0020】第1ベール支持部材8の外周部36の長手方向の稜線36aは、図4に示すように、固定軸カバー11とベール13との接合点(段差が生じている点)である基準点Pから稜線36aまでの最大距離である第1距離R1を半径とする球体内に配置されている。基準点Pから稜線36aまでの距離R1a、R1bは外方に向けて第1距離R1より徐々に短くなるように形成されている。すなわち、距離R1bは距離R1aより短くなるように形成されている。また、第1ベール支持部材8の外周部36の長手方向の交差する方向の稜線36bは、図3に示すように、基準点Pから稜線(上方視断面における外周部)36bまでの最大距離である第2距離R2を半径とする球体内に配置されている。基準点Pから稜線36bまでの距離R2aは外方に向けて第2距離R2より徐々に短くなるように形成されている。なお、第2距離R2と第1距離R1とは同一の長さである。 【0021】このような範囲に外周部36の形状を設定すると、たとえば基準点Pで糸絡みを起こし、第1ベール支持部材8の外周部で釣り糸が引っ掛かかった場合でも、巻取動作によって第1ベール支持部材8の外周部の引っ掛かり位置が基準点Pを中心に外方に移動し、ついには抜けきり、それと同時に基準点Pでの糸絡みも解消される。したがって、糸絡みの解消が容易になる。 【0022】図6に示すように、第1ベール支持部材8の連結部33は、略均一肉厚で一体形成されており、そこには、他の部分より内側突出して配置されラインローラ12へ釣り糸を誘導するための釣り糸誘導面37aと糸ふけ阻止面37bを有する糸ふけ抑制部37が一体で形成されている。糸ふけ抑制部37は、連結部33に固定軸10の突出方向に突出して形成されたリブであり、釣り糸誘導面37aは、リブの先端にラインローラ12の外周面に向かって傾斜して形成されている。糸ふけ阻止面37bは、ラインローラ12に対向して配置されている。このような糸ふけ抑制部37は、糸ふけが生じてラインローラ12から釣り糸が離反しても、離反した釣り糸をラインローラ12に向けて案内するので、糸ふけによる不具合を未然に防止することができる。 【0023】図7に示すように、第1ベール支持部材8は、母材部としての合成樹脂製の本体部17と、本体部17の外周部に形成された硬質被膜としてのメッキ層18とを有している。本体部17は、たとえば、ABS樹脂とPC樹脂とを50%ずつ混合した合成樹脂製の部材である。ABS樹脂とPC樹脂との混合割合は、40:60から60:40までの範囲が好ましい。このような範囲であると、得られる合成樹脂製の第1ベール支持部材8が強度を維持して表面にメッキ層18を形成しやすい。メッキ層18は、たとえば非電解メッキ法である化学メッキ法により形成されたパラジウム(Pd)メッキ層である。このようなパラジウムメッキ層は、クロムメッキ層に比べて安価であり、かつ表面が滑らかになるので、釣り糸の滑りがよくなり、さらに合成樹脂より硬度が高くなるので傷つきにくくなる。また、金属光沢が得られるので高級感を演出でき耐久性も高くなる。ここで、メッキ層18は、たとえば無電解メッキ処理法により形成されたパラジウム(Pd)メッキ層である。この場合には、電解メッキ法によるクロムメッキ等より安価に硬質被膜を形成できるとともに、表面がより平滑になり釣り糸が滑りやすくなる。このため糸ふけが生じて釣り糸が外周部36に接触しても外周部が傷つきにくくなる。 【0024】固定軸10は、ステンレス合金等の金属製の部材であり、図2に示すように、基端が固定軸カバー11から延びており、先端が第1ベール支持部材8に形成されたローラ支持部32に固定ネジ35により固定されている。このローラ支持部32は、第1ベール支持部材8の先端に円盤状に突出して一体形成されている。また、固定軸10は、固定軸カバー11の頂点が所定の方向を向くように回転方向に位置決めしてローラ支持部32に嵌め込まれている。 【0025】固定軸カバー11は、固定軸10と一体で切削加工により形成されたステンレス合金等の金属製の部材である。固定軸カバー11は、固定軸10の突出端に第1ベール支持部材8と間隔を隔てて設けられ、その頂点11aが固定軸10の軸芯Fを基準にしてスピニングリールの後方向かつスプールの径方向外方にずれて配置された略円錐形状のものである。固定軸カバー11の頂点11aには、ベール13を装着するための装着穴11eが形成され、第1稜線11bの周面には、装着穴11eの縁11fが楕円の一部を構成するように斜めに形成されている。釣り糸案内側の第1稜線11bと逆側で頂点11aを挟んで対向する第2稜線11cには、凹んだ欠損部11dが形成されている。なお、第1稜線11b側の縁11fの楕円の長軸長さは、ベールの直径の2倍以下である。このように、装着穴11eの縁11fを比較的長軸長さが短い楕円にすることにより、釣り糸案内側と逆側に引っ掛かった釣り糸により釣り糸案内側に強い力が作用してもベール13が釣り糸案内側に曲がりにくくなる。 【0026】ラインローラ12は、ステンレス合金等の金属製の略筒状部材であり、固定軸10に軸受20を介して回転自在に支持されている。軸受20は、ローラ支持部32と固定軸カバー11との間で固定軸10に嵌められている。軸受20の内輪20aの一端は、ローラ支持部32に当接し、他端は、固定軸カバー11との間に配置されたスペーサ21に当接している。これにより内輪20aが軸方向に位置決めされている。 【0027】また、ラインローラ12は、軸受20の外輪20bに固定軸カバー11方向に移動不能に嵌め込まれ、釣り糸をスプール4に案内する案内部である周溝12aが外周面に形成されている。ラインローラ12は、軸受20の外輪20bのローラ支持部32側の端面に係止するように内方に突出する係止部12bを内周面に有している。これにより、ラインローラ12は、固定軸カバー11方向に移動不能になっており、固定軸カバー11との間に僅かな隙間が常に形成されるようになっている。 【0028】ラインローラ12のローラ支持部32側の端面と、ローラ支持部32との間にはポリアセタール等の合成樹脂製のスラスト受けリング22が配置されている。スラスト受けリング22は、ラインローラ12がローラ支持部32と直接接触するのを防止している。 【0029】ベール13は、Ni−Ti合金等の超弾性を有する形状記憶合金製の線材からなり、第2ベール支持部材9と固定軸カバー11とに両端がたとえばかしめ固定されている。ベール13は、スプール4の周方向外方に凸に湾曲して配置され、釣り糸を固定軸カバー11に導く。ベール13の一端は固定軸カバー11の装着穴11eに挿入固定されており、固定軸カバー11の第1稜線11bと第2稜線11cとに滑らかに連結されている。 【0030】〔釣り糸の案内動作〕キャスティング時には、ベールアーム7を糸開放姿勢に倒して釣り竿を前方に振り出す。すると、ルアーなどの仕掛けの自重により釣り糸がスプール4から繰り出される。このとき、風などの影響により釣り糸が糸ふけし、ベールアーム7を糸巻取姿勢に戻したときに、第1ベール支持部材8に接触することがある。このような場合でも、第1ベール支持部材8の外周部36に硬質被膜であるメッキ層18が形成されているので、第1ベール支持部材8が傷つきにくくなる。また、糸ふけにより基準点Pとの間で糸絡みが生じても、第1ベール支持部材8の外周部36の形状が徐々に径が小さくなるように形成されているので、釣り糸が第1ベール支持部材8に引っ掛かりにくくなる。 【0031】キャスティング後にハンドル1によりロータ3を回転させると、ベールアーム7は、ベール反転機構により糸巻取姿勢に戻る。そしてロータ3が回転により釣り糸はベール13から固定軸カバー11を経てラインローラ12に案内されてスプール4に巻き取られる。このとき、釣り糸はラインローラ12の周溝12aを通してスプール4に案内される。ここで、略円錐形状の固定軸カバー11の頂点11aに線材製のベール13が挿入固定されかつ釣り糸案内側の第1稜線11bにベール13が滑らかに連結されているので、釣り糸案内側に引っ掛かり部分がなくなり、釣り糸がベール13から固定軸カバー11に釣り糸案内側で案内されるとき、釣り糸がベール13と固定軸カバー11との境界部分で引っ掛かりにくくなる。また、糸ふけにより釣り糸案内側と逆側に釣り糸が回り込んだ場合にも、固定軸カバー11の頂点11aにベール13が装着されかつ釣り糸案内側と逆側の第2稜線11cにベール13が滑らかに連結されているので、釣り糸案内側と逆側にも引っ掛かり部分がなくなり釣り糸が境界部分で引っ掛かりにくくなる。このため、糸ふけした釣り糸が釣り糸案内側と逆側に回り込んでもベールアーム7に絡みにくくなる。しかも、ベール13が線材製のため、パイプ製のベールに比べて径を細くすることができ、濡れた細い釣り糸であってもベール13に釣り糸が付着しにくくなり、釣り糸がベールアーム7により絡みにくくなる。 【0032】なお、釣り糸の通過に伴ってラインローラ12は軸受20の作用で軽く回転するので、釣り糸には大きな抵抗力はかからずスムーズに通過することができる。また、風などの影響により釣り糸がラインローラ12から外れて糸ふけしても第1ベール支持部材8のスプール4側に突出する糸ふけ抑制部37が形成されているので、離反した釣り糸が再度ラインローラ12に向けて案内され、糸ふけによる不具合が生じにくくなる。 【0033】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、固定軸カバーと固定軸とを一体形成したが、別々に形成してもよい。 【0034】(b)前記実施形態では、第1ベール支持部材8を第1ロータアーム5の外側に配置したが、第1ベール支持部材8を第1ロータアーム5の内側に配置してもよい。 【0035】(c)前記実施形態では、固定軸カバーにベールをカシメ固定したが、接着や溶接や糸巻止め等の適宜の固定手段によりベールを固定軸カバーに固定してもよい。 【0036】 【発明の効果】本発明に係るスピニングリールの釣り糸案内機構では、略円錐形状の固定軸カバーの頂点に線材製のベールが挿入固定されかつ釣り糸案内側の第1稜線にベールが滑らかに連結されているので、釣り糸案内側に引っ掛かり部分がなくなり、釣り糸がベールから固定軸カバーに釣り糸案内側で案内されるとき、釣り糸がベールと固定軸カバーとの境界部分で引っ掛かりにくくなる。また、糸ふけにより釣り糸案内側と逆側に釣り糸が回り込んだ場合にも、固定軸カバーの頂点にベールが装着されかつ釣り糸案内側と逆側の第2稜線にベールが滑らかに連結されているので、釣り糸案内側と逆側にも引っ掛かり部分がなくなり釣り糸が境界部分で引っ掛かりにくくなる。このため、糸ふけした釣り糸が釣り糸案内側と逆側に回り込んでもベールアームに絡みにくくなる。しかも、ベールが線材製のため、パイプ製のベールに比べて径を細くすることができ、濡れた細い釣り糸であってもベールに釣り糸が付着しにくくなり、釣り糸がベールアームにより絡みにくくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成13年2月1日(2001.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094145 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−223672(P2002−223672A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月13日(2002.8.13) |
| 【出願番号】 |
特願2001−25453(P2001−25453) |
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