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【発明の名称】 通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置
【発明者】 【氏名】南部 邦男

【要約】 【課題】通信回線を利用して鶏卵選別装置の遠隔監視を行うにあたって、通信のための費用の節減を図り、又、各装置の異常の有無、程度の判断を精度よく行える装置を提供する。

【解決手段】「重度の異常」と判断されたときは、異常の内容が直ちにメンテナンスを担当する業者の監視センターのコンピュータに送信されるが、「軽度の異常」と判断されたときは、異常の発生時刻とその内容が客先の制御装置のメモリーに記憶され、定められた周期又は監視センター側からの呼出に応じて電話回線を通じて送信される。また、各検出器の異常の有無、程度の判定にあたっては、被選別鶏卵群の親鶏の日齢や種類等の群情報を考慮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置にあって、鶏卵選別装置の運転状況の異常を判断するに際しての異常の程度に少なくとも2つの段階を設け、重要度の高い異常があれば、直ちに異常の発生時刻とその内容を通信回線を介して遠隔監視側に送信し、重要度の低い異常のときは、異常の発生時刻とその内容をメモリーに記憶し、定められた周期又は遠隔監視側からの要求に応じて送信することを特徴とする通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置。
【請求項2】 前記異常の判断にあたって、被選別鶏卵群の群情報を考慮する請求項1記載の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置。
【請求項3】 前記被選別鶏卵群の群情報は、少なくとも親鶏の日齢情報又はその日齢を特定する記号を含む情報である請求項2記載の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置。
【請求項4】 前記被選別鶏卵群の群情報は、同一鶏卵群の前日情報を含む情報である請求項2又は3記載の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置に関するものであり、特に計量装置、ひび卵検出装置、血卵検出装置、汚卵検出装置等の遠隔監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鶏卵選別の包装処理工程は、鶏卵の洗浄、乾燥、検卵、計量、サイズ別の選別、包装等からなるが、これら一連の工程が円滑に行われるためには、配置されている計量器、血卵検出器(血卵を検出する装置)、ひび卵検出器(ひび卵を検出する装置)、汚卵検出器(汚卵を検出する装置)等が正常に機能していることが不可欠である。
【0003】これら各種装置が正常に機能しているかどうかを監視する方法としては、その装置のある客先で監視する方法と、通信回線を利用して遠隔でメンテナンスを担当する業者の監視センター等で監視する方法が考えられる。適切かつ迅速な専門的対応が常時可能であるという点からは後者の遠隔監視の方が優れているが、この遠隔監視に関する先行技術としては、特開平9−47182号公報に開示されているものがある。
【0004】それによると、鶏卵自動処理機の機械制御コンピュータ、ローカル拠点コンピュータ、センターコンピュータを通信回線で接続し、機械制御コンピュータにセルフチェック機能、日報データ通報機能、緊急時の自動通報機能を持たせ、システム全体を管理するセンターコンピュータに日報データを基にデータ構築し、異常予想、異常時のメンテナンスガイド機能を持たせる。また、前記拠点コンピュータにセンターコンピュータの保持するデータ検索、機械制御コンピュータとセンターコンピュータとの仲介機能を持たせる。そして、処理機の稼働時間、処理量、機器別の異常発生時刻とその種類を内容とする日報データは、処理機が重大な異常を起こさないで稼働している場合にもローカル拠点コンピュータ又はセンターコンピュータへ送信される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先行技術によると、日報データは、処理機が重大な異常を起こさないで稼働している場合にも毎日、ローカル拠点コンピュータ又はセンターコンピュータへ送信されるので、通信のための費用がかさむという問題がある。
【0006】また、従来、鶏卵選別装置が正常に稼働しているか否かを判断するにあたっては、当該被選別鶏卵群に関する群情報(例えば、親鶏の日齢、種類等)は考慮されていない。例えば、計量器が正常に稼働しているか否かを判断するにあたって、当該計量器によって得られた鶏卵の卵重分布データ(例えば、40g以上〜46g未満はA%、46g以上〜52g未満はB%、52g以上〜58g未満はC%………というように鶏卵の卵重の分布割合を示したデータ)を、標準的な卵重分布データと比較し、一定の許容範囲内で符合しているかどうかで当該計量器の異常を推測するという方法が考えられる。しかし、一般に鶏卵の重量は、親鶏の日齢によって卵重の中心値(中心卵重)が少しづつ変化するので、計量器が正常に稼働しているかどうかの判断にあたっては、当該被選別鶏卵群の親鶏の日齢等の群情報を考慮した方が、より判断の精度を高めることができるのである。
【0007】本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、その目的とするところは、鶏卵選別装置の遠隔監視を行うにあたって、通信のための費用の節減を図り、また各装置の異常の有無、程度の判断を精度よく行える装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置は、通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置にあって、鶏卵選別装置の運転状況の異常を判断するに際しての異常の程度に少なくとも2つの段階を設け、重要度の高い異常があれば、直ちに異常の発生時刻とその内容を通信回線を介して遠隔監視側に送信し、重要度の低い異常のときは、異常の発生時刻とその内容をメモリーに記憶し、定められた周期又は遠隔監視側からの要求に応じて送信することを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置は、請求項1に係る発明において、前記異常の判断にあたって、被選別鶏卵群の群情報を考慮することを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置は、請求項2に係る発明において、前記被選別鶏卵群の群情報が、少なくとも親鶏の日齢情報又はその日齢を特定する記号を含む情報であることを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明の通信回線を利用した鶏卵選別装置の遠隔監視装置は、請求項2又は3に係る発明において、前記被選別鶏卵群の群情報が、同一鶏卵群の前日情報を含む情報であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の制御ブロック図であり、以下、これに基づいて説明する。
【0013】計量器1が正常に稼働しているか否かを判断する場合、例えば、計量器1から得られた卵重分布データ(40g以上〜46g未満はA%、46g以上〜52g未満はB%、52g以上〜58g未満はC%………というように鶏卵の卵重の分布割合を示したデータ)を標準的な卵重分布データと比較し、一定の許容範囲内で符合しているかどうかで当該計量器1の異常を推測する。その際、親鶏の日齢(たとえば、150日齢、300日齢等)等によって卵重標準分布データは異なるから、当該被選別鶏卵群の親鶏の種類や日齢等の被選別群情報を考慮する。たとえば被選別鶏卵群の親鶏が150日齢のときには、計量によって得られた卵重分布データを150日齢の卵重標準分布データと比較し、また被選別鶏卵群の親鶏が300日齢のときには、計量によって得られた卵重分布データを300日齢の卵重標準分布データと比較することにより、計量器1が正常に稼働しているか否かの判断の精度を高めることができる。
【0014】当該被選別鶏卵群の親鶏の日齢等の被選別群情報を考慮する際、親鶏の日齢を記号により特定化して、当該記号がその日齢を表示するものとして当該記号を用いてもよい(たとえば、150日齢をA、300日齢をBと特定化して、150日齢を示すものとしてAを用いる)。
【0015】また、被選別鶏卵群の親鶏の日齢等の被選別群情報を考慮する際、当該日齢の標準的な卵重分布データにかえて、あるいはこれと併用して、同一の被選別鶏卵群の前日情報(たとえば、同じ鶏舎の鶏卵を計量して得られた前日の卵重分布データ)を用いてもよい。
【0016】このように精度を高めた状態で、鶏卵の物理的特徴検出装置が正常に稼働しているか否かの判断を行い、その結果、異常があると判断された場合は次のような対応がなされる。
【0017】まず、検出装置が稼働を停止したことを示す情報や、稼働はしているが故障している蓋然性が高いと判断される情報など、重要度の高い異常があると判断される情報が得られた場合には、「重度の異常」と判断される。例えば、一般に、鶏卵の卵重標準分布データからみても卵重40gの極小の鶏卵の存在は極めて少ないことがわかっているが、いま、ある計量器1aから卵重40gの鶏卵が数個連続して検出された場合には、当該計量器1aに故障が存する蓋然性は極めて高いと判断されるので、かかる場合には「重度の異常」と判断される。この場合には、直ちに電話回線10等の通信回線を通じて異常の内容がメンテナンスを担当する業者の監視センター11のコンピュータ12に送信される。これにより、専門知識を有する技術部員による迅速な復旧が可能となる。また、「重度の異常」と判断された場合には、同時に選別装置制御ユニットに対して緊急の停止信号が発せられ、選別装置全体の稼働を停止させる。
【0018】次に、重要度の低い異常があると判断される情報、あるいは少しでも異常があると疑われる情報が得られると、「軽度の異常」と判断される。例えば、ある計量器1bが計量した卵重の平均値と全計量器の計量した卵重の平均値の差が所定の許容範囲(例えば、0.5g)を僅かに越えるような場合である。この場合には、異常の内容が直ちにメンテナンスを担当する業者の監視センター11のコンピュータ12に送信されるのではなく、異常の発生時刻とその内容が客先の制御装置のメモリーに記憶され、定められた周期(例えば、数日毎、あるいは一週間毎)又は、監視センター11側からの呼出しに応じて、電話回線10等の通信回線を通じて、前記記憶内容がメンテナンスを担当する業者の監視センター11のコンピュータ12に送信される。そして、この場合、異常の重要度は低いので、選別装置の稼働は停止されることなく、続行される。
【0019】このように、「軽度の異常」の場合、異常の発生時刻とその内容の送信を定められた周期又は、監視センター11側からの呼出しに応じて行うことにすると、異常の有無を問わず日々日報を送信し、あるいは軽微な異常が頻繁にありその都度送信する場合に比べて、電話回線10等の通信回線の利用を減らすことができ、電話回線10等の通信回線利用に伴う費用の節減を図ることができる。
【0020】また、本発明では「軽度の異常」と判断されると、異常の発生時刻とその内容が所定の周期又は監視センター11側からの呼出しに応じて監視センター11のコンピュータ12に送信されるので、本来、「重度の異常」と判断されるべき異常を誤って「軽度の異常」と判断して「重度の異常」をそのまま放置することがないよう、その判断の精度の向上が強く要求されるところ、前記のようにその判断の際、被選別鶏卵群に関する群情報を考慮することによって、判断の精度を高めることができるのである。
【0021】本実施例では、異常の程度を「重度の異常」と「軽度の異常」の2種類としたが、「重度の異常」「中度の異常」「軽度の異常」というように3種類としてもよい。この場合、「中度の異常」は、定められた周期又は監視センター11側からの呼出しに応じて、異常の発生時刻とその内容を監視センター11のコンピュータ12に送信するという点では「軽度の異常」と同じであるが、送信の周期を異なるようにしてもよい。すなわち、例えば、「軽度の異常」は1週間毎に送信するのに対し、「中度の異常」は2日毎あるいは3日毎に送信するようにしてもよい。
【0022】監視センター11のコンピュータ12へは多くの客先からデータが送信されてくるので、数ヶ所の客先から送信されてくるデータを相対的に比較することにより、選別装置の異常の有無の判定が可能となる。たとえば、客先1、客先2、客先3の被選別鶏卵群の親鶏の日齢が300日齢で同一の場合、送信されてくる客先1、客先2、客先3の送信データを相対的に比較することにより、各客先の計量器1等の異常の有無の判定が可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上、説明してきたように本発明によれば、通信回線を利用して鶏卵選別装置の遠隔監視を行うにあたって、通信のための費用の節減を図り、又、各装置の異常の有無、程度の判断を精度よく行うことができる。
【出願人】 【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
【出願日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−209468(P2002−209468A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−5510(P2001−5510)