| 【発明の名称】 |
ペット用寝床材 |
| 【発明者】 |
【氏名】畠 純子
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| 【要約】 |
【課題】ペットに由来する悪臭物質(硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア等)による悪臭を効果的に抑制するとともに、各種細菌等が増殖し難く、使い捨ての衛生的なペット用品として好適に用い得るペット用寝床材を提供する。
【解決手段】ペット用寝床材は、悪臭物質と結合し得る銅を担持した繊維状のセルロース系消臭性材料5〜60重量%と、他の繊維状の材料(例えば、汎用の綿)95〜40重量%とを混合させてなり、ペット飼育者又はペットが任意の箇所で引きちぎって、所望の大きさの塊状体を得ることのできるように無定形に綿状に形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 悪臭物質と結合し得る金属を担持した消臭性材料を含むことを特徴とするペット用寝床材。 【請求項2】 上記消臭性材料が金属担持セルロース系材料である請求項1に記載のペット用寝床材。 【請求項3】 上記金属担持セルロース系材料が銅担持セルロース系材料である請求項2に記載のペット用寝床材。 【請求項4】 上記消臭性材料と、該消臭性材料以外の他の材料とを混合させてなる請求項1〜3のいずれかに記載のペット用寝床材。 【請求項5】 上記消臭性材料5〜60重量%と、上記消臭性材料以外の他の材料95〜40重量%とを混合させてなる請求項1〜3のいずれかに記載のペット用寝床材。 【請求項6】 上記消臭性材料が、セルロース系再生繊維、セルロース系半合成繊維、天然植物繊維、パルプの中から選ばれる1種以上からなる請求項1〜5のいずれかに記載のペット用寝床材。 【請求項7】 上記消臭性材料以外の他の材料が、セルロース系再生繊維、セルロース系半合成繊維、天然植物繊維、パルプの中から選ばれる1種以上からなる請求項4〜6のいずれかに記載のペット用寝床材。 【請求項8】 ペット飼育者又はペットが任意の箇所で引きちぎって、所望の大きさの塊状体を得ることのできるように形成させてなる請求項1〜7のいずれかに記載のペット用寝床材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハムスター、リス等のペットに巣作り等を行なわせるために用いられるペット用寝床材に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ハムスター、リス等の小動物をペットとして飼育する際に、寝床として綿等からなる柔軟な繊維材を与えることがあった。しかし、これらの繊維材は、ペットに由来する悪臭物質(例えば、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア等)が付着して、悪臭の発生源となったり、あるいは、悪臭物質を栄養源として各種細菌、かび等が増殖し、不衛生な環境が形成される原因となったりした。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題点に鑑みて、ペットに由来する悪臭物質による悪臭を効果的に抑制するとともに、各種細菌等が増殖し難く、主として使い捨てのペット用品として好適に用い得るペット用寝床材を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載のペット用寝床材は、悪臭物質と結合し得る金属を担持した消臭性材料を含むことを特徴とする。このように悪臭物質と結合し得る金属を担持させた消臭性材料を含むことによって、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア等の悪臭物質を金属(例えば、銅)に結合させて固定化し、空気中への放出を阻止することができるとともに、金属(例えば、銅)の存在によって、細菌等の微生物の増殖を効果的に抑制することができる。 【0005】上記消臭性材料としては、例えば、金属担持セルロース系材料が挙げられる(請求項2)。セルロース系材料は、水酸基を多く含有するため、これらの水酸基の間に金属原子を担持して、金属原子に消臭作用や抗菌作用を発揮させることができる。金属担持セルロース系材料の好ましい例としては、例えば、銅担持セルロース系材料が挙げられる(請求項3)。銅は、動物の体内に摂取された場合でも、体内に蓄積されることなく、体外に排泄される物質であり、また、抗菌作用を有し、細菌・カビ等の増殖を効果的に抑制する。また、銅は、公知の銅錯体を用いることによって、セルロース系材料に容易に担持させることができる。 【0006】上記ペット用寝床材は、例えば、上記消臭性材料と、該消臭性材料以外の他の材料とを混合して作製することができる(請求項4)。消臭性材料以外の他の材料を用いることによって、コストの低減等を図ることができる。上記ペット用寝床材は、上記消臭性材料5〜60重量%と、上記消臭性材料以外の他の材料95〜40重量%とを混合して作製することができる(請求項5)。このように、2種の材料を特定の配合割合で混合させることによって、消臭性及び抗菌性を高い水準で確保しつつ、コストの低減を達成することができる。 【0007】上記消臭性材料としては、例えば、セルロース系再生繊維(例えば、ビスコースレーヨン等)、セルロース系半合成繊維(例えば、アセテート等)、天然植物繊維(例えば、綿等)、パルプ(例えば、木材パルプ等)の中から選ばれる1種以上からなる材料を用いることができる(請求項6)。上記消臭性材料以外の他の材料としては、上記消臭性材料と同様に、例えば、セルロース系再生繊維(例えば、ビスコースレーヨン等)、セルロース系半合成繊維(例えば、アセテート等)、天然植物繊維(例えば、綿等)、パルプ(例えば、木材パルプ等)の中から選ばれる1種以上からなる材料を用いることができる(請求項7)。 【0008】上記ペット用寝床材は、例えば、ペット飼育者又はペット(特に、げっ歯類)が任意の箇所で引きちぎって、所望の大きさの塊状体を得ることのできるように形成させることができる(請求項8)。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明のペット用寝床材は、悪臭物質と結合し得る金属を担持した消臭性材料を含む。ここで、悪臭物質としては、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、酸類(酢酸、イソ吉草酸等)、トリメチルアミン、アセトアルデヒド等が挙げられる。中でも、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアの3つは、三大悪臭物質と称され、動物の尿、汗、皮膚の分解等によって生じるものである。硫化水素及びメチルメルカプタンは、卵の腐ったような臭気を有し、アンモニアは、特有の刺激臭を有する。 【0010】悪臭物質と結合し得る金属としては、銅、鉄、亜鉛、マンガン、コバルト、モリブデン等が挙げられる。これらの金属原子は、悪臭物質と結合すると、加熱等によっても離脱しない程度に強固に悪臭物質を保持して、再放出しない。そのため、悪臭物質が空気中に放出されることがなく、消臭効果が発揮される。消臭効果は、ペット用寝床材中の全ての金属原子に悪臭物質が結合するまで持続する。 【0011】悪臭物質と結合し得る金属の中でも、銅は、悪臭物質との結合性や抗菌性(黄色ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、MRSA、肺炎桿菌、白癬菌等の増殖を抑制する性質)等に優れる点、及び、哺乳動物が過剰に摂取しても体内に蓄積されず、安全性が高い等の点で、好ましく用いられる。1つの銅原子は、例えば、悪臭物質である硫化水素の分子1つと結合することができ、あるいは、悪臭物質であるアンモニアの分子4つと結合することができる。 【0012】悪臭物質と結合し得る金属を担持させる消臭性材料の基材としては、例えば、セルロース系材料が用いられる。セルロース系材料は、吸水性、加工性、風合い等が優れるとともに、水酸基を多く含むため、金属原子を担持(容易に脱離しないように弱い化学結合によって付着させること)することができる。また、金属原子を担持したセルロース系材料は、10〜20回程度の洗濯(家庭での洗濯またはドライクリーニング)を行なっても、金属原子がほとんど離脱しないため、消臭効果がほとんど減少せず、また、湿気を吸収しても、消臭効果が全く減少しない。更に、金属原子を担持したセルロース系材料は、悪臭物質と結合した金属原子が、摩擦や加熱等によって離脱することがないので、安心して用いることができる。 【0013】セルロース系材料は、セルロース(繊維素)またはその誘導体を主体とした材料である。具体的には、ビスコースレーヨン(例えば、普通レーヨン、ポリノジック等)やキュプラ(銅アンモニアレーヨン)等のセルロース系再生繊維、アセテートやトリアセテート等のセルロース系半合成繊維、種子毛繊維(綿等)・じん皮繊維(麻等)・葉脈繊維(マニラ麻等)・果実繊維(やし等)・麦わら等の天然植物繊維、木材または非木材(例えば、アオイ科の植物であるケナフ等)からなるパルプ等が含まれる。 【0014】セルロース系材料の形態としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。セルロース系再生繊維(例えば、ビスコースレーヨン)を用いた場合、例えば、1.5〜7デニール、カット長29〜152mmの綿状の形態、1.5〜3デニール、カット長4〜10mmのショートカット状の形態、32番手以下の糸状の形態等に作製することができる。パルプを用いた場合、例えば、400g/m2のシート状の形態、粒径3〜4mmの顆粒状の形態、粒度100メッシュパス相当のパウダー状の形態等に作製することができる。天然植物繊維である綿(コットン)を用いた場合、例えば、40番手以下の糸状の形態等に作製することができる。 【0015】悪臭物質と結合し得る金属として銅を用い、かつ、セルロース系材料としてビスコースレーヨンを用いた場合を例にとって、消臭性材料の製造方法を説明すると、次の通りである。まず、脂肪酸やアミノ酸等の有機化合物を配位子として、銅錯体を形成させる。この銅錯体を含む溶液中に、セルロース系材料であるビスコースレーヨンを浸漬すると、銅錯体から配位子が外れて、銅原子だけがビスコースレーヨンの水酸基の間に担持される。このように配位子が外れて水酸基の間に担持された銅原子は、容易には離脱せず、安定した状態でセルロース系材料に結合(付着)する。銅錯体を含む溶液からビスコースレーヨンを取り出し、乾燥させると、消臭性材料となる。このように製造された消臭性材料(ビスコースレーヨンに銅を付着させたもの)中の銅の重量割合は、例えば、0.8〜1.5重量%程度である。 【0016】消臭性材料は、消臭性材料以外の他の材料と混合して用いてもよい。例えば、繊維状に形成された消臭性材料(例えば、ビスコースレーヨン)と、繊維状に形成された消臭性材料以外の他の材料(例えば、綿(コットン))とを、適当な配合割合で混合したものを用いることができる。この際、これら2種の材料の混合は、ムラのない抗菌性を得るために、均一に行なわれることが好ましい。 【0017】消臭性材料と、消臭性材料以外の他の材料の配合割合は、消臭性材料が、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%であり、消臭性材料以外の他の材料が、95〜40重量%、好ましくは90〜50重量%、特に好ましくは85〜60重量%である。消臭性材料が5重量%未満では、本発明の目的とする消臭性や抗菌性を十分に得ることができず、消臭性材料が60重量%を超えると、コストが高くなるので好ましくない。 【0018】本発明のペット用寝床材は、綿状、不織布状、織物状等にして作製し得る。特に、ペット飼育者又はペット(特に、ハムスターやリス等のげっ歯類)が任意の箇所で引きちぎって、所望の大きさ(例えば、一辺が数cm程度の寸法)の塊状体を得ることのできるように、無定形の綿状にして形成するのが好ましい。本発明のペット用寝床材は、例えば、使用開始後2〜3週間程度経過したら新品と交換して用いる使い捨てのペット用品として提供することができる。 【0019】 【実施例】以下、本発明のペット用寝床材を用いた試験例について説明する。 [実施例1〜3、比較例1〜6] (1)試験用繊維材(試料)の作製■実施例1〜37デニール、カット長76mmの寸法を有し、1.2重量%の銅を担持したビスコースレーヨンからなる消臭性材料(銅担持ビスコースレーヨン)20重量%と、7デニール、カット長76mmの寸法を有する混綿用普通わた80重量%を均一に混合して、消臭性材料を含む試料(本発明品)を作製した。 ■比較例1〜6比較例1、3、5の試料として、金属原子を担持していない市販品の綿(以下、市販品Aと称する。)を用いた。比較例2、4、6の試料として、比較例1の試料とは製造元が異なり、金属原子を担持していない市販品の綿(以下、市販品Bと称する。)を用いた。 【0020】(2)試験方法■消臭性能評価試験まず、試料1.0gを1.5リットル容量の消臭評価用ファスナーバッグに採取し、該バッグ内の空気を吸引して除去した。次に、硫化水素標準ガス(15ppm)1.5リットルをファスナーバッグ内に吹き込んだ。吹き込んだ時点を0分とし、以後、ファスナーバッグ内の硫化水素濃度を北川式検知管で測定した。同様に、アンモニア標準ガス(40ppm)を吹き込んだ場合についても測定した。 ■抗菌性能評価試験「繊維製品の定量的抗菌性試験方法(統一試験方法)マニュアル」(繊維製品衛生加工協議会)に記載された方法によって、黄色ぶどう球菌を供試菌として、生菌数、静菌活性値、殺菌活性値を測定した。生菌数が小さく、かつ静菌活性値及び殺菌活性値が大きいほど、抗菌性能が高い。なお、試験菌懸濁液としては、界面活性剤(Tween80)を添加したものを用いた。 【0021】(3)試験結果■消臭性能評価試験結果を表1に示す。表1から、本発明品を用いた試験例(実施例1及び実施例2)では、本発明品に該当しない市販品の試験例(比較例1〜4)と比べて、硫化水素及びアンモニアの消臭性が大きいことがわかる。 【0022】 【表1】
【0023】■抗菌性能評価試験結果を表2に示す。なお、参考例1、2として、綿標準白布を用いて行なった生菌数の測定結果を併せて示す。表2から、本発明品を用いた試験例(実施例3)では、本発明品に該当しない市販品の試験例(比較例5及び比較例6)等と比べて、抗菌性が著しく大きいことがわかる。 【0024】 【表2】
【0025】 【発明の効果】本発明のペット用寝床材によれば、ペット(ハムスター、リス等)の尿、汗、皮膚等に由来する悪臭物質による悪臭を効果的に抑制することができるとともに、各種細菌・カビ等が増殖し難く、ペットの居住空間を常に衛生的に保持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391001457 【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月22日(2001.1.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103539 【弁理士】 【氏名又は名称】衡田 直行
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| 【公開番号】 |
特開2002−209465(P2002−209465A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月30日(2002.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−12711(P2001−12711) |
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