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【発明の名称】 無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉
【発明者】 【氏名】安藤 敏視

【要約】 【課題】簡単な構成により、非常事態が生じた場合、複数の扉を一斉に開け、また非常事態の終結後も容易に元の閉鎖状態へ戻すことができる非常開放扉を提供すること。

【解決手段】無窓型鶏舎・畜舎の停電発生時等の非常事態が発生した時に開ける非常開放扉において、正常時は、鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常用窓を閉鎖している垂直扉1の垂直方向の一側を回動自在に支持して設け、該扉1の支持側の上部に、扉を開ける方向に付勢された押し出し手段2を取付け、該扉1の他側の上部に扉が開かないように保持されているラッチ3を設け、非常事態発生時に生じる力によって上記ラッチ3を外し、押し出し手段2によって扉を自動的に開放するように構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無窓型鶏舎・畜舎の停電発生時等の非常事態が発生した時に開ける非常開放扉において、正常時は、鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常用窓を閉鎖している垂直扉の垂直方向の一側を回動自在に支持して設け、該扉の支持側の上部に、扉を開ける方向に付勢された押し出し手段を取付け、該扉の他側の上部に扉が開かないように保持されているラッチを設け、非常事態発生時に生じる力によって上記ラッチを外し、押し出し手段によって扉を自動的に開放するようにしたことを特徴とする無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉。
【請求項2】 非常開放扉の支持側の上部に取り付けられる押し出し手段を、閉まった扉を開ける方向に付勢されたドアシリンダによって構成したことを特徴とする請求項1記載の無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉。
【請求項3】 非常開放扉の支持側の上部に取り付けられる押し出し手段を、押し出しアーム又はスプリングによって構成したことを特徴とする請求項1記載の無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉。
【請求項4】 鶏舎・畜舎の側壁に複数個設けられた非常用窓にそれぞれ対応する複数個の非常開放扉を設け、これらの非常開放扉の各ラッチを一本の共通の線状体にそれぞれ取付け、該線状体の一端には重量を有するバランサを取付け、他端には固定された電磁石に吸着された部材を取り付けたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項記載の無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舎内環境の安定化・均一化を計り、又鳴き声、臭等の公害発生を抑えるために機械換気装置を備えた無窓型鶏舎又は畜舎の停電発生時等の非常時の開放扉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のように、舎内環境の安定化均一化を計り、又、鳴き声や臭等の公害発生を抑えるために機械換気を備えた無窓型鶏舎又は畜舎が実用化されているが、停電発生時に換気不良となる恐れがある。
【0003】これを防ぐために、停電時に自動起動または手動起動する発電機を設置することが行われているが、これら発電機が何らかの原因により運転しない非常事態に備え、このような場合に自動開放する非常開放扉を設けることが安全対策として行われている。
【0004】図4は、上記非常開放扉の従来例を示し、同図(a)は、非常開放扉aが上下動できるように垂直方向の両側支柱bの案内溝内に嵌合されており、正常時は、扉aは上方に持ち上げた状態で図示しないラッチ(固定具)によって支持されており、該扉aの裏側の図示しない非常用の窓を閉じている。そして非常事態が発生したときには、上記ラッチが外れ該扉は、図の下向きの矢印方向に自重により下降して上記図示しない非常用の窓を開けるようになっている。
【0005】また同図(b)は、上記図(a)の扉aに相当する扉cが非常事態が発生した時には丁番dを支点にして矢印方向に回動して、垂直方向に支持された扉cの裏側の図示しない非常用窓を開けるようになっている。
【0006】
【発明が解決すべき課題】上記した図4に示す従来例においては、(i)図示の矢印方向に非常開放した場合、非常事態の終結後の非常扉a,cの閉鎖状態への復旧が大変である。
【0007】(ii)特に図4(a)に示すように下方へ落下する形式の場合は、ラッチが扉の重量を支える必要があり、該ラッチの構造が複雑又はコスト高になる可能性があった。
【0008】本発明は、簡単な構成により、非常事態が生じた場合、複数の扉を一斉に開け、また非常事態の終結後も容易に元の閉鎖状態へ戻すことができる非常開放扉を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明の採った手段は、無窓型鶏舎・畜舎の停電発生時等の非常事態が発生した時に開ける非常開放扉において、正常時は、鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常用窓を閉鎖している垂直扉の垂直方向の一側を回動自在に支持して設け、該扉の支持側の上部に扉を開ける方向に作用して付勢されている押し出し手段を取付け、該扉の他側の上部に扉が開かないように保持されているラッチを設け、非常事態発生時に生じる力によって上記ラッチを外し、押し出し手段によって扉を自動的に開放するようにしたことを特徴としている。
【0010】また、非常開放扉の支持側の上部に取り付けられる押し出し手段を、閉まった扉を開ける方向に付勢されたドアシリンダによって構成したことを特徴としている。
【0011】また、非常開放扉の支持側の上部に取り付けられる押し出し手段を、押し出しアーム又はスプリングによって構成したことを特徴としている。
【0012】また、鶏舎・畜舎の側壁に複数個設けられた非常用窓にそれぞれ対応する複数個の非常開放扉を設け、これらの非常開放扉の各ラッチを一本の共通の線状体にそれぞれ取付け、該線状体の一端には重量を有するバランサを取付け、他端には固定された電磁石に吸着された部材を取り付けたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の実施の形態を図面に記載した実施例を用いて説明する。
【0014】図1(a)は、本発明の無窓型鶏舎・畜舎の非常開放扉装置の扉が閉じた状態の説明用斜視図であり、同図(b)は扉が開いた状態の説明用斜視図である。
【0015】図1(a)において、扉1は鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常用窓を閉鎖した状態を示している。該扉1は一側(図右側端)を丁番等により回動自在に取り付けられており、該一側の上部には、扉を開ける方向に付勢されたドアシリンダ2が取り付けられており、また他側(図で左側)の上部にはラッチ(固定金具)3が取り付けられている。該ラッチ3は、壁側に取り付けられた断面ほぼb形の部材3aが左右両側に2個設けられ、該2個の壁側の部材3aの間に挿入する1個の断面ほぼd形の部材3bが扉側に取り付けられ、扉閉鎖時これら三つの部材3a、3b、3aを貫通する断面角形のキー部材3cとから構成されている。該ラッチ3のキー部材3cは、線状部材4を介して、図示しない並設された複数の扉に共通の一本の線状体5に取り付けられている。
【0016】該線状体5の一端(図で左側端)には一定の重量を有するバランサ6が取り付けられており、他端(図で右側)には、開放ユニットの一部材(輪状体5a)が取り付けられている。
【0017】上記開放ユニットは、固定された部材7に電磁石8が固定されており、該電磁石8は上記一本の線状体5の他端に取り付けられた輪状体5a内に嵌入する部材9aを、下端を枢着された吸着部材9を介して電磁力により吸着している。
【0018】図2は、鶏舎全体の立面図で外壁は多数のパネルを並設して構成されており、該外壁の下方の3箇所に下部非常窓10が設けられている。
【0019】図3は、図2とは別の鶏舎全体の平面図で隔壁を挟んでそれぞれ長手方向に2列ずつのケージユニットが並設された鶏舎が2列並設されており、両鶏舎の側壁に7個ずつ、非常窓11が設けられている。
【0020】次ぎに、作用について説明すると、正常時には、図1(a)に示すように、一端に錘の作用をするバランサ6を取付け、中間部で各扉1の開閉する側の上部に取り付けられたラッチ(正常時は扉を閉じておくための固定装置)3と線状部材4を介して連結され、他端に電磁石8に吸着されている部材9aが嵌入する輪状体5aを取り付けた一本の共通線状体5は、一端の錘と他端の電磁石8の電磁力と釣り合って扉1は閉じ、非常用窓図2の10及び図3の11を閉じている。
【0021】次いで、停電発生時等の非常事態が発生したとき、図1(a)の開放ユニットの電磁石8への電流が遮断されるので、該電磁石8に吸着されていた部材9aが図(b)に示されるように電磁石から離れるので、輪状体5aも離れ、一本の線状体5は重り6からなるバランサの下方への動きに従って図で左向きに引っ張られ、それにつれて線状部材4を介して各非常扉1に取り付けられたラッチ3のキー部材3cを該扉1から取り外す。それにつれて該扉1の他端上部に取り付けられたドアシリンダ2が作動して該扉1を自動的に開放し、図2の非常窓10又は図3の非常用窓11を開放し外気を鶏舎内に導入して鶏の窒息を防ぐことができる。
【0022】また、非常事態の終結後も扉1をドアシリンダの力に抗して閉じ、離れているラッチ3のキー部材3cを元の位置に戻して扉1の閉鎖状態を保持するようにすればよい。
【0023】なお、上記した実施例において、非常扉1をドアシリンダ2によって強制的に開ける構造について説明したが、ドアシリンダ2の代りに押し出し手段として押し出しアームやスプリングの弾性伸長作用を利用するものに代えることも可能である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、無窓型鶏舎・畜舎の停電発生時等の非常事態が発生した時に開ける非常開放扉において、正常時は、鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常用窓を閉鎖している垂直扉の垂直方向の一側を回動自在に支持して設け、該扉の支持側の上部に、扉を開ける方向に付勢された押し出し手段を取付け、該扉の他側の上部に扉が開かないように保持されているラッチを設け、非常事態発生時に生じる力によって上記ラッチを外し、押し出し手段によって自動的に扉を開放するようにしたことにより、無窓型鶏舎・畜舎の停電発生時等の非常事態が発生した時に、鶏舎・畜舎の側壁に設けられた非常窓を簡単な構成により自動的に容易に開放することができ、また非常事態の終結後も容易に元の閉鎖状態へ戻すことができる。
【0025】また、鶏舎・畜舎の側壁に複数個設けられた非常用窓にそれぞれ対応する複数個の非常開放扉を設け、これらの非常開放扉の各ラッチを一本の共通の線状体にそれぞれ取付け、該線状体の一端には重量を有するバランサを取付け、他端には固定された電磁石に吸着された部材を取り付けたことにより、鶏舎・畜舎の複数箇所に設けられている非常窓を共通の一本の線状体の作用によって一斉に開くことができ、また、コスト削減にもなる。
【出願人】 【識別番号】390030661
【氏名又は名称】東洋システム株式会社
【出願日】 平成13年1月16日(2001.1.16)
【代理人】 【識別番号】100066452
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 茂 (外3名)
【公開番号】 特開2002−209463(P2002−209463A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−8108(P2001−8108)