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【発明の名称】 自動搾乳機
【発明者】 【氏名】冨沢 修

【氏名】大日向 好治

【要約】 【課題】乳頭位置の検出を常に正確かつ確実に行えるようにして信頼性を高めるとともに、乳頭位置センサにより牛体を傷付ける不具合を解消して安全性を高める。

【解決手段】ティートカップTa…を支持するエンドエフェクタ2の上方に配して、乳牛Cの乳頭Hの位置を検出する乳頭位置センサ3を備える自動搾乳機1を構成するに際して、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない所定の非使用位置Pnにあるときに乳頭位置センサ3による検出処理を行う検出処理部4と、この検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置Pcで乳頭位置センサ3に洗浄媒体Lを噴射して洗浄を行う洗浄処理部5を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ティートカップを支持するエンドエフェクタの上方に配して、乳牛の乳頭位置を検出する乳頭位置センサを備える自動搾乳機において、前記乳頭位置センサが乳頭を検出しない所定の非使用位置にあるときに前記乳頭位置センサによる検出処理を行う検出処理部と、この検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置で前記乳頭位置センサに洗浄媒体を噴射して洗浄を行う洗浄処理部を設けたことを特徴とする自動搾乳機。
【請求項2】 前記乳頭位置センサは、センサフレームにより区画される検出用空間に位置する乳頭を座標により検出する複数の透過型光センサ部を有することを特徴とする請求項1記載の自動搾乳機。
【請求項3】 前記洗浄処理部は、前記センサフレームの内方に配し、かつ各透過型光センサ部に向けて洗浄媒体をそれぞれ噴射する複数の噴射孔を有する噴射ヘッドを備えることを特徴とする請求項2記載の自動搾乳機。
【請求項4】 前記洗浄処理部により洗浄を行った後、乳頭位置センサを、乳頭を検出しない所定の非使用位置で前記検出処理部による再検出処理を行うとともに、この再検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置で前記洗浄処理部による再洗浄を行い、この再洗浄を設定回数だけ行っても汚れを検出したなら、少なくともエラー報知を行うエラー処理部を備えることを特徴とする請求項1記載の自動搾乳機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳牛の乳頭位置を検出する乳頭位置センサを備える自動搾乳機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンドエフェクタのホームポジションに支持されるティートカップを、リフト機構により上昇させ、当該ティートカップを自動で乳頭に装着する搾乳ロボットを備える自動搾乳機は知られており、通常、このような自動搾乳機には、ティートカップを装着する際に、乳頭位置センサを用いて乳頭の位置を検出する乳頭位置検出装置を備えている。
【0003】この種の乳頭位置検出装置は、既に本出願人が特開平9−275834号公報で提案した。この乳頭位置検出装置は、コの字形のセンサフレームに一対の発光部と受光部からなる複数組の光学的検出部を配設することにより、当該センサフレームにより区画される検出用空間に、マトリクス状の光路を生じさせる乳頭位置センサを備えており、当該検出用空間内に乳頭が入り込み、乳頭により任意の光路が遮断されれば、光路の遮断された光学的検出部によって乳頭の位置が検出される。なお、乳頭位置検出装置の検出結果は、搾乳ロボットの制御部に付与されることにより、エンドエフェクタが駆動制御され、ティートカップが乳頭に追従する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の乳頭位置検出装置は、乳頭位置センサを乳頭に接近させた状態で検出を行うため、乳頭位置センサに乳牛の排泄物やゴミ等が付着し、乳頭位置の検出不能或いは誤検出を生じやすいとともに、乳頭位置センサの検出不能或いは誤検出が発生した場合には、乳頭位置センサが乳頭等に直接当たることにより牛体を傷付けやすいなどの改善すべき課題も残されていた。
【0005】本発明はこのような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、乳頭位置の検出を常に正確かつ確実に行えるようにして信頼性を高めるとともに、乳頭位置センサにより牛体を傷付ける不具合を解消して安全性を高めることができる自動搾乳機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明は、ティートカップTa…を支持するエンドエフェクタ2の上方に配して、乳牛Cの乳頭H…の位置を検出する乳頭位置センサ3を備える自動搾乳機1を構成するに際して、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない所定の非使用位置Pnにあるときに乳頭位置センサ3による検出処理を行う検出処理部4と、この検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置Pcで乳頭位置センサ3に洗浄媒体Lを噴射して洗浄を行う洗浄処理部5を設けたことを特徴とする。
【0007】この場合、好適な実施の形態により、乳頭位置センサ3は、センサフレーム11により区画される検出用空間Sに位置する乳頭Hを座標により検出する複数の透過型光センサ部3a,3b,3c…により構成できるとともに、洗浄処理部5は、センサフレーム11の内方に配し、かつ各透過型光センサ部3a…に向けて洗浄媒体Lをそれぞれ噴射する複数の噴射孔13…を有する噴射ヘッド12を備えて構成できる。また、自動搾乳機1には、洗浄処理部5により洗浄を行った後、乳頭位置センサ3を、乳頭Hを検出しない所定の非使用位置Pnで検出処理部4による再検出処理を行うとともに、この再検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置Pcで洗浄処理部5による再洗浄を行い、この再洗浄を設定回数(N回)だけ行っても汚れを検出したなら、少なくともエラー報知を行うエラー処理部15を設けることができる。
【0008】これにより、検出処理部4は、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない所定の非使用位置Pn、即ち、本来、非検出状態になる非使用位置Pnにおいて検出処理を行うため、この検出結果が検出状態となった場合には、汚れが付着しているものと判断し、洗浄処理部5により速やかに洗浄を行う。この場合、所定の洗浄位置Pcで乳頭位置センサ3に対して直接洗浄媒体Lを噴射して洗浄を行う。よって、常に、汚れの除去された乳頭位置センサ3により、乳頭Hに対する検出処理を行うことができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0010】まず、本実施例に係る自動搾乳機1を付設したストールAの概要について、図4を参照して説明する。
【0011】ストールAは複数のフレームF…の組合わせにより構成し、前部には餌槽101を備える。一方、ストールAの左後半部には後扉102を付設する。後扉102は前端を回動支点として開閉し、開くことにより、乳牛CはストールAの内部に進入できる。また、ストールAの左前半部には前扉103を付設する。前扉103は後端を回動支点として開閉し、開くことにより、乳牛CはストールAから退出できる。
【0012】次に、ストールAに付設した自動搾乳機1の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
【0013】自動搾乳機1はストールAの側方に設置した搾乳ロボット21を備える。搾乳ロボット21は基台22を有し、この基台22の上面にマニュピレータ23を備える。マニュピレータ23はX方向移動機構部24,Z方向移動機構部25及びY方向移動機構部26を備え、このY方向移動機構部26によりエンドエフェクタ2を支持する。
【0014】X方向移動機構部24は、基台22の上面に配設したX方向駆動部27を備える。X方向駆動部27はX方向に移動する可動部(スライダ)に一端を取付けた水平移動板28を備える。また、基台22の上面にはX方向駆動部27に平行となるガイドレール29を配設し、このガイドレール29に水平移動板28の他端を移動自在に装填する。これにより、X方向移動機構部24は水平移動板28、即ち、エンドエフェクタ2をX方向(前後方向)へ移動させることができる。一方、Z方向移動機構部25は、水平移動板28の上面に配設したZ方向駆動部30を備える。Z方向駆動部30はZ方向に移動する可動部に取付けた垂直移動板31を備える。これにより、Z方向移動機構部25は垂直移動板31、即ち、エンドエフェクタ2をZ方向(上下方向)へ移動させることができる。他方、Y方向移動機構部26は、垂直移動板31の上面に取付けた回転駆動部32と、この回転駆動部32の回転軸部33に一端を取付けた主アーム34を備え、この主アーム34の他端にはエンドエフェクタ2から突出したエフェクタアーム部2aの端部(後端部)を支軸部35により回動自在に結合する。また、このエフェクタアーム部2aには、平行リンク機構36を付設する。
【0015】エンドエフェクタ2は、エフェクタアーム部2aに対してL形に連続するベース部2oを備え、このベース部2oにおける先端側の上面に、図1に示すように、四つの伸縮機構Me…を介して四つのティートカップTa,Tb,Tc,Tdを支持する。この場合、一つの伸縮機構Me(他の伸縮機構Me…も同じ)は、図5に示すように、回動自在の結合部51…を介して結合した複数のXリンク部52…を、回動自在の結合部53…を介して順次連結した伸縮リンク機構54を有する。伸縮リンク機構54は一対用意し、並べて配した伸縮リンク機構54…同士を、セパレータ部材により結合して構成する。そして、伸縮リンク機構54…の下端は、一対の取付リンク52d…を介して、ベース部2oの上面に固定した取付部56の側面に回動部57dを介して結合するとともに、伸縮リンク機構54…の上端は、一対の取付リンク52u…を介して支持部58の側面に回動部57uを介して結合する。また、各支持部58…は、横方向に突出した支持プレート部58p…を有し、この支持プレート部58p…の先端は各ティートカップTa…の側面にそれぞれ固定する。
【0016】さらに、エンドエフェクタ2には、ティートカップTa…を自由にし又はホームポジションに戻す引張機構Mp…を備える。この引張機構Mp…は、支持部58の底部に一端を結合したワイヤ部材61…を有する。ワイヤ部材61…の他側は伸縮機構Me…の内部及びベース部2oを貫通させ、他端をベース部2oの下方に固定する。また、引張機構Mp…はワイヤ部材61…を水平方向に押して、伸縮機構Me…内のワイヤ部材61…を引張る引張駆動機構62…を有し、この引張駆動機構62…は、ワイヤ部材61…が挿通する押出係合部63…と、この押出係合部63…を水平方向に変位させるエアシリンダ等を利用した駆動部64…と、伸縮機構Me…内のワイヤ部材61…を鉛直方向にガイドするガイド部65…を備える。
【0017】一方、ベース部2oの上面にはリフト機構Muを配設する。リフト機構Muはベース部2oの上面に固定した一対のガイドレール71,71により移動自在に支持される第一可動ベース72を備え、この第一可動ベース72はベース部2o上に配したメインシリンダ(エアシリンダ)73とサブシリンダ(エアシリンダ)74によりY方向に移動する。この場合、サブシリンダ74の伸縮ストロークはメインシリンダ73の伸縮ストロークの1/2に設定し、両シリンダ73及び74の伸縮ストロークを組合わせることにより、第一可動ベース72を四つのティートカップTa…の位置に移動できるように構成する。
【0018】また、第一可動ベース72の上面には多点位置決めアクチュエータ75を設置し、このアクチュエータ75により第二可動ベース76をX方向に移動させる。さらに、第二可動ベース76の上面には、昇降シリンダ(エアシリンダ)77を起設し、この昇降シリンダ77の昇降ロッドにカップハンド部79を取付ける。カップハンド部79の先端にはティートカップTa…を収容するU形の係止部79sを有するとともに、他方のティートカップTa…には係止部79sに係止する被係止部Tas…を有する。
【0019】さらに、第二可動ベース76の上面における昇降シリンダ77に近接した位置には、昇降シリンダ80を起設し、この昇降シリンダ80の昇降ロッドに支持プレート81を取付ける。この支持プレート81にはロータリソレノイド等を利用した回動駆動部82を取付けるとともに、この回動駆動部82から上方に突出した回転シャフトにはセンサアーム部83の後端を取付ける。そして、センサアーム部83の先端に乳頭位置センサ3を取付ける。なお、センサアーム部83,回動駆動部82,昇降シリンダ80,アクチュエータ75,メインシリンダ73及びサブシリンダ74は、乳頭位置センサ3を後述する収納部92に収納するための移動機構部を兼用する。
【0020】乳頭位置センサ3は、乳頭Hが入り込むことができるように、図2に示すコの字形のセンサフレーム11を有し、このセンサフレーム11の内部に、複数組の透過型光センサ部3a,3b,3c,3d,3e…を配設して構成する。各透過型光センサ部3a…は、一対の発光部3ai…と受光部3ar…からなり、センサフレーム11により区画される検出用空間Sにマトリクス状の光路を生じさせる。この場合、特に、一つの横光路と一つ斜光路はティートカップTa…の中心位置を通るように配設する。これにより、当該検出用空間S内に乳頭Hが入り込み、乳頭Hにより任意の光路が遮断されれば、光路の遮断された透過型光センサ部3a…によって乳頭H…の位置(座標)が検出される。
【0021】一方、エフェクタアーム部2aにはカバー部91を取付けることにより、収納部92を設ける。収納部92はベース部2o側に開口部92oを有する断面矩形のポケット状に構成する。なお、カバー部91の追加によりエフェクタアーム部2aが補強される副次的効果も得る。さらに、収納部92の内部、即ち、カバー部91の内面であって、収納される乳頭位置センサ3(センサフレーム11)の略中央に位置する部位には、洗浄処理部5を構成する噴射ヘッド12を、複数の取付ネジ16…を用いて固定する。噴射ヘッド12は、底面部12dを有する円筒形に形成し、周面には、乳頭位置センサ3の各透過型光センサ部3a…に向けて洗浄用の温水(洗浄媒体)Lをそれぞれ噴射する複数(実施例は十六)の噴射孔13…を貫通形成する。このような噴射ヘッド12は、円筒形の周面に複数の孔を形成するのみで製作できるため、低コストに実施できるとともに、各透過型光センサ部3a…をそれぞれ個別に洗浄できるため、少ない温水量により効果的に洗浄できる。なお、各透過型光センサ部3a…は防水性を確保する。
【0022】また、底面部12dの中央にはネジ孔を設け、給水管18の先端に取付けた接続継手17の接続部17cを螺着することにより、給水管18と噴射ヘッド12の内部を連通接続する。一方、給水管18は、図1に示すように、電磁弁19を介して温水源20に接続するとともに、電磁弁19は、コントローラ41の出力側に接続する。これにより、コントローラ41から制御信号が出力し、電磁弁19が開側に制御されれば、温水源20から給水管18を介して噴射ヘッド12の内部に温水Lが供給され、各噴射孔13…から対応する透過型光センサ部3a…に向けてそれぞれ温水L…が噴射される洗浄処理部5が構成される。乳頭位置センサ3は、開口部92oから収納部92の内部に収納することができ、乳頭位置センサ3が収納部92に完全に収納される図1に仮想線3iで示す位置が洗浄位置Pcとなる。
【0023】他方、乳頭位置センサ3はコントローラ41の入力側に接続する。また、コントローラ41の出力側には警報ブザー,アラームランプ等を利用したアラーム42を接続する。コントローラ41は、各種制御処理を行うことができるコンピュータ機能を備えており、所定の非使用位置Pnにあるときに乳頭位置センサ3による検出処理を行う検出処理部4を構成する。さらに、コントローラ41とアラーム42は、洗浄処理部5により洗浄を行った後、乳頭位置センサ3を所定の非使用位置Pnへ移動させ、検出処理部4による再検出処理を行うとともに、この再検出処理により汚れを検出したなら、洗浄位置Pcで再洗浄を行い、この再洗浄を設定回数(N回)だけ行っても汚れを検出したなら、少なくともエラー報知を行うエラー処理部15を構成する。この場合、非使用位置Pnは、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない位置であり、例えば、収納部92に収納された乳頭位置センサ3を所定距離だけ引出した位置(図1参照)を非使用位置Pnとして設定できる。この非使用位置Pnは、特に、精度が要求されないため、乳頭位置センサ3に対して引出すための制御指令が出力された一定時間後を非使用位置Pnとして設定できる。
【0024】次に、本実施例に係る自動搾乳機1の動作について、各図を参照しつつ図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0025】まず、ストールAの後扉102を開けば、乳牛CはストールA内に進入する。ストールA内に乳牛Cが進入したなら、後扉102を閉じて乳牛Cの識別処理を行う。乳牛CはIDコードを設定した首輪を掛けており、ストールAに取付けた牛体識別センサにより当該IDコードを読取って乳牛Cの識別を行う。そして、乳牛Cを識別したなら、当該乳牛Cにおける乳頭H…の位置をデータベースから読み出す。また、牛体位置検出装置により乳牛の位置を検出する。
【0026】次いで、搾乳ロボット21のマニュピレータ23、即ち、X方向移動機構部24,Y方向移動機構部26及びZ方向移動機構部25をそれぞれ駆動制御し、エンドエフェタ2を、図4の仮想線で示す位置(乳房下)に移動させる。この際、乳頭位置センサ3は収納部92に収納された状態、即ち、図1に仮想線3iで示す位置にあるため、乳頭位置センサ3を使用位置へ移動させる。この場合、まず、メインシリンダ73及びサブシリンダ74を駆動制御し、第一可動ベース72をティートカップTd側へ移動させることにより、乳頭位置センサ3を収納部92から完全に引出す。この後、昇降シリンダ80を駆動制御して乳頭位置センサ3を上昇させるとともに、回動駆動部82を駆動制御してセンサアーム部83を90゜回転させる。これにより、乳頭位置センサ3は使用可能状態となる。
【0027】以後、各ティートカップTa…を対応する乳頭H…に装着する通常の装着工程に移行する(ステップS1)。装着に際しては、まず、メインシリンダ73及びサブシリンダ74を駆動制御して、第一可動ベース72をティートカップTaの位置へ移動させ、かつアクチュエータ75を駆動制御して、カップハンド部79を前進させる。そして、検出した乳牛Cの位置とデータベースから読出した乳頭Hの位置に基づいて、乳頭Hが乳頭位置センサ3の検出用空間S内に入るようにマニュピレータ23を制御する。検出用空間S内に乳頭Hが入ったなら、乳頭位置センサ3により乳頭Hの位置を検出して、乳頭HがティートカップTaの中心に位置するようにマニュピレータ23を駆動制御する。
【0028】これにより、ティートカップTaが乳頭Hの真下に位置したなら、昇降シリンダ77を駆動制御してカップハンド部79を上昇させる。これにより、カップハンド部79の係止部79sがティートカップTaの被係止部Tasに係止し、ティートカップTaを上昇させる。この場合、ティートカップTaの上昇に伴って伸縮機構Meも追従して伸長する。ティートカップTaは負圧が生じているため、ティートカップTaがある程度上昇すれば、乳頭Hが吸い込まれて真空接続され、搾乳が開始する。この後は、昇降シリンダ77を駆動制御してカップハンド部79を下降させるとともに、アクチュエータ75を駆動制御してカップハンド部79を後退させることにより、ティートカップTaから離間させる。乳頭Hに装着したティートカップTaは、ランダムに動いても伸縮機構Meにおける所定の遊び(隙間)を有する結合部53…により乳頭H…の動きに追従する。即ち、ティートカップTaは角度及び変位が所定範囲にわたって許容される。
【0029】このような動作を他のティートカップTb,Tc,Tdについても同様に行う。この場合、カップハンド部79は各ティートカップTb,Tc,Tdに対応するように、メインシリンダ73及びサブシリンダ74によりY方向の位置変更を行うとともに、アクチュエータ75によりX方向の位置変更を行う。
【0030】そして、全てのティートカップTa…の装着が終了したなら、乳頭位置センサ3を収納部92に収納する処理を行う。この際、第二可動ベース76は最後退位置に移動し、かつ第一可動ベース72はティートカップTdの位置に移動しているため、まず、回動駆動部82を駆動制御して、センサアーム部83を90゜回転させる。また、昇降シリンダ80を駆動制御して、乳頭位置センサ3を最下限位置まで下降させる。なお、この際、センサアーム部83の回転と乳頭位置センサ3の下降は、同時に進行させてもよい。これにより、センサアーム部83はエフェクタアーム2aに対して平行となる。次いで、メインシリンダ73及びサブシリンダ74を駆動制御して、第一可動ベース72をティートカップTa側へ移動させれば、乳頭位置センサ3は収納部92の開口部92oから内部に進入し、乳頭位置センサ3は図1に仮想線3iで示す収納位置(洗浄位置Pc)まで移動する。これにより、乳頭位置センサ3は収納部92の内部に完全に収納され、カバー部91により覆われる。
【0031】ところで、この際、乳頭位置センサ3は予め設定した非使用位置Pnを通過するため、検出処理部4は、非使用位置Pnにおいて乳頭位置センサ3による検出処理を実行する(ステップS2,S3)。即ち、各透過型光センサ部3a…を構成する発光部3ai…を発光させ、受光部3ar…による受光状態を検出する。なお、検出処理は、乳頭位置センサ3の移動中に行うことができるが、必要により、この非使用位置Pnにおいて乳頭位置センサ3を一時停止させてもよい。この検出処理は、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない位置で行うため、検出対象は存在せず、乳頭位置センサ3に汚れが付着していない場合には、いずれの透過型光センサ部3a…も非検出状態となる。これに対して、検出状態となった場合には、透過型光センサ部3a…の一又は二以上に汚れが付着しているものと判断し、洗浄処理部5による速やかな洗浄を行う(ステップS4,S5)。
【0032】洗浄は、乳頭位置センサ3が収納部92の内部に完全に収納された後に行う。即ち、乳頭位置センサ3が収納部92の内部に収納され、洗浄位置Pcに停止したなら、コントローラ41から電磁弁19に制御信号が付与され、電磁弁19が開側に制御される(ステップS6)。これにより、温水源20から給水管18を介して噴射ヘッド12の内部に温水Lが高圧で供給されるため、各噴射孔13…から対応する透過型光センサ部3a…に向けてそれぞれ温水L…が噴射され、各透過型光センサ部3a…に対する洗浄処理が設定時間だけ行われる。そして、洗浄処理が終了したなら電磁弁19を閉側に制御する(ステップS7)。
【0033】洗浄処理の終了により、乳頭位置センサ3を一旦検出位置Pnまで移動させ、この位置Pnで汚れに対する再検出処理を行う(ステップS8)。即ち、各透過型光センサ部3a…を構成する発光部3ai…を発光させ、受光部3ar…による受光状態を検出する。これにより、通常は、汚れが除去されるため、いずれの透過型光センサ部3a…も受光状態、即ち、非検出状態となる。したがって、この場合には、乳頭位置センサ3を収納部92の内部に完全に収納される位置まで移動させ、次の乳牛Cの搾乳時まで待機させる(ステップS9)。よって、次回からは、汚れの除去された乳頭位置センサ3により検出処理が行われるため、乳頭Hの位置の検出が正確かつ確実に行われ、信頼性が高められるとともに、乳頭位置センサ3により牛体を傷付ける不具合も解消され、安全性が高められる。
【0034】一方、再検出処理においても検出状態となった場合には、洗浄が不十分の可能性があるため、ステップS6,S7と同様に再洗浄処理を行うとともに(ステップS9,S10)、ステップS8と同様に再検出処理を行う(ステップS11)。そして、この際に、非検出状態となれば、乳頭位置センサ3を収納部92の内部に完全に収納し、次の乳牛Cの搾乳時まで待機させる(ステップS12)。しかし、検出状態になった場合には、さらに、再洗浄処理と再検出処理を同様に繰り返して行う(ステップS10〜S13)。そして、予め設定したN回の再洗浄を行っても検出状態となれば、温水洗浄によっては除去できない汚れが付着しているか或いは透過型光センサ部3a…の故障が考えられるため、エラー処理部15によるエラー処理を行う。即ち、警報ブザー,アラームランプ等を利用したアラーム42による少なくともエラー報知を行う(ステップS13)。よって、作業者は手作業により汚れを確実に除去できるとともに、透過型光センサ部3a…の故障を速やかに知ることができる。
【0035】なお、一連の搾乳処理を行い、搾乳が終了したなら真空による吸引を解除して搾乳を停止する。そして、引張機構Mp…によりワイヤ部材61…を引張ることにより、ティートカップTa…をホームポジションに戻す。この後、エンドエフェクタ2をホームポジションに移動させ、搾乳作業を完了させる。
【0036】以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、乳頭位置センサ3は、他の構成或いは原理に基づく乳頭位置センサに対しても同様に適用できる。また、乳頭位置センサ3が乳頭Hを検出しない所定の非使用位置Pnとは、乳頭Hを検出しない任意の位置を意味し、予め設定した位置であっもよいし予め設定した範囲であってもよい。さらに、洗浄処理部5に対して乳頭位置センサ3を所定の非使用位置Pnへ移動させるとは相対移動させることを意味する。したがって、停止した乳頭位置センサ3に対して洗浄処理部5側を移動させてもよい。なお、洗浄媒体Lとして温水を例示したが、消毒液等を含む所定の洗浄液をはじめ、エア等の気体も利用可能である。
【0037】
【発明の効果】このように、本発明に係る自動搾乳機は、乳頭位置センサが乳頭を検出しない所定の非使用位置にあるときに乳頭位置センサによる検出処理を行う検出処理部と、この検出処理により汚れを検出したなら、所定の洗浄位置で乳頭位置センサに洗浄媒体を噴射して洗浄を行う洗浄処理部を設けたため、次のような顕著な効果を奏する。
【0038】(1) 乳頭位置の検出を常に正確かつ確実に行えるため、信頼性を高めることができるとともに、乳頭位置センサにより牛体を傷付ける不具合を解消して安全性を高めることができる。
【0039】(2) 好適な実施の形態により、センサフレームにより区画される検出用空間に位置する乳頭を座標により検出する複数の透過型光センサ部を有する乳頭位置センサを用いるとともに、洗浄処理部を、当該センサフレームの内方に配し、かつ各透過型光センサ部に向けて洗浄媒体をそれぞれ噴射する複数の噴射孔を有する噴射ヘッドを備えて構成すれば、噴射ヘッドは、円筒形の周面に複数の孔を形成するのみで製作できるため、低コストに実施できるとともに、各透過型光センサ部をそれぞれ個別に洗浄できるため、少ない洗浄媒体により効果的に洗浄できる。
【0040】(3) 好適な実施の形態により、再洗浄を設定回数行っても汚れを検出した際に少なくともエラー報知を行うエラー処理部を設ければ、作業者は手作業により汚れを確実に除去できるとともに、透過型光センサ部の故障を速やかに知ることができる。
【出願人】 【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
【出願日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【代理人】 【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
【公開番号】 特開2002−306006(P2002−306006A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−118128(P2001−118128)