| 【発明の名称】 |
重金属耐性および重金属除去能を有する形質転換植物 |
| 【発明者】 |
【氏名】斉藤 和季
【氏名】野路 征昭
【氏名】中村 道美
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| 【要約】 |
【課題】カドミウム、亜鉛、銅等の重金属を効率よく吸収・無毒化し、しかも重金属汚染環境においても良好に生育する形質転換植物を提供する。
【解決手段】植物由来のシステイン合成酵素をコードするポリヌクレオチドが導入され、高いシステイン合成酵素活性を有し、重金属耐性および重金属除去能を有する形質転換植物またはその組織。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物由来のシステイン合成酵素をコードするポリヌクレオチドが導入され、高いシステイン合成酵素活性を有し、重金属耐性および重金属除去能を有することを特徴とする形質転換植物またはその組織。 【請求項2】 細胞質と葉緑体の双方において高いシステイン合成酵素活性を有する請求項1の形質転換植物またはその組織。 【請求項3】 請求項1または2の形質転換植物を重金属汚染区域に繁殖させ、形質転換植物に重金属を吸収させ、形質転換植物内で重金属を無毒化することを特徴とする重金属除去方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この出願の発明は、重金属耐性および重金属除去能を有する形質転換植物に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、植物を用いた環境汚染物質(カドミウム、亜鉛、銅等の重金属)の除去(ファクトリメディエーション)に有用な、あるいは重金属汚染環境においても良好に生育することのできる新規な形質転換植物と、この形質転換植物を用いた重金属除去方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】水銀やカドミウム、亜鉛、銅等の重金属は産業上広く用いられている物質である。しかしながら、これらの物質は人体にとっては極めて有害に作用し、急性の中毒症状ばかりでなく、有害重金属に汚染された土壌や水域から得られた農産物や海産物、あるいは地下水の摂取は長期間に渡って人体に深刻な影響を及ぼす。例えば、日本の水俣湾において水銀化合物を含む産業廃水によって汚染された魚類や甲殻類の摂取により生じたメチル水銀中毒がその代表例である。 【0003】従って、これらの有害重金属の安全かつ効率的な廃棄処分はもちろんのこと、既に有害重金属に汚染された土壌や水域の浄化・修復が強く望まれている。 【0004】従来、有害物質の処理や有害物質を含む廃水・排気によって汚染された環境の浄化・修復は、主として物理化学的手法が用いられてきた。しかしながら、この従来方法の場合には、大がかりな設備投資によるコストの上昇や、あるいは物理化学的な処理操作による環境破壊等の点から、その効果的な実施は大幅に制限されているのが現状である。 【0005】一方、安価で、しかも環境への影響が少ない有害物質の処理または環境浄化の方法として、生物の働きを利用した技術(バイオレメディエーション)が注目を集めている。例えば、有機塩素化合物の処理や汚染環境の浄化についてはメタン資化性菌やフェノール資化性菌、トルエン資化性菌等の使用が検討されている。また、水銀やカドミウム等の重金属についても、これらの有害物質を分解および揮発する微生物が単離され、実用化に向けた研究開発がなされている。 【0006】しかしながら、個々の有害物質の処理能を有する微生物が単離されたからといって、その微生物をそのまま実用化できるとは限らない。例えば、汚染環境に外部から微生物を導入する場合(バイオ・オーギュメンテーション法)には、導入した微生物の安全評価を慎重に行う必要がある。また、導入した微生物がその環境において良好に生育し、汚染物質を確実に分解、処理することができるかの挙動調査(モニタリング)も不可欠である。そして、このような安全評価や挙動調査といった観点から現在単離されている微生物をみると、実際の汚染環境への適用が可能なものはごく少数に限られているのが現状である。 【0007】一方、バイオ・レメディエーションの別の形態として、汚染環境に既に生息している微生物を活性化する方法(バイオ・スティミュレーション法)が知られている。この方法の場合には安全評価や環境適応性についての問題が少ないが、その微生物が有害物質を確実に分解、処理する能力を獲得する保証はなく、またそのような能力獲得に長い期間を必要とするという問題点を有している。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】近年、バイオレメディエーションによる環境汚染物質の除去方法の新しい形態として、微生物ではなく、植物を用いた技術(ファクトリメディエーション)が提案されている。植物の場合には、安全評価や環境適応性についての問題は全くない。しかも、環境汚染物質を分解・除去する植物は、汚染環境においても良好に生育するため、汚染土壌等における有用植物の栽培も可能となる。 【0009】ただし、このような植物によるファクトリメディエーションを現実に実施する場合の問題点は、目的とする汚染物質を効率よく吸収し、その除去を可能とする植物種の特定または作出にある。 【0010】この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、遺伝子導入によって、重金属汚染環境でも良好に生育することができ、しかもカドミウム、亜鉛、銅等の重金属を吸収し、無毒化するとによって重金属を効率よく分解することができる新規な形質転換植物を提供することを課題としている。 【0011】またこの出願の発明は、形質転換植物を用いた重金属除去方法を提供することを課題としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題を解決するための発明として、植物由来のシステイン合成酵素をコードするポリヌクレオチドが導入され、高いシステイン合成酵素活性を有し、重金属耐性および重金属除去能を有することを特徴とする形質転換植物またはその組織を提供する。 【0013】この発明の形質転換植物においては、細胞質と葉緑体の双方において高いシステイン合成酵素活性を有することを好ましい態様としている。 【0014】なお、この発明の形質転換植物およびその組織は、遺伝子を導入したプロトプラスト、カルス、再生個体(初代植物)およびその子孫植物、さらには植物個体から単離された植物組織(根、茎、葉等)および種子等が含まれる。 【0015】さらにこの出願は、前記の形質転換植物を重金属汚染区域に繁殖させ、形質転換植物に重金属を吸収させ、形質転換植物内で重金属を無毒化することを特徴とする重金属除去方法を提供する。 【0016】以下、この発明の実施形態について詳しく説明する。 【0017】 【発明の実施の形態】この発明の形質転換植物は、植物由来のシステイン合成酵素(以下、「C Sase」と記載することがある)をコードするポリヌクレオチドが形質導入され、野生型よりも高いC Sase活性を有することを特徴とする遺伝子導入(トランスジェニック)植物である。この形質転換植物は、その高いC Sase活性によって、細胞内のシステインおよびそれから生合成されるグルタチオンを高度に産生する。そして、このグルタチオンから合成されるファイトケラチンがカドミウム等の重金属と結合し、重金属を無毒化する。また、汚染土壌等においても良好に生育することができる。 【0018】従って、この発明の形質転換植物を重金属汚染区域に栽培すれば、重金属がこの植物に吸収されて、環境中から効率よく除去される。また吸収された重金属は植物細胞内で無毒化されるため、栽培植物の有効利用も可能である。 【0019】C Saseをコードするポリヌクレオチドは、植物のC Sase遺伝子断片(ゲノムDNA断片)、mRNA、cDNA等を用いることができる。C Sase遺伝子は、C Sase AやC Sase B等が知られており、例えば、ホウレンソウ由来のC Sase A cDNA(Proc. Natl.Acad. Sci. USA. 89:8078-8082, 1992;GenBank accession No. D10476)、CSase B cDNA(FEBS Lett. 324:247-252, 1993;GenBank accession No. D14722)等が公知である。従って、これら公知の塩基配列に基づいて合成したオリゴヌクレオチドをプローブとして、それぞれの植物のゲノムDNAライブラリーやcDNAライブラリーをスクリーニングすることによって目的とするポリヌクレオチドを単離することができる。また、オリゴヌクレオチドをプライマーとして、植物細胞から抽出したmRNAを鋳型とするRT-PCRによっても目的とするポリヌクレオチドを得ることができる。 【0020】ポリヌクレオチドは、植物で機能するプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S プロモーター等)と連結してベクターに組換え、形質転換に用いることができる。 【0021】ポリヌクレオチドを導入する植物は特段の制限はない。一年草木であっても、また多年草木であってもよい。あるいは水棲植物であってもよい。ただし、いわゆる雑草のように、その種子等が飛散して農地等で繁殖することによって他の有用植物種の生育等に影響を及ぼすことのない植物種が好ましい。さらには、有用植物種であることが特に好ましい。すなわち、食用作物(水稲、陸稲等のイネ、大麦、小麦等のムギ、トウモロコシ、ソバ、ダイズ、アズキ、サツマイモ、ジャガイモ等)、園芸作物(リンゴ、ナシ、ビワ、モモ、ウメ、オウトウ、ブドウ、イチジク、カキ等の落葉性果樹;ミカン、ライム、レモン、ユズ、キンカン等の柑橘類;ココヤシ、パイナップル、バナナ、マンゴー、パパイヤ等の熱帯果樹;キュウリ、スイカ、カボチャ等のウリ類野菜;ナス、トマト等のナス類野菜;エンドウ、インゲン、ソラマメ等のマメ類野菜;イチゴ、オクラ等の果菜類野菜;ダイコン、ニンジン等の直根類野菜;サトイモ、ショウガ等の塊根類野菜;ネギ、ニンニク等のネギ類野菜;キャベツ、白菜等の菜類野菜;セロリ、レタス、ウド等の生菜・香辛菜類野菜;ミツバ、セリ、フキ等の柔菜類野菜;山菜類野菜;アサガオ、サルビア、スイートピー等の一、二年草花卉;キク、カーネーション等の宿根草花卉;クロッカスやチューリップ等の球根花卉;ラン類花卉;サボテン類やシクラメン等の温室植物;アカシア、ツツジ、サクラ等の花木鑑賞樹;ヤナギ、ユーカリ等の枝物鑑賞樹;ハナミズキ、ナンテン等の造園樹等)、工芸作物(ナタネ、ゴマ、ヒマワリ、ラッカセイ、オリーブ等の油料作物;サトウキビ、テンサイ等の糖料作物;ワタ、タイマ、イグサ糖の繊維料作物;コンニャク、キクイモ等のデンプン料作物;ジョチュウギク、ハッカ、ケシ等の薬料作物;チャ、タバコ、ホップ等の嗜好料作物;コウゾ、ミツマタ等の紙料作物;アイ、ベニバナ等の染料作物;香辛料作物;香料作物;パラゴムノキ、ウルシ等のゴムおよび樹脂作物等)、飼肥料作物(チモシー、オーチャードグラス、ライグラス類、フェスク類、ベントグラス類、ブロームグラス類、ソルガム、ローズグラス、バミューダグラス、ハトムギ等のイネ科飼料作物;クローバ類、アルファルファ、ベッチ類等のマメ科飼料作物;飼料カブ、家畜ピート等の飼料用葉・根菜類;飼肥料木;レンゲ等の緑肥作物等)を対象とすることができる。 【0022】植物の形質転換は、植物の種類等に応じて、公知の方法(リーフディスク共存培養法、エレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法等)を適宜に採用して行うことができる。例えば、イネの場は、エレクトロポレーション法(Nature 338:274, 1989)、アグロバクテリウム法(Plant J. 6:271, 1994)またはパーティクルガン法(Plant Cell Rep. 14:586, 1995)により形質転換を行うことができる。例えば、エレクトロポレーション法の場合には、C Sase遺伝子による組換えベクターを、イネのプロトプラスト細胞に電気パルスを印加して導入し、この形質転換プロトプラストを培養してカルスを得、さらにこのカルスを培養することによってC Sase遺伝子を導入した形質転換イネ個体(初代)を得ることができる。 【0023】また、ナタネやタバコをアグロバクテリウム法(Plant Mol. Biol. 26:1115,1994)によって形質転換する場合には、乾燥させた種子を2〜3週間培養し、発芽し生長した無菌の下胚軸を適当な長さに切断し、前培養培地上に置いて明所下一晩前培養する。次いで、C Sase遺伝子による組換えプラスミドを保有するアグロバクテリウムの懸濁液に、先の前培養した下胚軸を入れて培養し、この溶液をろ過し下胚軸のみを取り出し、余分なアグロバクテリウムを取り除き、元の前培養培地上で二晩同時培養し、下胚軸にアグロバクテリウムを感染させる。この後、下胚軸を除菌培地上に移して3日間程度培養してアグロバクテリウムの増殖を抑え、次にこれらの下胚軸を選抜培地で培養し、形質転換カルスを得、このカルス部分を発芽培地、伸長培地で培養、馴化させ、隔離温室内で生育させて形質転換タバコ、ナタネ(初代)を得ることができる。また、この初代植物を自家受粉させて種子を得ることができる。 【0024】さらに、アグロバクテリウムを用いたリーフディスク共存培養法(EMBO J. 6:2531, 1987)を用いて形質転換を行う場合には、約1cm角に切片化したタバコ葉に、C Sase遺伝子による組換えプラスミドを保有するアグロバクテリウムの懸濁液を加えて2日間程度共存培養を行い、切片(リーフディスク)を洗浄後、培地に置床する。そして、形質転換体を選択し、培養を続けることによって、リーフディスクの葉脈の切り口に形成されたカルスが葉の全面をおおい、次いで、カルスからshootが形成される。緑化したshootを切り出し、培養することによって発根し、形質転換再生体を得ることができる。 【0025】タバコやナタネをエレクトロポーレーション法(Plant Tissue CultureLetters 11:199, 1994)によって形質転換する場合は、無菌発芽させた下胚軸よりプロトプラストを得、このプロトプラストに電気パルスを印加してC Sase遺伝子を保有する組換えプラスミドを導入する。形質転換細胞を選抜し、得られた形質転換カルスをさらに培養することによって再生個体(初代)を得る。馴化の終了した植物体は隔離温室内で生育させ自家受粉させて種子を得ることができる。 【0026】その他の各植物の形質転換についても、公知の方法により行うことができる。例えば、大豆等を形質転換する場合にも、アグロバクテリウム法(Bio/technology 6:915, 1988)、エレクトロポーレーション法(Plant Cell Rep. 10:106, 1991)、パーティクルガン法(Theor.Appl.Gnet. 79:337, 1990)等を使用することができる。 【0027】以上の方法によって形質転換され、個体へと伸長した形質転換植物は、細胞質で導入C Sase遺伝子を発現する。ただし、カドミウム等の重金属を効率よく吸収し、無毒化するためには、細胞質だけでなく、葉緑体においても高いC Sase活性を有することが好ましい。そのためには、前記のとおりにC Sase遺伝子で形質転換した植物と、プラスミドpKAH5(Plant Cell Res. 8:187-190, 1989)で形質転換した植物とを掛け合わせたキメラ植物とすることが好ましい。このpKAH5にはタンパク質を葉緑体に移行させるシグナルをコードするポリヌクレオチドが挿入されており、得られたキメラ植物は細胞質で産生されたC Saseをさらに葉緑体でも蓄積する。その結果、このキメラ植物は細胞質と葉緑体の双方において高いCSase活性を有し、重金属を効率よく吸収し、無毒化するとともに、重金属汚染環境においても良好に生育することができる。 【0028】以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例によって限定されるものではない。 【0029】 【実施例】実施例1ホウレンソウのC Sase A cDNA(GenBank accession No. D10476)をベクターpHTT203(Plant Cell Res. 8:187-190, 1989)に組換え、リーフディスク共存培養法(EMBO J. 6:2531, 1987)によってタバコに導入した。具体的には以下のとおりとした。 【0030】組換えベクターpHTT203を導入したアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens)を、minimal A培地(K2HPO4 10.5g/l, KH2PO4 4.5g/l, (NH4)2SO4 1.0g/l, NaCitrate・2H2O 0.5g/l, MgSO5・7H20 0.2g/l, グルコース 2.0g/l, ビタミンB1 50mg/l含有, 寒天1.5%)10mlを入れた100ml滅菌マイヤーフラスコ中で、1日間28℃で振とう培養(120ppm)した。 【0031】無菌状態のタバコから生育のよい葉を切り出し、B5培地(B5 medium, 3%ショ糖, pH5.7, 寒天0.8%)10mlが入った滅菌シャーレ上で約1cm角に切片化した。この切片の入った培地に、A. tumegaciens培養液25μlを加え、20℃で一晩、共存培養を行った。2日後、B5+Claforan 500mg/l液体培地で切片を2時間洗浄し、培地に置床した。 【0032】次いで、感染させたタバコ葉切片を、カナマイシン100mg/lを含むA11培地(B5medium, 250mg/l NH4NO3, 2%グルコース,0.5g/l MES, 40mg/l Adenine pH5.7,1.0mg/l BAP, 0.1mg/l IAA含有, 寒天0.8%)で形質転換の選択を行いながら、培養を続けた。培養中、Claforan濃度を段階的に低下させた。感染1ヶ月後、タバコ葉切片の葉脈の切り口よりカルスが形成された。さらに、1ヶ月後、カルスが葉の全面をおおった後、A12培地(B5 medium, 250mg/l NH4NO3, 2%グルコース,0.5g/l MES, 40mg/l Adenine pH5.7, 1.0mg/l BAP含有, 寒天0.8%)に移した。2ヶ月後、カルスからshootが形成された。緑化したshootをメスで切り取り、A13培地(1/2 MS medium, 3%ショ糖, 0.5g/l MES, pH 5,4, 0.7%寒天)に移し、発根させ、形質転換タバコ3Fを得た。 実施例2導入ベクターとしてpKAH5を用いたことを除き、実施例1と同様の方法によって形質転換タバコ4Fを得た。次いで、この4Fと実施例1で作出した形質転換タバコ3Fとを常法により掛け合わせ、キメラ形質転換タバコF1を得た。 【0033】この形質転換タバコF1の種子を、カドミウム200μM濃度の発芽用培地に播き、25℃、16時間明期/8時間暗期の条件で発芽させ、生育させた。 【0034】図1は、野生型タバコSR1(左プレート)と形質転換タバコF1(右プレート)の4週間後の状態であり、形質転換タバコF1は、高濃度のカドミウム存在下でも良好に生育することが確認された。 【0035】また、これらの野生型タバコと形質転換タバコにおけるカドミウム取り込み量をICP-MASS(IPC-MASS4500 SERIES, ヒューレットパッカード社)により測定した。結果は図2に示したとおりであり、カドミウム濃度100μMで生育させた野生型タバコSR1のカドミウム取り込み量が0.4μg以下(左グラフ)であるのに対し、同濃度のカドミウム存在下で生育させた形質転換タバコF1は2倍以上のカドミウム(約0.95μg)を取り込んだ(中央グラフ)であった。また、カドミウム濃度200μMで生育させた形質転換タバコF2は、さらに多くのカドミウム(1.2μg以上)を取り込んだ。この結果から、形質転換タバコF1はカドミウムを極めて効率よく取り込むことから、生育環境中のカドミウム除去に有効に使用可能であることが確認された。 【0036】 【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、植物由来のシステイン合成酵素をコードするポリヌクレオチドが導入され、高いシステイン合成酵素活性を有し、重金属耐性および重金属除去能を有する形質転換植物またはその組織が提供される。この形質転換植物は、カドミウム、亜鉛、銅等の重金属を効率よく吸収し、無毒化するため、ファクトリメディエーションに使用することができる。また、重金属汚染土壌等でも良好に生育するため、有用植物の生育範囲を拡大することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396020800 【氏名又は名称】科学技術振興事業団
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| 【出願日】 |
平成13年3月5日(2001.3.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093230 【弁理士】 【氏名又は名称】西澤 利夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−253072(P2002−253072A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−60795(P2001−60795) |
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