| 【発明の名称】 |
浮島として使用可能な岩石複合体 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩渕 和彦
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| 【要約】 |
【課題】環境を汚染せず、水面の緑化を図ることができる浮島の提供を図ることを目的とする。
【解決手段】軽石11と、溶岩粒体12とを少なくとも含有する浮島10である。前記浮島10の表面の全部又は一部を、前記溶岩粒体12で覆い、樹皮13を固着し、苔30を植設する浮島10を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軽石と、溶岩粒体とを少なくとも含有する、浮島として使用可能な岩石複合体。 【請求項2】 前記岩石複合体には、少なくとも2以上の岩石複合体を連結する連結手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の岩石複合体。 【請求項3】 前記岩石複合体の表面の全部又は一部は、前記溶岩粒体で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の岩石複合体。 【請求項4】 前記溶岩粒体は、パーライトであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の岩石複合体。 【請求項5】 前記岩石複合体の表面の全部又は一部に、樹皮、繊維、網の少なくともいずれかを固着させていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の岩石複合体。 【請求項6】 前記岩石複合体の表面の全部又は一部に、苔、苗、種、球根の少なくともいずれかを植設させていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の岩石複合体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、浮島として使用可能な岩石複合体に関するものであり、詳しくは、池、沼、堀、湖、河川等の水面に浮かべて、該浮島上にて水生植物を生育させること等により、水面を緑化すると共に、野鳥の繁殖場所を提供するようにした岩石複合体に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来は、中空のプラスチック製容器や、発泡スチロール製、木製、繊維製の成型物などが浮島として提供されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の中空のプラスチック製容器や、発泡スチロール製、木製、繊維製の成型物などの浮島は、長年の使用により、朽敗すると、ごみとして浮遊するため、景観を損ねるものであった。また、上述の浮島は、プラスチック製若しくは発泡スチロール製であるため、水分を吸収せず、特別な装置を使用する以外、該浮島の上面で植物を育成することが不可能であった。さらに、このプラスチック製容器や、発泡スチロールは、環境ホルモンの原因となるビスフェノールA等の有機化学物質が浸出しており、環境汚染の点で極めて深刻な問題であった。 【0004】このことから、本発明は、環境を汚染せず、水面の緑化を図ることができる浮島の提供を図ることを解決すべき課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、軽石と、溶岩粒体とを少なくとも含有する、浮島として使用可能な岩石複合体を提供する。 【0006】軽石と、溶岩粒体とを含有する岩石複合体の水に対する比重を、1.0以下にすることにより、河川や湖などの水中に浮かべることが可能である。これにより岩石複合体は、天然鉱石の軽石と溶岩粒体とで構成されているため、使用時及び朽敗したときであっても、河川や湖などの環境を汚染することがない浮島を提供することができる。 【0007】前記溶岩粒体は、パーライトであることが好ましいが、火成岩、花崗岩、玄武岩などの他の溶岩粒体、多孔質ガラスなども使用できる。 【0008】パーライトは、ガラス質の鉱物資源であり、密度の小さい、非常に軽い岩石であり、水に対する比重が1.0以下のものも存在する。パーライトは、火成岩であり、松脂岩や、斑状松脂岩などが知られている。 【0009】また、パーライトは、天然物質であるため植物の育成を促進し、無菌であることから、害虫からの侵食を抑えることができる。さらに、パーライトは、吸水性が極めて良いため、パーライト上に載置された用土の乾燥を防いだり、その用土に植裁された植物への水分供給を行ったりすることができる。 【0010】前記岩石複合体には、少なくとも2以上の岩石複合体を連結する連結手段を備えていることが好ましい。 【0011】2以上の岩石複合体を連結する連結手段を備えることにより、湖等に浮かぶ浮島の面積を拡大すると共に、安定性に優れた浮島を提供することができる。これは、同面積の浮島を製造するよりも保管、製造、運搬等が容易に行える点でも優れている。 【0012】連結手段として、凹部と凸部との嵌合による連結手段や、鎖状による連結手段や、リング同士による連結手段などを、採ることができる。但し、該連結手段は、これに限定されるものではなく、公知の連結手段を用いることができる。 【0013】前記岩石複合体の表面の全部又は一部は、前記溶岩粒体で覆われていることが好ましい。 【0014】前記溶岩粒体は、吸水性及び保水性が良好であるため、河川などの水を吸い上げて、該浮島に植設する苔や苗などの植物に水分供給を図ることができる。これにより、苔や苗などの植物の育成を容易にすることができるからである。 【0015】前記岩石複合体の表面の全部又は一部に、樹皮、繊維、網の少なくともいずれかを固着することが好ましい。 【0016】岩石複合体の表面に、樹皮、繊維、網のいずれかを固着することにより、景観を損なうことなく、より自然物に近い浮島を製造することができる。 【0017】樹皮は、椰子の樹皮が好ましいが、松や杉などの樹木の樹皮も使用できる。繊維は、木綿、麻などの植物繊維や、羊毛、絹などの動物繊維などの天然繊維が好ましいが、合成繊維も使用できる。 【0018】前記岩石複合体の表面の全部又は一部に、苔、苗、種、球根の少なくともいずれかを植設することが好ましい。苔、苗、種のいずれかを植設することにより、より自然物に近い浮島を製造することができる。また、水面における緑化を図ることもできる。また、前記樹皮等を固着する浮島に、種等を植え付ける際に、前記樹皮が風による種等の吹き飛び防止を図ることができる。更に、浮島に植物を植設することにより、河川や湖などの水質の浄化を図ることができる。 【0019】以上により、本発明は、環境を汚染せず、水面の緑化を図ることができる浮島として使用可能な岩石複合体を提供することができるという技術的意義を有する。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る岩石複合体の一実施形態を説明する。以下、本実施形態に係る岩石複合体は浮島として使用する場合を想定する。 【0021】本実施形態に係る岩石複合体に使用する溶岩粒体として、パーライトを用いる。原石は、長野県篠ノ井上石川地籍より産出されるものを用いる。パーライトは、単位容積量が0.04乃至0.3kg/lであり、耐火性がよく1200度まで溶解しない。吸水性が75乃至95%であり、PH7.2程度の中性の物質である。 【0022】パーライトの一種である松脂岩は、火山性のガラスであり、斑晶はほとんどなく、暗色が強くタールやピッチのような光沢がある。組成は、含有されるガラス量が非常に多いが、黒曜岩よりも結晶質の鉱物を多く含んでいる。黒曜岩の水分含有率は約1%以下であるのに対し、松脂岩のそれは約10%と大きく異なる点に特徴がある。松脂岩を焼成温度1200℃の高温で焼く工程で、約6倍に膨張し、乳白色の連続多孔質の軽い製品となる。この松脂岩の比重は、1.0以下であるため、松脂岩単体であっても、水に浮く。 【0023】岩石複合体は、軽石と溶岩粒体とから構成されているため、セメント粉体を用いて、両者を接合する。セメント粉体は、一般的に使用されているポルトランドセメントを使用するが、これに限定するものでない。 【0024】浮島として使用する岩石複合体の形状は、所望の厚さを有する円盤状のもの、所望の厚さを有する楕円形状のもの、所望の厚さを有する四角形のもの等、種々の形状を採ることができる。また、浮島は、水中に浮かべる効果を、一層保持するため、浮島の内部に、気泡を多数設けたり、浮島の底部に空洞を設けたりすることもできる。 【0025】浮島には、2以上の浮島を連結する連結手段を備えていることが好ましく、連結手段として、リング等を使用することにより2以上から構成する浮島を製造することができる。リング等で連結することにより、3以上の浮島間にできる水面部に、浮島から延びる植物の根が張り、植物を生育することができる。 【0026】苔は、一般的に、通常知られている苔を使用することができる。苗、種、球根も同様に、一般的に、通常知られている苗、種を使用することができる。これらの植物は、水生植物であることが好ましいが、これに限定されるものでない。 【0027】 【実施例1】以下、本発明の実施例1を図1について説明する。図1において、(A)は、本発明の実施例1に係る浮島の製造工程を示す断面図であり、(B)は、実施例1により製造された浮島の概略図である。 【0028】浮島10は、軽石11と、溶岩粒体12と、セメント粉体とから構成されている。セメント粉体は、軽石11と溶岩粒体12とを接合するために使用するため、図示しない。 【0029】軽石11としては、粒径が10.0〜100.0mm程度のものを使用する。溶岩粒体12としては、パーライトを使用する。パーライトの粒径は、0.1乃至10.0mm程度のものを使用する。但し、いずれもこの大きさに限定されない。 【0030】以下、実施例1における浮島10の製造工程を示す。 【0031】先ず、第1の容器Xと第2の容器Yと型枠20とを用意する。 【0032】第1の容器Xには、セメント粉体と、軽石11及び溶岩粒体12の混合物とを、容積比率1:6〜1:10程度で、適宜水を加え混練する。第2の容器Yには、セメント粉体と、溶岩粒体12とを、容積比率1:6程度で、適宜水を加え混練する。 【0033】型枠20は、上方に開口部を有する半径250mm、高さ200mmの角部を丸めた円柱状の下部型枠21と、該下部型枠21の上方の開口部の径に相当する径を有する上部型枠22とから構成される。この型枠20は、金属製のものを使用するが、これに限定されない。 【0034】まず、下部型枠21に、第2の容器Y内で混練する溶岩粒体12と、セメント粉体との混練物を下部型枠21の内壁面に沿って、内壁面全体を覆うように流し込む。 【0035】次に、第1の容器X内で混練する軽石11と溶岩粒体12とセメント粉体との混練物を、下部型枠21の中央部付近にゆっくりと流し込む。流し込んだ後、混練物の上面を、ほぼ均一の高さになるように拡げる。 【0036】次に、再び第2の容器Y内で混練する混練物を、下部型枠21内の混練物の上面全体に、均一になるように流し込む。その後、下部型枠21の外周部に、約10秒間振動を加えて、下部型枠21内の混練物の上面を、ほぼ均一の高さにする。 【0037】次に、上部型枠22を、下部型枠21の開口部の上面から、軽く押さえる。そのままの状態で、3〜4日間静置して、浮島10を成型する。この上部型枠22は、セメント粉体の急激な乾燥を防止するためである。 【0038】次に、成型された浮島10を下部型枠21内から取り出す。このとき、下部型枠21の開口部の底面が、浮島10の上面、上部型枠22に接する面が、浮島10の底面となるように、載置する。成型された浮島10の上面、つまり下部型枠21内の開口部の底面は、粒径の小さい溶岩粒体12及びセメント粉体とで構成されているため、滑らかな形状を有する浮島10が製造される。 【0039】最後に、成型された浮島10の表面に苔30を繁殖させる。苔30は、スギゴケを使用する。特に、浮島10の上面に苔30を繁殖させる。成型された浮島10の表面は、溶岩粒体12で覆われているため、苔30の繁殖を極めて容易にすることができる。 【0040】これにより製造された浮島10は、池や湖などの水中に浮かべることができ、湖水などの水を、苔が吸い上げるため、常に浮島10は、緑に覆われており、水中の緑化を図ることができる。また、溶岩粒体12における吸水性により、浮島10の表面は、常に、水分を含んだ状態を保つことができるため、緑化を更に促進することができる。 【0041】 【実施例2】図2(A)は、実施例2に係る浮島の製造工程を示す断面図である。図2(B)は、上方より見る実施例2で使用する下部型枠の斜視図である。図2(C)は、実施例2により製造された浮島の概略図である。符号は、実施例1と同じものを使用する。 【0042】型枠20は、下部型枠21と、上部型枠22とからなり、下部型枠21は、複数の凸部21aと、凹部21bとを、備えている。 【0043】下部型枠21は、内側の半径250mm、高さ300mmの、底部を有する円筒である。下部型枠21に設けられた凸部21aは、半径40mm、下部型枠21の内底面から高さ100mmの円柱状から構成されており、下部型枠21の中心部を中心に、縦横2個ずつ、計8個設けられている。凹部21bは、凸部21a以外の領域である。 【0044】上部型枠22の大きさは、下部型枠21の開口部の上面の内径に嵌合するように半径248mm、円筒の底部から上部型枠22の下部の上底までの高さが200mmである円柱状である。上部型枠22は、下部にボウル型の開口部を有している。 【0045】以下、実施例2における浮島10の製造工程を示す。 【0046】まず、下部型枠21に、実施例1で使用した第1の容器Xで混練する混練物を流し込む。下部型枠21の凹部21bにも、第1の容器Xで混練する混練物を流し込む。 【0047】混練物を流し込んだ後、下部型枠21内に、混練物が均一流れ込むように、約20秒間、下部型枠21に振動を加える。 【0048】次に、下部型枠21の中央部付近上方から、実施例1で使用した第2の容器Yで混練する混練物を下部型枠21内に流し込む。 【0049】次に、流し込んだ混練物の上面に椰子の樹皮13を載置する。椰子の樹皮13は、混練物の上面を全て覆うものであることが好ましいが、一部のみであってもよい。 【0050】次に、下部型枠21の開口部に嵌合するように、上方より、混練物の上面を、上部型枠22で押さえる。この状態で、4〜5日間静置する。 【0051】次に、成型された浮島10を下部型枠21内から取り出す。成型された浮島10は、上面を椰子の樹皮13が覆っている。 【0052】最後に、浮島10の椰子の樹皮13間に苔30を植え付け、2〜3ヶ月繁殖させる。 【0053】このようにして、製造される浮島10は、その上部表面を椰子の樹皮13と苔30とが覆っているため、より自然物に近い景観を有することとなる。 【0054】 【実施例3】図3(A)は、実施例3に係る浮島の製造工程を示す断面図である。図3(B)は、実施例3により製造された浮島の概略図である。図3(C)は、実施例3により製造された浮島の使用状態を示したC−C線断面図及び概略図である。図3(C)の右半分は、実施例3により製造された浮島の外観を表す概略図であり、左半分は、C−C線断面図である。 【0055】符号は、実施例1及び2で使用したものを使用する。本実施例3では、上部型枠22は、使用しない。 【0056】下部型枠21は、楕円形のボウル型の開口部を有している。その開口部には、上方に向かって延びる棒体21c、該棒体21cの底部には、円柱状の台座21dが、設けられている。この棒体21c及び台座21dは、本実施例3では、23本であるが、所望により増減することができる。 【0057】下部型枠21の開口部の上方の第1径は、400mm、第2径は、700mmの楕円形である。下部型枠21の開口部の下方の第1径は、ほぼ300mm、第2径は、600mmの楕円形であり、上方と下方の第1径、及び上方と下方の第2径は、共に相当する。下部型枠21の開口部内の深さは、250mmである。 【0058】棒体21cは、半径5mm、高さ230mmの円柱である。台座21dは、半径7mm、高さ10mmの円柱である。 【0059】以下、実施例3における浮島10の製造工程を示す。 【0060】まず、実施例1において第2の容器Y内で溶岩粒体12とセメント粉体とを混練した混練物を、下部型枠21に流し込む。 【0061】次に、実施例1において第1の容器X内で軽石11と溶岩粒体12とセメント粉体とを混練した混練物を、棒体21cの上部30mmの所まで、下部型枠21の上方から流し込む。下部型枠21に振動を加えないで、3乃至4日間、静置する。 【0062】次に、下部型枠21から成型された浮島10を取り出す。成型された浮島10は、このとき、下部型枠21の開口部の底面が、浮島10の上面、下部型枠21の開口部の上方部が、浮島10の底面となるように、載置する。取り出された浮島10には、棒体21c及び台座21dに相当する位置に空孔が設けられている。また、浮島10の内部は、下部型枠21に振動を加えなかったため、空孔を有している。 【0063】最後に、浮島10に設けられた台座21dに相当する空孔部14に、種32aを蒔く。若しくは、種32aの代わりに苗を植え付けてもよい。種32aは、水生植物32の種である。水生植物32の根32bは、水中から水分を供給している。更に、浮島10の上面には苗31を植え付ける。 【0064】これにより、実施例3において製造された浮島10は、それ自身の重量により浮島10の下部が水中に浸積するが、約上半分程度は、水面より上に位置する。浮島10は、水生植物32及び、苗31を育成でき、緑化された浮島10を製造することができる。 【0065】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、軽石及び溶岩粒体により構成する池や湖などの水に浮かべる浮島を製造することができる。また、この浮島は、天然の軽石及び溶岩粒体を使用するため、苔、苗、種などの植物の育成を促進することができる。従って、環境を汚染せずに、水中の緑化を図ることができ、野鳥の生息場所の提供を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500571756 【氏名又は名称】岩渕 和彦
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| 【出願日】 |
平成13年6月1日(2001.6.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096105 【弁理士】 【氏名又は名称】天野 広
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| 【公開番号】 |
特開2002−354951(P2002−354951A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月10日(2002.12.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−166865(P2001−166865) |
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