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【発明の名称】 樹脂製雪囲い
【発明者】 【氏名】▲高▼倉 伸治

【氏名】宮澤 俊男

【氏名】高田 一一

【氏名】菊池 煕

【要約】 【課題】十分な強度を持ち、組み立てが容易であり、遮蔽板の部分的な損傷に対する交換補修も可能であり、かつ、サイズが異なる場合にも容易に対応することのできる、軽量化された樹脂製雪囲い10を得る。

【解決手段】樹脂製枠材20に対して樹脂製遮蔽板30を釘などの固定具31により隙間をあけて打ち付ける。遮蔽板30は裏面側が空洞部とされた凸条33と凹溝34とが交互に並列した形状であり、軽量化と強度の双方を満足する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 閉じた姿勢と所定角度の開脚姿勢とを取りうるようにされた樹脂製枠材と、該枠材に隙間をおいて固定された複数本の樹脂製遮蔽板とからなり、該遮蔽板は、樹脂の押し出し成形品であって、裏面側が空洞部とされた凸条と凹溝とが交互に並列した形状であり、遮蔽板と枠材とは遮蔽板の凹溝の底面に打ち込んだ固定具により一体に固定されていることを特徴とする樹脂製雪囲い。
【請求項2】 遮蔽板は上下方向に向けて枠材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製雪囲い。
【請求項3】 遮蔽板は横方向に向けて枠材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製雪囲い。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雪囲い、特に、軽量でありかつ十分な強度を持つ樹脂製の雪囲いに関する。
【0002】
【従来の技術】降雪量の多い地域では、雪の重みにより枝が折りたれ倒れたりしないように、立木や庭木に対して雪囲いが行われる。畑作物に対して雪囲いが行われることもある。雪囲いには、通常、間伐材などから作った角材を用いて、立木などの被保護物を覆うように、山形をなす枠材を組み立て、その枠材に、複数枚の板材を隙間をあけて釘打ち固定したものが用いられ、被保護物の上部に雪囲いとしての屋根を構築する。積雪前にそのような組み立て作業を行い、融雪後には分解され、用いた木材は廃棄されるか、再使用のために保管される。しかし、木材は重く、組み立てや分解の作業が容易でないとともに、湿気による腐食が生じ易く、3年程度で使用に耐えなくなる。
【0003】そのような点に配慮して、容易に組立・分解を行なうことができ、しかも耐久性に優れた雪囲いとして、閉じた姿勢と所定角度の開脚姿勢とを取りうるようにされた金属パイプ製の支持脚に、L字状の保持具を多段に取り付けた帯板状の基板を取り付け、そのL字状の持具に棚板(遮蔽板)を落とし込んで係止していくようにしたものが提案されている(特開平11−192026号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の雪囲いは、支持脚として金属パイプを用いており、木材と比較して耐腐食性に優れることから、多年にわたっての繰り返し使用が可能となる。遮蔽板として使用する棚板材が腐食しても、それのみを交換すればよい。しかし、金属パイプを用いて支持脚を作ること、棚板を係止するためのL字状の保持具を多段に取り付けた帯板状を用意することは多くの作業量を必要とし、また、製造単価はかなり高いものとなる。高速道路に沿って植えられている灌木などに対して長い距離に亘って雪囲いを施すような場合には、非常に多くの本数の支持脚が必要となり、雪囲いに要する費用は相当な額となる。本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造も容易であり、軽量でかつ多数回の繰り返し使用が可能でありながら、製造単価を大きく低減することのできる、樹脂製の雪囲いを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するための本発明による樹脂製雪囲いは、閉じた姿勢と所定角度の開脚姿勢とを取りうるようにされた樹脂製枠材と、該枠材に隙間をおいて固定された複数本の樹脂製遮蔽板とからなり、該遮蔽板は、樹脂の押し出し成形品であって、裏面側が空洞部とされた凸条と凹溝とが交互に並列した形状であり、遮蔽板と枠材とは遮蔽板の凹溝の底面に打ち込んだ固定具により一体に固定されていることを特徴とする。
【0006】樹脂材料は、金属材料と比較して平均的に安価であり、成形も容易である。また、成形方法や断面形状を適宜選択することにより、木材や金属材料よりも軽量で、かつ、雪囲いに求められる所要の強度を備えた材料を容易に得ることができる。湿気に対する耐腐食性も高い。
【0007】本発明において、枠材および遮蔽板を形成する樹脂材料に制限はなく任意のものを用いうる。ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂、また、これらを混合したものを使用することができる。ポリスチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系ビニルモノマーを主構成単位とする重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−カルボン酸エステル共重合体、エチレン−カルボン酸金属塩共重合体、結晶性プロピレンホモポリマー、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、結晶性プロピレン−エチレン−ジエン3元共重合体などを挙げることができる。上記の樹脂の中で、コストや成形性および強度の点からポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。また、強度的な面から非発泡体であることが望ましいが、5倍程度以下の発泡体であれば使用可能である。
【0008】特に、枠材は非発泡体でもよく発泡体でもよい。軽量化を考慮すると、所要の強度が得られること、および、打ち込まれる釘などの固定具に対する保持力を備えることを条件に、低発泡倍率(1.1〜3.0程度)のものが望ましい。枠材と遮蔽板とに同じ樹脂材料を用いる場合には、リサイクル時や廃棄処理時での作業の容易化がもたらされる。
【0009】本発明において、遮蔽板は樹脂の押し出し成形品であって、裏面側が空洞部とされた凸条と凹溝とが交互に並列した形状とされる。樹脂材料として、ポリエチレン系樹脂を使用することにより、耐衝撃強度に優れるという効果が奏される。また、凸条の裏面側が空洞部となっているので軽量化が図られると同時に、凸条部は両側に上下方向に立ち上がる側壁を持つことから、高い強度も得られる。そのために、遮蔽板は、軽量性と強度との双方を満足したものとなる。
【0010】また、本発明による雪囲いでは、遮蔽板と枠材とは、遮蔽板の凹溝の底面から打ち込んだ釘やビスなどの固定具により枠体に固定される構成であり、雪囲い全体の組み立て作業はきわめて容易である。また、枠材は、閉じた姿勢と所定角度の開脚姿勢とを取りうるように組み立てられており、使用しないときはコンパクトに収納できる。雪囲いとして使用するときも、単に枠材を開いて所定の場所に置くだけであり、使用態様はきわめて簡便である。さらに、遮蔽板は樹脂材料の押し出し成形品であり、長尺状に成形したものを切断することにより所要長さの遮蔽板を容易に調整することができる。そのために、大きさの異なる雪囲いも容易に作ることができる。なお、枠材に対する遮蔽板の取り付け方向は、その長手方向が上下方向でもよく横方向でもよいが、上下方向に向けて取り付ける場合には、降雪当初に遮蔽板に沿って雪が滑り落ちやすくなる利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による樹脂製雪囲いの好ましい実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は樹脂製雪囲いの全体を示す斜視図であり、図2は遮蔽板の2つの態様を示す斜視図であり、図3は他の態様の樹脂製雪囲いの全体を示す斜視図である。
【0012】図1に示す形態の樹脂製雪囲い10は、上端が適宜の手段により回動自在に支持されていて、閉じた姿勢と所定角度の開脚姿勢とを取りうるようにされた樹脂製枠材20と、該枠材20に隙間をおいて固定された複数枚の樹脂製遮蔽板30とからなる。図1の形態では、枠材20は、2本の支柱21、21の上端近傍がボルトナットなどの固定具22によって枢着された複数個(図示の例では3個であるが、2個以上であれば任意である)の開閉自在な支持脚23により構成されており、該支持脚23のそれぞれの支柱21を利用して、複数枚の樹脂製遮蔽板30が釘やビスなどの固定具31により固定されている。なお、この形態において、枠体20の開き角度は、最上段に位置する樹脂製遮蔽板30の取り付け位置により規制される。もちろん、他の手段により開き角度を規制するようにしてもよい。
【0013】この例では、枠材20および遮蔽板30は、ともに、オレフィン系樹脂、好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、あるいは、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合樹脂の非発泡体であるが、求められる強度を満足することを条件に5倍程度以下の発泡体であってもよく、その場合には、より軽量な雪囲いが得られる。前記のように、遮蔽板30を特にポリエチレン系樹脂により成形することは耐衝撃強度に優れるという理由から好ましい。
【0014】個々の遮蔽板30は、図2aに拡大して示すように、裏面側が空洞部32とされた凸条33と凹溝34とが交互に、図示の例では3本の凸条14と2本の凹溝15が交互に、並列した形状を有している。このような断面形状の製品は樹脂の押し出し成形により容易に製造可能であり、成形された長尺状の部材から所望の任意の長さに切断することにより、図示のような遮蔽板30が得られる。従って、異なったサイズの雪囲いにも容易に対応可能である。図1に示すように、個々の遮蔽板30は、その凹溝34の底面から釘やビスのような固定具31を支柱21に対して打ち込むことにより、容易に枠材20に対して固定することができる。破損した場合での遮蔽板30の交換も容易である。
【0015】上記の樹脂製雪囲い10において、遮蔽板30は、凸条33の裏面側が空洞部32とされており、凸条33の両側には上下方向に立ち上がる側壁が形成されるので、きわめて軽量でありながら十分な曲げ強度を持つ。また、枠材20も樹脂製であり、全体として軽量でありながら強い強度を持つ雪囲いが得られる。
【0016】図2bは遮蔽板30の他の態様を示している。この遮蔽板30aは、凸条33の裏面空洞部32の底面は底板33aにより閉鎖されており、底板33aと凹溝34の底面とは同一面とされている。この遮蔽板30aは、耐衝撃強度や曲げ強度に優れるというような固有の効果を奏する。
【0017】図3は、他の態様の樹脂製雪囲いを示す。この樹脂製雪囲い10aは、枠材20を構成する左右2つの開閉自在な支持脚23、23に対して、横材25が上下2段に固定されており、該横材25に対して、上記した樹脂製遮蔽板30が縦方向に、すなちわ上下方向に向けて釘やビスなどにより固定されている点で、図1に示した樹脂製雪囲い10と相違している。この形態の樹脂製雪囲い10aは、降雪当初に遮蔽板30に沿って雪が滑り落ちやすくなる利点がある。なお、この形態において、枠体の開き角度は、上方に固定する横材25の取り付け位置により規制される。
【0018】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、十分な強度を持ち、組み立てが容易であり、また、部分的な損傷に対する遮蔽板の交換補修も可能であり、かつ、サイズが異なる場合でもそれに容易に対応することのできる軽量化された樹脂製雪囲いを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
【識別番号】593020175
【氏名又は名称】一村産業株式会社
【識別番号】391064614
【氏名又は名称】株式会社チャンピオン
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2002−345350(P2002−345350A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−160827(P2001−160827)