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【発明の名称】 作物栽培用カバー体
【発明者】 【氏名】佐藤 光信

【氏名】大島 礼治

【要約】 【課題】作物の被覆作業を煩雑にすることなく、作物の上方に形成される空間部の保温効果を効果的に高めることが出来る作物栽培用カバー体を提供すること。

【解決手段】植栽された作物の上方を被覆する作物栽培用カバー体1であって、前記カバー体1における少なくとも作物の上方を被覆する被覆領域4に、気体を充填可能な密閉空間部Sが形成されており、該密閉空間部S内に充満された気体により断熱用の気体層部が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植栽された作物の上方を被覆する作物栽培用カバー体であって、前記カバー体における少なくとも作物の上方を被覆する被覆領域に、気体を充填可能な密閉空間部が形成されており、該密閉空間部内に充満された気体により断熱用の気体層部が形成されていることを特徴とする作物栽培用カバー体。
【請求項2】 前記カバー体は、軟質のシート部材により構成されるとともに、前記密閉空間部に気体が充填されることにより生じる自己形状保持力により、作物の被覆状態が保持されるようになっている請求項1に記載の作物栽培用カバー体。
【請求項3】 前記密閉空間部は、作物の被覆状態において上下方向を向くように細長帯状に形成されている請求項1または2に記載の作物栽培用カバー体。
【請求項4】 前記カバー体は、作物の被覆状態において前記被覆領域が略三角形状をなすように立設するように構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の作物栽培用カバー体。
【請求項5】 前記カバー体は所定長さに形成されているとともに、他のカバー体と連結するための連結手段を有しており、複数のカバー体を前記連結手段を介して長手方向に連結することで、長手方向に延びる空間部を形成出来るようになっている請求項1ないし4のいずれかに記載の作物栽培用カバー体。
【請求項6】 前記連結手段が、係合部材と、該係合部材に対して係脱自在な被係合部材とから構成されている請求項5に記載の作物栽培用カバー体。
【請求項7】 前記カバー体の表面所定箇所に、前記密閉空間部内に連通する穴部が形成されているとともに、該穴部を閉塞する閉塞部材が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の作物栽培用カバー体。
【請求項8】 前記被覆領域の少なくとも一部に、前記空間部内への光の透過を抑制するための遮光処理が施されている請求項1ないし7のいずれかに記載の作物栽培用カバー体。
【請求項9】 前記被覆領域の少なくとも一部に、破損を防止するための補強処理が施されている請求項1ないし8のいずれかに記載の作物栽培用カバー体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に農作物等の作物を栽培する際において、作物を風雨や冷害等から保護するための作物栽培用カバー体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、主に田畑等において作物を栽培する際にあっては、一般的には、例えばポリ塩化ビニル製の1枚の長いシートを作物を植栽した畝の上方に張設して、いわゆる「トンネル」を形成することにより、畝の上方に外気と遮断された空間部を形成して作物を風雨や冷害等から保護している。
【0003】このようなビニールハウスの施工方法としては、まずハウスの骨材となるパイプ等を複数立設した後、これら立設した複数本のパイプに前記ポリ塩化ビニル製のシートを張設し、畝の上方にトンネル状の空間部を形成するようにするのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に寒冷地等においてこのようなビニールハウスを使用する場合、ポリ塩化ビニル製の1枚のシートだけでは十分な断熱効果が得られず、空間部内の温度を所定温度に保持することが困難であった。
【0005】そこで、空間部内の保温効果を高めるために、複数枚のシートを重ねるように張設すること等が考えられるが、シートの張設作業に手間がかかるようになるとともに、シートの重量が増加するので張設作業が困難になるといった問題があるばかりか、このような処理だけでは十分な保温効果が得られなかった。
【0006】本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、作物の被覆作業を煩雑にすることなく、カバー体により被覆された作物の上方空間内の保温効果を効果的に高めることが出来る作物栽培用カバー体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の作物栽培用カバー体は、植栽された作物の上方を被覆する作物栽培用カバー体であって、前記カバー体における少なくとも作物の上方を被覆する被覆領域に、気体を充填可能な密閉空間部が形成されており、該密閉空間部内に充満された気体により断熱用の気体層部が形成ていることを特徴としている。この特徴によれば、密閉空間部に気体を充填するだけで、被覆領域に断熱用の気体層部が容易に形成されるため、作物の被覆作業を煩雑にすることなく、被覆状態時における断熱効果を効果的に向上させてカバー体により被覆される空間内の保温性を著しく高めることが出来る。
【0008】本発明の作物栽培用カバー体は、軟質のシート部材により構成されるとともに、前記密閉空間部に気体が充填されることにより生じる自己形状保持力により、作物の被覆状態が保持されるようになっていることが好ましい。このようにすれば、カバー体を被覆状態に保持するための骨材等を設けることなく、カバー体のみで作物の上方を容易に被覆できるばかりか、非使用時等においては折り畳むなどしてコンパクト化出来るため、運搬性や保管性に優れる。
【0009】本発明の作物栽培用カバー体は、前記密閉空間部が作物の被覆状態において上下方向を向くように細長帯状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、カバー体の自己形状保持力が高まるため、外部から何らかの力が加わっても簡単に折れ曲がったりつぶれることがない。
【0010】本発明の作物栽培用カバー体は、作物の被覆状態において前記被覆領域が略三角形状をなすように立設可能に構成されていることが好ましい。このようにすれば、外部から何らかの力が加わっても簡単につぶれることがない。
【0011】本発明の作物栽培用カバー体は、所定長さに形成されているとともに、他のカバー体と連結するための連結手段を有しており、複数のカバー体を前記連結手段を介して長手方向に連結することで、長手方向に延びる空間部を形成出来るようになっていることが好ましい。このようにすれば、作物を植栽する畝の長さ等に応じてカバー体を裁断するなどの加工を施すことなく、所望の長さの空間部を容易に形成することが出来るばかりか、連結手段の連結を解除するだけでカバー体内部の空間を部分的に解放出来るため、カバー体の立設後においても栽培作業や換気を部分的に容易に行うことが出来る。
【0012】本発明の作物栽培用カバー体は、前記連結手段が、係合部材と、該係合部材に対して係脱自在な被係合部材とから構成されていることが好ましい。このようにすれば、連結及び連結の解除を簡単な操作で行えるばかりか、カバー体自体に加工を施すことなく、被覆領域の一部に開口を容易に設けることが出来るので、広域にわたって被覆状態を解除することなく作物の管理を外部から行うことが出来る。
【0013】本発明の作物栽培用カバー体は、前記カバー体の表面所定箇所に、前記密閉空間部内に連通する穴部が形成されているとともに、該穴部を閉塞する閉塞部材が設けられていることが好ましい。このようにすれば、穴部から密閉空間部内への気体の充填や、充填された気体を抜出しを容易に行えるため、現場における作業性及び運搬性や可搬性が向上する。
【0014】本発明の作物栽培用カバー体は、前記被覆領域の少なくとも一部に、前記空間部内への光の透過を抑制するための遮光処理が施されていることが好ましい。このようにすれば、作物に対して、成長に必要な光量を供給することが出来る。
【0015】本発明の作物栽培用カバー体は、前記被覆領域の少なくとも一部に、破損を防止するための補強処理が施されていることが好ましい。このようにすれば、風とともに運ばれてくる小枝や土などの接触や、動物等のいたずらによる被覆領域の破損を効果的に防止することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1には、本発明の実施例としての作物栽培用カバー体1が、作物を植栽するために畑に形成された畝2の上方を覆うように立設された状態が示されている。
【0017】カバー体1は、図2に示されるように、細長矩形状に形成された透明なシート部材1aにより構成されており、シート部材1aにおける長手方向の両端側には、立設時において畝2の左右側の土上に敷設される敷設領域3、3がそれぞれ形成されているとともに、これら左右の敷設領域3、3により囲まれる領域、すなわち、立設時において畝2の上方を覆う被覆する領域となる被覆領域4が形成されている。
【0018】なお、本実施例におけるシート部材1aは、塩化ビニル樹脂により透明に構成されているが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン等の樹脂や、その他の素材により構成されていてもよく、特にこのような軟質の樹脂材等により構成すれば、非使用時等において小さく折り畳むこと等が出来、使用性や保管性に優れるため好適である。また、シート部材1aは透明であるため、被覆された作物に対して光が供給されるばかりか、内部の作物の様子を外部から視認できる。
【0019】被覆領域4は、図3に示されるように、空気を充填可能な密閉空間部Sが内部に形成されるように、例えば2枚のシート部材1aを上下に重ねた状態で図中太線で示された箇所をヒートシールすることにより構成されている。詳しくはこの密閉空間部Sは、被覆領域4における長手方向の中央部に形成される帯状の天井領域5を挟んで左右両側にそれぞれ別々に形成されている。
【0020】図2に示されるように、左右の密閉空間部S内は、敷設領域3側から天井領域5に向けて延びるとともに、先端と天井領域5との間に空気の連通部6aが形成されるように形成される2本のヒートシール部7aと、天井領域5側から敷設領域3に向けて延びるとともに、先端と敷設領域3との間に空気の連通部6bが形成されるように、両ヒートシール部7a、7aの間に形成されるヒートシール部7bとにより、それぞれ4本の帯状の空気充填領域が構成されるように仕切られている。
【0021】それぞれの密閉空間部S内には、この密閉空間部Sを構成する上下いずれかのシート部材1aの所定箇所に形成された穴部8から空気を充填できるようになっているとともに、穴部8周りに取り付けられた塞ぎ部材9により穴部8を閉塞することで、充填した空気の抜出を防止出来るようになっている。
【0022】天井領域5には、細長状の孔部10が長手方向に複数形成されており、カバー体1の立設時において、この孔部10を介して、カバー体1により囲まれた被覆空間P内の空気と外部の空気とが連通するため、被覆空間P内が適度な温度、湿度にて保持される。
【0023】被覆領域4における長寸の辺側端部には、図1に示されるようにカバー体1同士を連結する際に、他のカバー体1の端部を重合させて連結させるための連結領域11a、11bがそれぞれ形成されており、連結領域11aには、凹部12aが形成された被係合部材12が、また、対向側の連結領域11bには前記凹部12a内に弾性変形により係脱可能な係合突部13aを有する係合部材13が、それぞれ互いに対向する位置にそれぞれ複数設けられている。
【0024】これら被係合部材12と係合部材13とは、図3(a)に示されるようにカバー体1同士を連結するための連結手段を構成しており、連結するカバー体1、1の連結領域11a、11bをそれぞれ特に図3(b)にしめされるように折曲げ、互いの裏面側を当接させるように重合した状態で、被係合部材12の凹部12a内に係合部材13の係合突部13aを係合させることで容易に連結出来、かつ、係合を解除するだけで連結を容易に解除出来るようになっている。
【0025】次に、このように構成されるカバー体1の使用方法及び使用状態における作用を以下に説明する。
【0026】使用する際においては、まず、シート部材1におけるそれぞれの穴部8から例えば空気(気体)を充填する。空気が充填されると、図2中矢印で示されるように、連通部6a、6bを介して密閉空間部S内全域に充満され、図1や、図3中2点鎖線で示されるように、被覆領域4におけるヒートシール部7a、7b以外の箇所がそれぞれ膨張して、立方体状の空気層部が複数本形成される。
【0027】この状態において穴部8を塞ぎ部材9により閉塞して空気の抜出が防止されると、シート部材1aにおける被覆領域4に、密閉空間部S内に空気が充填されるにより自己形状保持力が生じて、特にヒートシール部7a、7bの方向に対して直交する方向での屈曲に対する耐強度が増大されるため、被覆領域4が略板状に保持されるので、作物の被覆状態が安定して保持されることになる。
【0028】よってこの状態において、図1及び図5に示されるように、天井領域5を中心としてシート部材1aを山折りし、敷設領域3、3それぞれを外方に広げるようにして畝2の左右側の土上における所定箇所に敷設し、敷設したシート部材1aにおける敷設領域3、3の上方から杭14を土中に向けて打設する等の処理を施すことにより、カバー体1の補強用の骨材を立設することなく、カバー体1を容易に立設することが出来る。なお、立設されたカバー体1は側面視略三角形状に保持されている。
【0029】また、このように所定箇所に立設したカバー体1の端部に設けられた被係合部材12もしくは係合部材13に、図3(b)に示されるように、別のカバー体1の係合部材13もしくは被係合部材12を係合することにより、複数のカバー体1を畝2の長手方向にわたって連結していくことが出来る。これら長手方向に連結される複数のカバー体1により被覆されたトンネル状の被覆空間Pが、細長帯状の畝2の上方に長手方向に延びるように形成されることになる。
【0030】このように、複数のカバー体1を連結手段としてのスナップボタンにより長手方向に連結していくだけで、畝2の長さに対応した所望の長さの被覆空間Pを容易に形成することが出来るため、シート部材1aを畝2の長さ等にあわせて成形したり、裁断等の加工を施す手間が不要となる。
【0031】また、複数のカバー体1を連結して細長帯状の畝2の上方に長手方向に延びるトンネル状の被覆空間Pを形成することが出来るため、図1や図4に示されるように、所定のカバー体1同士の連結箇所の被係合部材12と係合部材13との係合を解除するだけで、連結された複数のカバー体1のうちのいずれかのカバー体1のみを部分的に解放することが出来る。よって、従来品のように全てのカバー体1の被覆状態を解除したり、カバー体1の所定箇所に開口部を設ける等の加工を施すことなく、一部のカバー体1の一部を図1や図6のように解放したり撤去するだけで、カバー体1の立設後においても被覆空間P内の換気や栽培作業を部分的に容易に行うことが出来る。
【0032】また、連結された複数のカバー体1のうち、長手方向両端部のカバー体1の側面に形成される開口は、図1に示されるように、例えば略三角形状に成形された側部カバー15等を、その端部に設けた被係合部材12もしくは係合部材13を端部のカバー体1の係合部材13もしくは被係合部材12に係合するだけの簡単な操作で閉塞することが出来る。
【0033】そして最後に、強風等によりカバー体1が容易に吹き飛ばされることがないように、図5に示されるように杭14を打設したシート部材1aにおける敷設領域3の上面に盛土することが好ましい。
【0034】このように、本実施例としてのカバー体1により畝2に植栽された作物の上方を覆うように立設することにより、図5に示されるように、畝2の上方に外気から遮断された被覆空間Pが長手方向にわたって形成されるので、植栽された作物が冷害や風雨等による被害から保護される。また、このカバー体1における被覆領域4には、密閉空間部S内に空気が充填されることにより、外気と被覆空間Pとの間に、所定厚さの空気層部が形成されることになるため、断熱効果が効果的に向上し、被覆空間P内の保温性が著しく高まる。
【0035】このようにカバー体1は被覆領域4に空気層部を容易に構成出来るので、カバー体1を肉厚にすることなく、断熱効果を効果的に向上させることが出来る。また、シート部材1aの重量化が回避されるとともに、空気を充填することにより被覆領域4に自己形状保持力が生じて作物を被覆する形状が保持されるので、骨材等の立設が不要となるので、被覆作業が簡素化される。
【0036】さらに、非使用時等においては、穴部8を封止している塞ぎ部材9を取り外して空気を抜出せば、膨張した被覆領域4全体が収縮するため、折り畳むなどした状態で運搬し、保管することが出来るばかりか、立設及び撤去作業が容易であり、従来品のようにシートの張設時や撤去時において破れ破損等が生じにくいため、繰返し使用することが可能である。
【0037】また、図6(a)に示されるように、被覆状態においてカバー体1が横方からの強風を受けた場合、形状が変形することによりカバー体1に加わる負荷が効果的に分散されるので被覆状態が容易に破壊されることがなく、かつ、変形後においては自己形状保持力により元の形状に復帰する。
【0038】また、図6(b)に示されるように、例えば降雪があった場合には、被覆状態において三角構造で構成されていることから、カバー体1の上方に積雪しにくいばかりか、積雪により上方からの負荷が加わって変形した際には、図中矢印方向に働く形状復元作用により雪が滑り落ちやすいので、カバー体1が容易につぶれることがない。
【0039】本実施例におけるシート部材1aにあっては、被覆状態において被覆領域4に上下方向に延びる帯状の空気層部が複数設けられるように、密閉空間部S内部がヒートシール部7a、7bにより細長帯状に区画されるように構成されていたが、本発明にあってはこれに限定されるものではなく、図7(a)〜(c)に示されるように、空気を充填することにより被覆領域の形状が所定の形状(被覆形状)に保持されるようになっていれば、被覆状態において略V字状、略X字状、略菱形状等の空気層部が形成されるように密閉空間部Sを構成してもよく、その形状は種々に変形可能である。
【0040】また、被覆状態時におけるカバー体1の形状も上記したような略三角形状のものに限定されるものではなく、図8(a)、(b)に示されるように、例えば側面視略台形状、ドーム形状等となるように立設されるようになっていてもよい。
【0041】さらに、シート部材1aの被覆領域4における少なくとも一部を複数枚のシート部材を重ねることにより構成したり、図8(a)に示されるように樹脂製のネット16等により構成する等の処理を施し、シート部材の一部を補強することにより、風とともに運ばれてくる小枝や土などの接触や、動物等のいたずらによる被覆領域4の破損、及び被覆空間P内部の障害物(作物の枝等)による被覆領域4の破損を効果的に防止することが出来る。
【0042】さらに、図8(b)に示されるように、シート部材1aの被覆領域4における少なくとも一部を所定の遮光率を有する遮光シート17により構成すること等によりシート部材の一部に遮光処理を施せば、被覆空間P内の温度を作物の成長にあわせて適宜調整することが出来る。
【0043】また、シート部材1aは、天井領域5を中心に被覆領域4を山折り、谷折りにして表裏面を逆転させることが出来るため、前述のように補強処理や被覆領域4におけるいずれか一方の面のみに遮光処理を施しておけば、その表裏面を替えるだけで、状況に応じて遮光率や補強すべき箇所を容易に変更することが出来る。
【0044】以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0045】例えば、上記実施例のカバー体1は、穴部8から空気を充填することで、連通部6a、6bを介して空気が密閉空間部S全域に充満されるようになっているが、特に図示しないが、細長帯状の複数の密閉空間部Sをそれぞれ別個に形成し、別々に空気を充填するようにしたり、あるいは、天井領域5に空気の連通部を形成し、1カ所の穴部から充填した空気が両側の密閉空間部S内に充満されるようにしてもよい。
【0046】また、上記実施例では気体の一例として空気を密閉空間部に充填しているが、これに限られるものではない。
【0047】
【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。
【0048】(a)請求項1項の発明によれば、密閉空間部に気体を充填するだけで、被覆領域に断熱用の気体層部が容易に形成されるため、作物の被覆作業を煩雑にすることなく、被覆状態時における断熱効果を効果的に向上させてカバー体により被覆される空間内の保温性を著しく高めることが出来る。
【0049】(b)請求項2項の発明によれば、カバー体を被覆状態に保持するための骨材等を設けることなく、カバー体のみで作物の上方を容易に被覆できるばかりか、非使用時等においては折り畳むなどしてコンパクト化出来るため、運搬性や保管性に優れる。
【0050】(c)請求項3項の発明によれば、カバー体の自己形状保持力が高まるため、外部から何らかの力が加わっても簡単に折れ曲がったりつぶれることがない。
【0051】(d)請求項4項の発明によれば、外部から何らかの力が加わっても簡単につぶれることがない。
【0052】(e)請求項5項の発明によれば、作物を植栽する畝の長さ等に応じてカバー体を裁断するなどの加工を施すことなく、所望の長さの空間部を容易に形成することが出来るばかりか、連結手段の連結を解除するだけでカバー体内部の空間を部分的に解放出来るため、カバー体の立設後においても栽培作業や換気を部分的に容易に行うことが出来る。
【0053】(f)請求項6項の発明によれば、連結及び連結の解除を簡単な操作で行えるばかりか、カバー体自体に加工を施すことなく、被覆領域の一部に開口を容易に設けることが出来るので、広域にわたって被覆状態を解除することなく作物の管理を外部から行うことが出来る。
【0054】(g)請求項7項の発明によれば、穴部から密閉空間部内への気体の充填や、充填された気体を抜出しを容易に行えるため、現場における作業性及び運搬性や可搬性が向上する。
【0055】(h)請求項8項の発明によれば、作物に対して、成長に必要な光量を供給することが出来る。
【0056】(i)請求項9項の発明によれば、風とともに運ばれてくる小枝や土などの接触や、動物等のいたずらによる被覆領域の破損を効果的に防止することが出来る。
【出願人】 【識別番号】397012196
【氏名又は名称】株式会社佐藤産業
【識別番号】594176969
【氏名又は名称】株式会社オーシマ・デザイン設計
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】 【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男 (外2名)
【公開番号】 特開2002−345349(P2002−345349A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−160844(P2001−160844)