トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 植物栽培用容器及び植物栽培用具
【発明者】 【氏名】荒木 毅

【要約】 【課題】植物を活性化して植物の成長の促進と病気を予防する木製の植物栽培用容器及び植物栽培用具を提供する。

【解決手段】植物栽培用培養土などの培地を詰めて植物を栽培する木製の植物栽培用容器において、前記の植物栽培用容器1を構成する部材が、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有させた木材からなり、前記の微生物剤がラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】植物栽培用培養土などの培地を詰めて植物を栽培する木製の植物栽培用容器において、前記の植物栽培用容器を構成する部材が、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有させた木材からなることを特徴とする植物栽培用容器。
【請求項2】植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤の溶液に木材を浸漬して木材中に前記の微生物剤を含浸させたことを特徴とする請求項1記載の植物栽培用容器。
【請求項3】前記の微生物剤がラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の植物栽培用容器。
【請求項4】前記の木材が枕木の廃材であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の植物栽培用容器。
【請求項5】請求項1、2、3又4記載の何れかの植物栽培用容器に植物栽培用培養土などの培地を詰めた植物栽培用具において、植物栽培用容器の内部に詰めた前記の培地が乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有することを特徴とする植物栽培用具。
【請求項6】前記の微生物剤がラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤であることを特徴とする請求項5記載の植物栽培用具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培用容器及び植物栽培用具、より詳細には、植物を活性化して植物の成長の促進と病気を予防する木製の植物栽培用容器及び植物栽培用具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物の栽培には露地栽培、鉢植え栽培、プランター栽培、水耕栽培などがあり、鉢植え栽培やプランター栽培には、合成樹脂製、陶磁器製又は木製の植木鉢やコンテナなどが用いられていた。近年は、軽量かつ安価であることなどから、発泡スチロールなど合成樹脂製のコンテナが多く用いられている。
【0003】しかし、前記の発泡スチロールなど合成樹脂製のコンテナや植木鉢は、通気性等に欠け、根腐れの原因となるなど植物の生育にとって必ずしも好ましくなく、最近は廃プラスチックによる公害問題も浮上している。一方、木材は古来より住宅をはじめ日常生活に広く取り入れられ親しまれており、地球環境に適し、前記のような公害の虞もなく安全である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、前記の木材に着目して鋭意研究して本願発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、特に、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤は、植物を活性化して植物の成長を促進し、病気を予防することができることを見知し、木材に乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有させて植物を活性化して植物の成長を促進し、病気を予防することができ、しかも、化学肥料や化学薬品などを一切使用しないので極めて環境に優しい植物栽培用容器及び植物栽培用具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、本発明は、植物栽培用培養土などの培地を詰めて植物を栽培する木製の植物栽培用容器において、前記の植物栽培用容器を構成する部材が、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有させた木材からなることを特徴とする植物栽培用容器とする(請求項1)。
【0006】また、前記の課題を解決するために、本発明は、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤の溶液に木材を浸漬して木材中に前記の微生物剤を含浸させたことを特徴とする前記の植物栽培用容器とすることが好ましい(請求項2)。
【0007】また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の微生物剤がラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤であることを特徴とする前記の植物栽培用容器とすることが好ましい(請求項3)。
【0008】また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の木材が枕木の廃材であることを特徴とする前記の植物栽培用容器とすることが好ましい(請求項4)。
【0009】また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の何れかの植物栽培用容器に植物栽培用培養土などの培地を詰めた植物栽培用具において、植物栽培用容器の内部に詰めた前記の培地が乳酸菌及び酵母を含む微生物剤を含有することを特徴とする植物栽培用具とすることが好ましい(請求項5)。
【0010】また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記の微生物剤がラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤であることを特徴とする前記の植物栽培用具とすることが好ましい(請求項6)。
【0011】
【作用】前記の植物栽培用容器は木製部材からなる。木材には、木に水や栄養分を運ぶ導管があり、乾燥させても若干残存水分を含んでおり、この木材を再び水などの液体に浸漬すると導管を通じて毛細管現象によって液体が木材中に採り込まれる。そして乾燥した雰囲気下では再び外部に排出される、所謂、液体の吸収・排出を繰返して呼吸している。そこで、乾燥状態の木材を植物の活性化に寄与する微生物剤を含む水溶液に浸漬すると、この微生物剤が水分とともに木材の内部に取り込まれる。そして、この微生物剤を含有する木材で構成された植物栽培用容器の内部に植物栽培用培養土などの培地を詰めて植物を栽培すると、木材中の微生物剤が培地に移行して植物に採り入れられ、植物を活性化する作用を呈する。
【0012】前記の植物の活性化に寄与する微生物剤として、乳酸菌及び酵母、特にラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤は、特に植物の活性化に著しく寄与し、植物の成長の促進と病気に対する抵抗力を増大する作用を呈する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態にかかる植物栽培用容器を例示した斜視図であり、(b)は、本発明の実施の形態にかかる植物栽培用具を例示した斜視図であり、(c)は、本発明の実施の形態にかかる植物栽培用具に植物を植えた状態を例示した斜視図である。図において1は、植物栽培用容器であり、2は、植物栽培用具であり、11は、凹窩部であり、12は、培地であり、13は、植物である。
【0014】本発明の実施の形態にかかる植物栽培用容器1は、図1(a)に示すように、枕木の廃材の片側3箇所に植物を植えるための凹窩部11を設け、この凹窩部11の低部に水抜き孔を設けてあり(図示せず)、この植物栽培用容器1を構成する木材には、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤が含浸させてある。図1(b)に示す植物栽培用具2は、前記の凹窩部11に前記の微生物剤を含む培地12が詰められている。培地には、木材に含浸させた微生物剤が移行してくる以外に、予め培地に微生物剤を混合させておいてもよい。図1(c)に示すように、この倍地に植物を植えて使用することができる。
【0015】本発明において使用する微生物剤は、植物の活性化に寄与する乳酸菌及び酵母を含む微生物剤であり、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌及びサッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する酵母を含有する高濃度微生物剤が好ましい。ここで、高濃度微生物剤とは、分離菌数の合計個数が概ね10〜1011(CFU/ml)含まれている微生物剤を言う。
【0016】このような高濃度微生物剤の製造方法としては、例えば、特開平5−49468号公報に記載の土壌微生物の増殖方法がある。この方法によれば、土壌微生物を含む腐植(フミン酸)と水を重量比で、1:2の割合で腐植に水を入れて十分に混合する。1日間経過後、混合液を2回濾過して、土壌微生物抽出液を得る。この土壌微生物抽出液はpH2〜3の酸性を示す。この土壌微生物抽出液に希水酸化ナトリウム溶液を混入してpH7に調整して鉄イオンを沈殿除去し、これにアルギン酸ナトリウム水溶液を加えて攪拌混合してゾル状態の土壌微生物抽出液を作り、この抽出液を細孔から2〜3価の金属イオンを含有する水溶液中に滴下して表面をゲル化したビーズ状の内部に土壌微生物を留め、これを2〜3価の金属イオンを含有する増殖用培地中に放置して、内部までゲル化したビーズ状の内部に留められた土壌微生物の濃度を1010〜1011(個/g)に高めることができる。
【0017】本発明に使用する高濃度微生物剤としては、例えば、株式会社マサキ・エンヴェック製のハイデム(登録商標)がある。ハイデムは、肥沃な腐植土から抽出した有用微生物群を、高濃度培養技術を利用して高濃度化した高濃度微生物剤であって、表1は、液状のスーパーハイデムの分析結果を示すものであり、表2は、スーパーハイデム(S.ハイデム)からの分離菌数を示すものであり、表3は、スーパーハイデムの微生物フローラ(無菌的に1規定のカセイソーダで中性化した後、希釈列を作成)の構成を示すものである。以下に各表を例示する。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】表3に示すように、スーパーハイデムは、NN群グループの菌種未推定のラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する細菌25株(80〜90%)、NC群グループのラクトバチルス・カセイ(Lactobacilluscasei)属に属する細菌4株(10〜20%)、NB群グループのラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)属に属する細菌1株(1〜2%)からなる乳酸菌、及び、分離株No2.サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces・cerevisiae)属に属する酵母88%、分離株No8.サッカロマイセス・スピーシーズ(Saccharomyces・sp.)属に属する酵母8%、分離株No1.サッカロマイセス・イグジグアス(Saccharomyces・exiguus)属に属する酵母4%からなる酵母を含む高濃度微生物剤の一種である。
【0022】
【実施例】次ぎに、高濃度微生物剤として、前記の株式会社マサキ・エンヴェック製のハイデム(登録商標)を使用した実施例について説明する。図1に示すような木製の植物栽培用容器を液状の高濃度微生物剤であるスーパーハイデムの原液ないし100倍に希釈した水溶液に24時間ないし3日間浸漬した後に取出し、自然乾燥して本発明にかかる植物栽培用容器を得た。得られた植物栽培用容器に植物栽培用培養土からなる培地を詰めて、スーパーハイデムの原液を100倍ないし500倍に希釈した水溶液を散布し、植物の状態を経過観察した。
【0023】(実施例1)前記で得られた植物栽培用容器に豚糞堆肥を詰め、スーパーハイデムの原液を300倍に希釈した水溶液を散布し、ここに苺を植え、通常の栽培と同様に定期的に水やりを行い、その生育の状態を経過観察した。結果は、前記の植物栽培用容器とスーパーハイデムを散布しない比較例と比べて、うどん粉病が発生しなかったこと、玉肥りがよく、特に3番果、4番果までLサイズが主流となったこと、糖度が増し消費者に好評であったこと、完全な多収穫型となっていること、以上の点で特に優れた評価を得た。更に、本発明に係る植物栽培用容器以外の容器を使用した例と比較して、本発明に係る植物栽培用容器を使用した場合は、前記の効果が長期的に持続し、前記のように最初に培地にスーパーハイデム溶液を散布するだけで、その後は通常の水やりのみで前記の効果が得られた。
【0024】(実施例2)実施例1において、豚糞堆肥に代えて鶏糞堆肥3kgに対してスーパーハイデム50倍希釈水溶液を1リットル散布して腐葉土を全体の1〜2割混ぜて培地とし、この培地にピーマンを植え、更に、苗にスーパーハイデム1000倍希釈水溶液にて葉面散布を施し、その生育の状態を経過観察した。結果は、比較例が苗作後60日で定植したのに対し、本実施例の場合は、44日と16日早く定植することができた。また、比較例が、苗作後92日経過後に第1回目の試験収穫ができたのに対して、本実施例の場合は、苗作後61日経過後に第1回目の試験収穫ができ、1ヶ月早かった。更に、比較例では、苗作後4ヶ月経ても第1回目の6kgの収穫だけだったのに対して、本実施例は、同時期に7回で合計110kgの収穫を得た。苗の背丈は、比較例が25〜35cmであるのに対して、本実施例は、54〜66cmに達した。
【0025】(実施例3)実施例1において、スーパーハイデムの原液を200倍に希釈した水溶液を散布して培地とし、この培地に馬鈴薯を植えて、そうか病の発生の状況を観察した。結果は、比較例の病気発生率が30〜40%であったのに対して、本実施例の場合は、病気発生率が2〜10%に留まった。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る植物栽培用容器及び植物栽培用具は、前記のように構成したことによって、植物を活性化して植物の成長を促進し、病気を予防することができ、果物や野菜も大きく成長し、収穫量が増大し、且つ、植物栽培用容器を構成する木材中に含まれる微生物剤が徐々に培地に移行して前記の効果が長期的に持続し、しかも、化学肥料や農薬など化学薬品を一切使用しないので、人体にとって無害であり、廃棄プラスチックの問題もなく、地球環境にとっても極めて良好で優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】301014915
【氏名又は名称】株式会社プラザ・オブ・レガシー
【出願日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【代理人】 【識別番号】100100033
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 武夫
【公開番号】 特開2002−345344(P2002−345344A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−156600(P2001−156600)