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【発明の名称】 水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランター
【発明者】 【氏名】ファ,アーエヌ.

【氏名】田中 秀奉

【要約】 【課題】装置の小型化を図ることができる水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランターを提供する。

【解決手段】ケース10が側面および上面が気密的に閉じ底面が開放しており、注水口16および通気孔17を有し、側面下部に通気口18を有する。第1浮き20が通気用栓24を有して水への浮力および自重により上下運動可能にケース10の上部に設けられ、通気用栓24が通気孔17を水位により開閉する。第2浮き30が注水用栓34を有して水への浮力および自重により上下運動可能にケース10の内部に設けられる。ケース10内の水位により注水用栓34は注水口16を塞ぎ、水位が通気口18を大気に連通させる状態のとき注水用栓34は注水口16を開く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ケースと、第1浮きと、第2浮きとを有し、前記ケースは側面および上面が気密的に閉じ底面が開放しており、注水口および通気孔を有し、側面下部に通気口を有し、前記第1浮きは通気用栓を有して水への浮力および自重により上下運動可能に前記ケースの上部に設けられ、前記ケース内の水位が所定の第1水位を越えたとき前記通気用栓が前記通気孔を開き、前記第1水位以下のとき前記通気用栓が前記通気孔を閉じる構成を有し、前記第2浮きは注水用栓を有して水への浮力および自重により上下運動可能に前記ケースの内部に設けられ、前記ケース内の水位が前記第1水位より高い所定の第2水位を越えたとき前記注水用栓は前記注水口を塞ぎ、前記ケース内が減圧状態のとき前記注水用栓は前記注水口を塞いだ状態を維持し、水位が前記通気口を大気に連通させる状態のとき前記注水用栓が前記注水口を開く構成を有することを、特徴とする水位調節装置。
【請求項2】前記ケースは、側面に前記注水口を有し、上面に前記通気孔を有し、前記第1浮きは前記ケースの上部に上下方向に揺動可能に設けられ、前記第2浮きは前記ケースの内部に上下方向に揺動可能に設けられていることを、特徴とする請求項1記載の水位調節装置。
【請求項3】水受け器本体と、請求項1記載の水位調節装置とを有し、前記水受け器本体は上部にプランターの取付け部を有し、前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする水位調節可能な水受け器。
【請求項4】水受け器本体と、吸水マットと、請求項1記載の水位調節装置とを有し、前記水受け器本体は溝を有する上面を有し、前記吸水マットは前記水受け器本体の上面に配置され、前記水受け器本体の内部に前記溝から挿入される吸水部を有し、前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする水位調節可能な水受け器。
【請求項5】さらに植木鉢を有し、前記植木鉢は通気性が良好な不織布から成って前記吸水マットの上に設置されることを、特徴とする請求項4記載の水位調節可能な水受け器。
【請求項6】プランター本体と、請求項1記載の水位調節装置とを有し、前記プランター本体は側面に壁面への取付け部を有し、前記水位調節装置は前記プランター本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする水位調節可能なプランター。
【請求項7】水受け器と、側壁と、天板と、請求項1記載の水位調節装置とを有し、前記水受け器は通水可能でかつ植物栽培用土を阻むよう内部を仕切る仕切り材を有し、前記側壁は前記水受け器の外側周囲に設けられ、前記天板は中空の容器から成って前記水受け器の上方で前記側壁の上部に取り付けられ、上面に取水孔を有し、側面または底面に排水口を有し、前記仕切り材で仕切られた一方側の上方で上下方向に植物生育用の貫通孔を有し、前記水位調節装置は、前記水受け器の内側底部の前記仕切り材で仕切られた他方側に設けられ、前記注水口が前記排水口に接続されていることを、特徴とする水位調節可能なプランター。
【請求項8】水受け器と、前記水受け器の内部の水を吸水可能に前記水受け器の上に配置された吸水マットと、前記吸水マットの上に配置された防根マットと、前記防根マットの上に配置された排水層と、前記排水層の上に配置された保水層と、前記保水層の上に配置された種子と、前記種子の上に配置された日除けマットと、前記水受け器の中に配置された請求項1記載の水位調節装置とを、有することを特徴とする水位調節可能なプランター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水位調節装置として、例えば、特表平8−500974号公報に示すものがある。すなわち、浮きを有して容器への水の流入を調節する第1流れコントローラと、浮きを有して第1流れコントローラの室内への空気の流れを調節する第2流れコントローラと、第1流れコントローラの室内への通気装置とを有し、容器内の水位が所定位置より下がったとき、容器内に水を流入させるようにし、植物の生育に適した水やりを行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の水位調節装置は、第1流れコントローラと第2流れコントローラとに分かれて、それぞれケーシングを有するため、装置が大型化するという課題があった。
【0004】本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、装置の小型化を図ることができる水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランターを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る水位調節装置は、ケースと、第1浮きと、第2浮きとを有し、前記ケースは側面および上面が気密的に閉じ底面が開放しており、注水口および通気孔を有し、側面下部に通気口を有し、前記第1浮きは通気用栓を有して水への浮力および自重により上下運動可能に前記ケースの上部に設けられ、前記ケース内の水位が所定の第1水位を越えたとき前記通気用栓が前記通気孔を開き、前記第1水位以下のとき前記通気用栓が前記通気孔を閉じる構成を有し、前記第2浮きは注水用栓を有して水への浮力および自重により上下運動可能に前記ケースの内部に設けられ、前記ケース内の水位が前記第1水位より高い所定の第2水位を越えたとき前記注水用栓は前記注水口を塞ぎ、前記ケース内が減圧状態のとき前記注水用栓は前記注水口を塞いだ状態を維持し、水位が前記通気口を大気に連通させる状態のとき前記注水用栓が前記注水口を開く構成を有することを、特徴とする。
【0006】本発明に係る水位調節装置は、水受け器などの内側底部に設置し、注水口をより高い位置にある貯水槽などに接続して使用する。水受け器の上には、プランターなどを設置する。水受け器の内部に水がない状態では、第2浮きが自重で下降しており、注水用栓が注水口を開いている。このため、注水口からケースの内部に水が注入され、水受け器に水が溜まる。ケース内の水位が上昇するとともに、第2浮きは浮力で上昇する。水位が所定の第1水位を越えたとき、第1浮きが浮力で上昇し、通気用栓がケースの通気孔を開く。このため、ケース内に水が入りやすくなる。水位が所定の第2水位を越えたとき、第2浮きの注水用栓が注水口を塞ぎ、注水口から水受け器への水の注入が止まる。
【0007】植物による水の吸収および蒸発により水受け器内の水は減少し、ケース内の水位は次第に下がってくる。水位が所定の第1水位以下になると、第1浮きは自重で下降し、通気用栓がケースの通気孔を閉じる。このため、ケース内の水位が下がっても、ケース内が減圧状態となって第2浮きは自重で下降することなく、注水用栓が注水口を塞いだ状態を維持する。水位がさらに下がって通気口を大気に連通させる状態になると、第2浮きは自重で下降して注水用栓が注水口を開く。これにより、再び、注水口からケースの内部に水が注入され、水受け器に水が溜まる。こうして、水位調節を行うことができる。
【0008】この水位調節装置は、ケースと第1浮きと第2浮きとから簡単に構成することができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0009】本発明に係る水位調節装置で、前記ケースは、側面に前記注水口を有し、上面に前記通気孔を有し、前記第1浮きは前記ケースの上部に上下方向に揺動可能に設けられ、前記第2浮きは前記ケースの内部に上下方向に揺動可能に設けられていることが好ましい。
【0010】本発明に係る水位調節可能な水受け器は、水受け器本体と、本発明に係る前述の水位調節装置とを有し、前記水受け器本体は上部にプランターの取付け部を有し、前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする。
【0011】本発明に係る水位調節可能な水受け器は、水位調節装置の注水口をより高い位置にある貯水槽などに接続して使用する。水受け器本体の上には、プランターなどを設置する。水位調節装置は、水受け器本体の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。
【0012】本発明に係る他の水位調節可能な水受け器は、水受け器本体と、吸水マットと、本発明に係る前述の水位調節装置とを有し、前記水受け器本体は溝を有する上面を有し、前記吸水マットは前記水受け器本体の上面に配置され、前記水受け器本体の内部に前記溝から挿入される吸水部を有し、前記水位調節装置は前記水受け器本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする。
【0013】この水位調節可能な水受け器は、水位調節装置の注水口をより高い位置にある貯水槽などに接続して使用する。吸水マットの上には、プランターなどを設置する。水位調節装置は、水受け器本体の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。吸水マットは、吸水部から溝を通して水受け器本体の内部の水を吸い上げる。吸水マットが吸い上げた水は、プランター内の植物により利用される。
【0014】この水位調節可能な水受け器は、さらに植木鉢を有し、前記植木鉢は通気性が良好な不織布から成って前記吸水マットの上に設置されることが好ましい。この場合、植木鉢は底から吸水マットの水を吸い取り、植木鉢の中の植物は植木鉢の底から水を吸収する。また、植木鉢は、通気性が良好なため、周囲から空気を取り入れることができる。
【0015】本発明に係る水位調節可能なプランターは、プランター本体と、本発明に係る前述の水位調節装置とを有し、前記プランター本体は側面に壁面への取付け部を有し、前記水位調節装置は前記プランター本体の内側底部に設けられていることを、特徴とする。
【0016】本発明に係る水位調節可能なプランターは、プランター本体の取付け部をビルなどの壁面に取り付けて使用する。水位調節装置の注水口は、より高い位置にある貯水槽などに接続しておく。水位調節装置は、プランター本体の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。
【0017】本発明に係る他の水位調節可能なプランターは、水受け器と、側壁と、天板と、本発明に係る前述の水位調節装置とを有し、前記水受け器は通水可能でかつ植物栽培用土を阻むよう内部を仕切る仕切り材を有し、前記側壁は前記水受け器の外側周囲に設けられ、前記天板は中空の容器から成って前記水受け器の上方で前記側壁の上部に取り付けられ、上面に取水孔を有し、側面または底面に排水口を有し、前記仕切り材で仕切られた一方側の上方で上下方向に植物生育用の貫通孔を有し、前記水位調節装置は、前記水受け器の内側底部の前記仕切り材で仕切られた他方側に設けられ、前記注水口が前記排水口に接続されていることを、特徴とする。
【0018】この水位調節可能なプランターは、天板に植物生育用の貫通孔を有する一方側の、側壁と仕切り板とで囲まれた水受け器の上に土を入れ、植物を植える。植物は、貫通孔から上方に伸びるようにする。天板は、取水孔から雨水などを取り入れて内部に貯水する。水位調節装置は、天板の内部の水を排水口から取り入れてプランターの内部に供給し、内部の水位を調節する。仕切り材は、水位調節装置が設けられた他方側の水を土を入れた一方側に通す。水は、プランター内の植物により利用される。
【0019】本発明に係る他の水位調節可能なプランターは、水受け器と、前記水受け器の内部の水を吸水可能に前記水受け器の上に配置された吸水マットと、前記吸水マットの上に配置された防根マットと、前記防根マットの上に配置された排水層と、前記排水層の上に配置された保水層と、前記保水層の上に配置された種子と、前記種子の上に配置された日除けマットと、前記水受け器の中に配置された請求項1記載の水位調節装置とを、有することを特徴とする。この水位調節可能なプランターは、セダム類やコケ類の栽培に適している。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図9は、本発明の実施の形態を示している。図1乃至図6に示すように、水位調節装置1が、ケース10と、第1浮き20と、第2浮き30とを有する。
【0021】ケース10は、函状部分11とレバー収容部分12とから一体的に成って、側面13および上面14が気密的に閉じ底面15が開放している。図5に示すように、レバー収容部分12は、函状部分11より細く段差をなして低くなっている。ケース10は、レバー収容部分12の端部側面に注水口16を有している。ケース10は、函状部分11の上面14に通気孔17を有している。図1乃至図3に示すように、ケース10は、レバー収容部分12の側面下部に設置箇所に沿って伸びる通気口18を有している。通気口18の高さは、好適には2〜3mmである。ケース10は下部に突出部19を有し、突出部19にはビス固定用の孔が形成されている。
【0022】第1浮き20は、レバー21と浮き部22とから一体的に成っている。レバー21は、一端が函状部分11の上部の突出部に軸部23で回転可能に取り付けられている。レバー21は、下側の通気孔17に対応する位置に通気用栓24を有している。通気用栓24は、柔軟性の部材から成っている。浮き部22は、レバー21の他端に設けられ、レバー収容部分12の上側に載るようになっている。浮き部22の内部には重り25が設けられており、第1浮き20は第2浮き30より重くなっている。第1浮き20は、浮き部22の水への浮力および自重により軸部23を中心として上下方向に揺動可能となっている。このように、第1浮き20は、ケース10内の水位が所定の第1水位W1(図3参照)を越えたとき浮き部22が浮力で上昇して通気用栓24が通気孔17を開き、第1水位W1以下のとき通気用栓24が通気孔17を閉じる構成となっている。
【0023】第2浮き30は、レバー31と浮き部32とから一体的に成っている。レバー31は、一端付近の下部がレバー収容部分12の内側側面下部に軸部33で回転可能に取り付けられている。レバー31は、注水口16に対応するよう一端に注水用栓34を有している。注水用栓34は、柔軟性の部材から成っている。浮き部32は、レバー31の他端に設けられ、函状部分11の内側に収容されている。レバー31および浮き部32は、側面および上面35が気密的に閉じ底面36が開放している。第2浮き30は、浮き部32の水への浮力および自重により軸部33を中心として上下方向に揺動可能となっている。第2浮き30は、ケース10内の水位が第1水位W1(図3参照)より高い所定の第2水位W2(図2参照)を越えたとき浮き部22が浮力で上昇して注水用栓34が注水口16を塞ぎ、ケース10内が減圧状態のとき注水用栓34が注水口16を塞いだ状態を維持し、水位が通気口18を大気に連通させる状態のとき注水用栓34が注水口16を開く構成となっている。
【0024】水位調節装置1は、水受け器などの内側底部に設置し、注水口16をより高い位置にある貯水槽などにフレキシブルチューブ37(図5参照)により接続して使用する。水受け器は、水を貯められる器であればいかなる器であってもよい。注水口16の外周には、フレキシブルチューブ37が外れたり水が漏れたりしないよう密着させる突出部が設けられている。フレキシブルチューブ37は、留め具38を注水口16に螺合させてしっかりと取り付けられる。
【0025】水受け器の上には、プランターなどを設置する。水受け器の内部に水がない状態では、第2浮き30が自重で下降しており、注水用栓34が注水口16を開いている。このため、注水口16からケース10の内部に水が注入され、水受け器に水が溜まる。ケース10内の水位が上昇するとともに、第2浮き30は浮力で上昇する。しかしながら、通気孔17が通気用栓24で閉じられているため、ケース10の内側の空気は抜け出ることができない。このため、第2浮き30は、完全には上昇せず、注水用栓34は注水口16を塞ぐことができない。
【0026】水位が所定の第1水位W1を越えたとき、第2浮き30に少し遅れて第1浮き20が浮力で上昇し、通気用栓24がケース10の通気孔17を開く。このため、ケース10内から通気孔17を通して圧力が高められていた空気が抜け出て、ケース10内に水が入りやすくなる。水位の上昇に伴い、第2浮き30はさらに上昇する。水位が所定の第2水位W2を越えたとき、第2浮き30はケース10の函状部分11の天井面に当たり、上昇が止まる。このとき、第2浮き30の注水用栓34が注水口16を塞ぎ、注水口16から水受け器への水の注入が止まる。
【0027】植物による水の吸収・蒸散、植物の根部と接している土の毛細管現象および蒸発により、注水の止まった水受け器内の水は減少し、ケース10内の水位は次第に下がってくる。水位が所定の第1水位W1以下になると、第1浮き20は自重で下降してレバー収容部の上に載り、通気用栓24がケース10の通気孔17を閉じる。このため、ケース10内の水位が下がっても、ケース10内が減圧状態となって第2浮き30は自重で下降することなく、注水用栓34が注水口16を塞いだ状態を維持する。水位は、さらに下がって通気口18に達する。このとき、水位は、水受け器の底から2〜3mmの高さしかない。こうして、通気口18を大気に連通させる状態になると、通気口18からケース10内に一気に空気が入り込み、第2浮き30は自重で下降して注水用栓34が注水口16を開く。これにより、再び、注水口16からケース10の内部に水が注入され、水受け器に水が溜まる。このように以上の動作を繰り返すことにより、水位調節を行うことができる。
【0028】この水位の上下の繰り返しは、植物の生育条件にとって理想的なことといえる。土に水および空気の供給が間断なく繰り返され、微生物が活性化し、有機物を分解させる。これにより、栽培された野菜は味が良くなり、植物はルーピングを起こすことがなく、水ストレスを繰り返すこともない。このため、植物は、理想的な生長を繰り返すことになる。植物は、根が必要以上に伸びなくとも成長可能なため、従来の植木鉢より小さい植木鉢でも栽培可能となる。
【0029】この水位調節装置1は、ケース10と第1浮き20と第2浮き30とから簡単に構成することができるため、装置の小型化を図ることができる。水位調節装置1は、重力を用いており、動力を使用しないため、故障しない限り水位調節を続けることができる。
【0030】図7に示すように、水位調節装置1は、芝生、低木の植木、屋上の植木、路床などに設置してもよい。
【0031】水位調節装置1を用いた水位調節可能な水受け器40は、例えば、図8,図9に示すように、水受け器本体41と、水位調節装置1とを有する。水受け器本体41は、上部に2つまたは4つのプランターP1,P2の取付け部を有する。水位調節装置1は、水受け器本体41の内側底部に設けられている。
【0032】水位調節可能な水受け器40は、水位調節装置1の注水口16をより高い位置にある貯水槽(図示せず)などに接続して使用する。貯水槽の水は、雨水などを利用することができる。また、注水口16と貯水槽との接続経路に肥料の吸引経路を設けてもよい。注水口16は、貯水槽に接続する代わりに、減圧弁を介して水道蛇口に接続してもよい。水受け器本体41の上には、プランターP1,P2を設置する。プランターは、種々の大きさ、形状のものであってもよい。水位調節装置1は、水受け器本体41の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。
【0033】水位調節可能な水受け器40は、例えば、営利用の花、木、特に緑化木、営利用野菜の栽培の場合、ソーラーパネル、ドライバッテリー、12V4Aモーター、受水タンク、圧力タンク、肥料混入器、EC・FCメーター等と組み合わせて300坪当たり2000ポットのトマト、メロン等々の栽培が可能である。水位調節可能な水受け器40は、カートリッジ式植木、花鉢用プランター、野菜栽培用カートリッジ式プランター(円形、角形その他の形状)、縮根草・観葉植物生産用プランターその他あらゆる植物生育用プランターに適用することができる。
【0034】図10および図11は、本発明の他の実施の形態の水位調節可能な水受け器を示している。水位調節可能な水受け器50は、水受け器本体51と、吸水マット52と、水位調節装置1とを有する。
【0035】水受け器本体51は、溝53を有する上面54を有する。吸水マット52は、水受け器本体51の上面54に配置され、水受け器本体51の内部に溝53から挿入される吸水部52aを有する。吸水マット52は、その上に薄い防根マット55を有している。水位調節装置1は、溝53と連通する水受け器本体51の内側底部に設けられている。
【0036】この水位調節可能な水受け器50は、水位調節装置1の注水口16をより高い位置にある貯水槽などに接続して使用する。吸水マット52の上には、植木鉢P3などを設置する。水位調節装置1は、水受け器本体51の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。吸水マット52は、吸水部52aから溝53を通して水受け器本体51の内部の水を吸い上げる。吸水マット52には、毛細管現象により水が全体に行き渡る。吸水マット52が吸い上げた水は、植木鉢P3内の植物により利用される。
【0037】すなわち、フレキシブルチューブ37を通して水門56から入った水は、溝53を通って溝全体に行き渡り、その上の吸水マット52を経て水受け器本体51の上面54まで全体に行き渡る。防根マット55の上に植木鉢P3が置かれる。その植木鉢P3は、薄い麻の生地のような不織布から成り、通気性が良好である。このため、植木鉢P3は、周りが常時、空気と接触しており、周囲から空気を取り入れることができ、根は内側へ内側へと入るため、外には現れない。
【0038】植木鉢P3は、防根マット55に接した底から防根マット55に含まれる水を吸い取る。植木鉢P3の中の植物は植木鉢P3の底から水を吸収し、吸収した水は植物の体内を通り、葉から蒸散される。水受け器50の水は、溝53の中の吸水部52aから植物の根に吸収され、溝53の底まで水位が下がる。その時、吸水マット52は水から離れ、吸水マット52の内部に空気が入り込む。その時、水が貯水槽からフレキシブルチューブ37を通って、水位調節装置1の注水口16に入り込む。水位調節装置1は、前述のとおり配水を行い、水位の調節を行う。これらの動作は、植物の状態に応じて繰り返される。このように、植物にとって有害な水ストレスがなく、また、吸水マット52に空気が入り込むため、水位調節可能な水受け器50は、理想的な配水システムである。
【0039】植物を生産する場合、目的に応じた苗からの生産・生長段階を経て目的の地、または場所に定植され、観賞もしくは利用される。その場合、望まれることは「苗半作」といわれるようにどのような環境で苗が育ってきたのかによって、その後の管理にもよるが、大きな差異となることが多い。
【0040】一般に、苗木の生産段階では、出荷の際、根がルーピングしていることが多い。これは、生産段階で、水が潤沢であるにもかかわらず空気が不足することから水ストレスが多いために起こる現象である。ルーピングした根は、必ずしもその後の生長に必要のない根であり、むしり取るか切り取ってから定植しなければならない。
【0041】今後、生産段階にて望まれることは、以下の1〜4の事項である。
1.根がルーピングしていないこと。
2.水が潤沢に供給され、根を伸長しなくても良いこと。
3.空気が常時供給され、根を伸長しなくても良いこと。
4.植物は乾燥している場所へは根が伸びず、湿潤な場所に根を張りたがるから、鉢の外側を乾燥させ、内側の湿っているところに向かって根を張らせること。従って、内側へ内側へと根がもぐり込んでいくことになる。
【0042】その結果、移植したとき、根をむしり取ったり切り取ったりすることがないため、移植の痛みがなく、その後、植物は順調に生育を開始する。
【0043】このことがわかっていながら、合理的に生育コントロールする方法が今まではなかった。それは、鉢に水を一時貯め込んで植物を育てるという人間の都合で植物の水管理をするという発想から脱していなかったからといえる。
【0044】この水位調節可能な水受け器50は、水位調節装置1と吸水マット52との相乗効果により、植物の生育にとって良い環境を創り出すため、ひいては大きな経済的効果を生むことになる。
【0045】従来は、伸びない植物を短期間で伸ばし、経済性を高めるため、あらゆる手段を講じて現在の生産水準を維持してきた。その結果、おびただしい環境の悪化を招いて来た。従来は、直接、置き肥として水に溶け出す化学肥料をやり、それが水をやるたびに溶け出し、鉢底から流れ出し地下水に達していた。あるいは、液体化学肥料を直接、土に混入し、スプリンクラー等を通して相当な時間で大量に土にかけていた。その間、1鉢に必要な水の蒸散量とはおよそかけ離れた大量の化学肥料が水と共に地下水に混入して海まで達し、富栄養化による赤潮発生など様々な汚染に結びついていると考えられる。
【0046】そのような従来のやり方から脱却し、肥料等はすべて植物のために供給するものであるから、植物に全部吸収してもらうことが望ましい。肥料等は、水と共に地下にたれ流しするべきではない。水位調節可能な水受け器50を使用すれば、肥料を一滴もこぼさずに植物のみに配ることができる生産システムを確立することができ、環境にとって極めて良好といえる。
【0047】約1平方メートルに1個の水位調節装置1をセットすることで、9cm長さのポットで100個、20cm長さのポットで18個のポットが、無人で水管理できることになる。このことは、若年労働者が不足して行く今、有効な経済効果となる。仮に300 坪(約1000平方メートル)当たりであっても、無人で一滴の水もこぼすことなく、大量の植物の水管理を動力を用いずに行うことができる。
【0048】従来は、水をプッシュして圧力を高めて噴口などから霧状にして灌水するのが常識であった。あるときは大量の水を大きなポンプで送り込み、あるときは底面給水用のトレイに鉢底から水を充満させた後に排水し、あるときは水に消毒・殺菌用の化学物質や化学肥料を溶け込ませて同時に灌水している。このようにして供給した水の大半は、地下に流れ込む。このような水管理を繰り返している。これが植物生産現場における実態であり、このことに疑問を抱くことはあってもその解決方法は考えられていなかった。
【0049】水位調節可能な水受け器50は、従来、不可能とされてきた多くの生産現場において水の節約、肥料の節約、化学物質の節約を行うとともに、地下水を汚染することなく植物を理想的な生理上の条件を満たしたうえで、人件費を節約し、コストダウンを実現するものである。従って、環境に良いばかりでなく、その経済的効果は極めて大きい。水位調節装置1、不織布から成る植木鉢P3および吸水マット52は、組み合わせられることにより、植物の生育に大きな効果をもたらすことができる。
【0050】図12は、本発明の実施の形態の水位調節可能なプランターを示している。水位調節可能なプランター60は、プランター本体61と、水位調節装置1とを有している。プランター本体61は、背面側の側面に壁面への取付け部62を有している。水位調節装置1は、プランター本体61の内側底部に設けられている。水位調節装置1は、メンテナンスを容易にするため、植物の植込み部と別室に設けられている。また、植物のメンテナンスのため、水位調節装置1は、外して取り換えられるようになっている。
【0051】水位調節可能なプランター60は、プランター本体61の取付け部62をビルなどの壁面63に取り付けて使用する。水位調節装置1の注水口16は、より高い位置にある貯水槽などに接続しておく。水位調節装置1は、プランター本体61の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。
【0052】水位調節装置1による配水システムでは、水と空気(酸素)が間断なく繰り返し配分されるため、植物にとって最も必要なものが常時供給される。このため、あらゆる植物にとって水ストレスがなくなる。一方、人による水管理は、非常にむずかしく、不可能とさえいえる。人は技術力を駆使してコンピューターセンサー等々、人の感覚では解らない部分を、電気的な手法に頼ってきたところがある。しかし、それには、種々複雑な構造と電気的な配線が必要であり、しかもそれらには水分は望ましいものではない。このため、メンテナンスも含めて、さらに構造が複雑なものとなる。
【0053】水位調節装置1には何ら電気的な仕掛はなく、自然の重力をそのまま利用している。このため、水位調節装置1は、極めてシンプルな構造であり故障も少ない。このシンプルな水位調節装置1を建物、ビル壁面に直接取り付けることによって、多くの植物に覆われたビルが完成する。その場合、地球環境に与える良い影響は計り知れない程大きい。
【0054】ところで、壁面では、次の事柄と対策が想定される。
1.気候の変化への対策として、対応できる植物を選択する。
2.日照力の変化への対策として、西日本、東日本によって植物を選択する。
3.雨水の大小への対策として、一定量を超す雨量の場合、オーバーフローさせる。
4.日照量の変化への対策として、地方によって植物を変える。
5.季節の変化への対策として、春〜秋、秋〜冬に合う植物を植える。
6.風力の変化への対策として、強風で飛ばされないようネット掛けを行う。
7.風向の変化への対策として、強風であおられ折れない植物を植える、つば等をつけて落下させない。
【0055】このような対策を講じることにより、水位調節可能なプランター60は、全天候に対応することが可能である。従って、建築構造物の壁面に水位調節可能なプランター60を利用することにより、緑化の少なくなる一方の都市の建物に丸ごと緑化を施すことが可能になる。水位調節可能なプランター60は、既存の建物の壁面にもネジ止めで固定することができ、新しいビルに設置することもできる。
【0056】このような壁面緑化により、建築物、ビルなどまるごと緑化をすることができる。このため、紫外線から壁面材、防水層を保護し、その耐久年数を延ばすことができ、レンガや焼き物の高価なタイルなどを使用しなくて済む。ヒートアイランド環境の緩和、快適な都市環境づくり、地球環境保護を図ることができる。このような緑化には、あらゆる植物を植えることができるが、自生する多年草を植生の基本とすることが好ましい。これにより、自然環境を生かした粗放型緑化システムを構築できる。また、冷房、暖房などのコストおよびエネルギーの軽減を図ることができ、気化熱による外気温の上昇を押さえることができる。さらに、植物が雨水を貯留し、余剰水の流出を遅らせて都市型洪水を防ぐことができる。水だけでなく空気中のほこりや騒音を吸収することもできる。なお、水位調節可能なプランター60には、強風などにより植物が抜け出さないようにつばをつけてもよい。
【0057】図13は、本発明の他の実施の形態の水位調節可能なプランターを示している。水位調節可能なプランター70は、水受け器71と、側壁72と、天板73と、水位調節装置1とを有している。
【0058】水受け器71は、平面形状が長方形状であって、通水可能でかつ植物栽培用土を阻むよう内部を仕切る仕切り材74を有している。側壁72は、水受け器71の外側周囲に設けられている。天板73は、中空の容器から成って水受け器71の上方で側壁72の上部に取り付けられている。天板73は、上面に多数の取水孔75を有し、底面に排水口76を有している。天板73は、仕切り材74で仕切られた一方側の上方で上下方向に植物生育用の貫通孔77を有している。水位調節装置1は、水受け器71の内側底部の仕切り材74で仕切られた他方側に設けられている。水位調節装置1は、注水口16がフレキシブルチューブ37により排水口76に接続されている。
【0059】水位調節可能なプランター70は、天板73に植物生育用の貫通孔77を有する一方側で、側壁72と仕切り材74とで囲まれた水受け器71の上に土を入れ、植物を植える。植物は、貫通孔77から上方に伸びるようにする。天板73は、取水孔75から雨水などを取り入れて内部に貯水する。水位調節装置1は、天板73の内部の水を排水口76から取り入れてプランターの内部に供給し、内部の水位を調節する。仕切り材74は、水位調節装置1が設けられた他方側の水を土を入れた一方側に通す。水は、プランター内の植物により利用される。
【0060】水位調節可能なプランター70は、以下の特徴を有する。
1.雨水を集積することが出来る。
2.雨水を集積するには、容器が必要である。天板73は、雨水集積容器となる。
3.天板73には、雨水だけが入って行く。そのため、天板73に傾斜を設けることが好ましい。
4.容器内にも雨水が入るよう傾斜をつける。
5.天板73には、一定の容積があり、それ以上の容積の雨水は入らない。
6.それ以上の降水があるときは、貫通孔77の中に雨水は入る。
【0061】7.植物は、天板73の貫通孔77から植える。
8.あるいは、植物を植えた後、天板73の貫通孔77から植物が出るように天板73を被せる。
9.植物を貫通孔77から植える場合に植えやすくするよう、貫通孔77は片手がすっぽり入るくらいの幅(10.5cm)を有している。
【0062】10. 天板73には、(1)強い雨水(土砂降り)から土壌の流亡を防ぐ、(2)強い雨水(土砂降り)から土壌の固結化を防ぐ、(3)強い降水の場合、貫通孔77に入った雨水は、植物の葉などを伝わって入るため、直接、土壌に強い雨水(土砂降り)の影響が少なく、土壌の固結化を防げる。
【0063】11. 天板73により、強い熱射(日射)から土壌の表面温度の上昇を抑制することができる。
12. 天板73の下に生育する植物の根は天板73によって保護されるため、マルチング剤(ベークチップなど)を使用せずに済む。
【0064】13. 天板73の貫通孔77は、現在主流になっている草花類の苗木のための大きめの鉢でも入れることができる。
14. 天板73の貫通孔77は、12cmの直径のポット菊でも少しゆがめれば入れることができる。小さなプラダ菊であればさらに問題がない。
【0065】18. 土壌中に混入しているおびただしい雑草の種子は、天板73があるため、鬱閉され発芽できない。
19. 天板73の貫通孔77から発芽をはじめる雑草は、植物が上部に生長しているため日照不足となり、発芽はしたものの光合成が出来にくく、ひ弱となる。
20. 後に土壌中に混入している雑草が隙間をぬって、成長をはじめても、土壌に固結性がなく膨軟なためすぐに抜けやすい。
21. 後に飛来した雑草の種子でも同様に抜けやすい。
【0066】22. 天板73に集積された雨水はフレキシブルチューブ37を下り、インナーバルブ(調節コーク)を経て、水位調節装置1へと入る。
23. 水位調節装置1は、重力式で水位を調節するものである。
24. 水位調節装置1に入り込んだ雨水は、一定水位で水の流入を止める。
25. 土壌に吸い込まれた雨水は、植物の根によって植物内に取り込まれる。なお、雨水の一定の水位と土壌は接触しており、毛細管現象(キャピラリー)で土壌中に吸収される。
【0067】26. 植物内に取り込まれた水分は、太陽光のもと蒸散作用を開始する。
27. 植物にとって最も必要な水分は、水位調節装置1によって潤沢に、過不足なく常時必要に応じた配水がされるため、植物の大敵の水ストレスがなくなる。
28. 同時に必要とされる液体肥料が流入するために順調な生育を行うことができる。
【0068】29. 水位調節装置1は、空気(酸素)を同時に送ることができる装置であるから、水、空気、水、空気が間断なく繰り返される。配水の繰り返しの周期は、天候、温度、季節、風の強さ、日照時間、空気中の湿度、日当たりまたは日陰、植物の種類、植物の成長速度、植物の大きさ等々、あらゆる環境の条件が異なっても、1鉢1鉢その必要度に応じたものとなる。このため、植物は驚く程良く生長する。
【0069】32. この水位調節可能なプランター70は、植物生長のための理想的な装置を備えている。このため、人の手ではままならなかった花・緑栽培の盲点を解決でき、植物にとって最善の装置といえる。
【0070】30. 植物は必要以上の根は張らなくて済み、ルーピング(根が水、養分を求めて伸長を繰り返し、根鉢の中でグルグル巻きになっていく状態、たとえば、花鉢の花を抜いてみると白い根がびっしり巻き込んでいる状態)が起きてこない。
31. このことは、植物の栽培にとって極めて良好な状況といえる。つまり、植物を植え替えなしで生長させられる。
32. このため、地上部分の大きさ、伸長量にくらべて驚く程根が少なくて済む。必要以上の土を入れなくて済み、必要以上の鉢の大きさがいらず、価格など経済性および重量、資源から大きな意味がある。
【0071】33. この外側の鉢は残存の粘土と消石灰と水を混ぜ合わせて、昔の「タタキ」の工法で作ることとする。
34. 地球環境保全が叫ばれている今、製造する工程でCO2は吸収されて「タタキ」の中で団結する。このため、自然の素材で環境に良い資材を用いて環境に良い植物を植えるものである。
【0072】35. このプランターは、雨水をいったん貯留するのであるから、たとえわずかずつであっても都市型洪水の緩和に繋がることといえる。
36. ヒートアイランド現象がさけばれている今、人工的舗装の上でも天水(雨水)を利用して無効力で理想的な緑化ができる。
【0073】37. この装置はあらゆる場所(雨が降る場所)に設置することができ、もし雨が不足したときだけバケツ等で水を注ぐこともできる。
38. この装置はFFC(水溶性二量体鉄塩)によって酸化しない水に変えることができ、腐敗のしない雨水に変えられる。
【0074】図14は、本発明の他の実施の形態の水位調節可能なプランターを示している。水位調節可能なプランター80は、水受け器81と、吸水マット82と、防根マット83と、排水層84と、保水層85と、種子86と、日除けマット87とから成っている。
【0075】吸水マット82は、水受け器81の内部の水を吸水可能に水受け器81の上に配置されている。防根マット83は、吸水マット82の上に配置されている。排水層84は、防根マット83の上に配置されている。保水層85は、フェルトから成り、排水層84の上に配置されている。種子86は、セダム類、コケ類の種子から成り、保水層85の上に配置されている。日除けマット87は、種子86の上に配置されている。
【0076】水位調節可能なプランター80は、屋根緑化に必要なセダム類の生産を行うためのものである。近年、屋上のみならず、傾斜している屋根に緑化することの意義がさけばれており、仙台市、東京都、他、地方都市においても、屋上、もしくは屋根の緑化を義務化し、さらに補助金を出して緑化の奨励をしている。そこで、屋根に育って地上では育たない植物、言い換えれば出来る限り過酷な条件にして、そこでギリギリの状態で生き長らえる植物、セダム類およびコケ類を屋根の上で生育させる。仮に雑草が入り込んで発芽をしても屋根の上の過酷な条件のため、雑草だけは枯死し、より一層乾燥等に強いセダム類、コケ類だけが生き長らえる条件を屋根の上に作る。栽培する場合、セダム類、コケ類は、屋根の上と同じ条件下で、地上で生産することが望ましい。
【0077】この水位調節可能なプランター80は、セダム類等の初期生産に好条件である。従来は、セダム類を栽培する場合、ハウス内に水位調節可能なプランター80を設置し、セダム類を播種する。できるだけ屋根と同じ条件に設定し、つまり乾燥を繰り返す。しかしながら、幼苗のうちは水が必要とされていた。それにもかかわらず、セダム類に過湿は不向きであり、適度の湿度と乾燥とを与えるタイミングは、人の手とカンのみが頼りで自動化できなかった。この水位調節可能なプランター80は、このような従来の問題点を解決するものである。
【0078】セダム種子を播種することは仮に容易であっても、発芽後の維持生長はむずかしい。セダム類はデリケートなため、人の手による灌水は特にむずかしい。水位調節可能なプランター80は、正確に水位調節を行う水位調節装置1との組み合わせによって人件費の削減を行うことができる。また、セダム類の順調な生育と共に、やがて移動する屋根の上の過酷な条件に耐え得る生命力をはぐくむことができる。さらにFFC(水溶性二量体鉄塩)を用いれば、強健で、病原体に侵されない苗床を作ることができる。生育したセダム類の出荷時には配水層とともに巻いたり畳んだりすることにより出荷を容易にすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る水位調節装置、水位調節可能な水受け器および水位調節可能なプランターによれば、ケースと第1浮きと第2浮きとから簡単に構成して水位の調節を行うことができ、装置の小型化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】500549261
【氏名又は名称】株式会社ガーデン二賀地
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】 【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
【公開番号】 特開2002−345342(P2002−345342A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−161337(P2001−161337)