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【発明の名称】 栽培容器
【発明者】 【氏名】大迫 隆男

【要約】 【課題】本発明はその場での回転と所定方向への移動が容易にでき、かつ、もやしを傷めずに簡単に取り出せる栽培容器を提供する。

【解決手段】栽培容器Sは容器本体1と台部2を備えている。容器本体1は排出口Hを有する箱形状に形成してある。容器本体1の側壁には開口部10が形成してある。開口部10には扉11が取り付けられる。台部2は、架設部材21と略四角筒状の角筒部材20とが枠組して形成してある。角筒部材20の中空部200は、フォークリフトの爪が挿入可能である。角筒部材20の略中間部には、車輪の向きが角筒部材20と略平行に固定してある固定キャスタ23が設けてある。架設部材21の略中間部には可動キャスタ24が設けてある。栽培容器Sは常態で固定キャスタ23が接地し、可動キャスタ24の少なくとも一方が浮いている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部に排出口を有する容器は、可動キャスタと固定キャスタとを接地面側に備え、当該固定キャスタは相対して設けてあり、上記可動キャスタは、上記固定キャスタの間を回転中心として上記容器を回転したときの当該容器の回転を円滑にすべく配設されていることを特徴とする、栽培容器。
【請求項2】 上部に排出口を有する容器と、上記容器の接地面側に、相対向して設けてある少なくとも一対の固定キャスタと、上記容器の接地面側であって上記固定キャスタ間を結ぶ線分で分けられた一方または双方の側に設けてある可動キャスタと、を有し、上記固定キャスタの車輪の向きは、上記線分の方向に対して直角方向であることを特徴とする栽培容器。
【請求項3】 可動キャスタの接地箇所は、固定キャスタの接地箇所よりも高い位置に設定してあり、容器は上記固定キャスタの接地箇所を中心として揺動し、上記固定キャスタと接地した可動キャスタとで支えられるようにしてあることを特徴とする、請求項1または2記載の栽培容器。
【請求項4】 上部に排出口を有する容器と、上記容器の接地面側に、相対向して設けてある少なくとも一対の固定キャスタと、上記容器の接地面側であって上記固定キャスタ間を結ぶ線分で分けられた一方または双方の側に設けてある接地部と、を有し、上記固定キャスタの車輪の向きは、上記線分の方向に対して直角方向であり、接地部の接地箇所は、固定キャスタの接地箇所よりも高い位置に設定してあり、容器は上記固定キャスタの接地箇所を中心として揺動し、上記固定キャスタと接地した接地部とで支えられるようにしてあることを特徴とする、栽培容器。
【請求項5】 容器を反転させることが可能な装置に取り付けるための手段を備えていることを特徴とする、請求項1,2,3または4記載の栽培容器。
【請求項6】 容器は、側壁に開口部と該開口部を閉鎖する手段を有し、該閉鎖手段は容器を反転させたときに、容器の側壁を開口させるよう構成されていることを特徴とする、請求項5記載の栽培容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばもやしを生育するための栽培容器に関する。更に詳しくは、所定方向への移動とその場での回転の操作が容易な栽培容器に関する。また、例えば生育したもやしを傷めずに、しかも簡単に取り出せる栽培容器に関する。
【0002】
【従来技術】もやしは栽培容器内で生育、栽培されている。従来から使用されているもやしの栽培容器としては、例えば、四面の側壁を有する上方が開口した容器本体を備え、この容器本体の下角部の四箇所にキャスタを設けてなるものがある。この栽培容器の容器本体は、下部側がやや窄まった形状に形成してあり、側壁には収穫時にもやしを取り出すための扉が設けてある。また、キャスタは向きが自在に変えられるものが使用してあり、四箇所の全てが接地している。
【0003】もやしは、上記した容器本体内に種(緑豆や大豆等)を入れ、温度や湿度が調整してある育苗室に8日間ほどおいて生育される。
【0004】育苗室には、多数の栽培容器が無駄なスペースを形成しないように詰めておかれている。そして、複数台を一つの単位として、この単位ごとに種を蒔く日をずらして収穫が略毎日できるようにしてある。そのため栽培容器は、育苗室内においてもやしの生育につれて単位ごとに順に送って設置場所が移動される。前記した育苗室での移動は、場所が狭く栽培容器が密集しているので、フォークリフトでなく主に作業員が手作業で行っている。また、栽培容器は生育状態を管理するために回転させて向きを変える操作も行われる。
【0005】生育したもやしは、容器本体の扉を開けて、開口した部分より掻き出して収穫される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の栽培容器に設けてあるキャスタは、向きが自在に変わるものであって四箇所の全てが接地しており、しかも栽培容器は相当の大きさを有し、もやしの生育により重量も増すので、各キャスタがそれぞればらばらの方向を向いている場合では、動き始めにおいて車輪の方向を定める際の抵抗が大きかった。そのため栽培容器を所定の方向へ移動させる操作は容易でなかった。
【0007】また、栽培容器を回転させて向きを変える際も、接地した四箇所のキャスタが自在に向きを変えて回転中心が定まらないようになるので、横方向に移動し易く、その場での回転は困難であった。
【0008】栽培容器では、生育したもやしを側壁に設けてある扉から掻き出して取り出していたので、取り出す際にもやしを傷めていた。傷んだもやしは商品価値がなくなってしまう。また、この取り出し作業は一般的に作業者が手作業で行っており、そのため作業効率が悪く、作業者の肉体的負担も大きかった。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解消するもので、所定方向への移動とその場での回転の操作が容易な栽培容器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、例えば、生育したもやしを傷めずに、しかも簡単に取り出せる栽培容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、上部に排出口を有する容器は、可動キャスタと固定キャスタとを接地面側に備え、当該固定キャスタは相対して設けてあり、上記可動キャスタは、上記固定キャスタの間を回転中心として上記容器を回転したときの当該容器の回転を円滑にすべく配設されていることを特徴とする、栽培容器である。
【0011】第2の発明にあっては、上部に排出口を有する容器と、上記容器の接地面側に、相対向して設けてある少なくとも一対の固定キャスタと、上記容器の接地面側であって上記固定キャスタ間を結ぶ線分で分けられた一方または双方の側に設けてある可動キャスタと、を有し、上記固定キャスタの車輪の向きは、上記線分の方向に対して直角方向であることを特徴とする栽培容器である。
【0012】第3の発明にあっては、可動キャスタの接地箇所は、固定キャスタの接地箇所よりも高い位置に設定してあり、容器は上記固定キャスタの接地箇所を中心として揺動し、上記固定キャスタと接地した可動キャスタとで支えられるようにしてあることを特徴とする、第1または第2の発明に係る栽培容器である。
【0013】第4の発明にあっては、上部に排出口を有する容器と、上記容器の接地面側に、相対向して設けてある少なくとも一対の固定キャスタと、上記容器の接地面側であって上記固定キャスタ間を結ぶ線分で分けられた一方または双方の側に設けてある接地部と、を有し、上記固定キャスタの車輪の向きは、上記線分の方向に対して直角方向であり、接地部の接地箇所は、固定キャスタの接地箇所よりも高い位置に設定してあり、容器は上記固定キャスタの接地箇所を中心として揺動し、上記固定キャスタと接地した接地部とで支えられるようにしてあることを特徴とする、栽培容器である。
【0014】第5の発明にあっては、容器を反転させることが可能な装置に取り付けるための手段を備えていることを特徴とする、第1,第2,第3または第4の発明に係る栽培容器である。
【0015】第6の発明にあっては、容器は、側壁に開口部と該開口部を閉鎖する手段を有し、該閉鎖手段は容器を反転させたときに、容器の側壁を開口させるよう構成されていることを特徴とする、第5の発明に係る栽培容器である。
【0016】本発明に係る栽培容器は、例えば、収容容器として使用することもできる。収容容器として使用する場合では、例えば、ゴミ(生ゴミ、産業廃棄物等)、石炭、炭、木材、石材、コンクリート、瓦礫、鉄くず、その他流動性固体(土、砂、土砂、砂利、灰、セメント等)を収容することができる。しかし、収容容器に収容されるものは、これらに限定するものではない。
【0017】「接地部」は、固定キャスタと共に接地して容器を支えることができるものであれば、特に限定するものではない。例えば、容器自体の底部側や、容器から突出して設けた脚部等を挙げることができる。
【0018】(作 用)本発明に係る栽培容器は、接地している固定キャスタ間(栽培容器の中心)を回転の中心として栽培容器を回せば、固定キャスタの車輪は互いに回転方向に回り、その場で回転できる。なお、可動キャスタを備えている場合は、可動キャスタは、重みの一部を負担し、栽培容器の回転に追従するようにして容器の回転を助ける。
【0019】容器を反転させることが可能な装置に取り付けるための手段を備えているものは、当該手段を上記装置に取り付けることで、容器を反転させることができる。その際、内部に収容した内容物は排出口から排出される。
【0020】側壁に開口部と該開口部を閉鎖する手段を有し、該閉鎖手段は容器を反転させたときに、容器の側壁を開口させるよう構成されているものは、例えば、内容物が容器内で内圧が高い状態で収容してあり、反転させても排出されにくくなっている場合でも、側壁を開口して上記内圧が解放できるので、内容物を直ぐに落下させて排出できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る栽培容器の一実施の形態を示す正面図、図2は図1に示す栽培容器の一部を断面した側面図、図3は栽培容器の分解斜視図、本実施の形態において栽培容器は、もやしを栽培するものである。
【0022】符号Sは栽培容器を示している。栽培容器Sは、容器本体1と、この容器本体1の下部に設けてある台部2を備えている。本実施の形態で容器本体1は、主に繊維強化プラスチック(FRP(fiber-reinforced plastics))で形成してある。また、台部2は主に金属で形成してある。
【0023】容器本体1は、上部に開口した排出口Hを有する、四面の側壁を備えた箱形状に形成してある。容器本体1の各側壁は上部が広い台形形状に形成してあり、容器本体1全体として下部側がやや窄まった形状を有するように形成してある。
【0024】容器本体1の所定の一面には、排出口Hの上縁部から切り欠いたようにして略正方形状の開口部10が形成して設けてある。開口部10には扉11が取り付けられる。開口部10及び扉11は、側壁に開口部と該開口部を閉鎖する手段を構成する。開口部10及び扉11の構造については後述する。
【0025】容器本体1の底部側には、容器本体1を台部2に取り付けるための取着部13が形成してある。取着部13は、側壁を内側に凹ませて、内部の底部側に全周にわたり段部14が形成されるように形成してある。取着部13の壁面は略垂直に形成してある。
【0026】容器本体1の側壁外面には、容器本体1の強度を高め、もやしの圧力による変形を防止するための金属製の補強部材120,121,122,123が設けてある。補強部材120は開口部10の両側縁部に設けてある。
【0027】補強部材121は、開口部10を除いた全周にわたる上縁部と、窓部の下部と、これらの間を略二分する部分とに設けてある。補強部材122は、窓部の下部に設けられた補強部材121より下部にあたる角部(取着部13の角部も含む)と、段部14の角部部分に設けてある。補強部材123は、取着部13の下部に全周にわたり設けてある。補強部材120,121,122,123は、繊維強化プラスチックにより被覆されており、表面が露出しないようにしてある。
【0028】取着部13の側壁外面には、側面視において略「L」字形状に形成してある金属製の取着具15が複数設けてある。取着具15は、垂直部が補強部材123と固着してあり、繊維強化プラスチックにより被覆されて表面が露出しないようにしてある。水平部は、取着部13の下部から外方に延びるように設けてある。水平部にはボルト挿通孔(符号省略)が形成してある。
【0029】取着部13には、円筒状の排水口16が、側壁及び底部を貫通して設けてある。容器本体1の底部は、排水口16に向けて下り傾斜して形成してある。排水口16の両側方の側壁外面には、排水口16の開口部を塞ぐ蓋部材19を取り付けるための蓋部材取着具18が設けてある。蓋部材取着具18は、蝶ナット181が螺合してある所要長さを有するボルト180の一端側を容器本体1に、排水口16と略平行になるようにして埋め込んで構成してある。
【0030】蓋部材取着具18には、蓋部材19が取り付けられる。蓋部材19は、略長方形状を有する板体で形成してあり、長さ方向の両端側には、長辺側の縁部から幅方向に長溝状に切り欠いた切欠部190が形成してある。板体の裏面側の排水口16と対応する箇所には、水密可能にするためのパッキン191が設けてある。
【0031】蓋部材19は、蓋部材取着具18の上方から切欠部190内にボルト180が配置されるように差し込み、蝶ナット181を締めて排水口16の開口部をパッキン191押圧した状態で取り付けられる。なお、蓋部材19は、切欠部190が長溝状に形成してあるので、上下方向に取り付ける位置を変えて開口部の開口面積を変えることで、排水する水の量の調整ができる。
【0032】容器本体1の内底側には、板状のパンチングメタル17が設けてある。パンチングメタル17は、四辺が下方に折り曲げてあり、この折り曲げた部分が段部14上に載る略正方形状に形成してある。パンチングメタル17には、種が通過しない大きさを有する孔170が、全体にわたり多数形成してある。本実施の形態で孔は、略3mmの大きさを有するように設定したが、これに限定するものではない。
【0033】開口部10の構造について詳述する。開口部10の下縁部には、平面薄板状の平面載置部100が、全長にわたり側壁よりやや延出して設けてある。平面載置部100の外端部からは、膨らんだ湾曲形状を有する湾曲載置部101が、全長にわたりやや延出して設けてある(図2及び図3参照)。
【0034】また、開口部10の両側縁部には、取り付けた扉11を所定の位置で停止させる平面薄板状の停止部102が、全長にわたり側壁より延出して設けてある。停止部102は、下部側にかけて段々と幅広になるように形成してある(図2及び図3参照)。
【0035】扉11の構造について詳述する。開口部10には、開口した部分を閉塞するように扉11が取り付けられる。扉11は、開口部10の形状よりやや小さい略四角形の板状体113を有し、その四辺のそれぞれから側壁が延出して形成してある形状を有している。板状体113の部分には取っ手112が設けてある。
【0036】開口部10の下縁部と対応する扉11の側壁114は、平面載置部100よりやや小さい略長方形状に形成してある。開口部10の両側縁部と対応する側壁115は、停止部102と略同じ大きさを有するように形成してある。この側壁115のうち開口部10の下縁部と対応する側には、湾曲載置部101の表面形状と略同じ円弧形状を有する切欠部116が形成してある。また、この側壁115の上縁部からは、停止部102の先端辺と当接する略長方形状の当接板110が外方に延出して設けてある。
【0037】開口部10の上部側に位置する扉11の側壁117は、開口部10に取り付けたときに容器本体1の上面(上縁部に設けてある補強部材121の上面)と略面一になり、上縁部に設けてある補強部材121の外面と略面一になる略長方形状に形成してある。この側壁117には、所要間隔を設けて二箇所に貫通した貫通孔111が形成してある。
【0038】扉11は、側壁114を平面載置部100上に載せ、切欠部116を湾曲載置部101に対応させて、当接板110を停止部102の先端辺と当接させることで、開口部10を閉塞するように取り付けられる。開口部10に取り付けられた扉11は、板状体113の内面が容器本体1の内面と略面一になる。
【0039】扉11の開口部10への固定には、押さえ金具3が使用される。押さえ金具3は、内径が扉11の上部の側壁117の幅よりやや大きく形成してある断面「コ」字形状の長尺物で形成してある。押さえ金具3の内側で上記貫通孔111と対応する箇所には、固定ピン30が突出して設けてある。
【0040】開口部10に取り付けた扉11は、内部に扉11の上部側と補強部材121とが収容されるように上方から押さえ金具3を嵌めて、固定ピン30を貫通孔111に挿通させることで、容器本体1に常態で動かないように固定して取り付けられる。
【0041】台部2は、容器本体1の下部側の幅よりもやや長い略四角筒状の角筒部材20を備えている。角筒部材20は、フォークリフトの爪が挿入可能な大きさの中空部200を有しており、フォークリフトの二本の爪が挿入可能な間隔を設けて二箇所に略平行に備えてある。角筒部材20の間の両端には、断面略「コ」字状で角筒部材20の略半分の高さを有する架設部材21が略平行に架け渡して設けてある。架設部材21は、下面が角筒部材20と略面一になるようにしてある。こうして角筒部材20と架設部材21は枠組してある。角筒部材20は、容器を反転させることが可能な装置に取り付けるための手段を構成する。
【0042】各角筒部材20の長さ方向における略中間部の側部には、キャスタ取着部材22が設けてある。各キャスタ取着部材22は、角筒部材20の外側壁から突出して設けたブラケット220と、角筒部材20の下面に上面の一端側を固着し、他端側が上記したブラケット220と固着してある板状の取着板221を備えて構成してある。取着板221は略4.5mmの厚みを有している。両キャスタ取着部材22の下部には、固定キャスタ23が相対向して設けてある。固定キャスタ23は、車輪の向きがこの固定キャスタ23間を結ぶ線分の方向に対して直角方向を向くようにしてある。
【0043】各架設部材21の長さ方向における略中間部の下部には、車輪の向きが回動可能な可動キャスタ24が相対向して設けてある。可動キャスタ24は、この可動キャスタ24を結ぶ線分が、固定キャスタ23の間を結ぶ線分に対して実質的に直角方向を向くように設けてある。可動キャスタ24は、固定キャスタ23の間を回転中心として容器本体1を回転したときの当該容器本体1の回転を円滑にすべく配設されている。
【0044】固定キャスタ23と可動キャスタ24は、車輪等について同じものを使用している。従って、固定キャスタ23と可動キャスタ24は、取着板221の厚みの分だけ接地箇所の高さが異なっており、常態では固定キャスタ23が接地して可動キャスタ24の少なくとも一方が浮き、容器本体1が固定キャスタ23の接地箇所を中心として揺動できるようになっている。
【0045】角筒部材20と架設部材21の所要箇所には、上記した取着具15と対応するようにして、同じく側面視において略「L」字形状を有する取着具25が設けてある。取着具25は、垂直部が角筒部材20や架設部材21と固着してあり、水平部が角筒部材20や架設部材21の上面から外方に延びるように設けてある。水平部にはボルト挿通孔(符号省略)が形成してある。
【0046】容器本体1と台部2とは、容器本体1の下部の取着部13を台部2上に載せ、互いに取着具15,25の位置を合わせて、この取着具15,25のボルト挿通孔にボルトを挿通し、ナットで固定することにより一体に組み立ててある。従って、上記ボルト・ナットを取り外すことで、容器本体1と台部2は分離も可能である。
【0047】本実施の形態で容器本体1は、主に繊維強化プラスチックで形成したものを示したが、容器本体1を形成する主となる材料は、これに限定するものではなく、例えば、他の熱硬化性プラスチックを使用することもできるし、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体樹脂(ABS(acrylonitrile‐butadiene‐styrene copolymer))やポリエチレン樹脂等の熱可塑性プラスチックを使用することもできる。
【0048】(作 用)図4は栽培容器を使用して生育させたもやしを収穫する工程を示す説明図である。図1ないし図4を参照して、栽培容器Sを使用してもやしを栽培する手順と、栽培容器Sからもやしを収穫する手順とを交えて、本実施の形態で示す栽培容器Sの作用を説明する。
【0049】まず、栽培容器Sを使用してもやしを栽培する手順を説明する。栽培容器Sは、室温約30℃、湿度70〜80%に調整された育苗室に無駄なスペースを形成しないように詰めて多数おかれている。この状態において開口部10には扉11が取り付けられている。
【0050】栽培容器Sの容器本体1内に種を入れる。種は、容器本体1内のパンチングメタル17上に、全体を埋め尽くし、更に種の重なりによって所要の厚みが形成されるくらい入れられる。
【0051】排水口16の開口部を蓋部材19で塞ぎ、容器本体1内に水(ぬるま湯でも良い)を入れる。水は種全体が浸かり水面が開口部10の下縁部よりやや下方に位置するくらい入れる。そして、水に浸したまま1日もしくは2日おき、種に十分に水分を含ませて発芽させる。
【0052】蓋部材19を上方に移動させて、排水口16を一部開口させ水を排水する。なお、水を抜いた後も蓋部材19は取り付けたままの状態にしておく。その後、栽培容器Sを約7日間ほどおいて生育させる。
【0053】育苗室内は、常に上記した温度及び湿度が保たれており、もやしの生育にとって最適な環境となっている。育苗室内で水分は、霧状のものが栽培容器Sに降り注がれるようにして供給されている。育苗室で栽培容器Sは、もやしの生育につれて設置場所が単位ごとに順に送って移動されたり、生育状態を管理するために回転させて向きを変えたりされる。
【0054】栽培容器Sは容器本体1が揺動可能であり、回転は可動キャスタ24の一方を接地させた状態で行われる。栽培容器Sは、接地させた可動キャスタ24の車輪が固定キャスタ23と略直角方向を向いた状態で回転するように動かす。これにより相対向して設けてある固定キャスタ23の両方の車輪が互いに反対方向に回転するようになる。このようにして両固定キャスタ23の間を結ぶ線分の略中央が回転中心として定められたようになり、栽培容器Sは略その場で回転する。栽培容器Sは、回転中心を定めて略その場で回転できるので、狭い場所でも回転が容易である。
【0055】接地している可動キャスタ24は、重みの一部を負担し、栽培容器Sの回転に追従するようにして回転を助けている。
【0056】栽培容器S、可動キャスタ24の少なくとも一方が浮いている状態で回転されるので、例えば、容器本体1が揺動しないようにしてあるものよりも回転し易い。
【0057】栽培容器Sは固定キャスタ23が接地しているので、固定キャスタ23の車輪の向きへ容易に移動できる。このように栽培容器Sでは、回転や移動が容易にできるようになるので、育苗室での労力が軽減できる。
【0058】なお、本実施の形態で栽培容器Sの回転は、可動キャスタ24の一方を接地させた状態で行ったが、栽培容器Sの回転はこれに限定するものではなく、両方の可動キャスタを浮かせて接地させずに行うこともできる。
【0059】もやしは7日間くらいで7〜8cmくらいに生育し、容積が増えて容器本体1内いっぱいになり、そして収穫される。
【0060】次に、栽培容器Sからもやしを収穫する手順を説明する。もやしは栽培容器Sを育苗室内から出して収穫される。栽培容器Sは、角筒部材20の中空部にフォークリフト5の爪50が挿入され、フォークリフト5によって上げられて、育苗室から集荷台6まで運ばれる(図4の■工程参照)。
【0061】なお、ここで使用するフォークリフト5は、昇降可能に設けられた爪50が縦方向に回転して積載物を反転させることができる構造を備えたものである。
【0062】集荷台6まで運ばれた栽培容器Sは、爪50で所定の高さまで上げられ、爪50を回転させることによって反転される(図4の■工程参照)。こうしてもやしを自重により排出口Hから落下させて、集荷台6に排出する。
【0063】ところで、もやしは、容器本体1内で生育して容積が増えるにつれて、段々と横方向に拡がるようになり、側壁に相当の圧力を及ぼすようになる。側壁にテーパが設けてあるのは、この圧力を上方に逃がし、もやしの生育を阻害しないようにするためである。従って、もやしは、圧力によって栽培容器Sを逆さまにしただけでは、内圧ににより側壁間で突っ張っており直ぐには落ちてこないことがある。
【0064】栽培容器Sでは、逆さまの状態にしたときに、扉11を固定していた押さえ金具3が自重により落下し、扉11も落下する。こうして側壁に開口部10が形成される。これによりもやしは、扉11にかかっていた圧力が解放され、直ぐに落下し排出される。なお、もやしの排出時には、パンチングメタル17も落下する。
【0065】栽培容器Sによれば、もやしは自重により落下させて排出されるので、従来のように掻き出したりすることがなく、もやしを傷めずに収穫できる。また、栽培容器Sは、逆さまにすれば一気にもやしを排出することができるので、収穫に手間がかからず、しかも短時間でできる。従って、収穫作業の効率化を図ることができ、作業者の肉体的負担も軽減できる。
【0066】栽培容器Sは、固定キャスタ23が角筒部材20の長さ方向の中間部に設けてあり、可動キャスタ24が架設部材21の中間部に設けてあるので、従来のようにキャスタを角部に設けた場合よりも回転半径が小さくしてあり、これにより回転がし易い。
【0067】栽培容器Sは、固定キャスタ23が角筒部材20の外側壁から突出してあるキャスタ取着部材22に設けてあることにより、固定キャスタ23間の距離の方が可動キャスタ24間よりもやや長くなっている。これにより接地している可動キャスタ24に多大な荷重がかからないようにでき、栽培容器Sの安定性も向上する。本実施の形態では固定キャスタ23間の距離が可動キャスタ24間よりも長く設定してあるが、これは特に限定するものではなく、固定キャスタ間と可動キャスタ間の距離は、略同じにすることもできる。また、可動キャスタ間の方を長くすることもできる。
【0068】容器本体1は、取着具15,25のボルト・ナットを取り外すことで台部2より分離可能であるので、例えば、容器本体1が壊れたようなときでも交換することができる。
【0069】なお、もやしとなる種としては、例えば、緑豆、ブラックマッペ、大豆、小豆、そば、トウモロコシ等を挙げることができる。しかし、これらに限定するものではない。
【0070】本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】(a)本発明に係る栽培容器は、接地している固定キャスタ間(栽培容器の中心)を回転の中心として栽培容器を回せば、固定キャスタの車輪が互いに回転方向に回り、その場で回転できる。従って、回転操作が容易であり、狭いところでも回転できる。なお、可動キャスタを備えている場合は、可動キャスタは、重みの一部を負担し、栽培容器の回転に追従するようにして容器の回転を助ける。本発明に係る栽培容器は、固定キャスタが接地しているので、固定キャスタの車輪の向きへ容易に移動できる。
【0072】(b)容器を反転させることが可能な装置に取り付けるための手段を備えているものは、容器を反転させて排出口から内容物を排出するので、内容物を手間をかけずに、しかも短時間で排出することができる。従って、例えば、内容物がもやしである場合では、収穫作業の効率化を図ることができ、作業者の肉体的負担も軽減できる。また、従来のように掻き出すこともないので、傷めずにもやしを収穫することができる。
【0073】(c)側壁に開口部と該開口部を閉鎖する手段を有し、該閉鎖手段は容器を反転させたときに、容器の側壁を開口させるよう構成されているものは、例えば、内容物が容器内で内圧が高い状態で収容してあり、反転させても排出されにくくなっている場合でも、側壁が開口されることで上記内圧が解放できるので、内容物を直ぐに落下させて排出することができる。
【出願人】 【識別番号】395017771
【氏名又は名称】福岡レジン工業株式会社
【出願日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【代理人】 【識別番号】100085327
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 克彦
【公開番号】 特開2002−345341(P2002−345341A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−157864(P2001−157864)