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【発明の名称】 萎凋病耐性トマト苗木の製造方法
【発明者】 【氏名】岩男 吉昭

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 「トルバム・ビガー」、「台太郎」、「耐病VF」からなる群から選択されたナス用台木にトマト穂木を接木することを特徴とする萎凋病耐性トマト苗木の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は萎凋病耐性トマト苗木の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トマト栽培において最大の土壌伝染性病害は、夏などの高温条件で発病する青枯れ病と、萎凋病、特に根腐萎凋病である。
【0003】青枯れ病はPseudomonas細菌を病原とする。本発明者は、穂木にトマトを、台木にナス用台木の1つであるトルバム・ビガーを使用すれば有効であることを見い出し、特許を得た(特許第2939208号)。
【0004】根腐萎凋病はFusariumかびを病原とする。現在3つのレースがよく知られており、J1、J2、J3と呼ばれている。特に、J2やJ3は低温期に発生し、土壌中で強い耐久体を作り、10年以上も生存するとされる難病病菌である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は根腐萎凋病に対して有効な台木を探していたところ、思いがけなくナス用の台木を使用すればトマトの根腐萎凋病にも有効であることを発見し、本発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、「トルバム・ビガー」、「台太郎」、「耐病VF」からなる群から選択されたナス用台木にトマト穂木を接木することを特徴とする萎凋病耐性トマト苗木の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の態様】穂木のトマトの種類には制限はないが、現在は「桃太郎」(タキイ種苗)が圧倒的なシェアを占めているので、通常はこれによる。
【0008】台木の「トルバム・ビガー」は、農水省野菜試験場が昭和51年に中央アメリカのプエルト・リコから導入したナス科植物ソラナム・トルバムの一系統である。導入以来、野菜試験場はじめ各府県農業試験場などで試験されてその優秀性が認められ、昭和56年に「なす導入台1号、トルバム・ビガー」として農林登録され、昭和58年2月に種苗登録されて現在市販されるに至っている。
【0009】トルバム・ビガーは種子が小さいため、接木までの育苗に時間がかかるので、穂木の播種よりもかなり早まきしなければならない。通常、穂木の播種予定日よりも1〜2ヵ月程度早まきすればよい。
【0010】ジベレリン処理をした種子を播種床にまくと、6〜7日目に出芽が始まり、播種後10〜12日に発芽ぞろいとなるので、発芽ぞろいから5日後に穂木を播種すればよい。条間6cmほどに筋まきにして薄く覆土し、発芽まで乾燥させないように気をつける。ジベレリン処理は播種前に種子をジベレリン溶液に一昼夜ほど浸漬する方法で行なう。
【0011】接木方法は、それ自体公知の割り接ぎ法及び挿し接ぎ法のいずれでもよい。
【0012】割り接ぎ法では、台木が本葉6〜7枚、茎径5〜6mmで、穂木本葉4〜5枚、茎径4mm程度が接木に適当である。接木後は、十分潅水して、地温25℃程度、気温20〜25℃、湿度90%程度で3〜4日遮光して活着を促す。
【0013】挿し接ぎを行なうには、予め節間を伸ばしておいたほうがよい。したがって、ある程度の密植をするか、成育初期に蒸し込み管理やジベレリン溶液の茎葉散布をするのがよい。
【0014】台木の「台太郎」は、インドから導入された青枯病抵抗性の「WCGR112−8」を種子親に、マレーシアで収集され、その後の検定で青枯病と半枯病に複合抵抗性が認められた「LS1934」を花粉親にして作出されたF1品種であり、「なす農林交台2号・台太郎」として登録された。発芽および幼苗期の生育に優れ、接ぎ木が容易である。
【0015】接ぎ木が挿し継ぎのときは、穂木と同時播きか3日ほど早まきする。本葉2.5枚、茎径2.0〜2.5mmの時期に台木の子葉の上で接ぎ木する。接ぎ木が割り継ぎのときには、台木を穂木よりも5日ほど早く播く。接ぎ木時期は台木・穂木ともに本葉が4〜5枚時で、台木の本葉2枚の位置で接ぐ。
【0016】台木の「耐病VF」は、「プエルトリコに在来する長なす」について、接種選抜により半身萎凋病抵抗性系統を固定した上で、野生種の「S. grandifolium」について、半枯病抵抗性の固定と半身萎凋病系の選抜を行い、作出されたものである。本種は種間雑種であり、きわめて強勢な生育を示す。したがって、穂木と同時播きか3日ほど早まきする。
【0017】その他のナス台木、例えば「ナスの力」、「ミート」、「トレロ」、「ナクロス」、「カレヘン」にも同様の効果が期待できると考えられる。
【0018】
【実施例】愛知県岩倉市において、ある農家の約300坪鉄筋ビニルハウスのトマトが平成6年,7年,8年と連続して根腐萎凋病(J2及びJ3の複合汚染)により全滅した。同じ農家のビニルハウスを使用して平成9年から11年に亘って本発明を実施した。
【0019】穂木に「桃太郎」(タキイ種苗)を、台木に「トルバム・ビガー」を使用し、1坪当たり7本、全体で約2000本強栽培した。
結果平成9年11月〜平成10年7月 枯れ0本平成10年11月〜平成11年7月 枯れ0本平成11年11月〜平成12年7月 枯れ0本* 栽培開始日は接ぎ木苗を定植した月である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、根腐萎凋病抵抗性を有するトマト苗木が得られる。
【出願人】 【識別番号】593008645
【氏名又は名称】株式会社ジャット
【識別番号】500339754
【氏名又は名称】青山種苗株式会社
【出願日】 平成13年5月30日(2001.5.30)
【代理人】 【識別番号】100062498
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓 (外1名)
【公開番号】 特開2002−345334(P2002−345334A)
【公開日】 平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願番号】 特願2001−161982(P2001−161982)