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【発明の名称】 挿苗機
【発明者】 【氏名】門田 充司

【氏名】陶山 純

【要約】 【課題】コンパクトで簡単な構造からなるようにすることができるとともに、予め苗の形状を調整する手間を軽減することができるようにする。

【解決手段】本発明の挿苗機1は、苗箱2に連設された各ポット3に挿苗4を挿すものにおいて、対象のポット3が所定位置にくるように苗箱2を移動させる苗箱移動部11と、挿苗4を投入するための投入部12と、該投入された挿苗4を前記所定位置上方で把持し、下方に移動して前記対象のポット3に挿す植付部13とを備え、植付部13は、挿苗4の下側周囲を略覆うカバー部42を備えたことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗箱に連設された各ポットに挿苗を挿すための挿苗機において、対象の前記ポットが所定位置にくるように前記苗箱を移動させる苗箱移動部と、挿苗を投入するための投入部と、該投入された挿苗を前記所定位置上方で把持し、下方に移動して前記対象のポットに挿す植付部とを備え、前記植付部は、挿苗の少なくとも下端側周囲を略覆うカバー部を備えたことを特徴とする挿苗機。
【請求項2】 前記植付部は、挿苗の有無を感知する苗センサ部を有し、該苗センサ部が挿苗を感知すると把持するように構成された請求項1記載の挿苗機。
【請求項3】 前記植付部は、挿苗が前記ポットに挿されるときの反作用が所定値以上になると挿苗がスリップする程度に把持するように構成された請求項1又は2記載の挿苗機。
【請求項4】 前記植付部は、挿苗が前記ポットに挿されるときの反作用を感知する反作用センサ部を有し、該反作用センサ部が所定値以上の反作用を感知すると挿苗を解放するように構成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の挿苗機。
【請求項5】 前記カバー部は、上下に伸縮可能に構成された請求項1〜4のいずれか一項に記載の挿苗機。
【請求項6】 前記カバー部は、その下端側が徐々に狭くなるように形成された請求項1〜5のいずれか一項に記載の挿苗機。
【請求項7】 前記カバー部の下側開口を開閉するシャッターを備えた請求項1〜6のいずれか一項に記載の挿苗機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イ草等の移植機で使用される苗箱のポットに挿苗を自動的に挿す挿苗機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の挿苗機として、特開2001−16917に開示されたものを例示する。この挿苗機は、苗カートリッジと、該苗カートリッジに保持された苗を所定の苗供給位置へ供給する苗供給装置と、複数のポットが連設された苗箱を所定の挿苗位置まで搬送する苗箱搬送装置と、前記苗供給位置にある苗カートリッジから苗を取り出して前記挿苗位置にある苗箱のポット内に差し込む挿苗装置とを備えている。
【0003】この挿苗機では、苗カートリッジから挿苗を取り出す段階と、今回挿苗を挿し込もうとするポットに対し前回挿苗を差し込んだポットの反対側に挿苗を移動する段階と、今回挿苗を差し込もうとするポットの直上まで挿苗を水平移動させる段階と、挿苗をポット内に差し込む段階とを経ることによって、苗カートリッジ内の挿苗をポット内に挿すように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、苗カートリッジ、苗供給装置、苗箱搬送装置、挿苗装置等の多数の部品や装置からなるため、大型化し、またコストが掛かるという問題がある。
【0005】また、苗カートリッジ内の挿苗をポット内に挿すまでに多数の段階を経る必要があるため、時間が掛かるとともに、複雑な機構と制御が必要でコストが掛かるという問題がある。
【0006】また、従来の挿苗装置は苗カートリッジ内の所定位置に挿苗が保持されていることを前提にしており、苗カートリッジ内の挿苗の保持位置が上下にずれていると、ポット内への挿し込み深さが上下にずれるという問題がある。この問題を回避するためには、挿苗が苗カートリッジ内の所定位置に保持され易くしておかねばならず、予め挿苗の根を短く切り揃えることにより、挿苗の形状を厳密に調整する必要があり、この作業に多くの時間を費やしているという問題がある。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、コンパクトで簡単な構造からなる挿苗機を提供することにある。
【0008】また、本発明の目的は、予め苗の形状を調整する手間を軽減することができる挿苗機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の挿苗機は、苗箱に連設された各ポットに挿苗を挿すための挿苗機において、対象の前記ポットが所定位置にくるように前記苗箱を移動させる苗箱移動部と、挿苗を投入するための投入部と、該投入された挿苗を前記所定位置上方で把持し、下方に移動して前記対象のポットに挿す植付部とを備え、前記植付部は、挿苗の少なくとも下端側周囲を略覆うカバー部を備えたことを特徴としている。
【0010】この構成により、(イ)植え付けようとする挿苗の下端部と、他のポットに既に植え付けられている挿苗との干渉を防止する、(ロ)植え付けようとする挿苗の下端部がポット内に向かうようにガイドするようにしている。
【0011】前記植付部は、挿苗の有無を感知する苗センサ部を有し、該苗センサ部が挿苗を感知すると把持するように構成された態様を例示できる。
【0012】この構成により、挿苗が投入されると自動的に植付動作を開始するようにしている。
【0013】前記植付部は、挿苗が前記ポットに挿されるときの反作用が所定値以上になると挿苗がスリップする程度に把持するように構成された態様を例示できる。
【0014】この構成により、(a)挿苗の根の長さに関わらず挿苗が前記ポットの底面まで植え付けられるようにする、(b)植付力を加え過ぎないようにすることによって挿苗の座屈を防止するようにしている。この(a)の作用により、挿苗の根の長さを厳密に調整する必要性を低減している。
【0015】前記植付部は、挿苗が前記ポットに挿されるときの反作用を感知する反作用センサ部を有し、該反作用センサ部が所定値以上の反作用を感知すると挿苗を解放するように構成された態様を例示できる。
【0016】この構成により、前記(a)及び(b)と同様の作用を奏するようにしている。
【0017】前記カバー部は、上下に伸縮可能に構成された態様を例示できる。特に限定されないが、次の態様を例示できる。
(1)カバー部を、ベース部と、該ベース部に相対上下スライド可能に取り付けられた先端部とで構成することによる態様。
(2)カバー部の全体又は一部を柔軟な素材で形成することによる態様。
【0018】この構成により、前記カバー部の下端が前記ポットに接触した時点から前記カバー部が縮み、該カバー部から相対的に挿苗が押し出されるようにしている。すなわち、前記ポットに挿される直前まで挿苗が前記カバー部によりカバーされた状態になるようにしている。
【0019】前記カバー部は、その下端側が徐々に狭くなるように形成された態様を例示できる。
【0020】この構成により、前記(イ)及び(ロ)の作用をより向上させるようにしている。
【0021】また、前記挿苗機においては、前記カバー部の下側開口を開閉するシャッターを備えた態様を例示できる。
【0022】この構成により、投入された挿苗を所定位置で確実に位置決めするようにしている。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜図9は本発明を具体化した一実施形態の挿苗機1を示している。この挿苗機1は、苗箱2に連設された各ポット3に挿苗を挿すためのものであり、本例では同時に2つのポット3にそれぞれ挿苗4を挿すことができるように構成されている。なお、以下本書では図中に矢印で示すX及びYによって挿苗機1の方向を説明する。
【0024】図1〜図3に示すように挿苗機1は、基台10上において対象のポット3が所定位置にくるように苗箱2を移動させる苗箱移動部11と、挿苗4を投入する投入部12と、該投入された挿苗4を前記所定位置上方で把持し、下方に移動して前記対象のポット3に挿す植付部13と、これらの各部を制御する制御部14とを備えている。投入部12と植付部13は基台10に立設されたフレーム15に取り付けられている。
【0025】苗箱2は、可撓性を有するプラスチック製のもので、図4に示すように複数(本例では幅方向に10個、長さ方向に32個)のポット3が格子状に配設されている。各ポット3の底壁には水抜きをしたり、苗を取り出したりするための放射状の切れ目3aが形成されている。また、苗箱2の長辺側縁部には、苗箱2のY方向の位置制御をするための矩形穴がポット3と同ピッチで配設されている。
【0026】苗箱移動部11は、基台10にX方向へ水平スライド自在に設けられたX方向可動台20と、X方向可動台20にY方向へ水平スライド自在に設けられたY方向可動台23とを備えており、Y方向可動台23には苗箱2が装着されるようになっている。基台10には、X方向可動台20をX方向に送るためのX方向送り機構26が設けられている。また、X方向可動台20には、Y方向可動台23に装着された苗箱2をY方向に送るためのY方向送り機構27と、X方向に並ぶ一列のポット3に挿された挿苗4を整列させるための整列装置28とが設けられている。
【0027】Y方向送り機構27は、苗箱2の矩形穴2aに係合するフック27aを備えており、該フック27aによって苗箱2をY方向へポット3の配設ピッチごとに送るように構成されている。
【0028】整列装置28は、図9に二点鎖線の矢印で示すように略水平面内において90°の範囲で回動可能に支持されたポール29と、該ポール29を回動させる駆動機構30とを備えている。そして、ポール29を回動させることにより、X方向に並ぶ一列のポット3に挿された挿苗4を整列させるようになっている。
【0029】本例の挿苗機1は、一回の植え付け動作(植付部13の一回の上下移動、後述)により、X方向(苗箱2の幅方向)へ相対的に5個離れた2つのポット3に同時に挿苗4を挿すようになっており、苗箱移動部11は1回の植付け動作が終了すると、X方向送り機構26によりX方向における隣のポット3が所定位置にくるように苗箱2をX方向へ移動させるようになっている。また、一列の植付け(5回の植付け動作)が終了すると、Y方向送り機構27によりY方向における隣のポット3が所定位置にくるように苗箱2をY方向へ移動させるとともに、整列装置28によって一列の挿苗4を整列させるようになっている。
【0030】投入部12は、植付部13の挿苗4を把持する位置に、上方から投入された挿苗4を向かわせるための略漏斗状の通路が形成された筒体35を2つ備えている。
【0031】植付部13は、図5に示すように挿苗4の有無を感知する苗センサ部40と、挿苗4を把持したり解放したりする把持部41と、把持部41の下側で把持された状態の挿苗4の周囲を覆うカバー部42と、該把持部41及びカバー部42を上下に移動させる上下駆動部43とを2組備えるとともに、該上下移動に応じて両カバー部42の下側開口を開閉するシャッター44を備えている。
【0032】苗センサ部40は、筒体35の下側開口付近に設けられている。本例では、投光器及び受光器からなる光電センサを使用し、投光器から放射された光が挿苗4によって遮断されたことを検出することにより、挿苗4が投入されたことを感知するようになっている。
【0033】把持部41は、図6に示すように空気圧によって開閉可能に構成された一対のフィンガ48を備えており、苗センサ部40が挿苗4を感知すると両フィンガ48で把持し(同図(b)参照)、後述する上下駆動部43に設けられたセンサが上下駆動部43の下限を感知すると、挿苗4を解放する(同図(a)参照)ように制御される。各フィンガ48の先端側には、フィンガ48の長さ方向に間隔をおいた前後一対の爪49が設けられており、これらの爪49によって平面視で両フィンガ48の間に略円形の囲みが形成されるようになっている。そして、この囲み内に挿苗4を入れ、挿苗4を確実に把持するように構成している。この把持部41は、挿苗4がポット3に挿されるときの反作用が所定値以上になると、挿苗4がスリップする程度の把持力で把持するように構成されている。フィンガ48の材料としては、特に限定されないが、本例ではアルミニウム板を採用している。また、フィンガ48の挿苗4との接触部分には、弾性材の表面にスリップし易い表層材を貼ったもの(図示略)が装着されている。つまり、弾性材の変形によって挿苗4をある程度包み込んで接触面積を大きくし、挿苗4にかかる力を分散させ、もって挿苗4をしっかりと把持できるようにしている。さらに、表層材によってスリップを起こしやすくしている。この弾性材及び表層材としては、特に限定されないが、本例ではスポンジ及び両面テープの剥離紙を採用している。
【0034】カバー部42は、ベース部としての第一筒部51と、該第一筒部51に相対上下スライド可能に外挿された先端部としての第二筒部52とで構成されることにより、上下に伸縮可能(本例では約40mm伸縮可能)になっている。第二筒部52は、その下端側が徐々に狭くなるように形成されている。この第二筒部52は、その下端がポット3に接触した時点でスライドを開始し、このとき挿苗4が第二筒部52下端の穴を通過してポット3内の培土5に植え付けられるようになっている。
【0035】上下駆動部43は、本例ではエアシリンダによって構成している。このエアシリンダはそのピストンロッド54が下向きに延びるようにフレーム15に取り付けられている。ピストンロッド54の先端側には把持部41及びカバー部42が取り付けられている。上下駆動部43の上限と下限には、センサ(図示略)が取り付けられており、これによって植付動作の制御を行うようになっている。
【0036】シャッター44は、その基端側がフレーム15に取り付けられたシャッター取付部材45に、回動自在に取り付けられるとともに、上下駆動部43のピストンロッド54先端側にチェーン55でつながれている。また、シャッター44の先端側には、挿した直後の挿苗4のX方向の位置をガイドするための一対のガイド部材46が、各カバー部42ごとに取り付けられている。そして、ピストンロッド54が上昇するとチェーン55によりシャッター44が引っ張りあげられて両カバー部42の開口を閉じ、ピストンロッド54が下降するとチェーン55が弛み両カバー部42の開口を開くようになっている。
【0037】本例の植付部13に関する仕様は、具体的には次のように設定しているが、例示にすぎず挿苗4の種類・状態等の各種条件に応じて適宜変更されるものである。
(1)ポット3の培土5: ポット3に入れられた状態で10分程度水に浸漬けされたもの。水揚げ後の経過時間が約1時間以内(好ましくは30分程度)であること。
(2)把持対象の挿苗4: 2、3本の茎が付き、長さ150mm程度、根の長さ及び幅がそれぞれ約30mm以下に調整されているもの。なお、本例で根の長さ及び幅を30mm以下としているのは、本例のポット3の深さが約25mmであるため、それよりも約2割を越えて長い(約30mmより長い)と、培土5の表面から根が露出する可能性が大きくなり、隣のポット3に挿苗4を挿すときに邪魔になることがあるからである。
(3)挿苗4の把持位置: 挿苗4の根の部分から約100mm以上(好ましくは約130mm)の位置。
(4)挿苗4の把持状態: 挿苗4がポット3に挿されるときの反作用が、一定の値(300g程度)を越えると、挿苗4の座屈を防ぐために挿苗4とフィンガ48がスリップする。
【0038】なお、以上のように本挿苗機1は、素早く、単純な動作を繰り返すため、上下駆動部43やフィンガ48は動力として空気圧を使用している。また、苗箱2をY方向へ一方通行かつ間欠的に送るY方向送り機構27に関しても空気圧を動力とするシリンダを使用している。これは、Y方向の送りは、矩形穴2aを利用することにより、本例のような単純な機構で位置決めすることができるからである。これに対し、X方向の送りには、矩形穴2aのような位置決め手段が利用できないので、本例ではDCモータを使用して位置制御するように構成している。
【0039】次に、本挿苗機1の一連の動作について図7を参照しながら説明する。なお、この挿苗機1の動作は制御部14によって制御される。また、苗箱2の各ポット3に入れられた培土5は、水揚げ後30分程度経過した状態となっているものとする。
【0040】まず、茎と根の長さが調整された挿苗4が投入部12に投入されると、挿苗4は開いた状態のフィンガ48の間に入り、閉じた状態のシャッター44によって所定位置で停止され、位置決めされる(図7(a)参照)。
【0041】両苗センサ部40が挿苗4が投入されたことを感知すると、両把持部41がそれぞれフィンガ48により挿苗4を把持するとともに、上下駆動部43が作動して両把持部41及び両カバー部42が下降する。この下降に伴って、シャッター44が開くとともに、ガイド部材46が下方に移動し、カバー部42の側方に配設される(図7(b)参照)。このとき、ガイド部材46は、既に植え付けられた挿苗4が傾いたりしている場合でも、それらを押しのけることにより、カバー部42の通り道を確保するようになっている。
【0042】カバー部42の第二筒部52の下端が苗箱2に接触すると、その時点から第二筒部52はスライドし、挿苗4だけがポット3内に相対的に押し出される。このとき把持部41はある一定以上の負荷がかかると挿苗4がスリップするように構成されているため、根の長さに関わらず、挿苗4はポット3の底面まで植え付けられる(図7(c)参照)。
【0043】上下駆動部43の下限がセンサにより検出されると、把持部41のフィンガ48が挿苗4を解放するとともに、両把持部41及び両カバー部42の上昇が開始される。このときカバー部42の上昇に少し遅れて、ガイド部材46が上昇する。そして、カバー部42の上昇によって露出した挿苗4がなるべく直立するように挿苗4の位置をガイドするようになっている(図8参照)。これにより後の植付け動作のときに植付部13が既に植え付けられている苗を引っ掛けて、引き抜いてしまったり、損傷を与えてしまったりすることを防止するようになっている(図7(d)参照)。
【0044】各植付け動作が完了すると、前述したように苗箱移動部11により次の植付け対象のポット3が所定位置にくるように苗箱2が順次移動されたり、整列装置28によって一列の挿苗4が整列されるようになっている。
【0045】以上のように構成された挿苗機1によれば、苗箱移動部11、投入部12、及び植付部13を備える構成を採用しているので、苗カートリッジ、苗供給装置、苗箱搬送装置、挿苗装置等の多数の部品や装置からなる大型の従来の挿苗機とは異なり、コンパクトで簡単な構造とすることができる、【0046】また、植付部13は、挿苗4の下側周囲を略覆うカバー部42を備えているので、(イ)植え付けようとする挿苗4の下端部と、他のポット3に既に植え付けられている挿苗4との干渉を防止する、(ロ)植え付けようとする挿苗4の下端部がポット3内に確実に向かうようにガイドすることができる。
【0047】また、植付部13は、挿苗4の有無を感知する苗センサ部40を有し、該苗センサ部40が挿苗4を感知すると把持するように構成されているので、挿苗4が投入されると自動的に植付動作を開始することができる。
【0048】また、植付部13は、挿苗4がポット3に挿されるときの反作用が所定値以上になると挿苗4がスリップする程度に把持するように構成されているので、(a)挿苗4の根の長さに関わらず挿苗4がポット3の底面まで植え付けられるようにする、(b)植付力を加え過ぎないようにすることによって挿苗4の座屈を防止することができる。特に、この(a)の作用により、挿苗4の根の長さを厳密に調整する必要性を低減している。
【0049】また、カバー部42は、第一筒部51と該第一筒部51に相対スライド可能に外挿された第二筒部52とを備えることにより、上下に伸縮可能に構成されているので、第二筒部52の下端がポット3に接触した時点からカバー部42が縮み、該カバー部42から相対的に挿苗4が押し出されるようにしている。すなわち、ポット3に挿される直前まで挿苗4がカバー部42によりカバーされた状態にすることができる。
【0050】また、カバー部42は、その下端側が徐々に狭くなるように形成されているので、前記カバー部42による効果をさらに向上させることができる。
【0051】また、挿苗機1においては、カバー部42の下側開口を開閉するシャッター44を備えているので、投入された挿苗4を所定位置で確実に位置決めすることができる。
【0052】なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)植付部13が、挿苗4が前記ポット3に挿されるときの反作用が所定値以上になると挿苗4がスリップする程度に把持するように構成された態様に代えて(又は、該態様と共に)、挿苗4が前記ポット3に挿されるときの反作用を感知する反作用センサ部を有し、該反作用センサ部が所定値以上の反作用を感知すると挿苗4を解放するように構成された態様を採用すること。
【0053】(2)植付動作時に苗箱2に対して植付部13がY方向に相対移動するように構成すること。具体的には、苗箱移動部11がY方向における双方向に苗箱2を移動するように構成する態様や、植付部13が基台10に対してY方向に移動するように構成する態様を例示できる。この構成を採用すると、苗箱2に対して植付部13をY方向に相対移動させることにより、今回挿苗4を挿し込もうとするポット3に対し前回挿苗4を差し込んだポット3の反対側の上方に挿苗4を位置させる段階と、上下駆動機構によって苗箱2のすぐ上側まで挿苗4を下方移動する段階と、今回挿苗4を差し込もうとするポット3の直上まで挿苗4をY方向に略水平移動させる段階と、挿苗4をポット3に差し込む段階とを経て挿苗4を植えるようにすることができる。
【0054】(3)3つ以上のポット3に対応した筒体35、把持部41、カバー部42等を備えるように構成することにより、該3つ以上のポット3に対する挿苗4を一度に投入できるように構成すること。具体的には、X方向に10個のポット3が配設された苗箱用の挿苗機として、図10に示すように、X方向の一列すべてのポット3に対応する10個の略漏斗状の通路が形成された筒体63を有する投入部60と、同図における右側の5個の筒体63から投入された挿苗4を右側5個のポット3に植え付ける植付部61と、同左側の5個の筒体63から投入された挿苗4を左側5個のポット3に植え付ける植付部62とを備えた態様を例示する。投入部60の態様としては、特に限定されないが、隣合う筒体63の上側開口部を交互に逆方向に偏位させた態様を例示する。なお、この構成を採用するとX方向へ苗箱2を送る必要がなくなるので、そのための構成を省くことができる。
【0055】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の挿苗機によれば、コンパクトで簡単な構造からなるようにすることができるとともに、予め苗の形状を調整する手間を軽減することができるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【出願日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
【公開番号】 特開2002−335768(P2002−335768A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−142243(P2001−142243)