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【発明の名称】 代用土
【発明者】 【氏名】木下 英也

【氏名】仙波 頼之

【要約】 【課題】木や草花を植栽する場所に敷くものとして、通常の土に代わる、より保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供すること。また、本発明の目的は、風によっても土埃を生じない代用土を提供すること。

【解決手段】少なくともポリウレタンフォームを含むことを特徴とする代用土である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともポリウレタンフォームを含むことを特徴とする代用土。
【請求項2】 ポリウレタンフォームと土とが混合されてなることを特徴とする代用土。
【請求項3】 前記ポリウレタンフォームが、ポリウレタンフォームチップであることを特徴とする請求項1または2に記載の代用土。
【請求項4】 前記ポリウレタンフォームチップの数平均粒径が、1mm〜50mmの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の代用土。
【請求項5】 前記ポリウレタンフォームが、ポリオール、イソシアネートおよび水を主成分とする配合物を発泡させて製造されるものであり、その際、前記ポリオールの一部または全部として親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体を含むポリオールを使用してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の代用土。
【請求項6】 前記ポリウレタンフォームが、ポリオール、イソシアネートおよび水を主成分とする配合物を発泡させて製造されるポリウレタンフォームからなり、該ポリウレタンフォームの製造の際、前記ポリオールの一部または全部として親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体を含むポリオールを使用すると共に、得られたポリウレタンフォームを元の厚さの5〜80%に圧縮してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の代用土。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植栽に用いられる通常の土に代わる、保水性に優れた軽量の代用土に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保護および改善の流れの中、都市の中においても緑化を推進する方向にある。機能性を重視した都市環境やオフィスビル、商業ビルにおいても、植栽を行うことにより緑を増やすことは、視覚的に人々の心に潤いを与えることができるのみならず、乗り物や工場の排気ガス、燃料消費・人間の呼吸に起因する炭酸ガス等による空気汚染を浄化する作用をも有する。したがって、都市のあらゆる場所において、できる限りの緑化が望まれている。
【0003】しかし、植栽をするためには、木や草花を植えるための土が必要であり、植栽に十分な土をビルの屋上やベランダ等建物の上に敷くこととすると、その質量から自ずと限界がある。また、コンクリートで固められた都市環境においては、温暖化現象により気温が高く、特にコンクリートでできたビルの屋上に土を敷いた場合、どうしても土の温度が高くなりやすく、土が乾燥しやすい。土が乾燥すると、草木の生育に影響があることは勿論のこと、土の種類によっては風により土が土埃と化して飛散し、近隣の環境悪化にも繋がりかねない。
【0004】土の乾燥を防ぐためには、土の保水性に応じた量の土を敷く必要があり、大量の土に多くの水を散布すればますます重量増加につながり、現実には、土の量を増やさずに水を散布する頻度を増やす、あるいは、乾燥に強い木や草花を植える等で対応している。そのため、手入れに多大な労力を要したり、植栽する木や草花の種類が限られる等の問題があった。つまり、都市の緑化には、木や草花を植栽する場所に敷くものとして、通常の土よりも保水性が高く、かつ、それ自体軽量であるものが望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、木や草花を植栽する場所に敷くものとして、通常の土に代わる、より保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供することにある。また、本発明の目的は、生育性が良好で、風によっても土埃を生じない代用土を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記本発明の目的は、以下に示す本発明により解決される。すなわち、第1の本発明は、少なくともポリウレタンフォームを含むことを特徴とする代用土である。
【0007】ポリウレタンフォームは保水性が高く、かつ、それ自体極めて軽量であるため、当該ポリウレタンフォームのチップを少なくとも含む第1の本発明の代用土によれば、ビルの屋上等高温になり易く、かつ、あまり大量の土を敷くことができない場所にも、土に代わり敷くことができ、そこに植栽することができる。また、微粒子からなる土と異なり、風に吹かれても土埃を生ずることがない。
【0008】すなわち、第1の本発明の代用土によれば、都市の緑化を推進することができ、地球環境の保護・改善に寄与するものとなる。また、例えばビルの屋上に豊富な植栽をすることで、ビルの屋上のコンクリート剥き出し部分が低減され、夏場におけるビル内部の高温化を抑制することができ、冷房効率の向上による電気使用量の低減(さらには、省資源による地球環境の保護・改善)を図ることができる。
【0009】第2の本発明は、ポリウレタンフォームと土とが混合されてなることを特徴とする。ポリウレタンフォーム自体でも十分に代用土としての機能を果たすが、第2の本発明の代用土のようにこれと土とを混合してなる代用土によれば、混合割合に応じた軽量化を図ることができるとともに、従来土でなければ育てることのできなかった、あるいは困難であった木や草花(草木)についても植栽することができる。また、通常の土の保水性を大幅に向上させることができ、土のみに比べて草木の生育性をより一層高めることができる。このとき、ポリウレタンフォームと土との混合割合を適切に調整することにより、保水量、質量並びに草木の生育性をバランスさせることができる。
【0010】第3の本発明は、第1または第2の本発明の代用土であって、前記ポリウレタンフォームが、ポリウレタンフォームチップであることを特徴とする。また、第4の本発明は、第3の本発明の代用土であって、前記ポリウレタンフォームチップの数平均粒径が、1mm〜50mmの範囲内であることを特徴とする。前記ポリウレタンフォームチップを代用土として用いる場合、その取り扱い性や植栽した後の草木の安定性の観点から、前記ポリウレタンフォームチップの粒径には適切な範囲があり、第4の本発明のように数平均粒径として1mm〜50mmの範囲内とすることが好ましい。
【0011】第5の本発明は、第1〜第4のいずれか1の本発明の代用土であって、前記ポリウレタンフォームが、ポリオール、イソシアネートおよび水を主成分とする配合物を発泡させて製造されるポリウレタンフォームからなり、該ポリウレタンフォームの製造の際、前記ポリオールの一部または全部として親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体を含むポリオールを使用してなることを特徴とする。
【0012】ポリオールとして、アクリル酸塩、ポリアクリル酸塩等の親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体をポリオール中に含んだものを用いることにより、元来は、むしろ疎水性である軟質ポリウレタンフォームを親水性化することができ、極めて保水性に優れたものとなる。したがって、第5の本発明によれば、極めて保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供することができる。
【0013】第6の本発明は、第1〜第4のいずれか1の本発明の代用土であって、前記ポリウレタンフォームが、ポリオール、イソシアネートおよび水を主成分とする配合物を発泡させて製造されるポリウレタンフォームからなり、該ポリウレタンフォームの製造の際、前記ポリオールの一部または全部として親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体を含むポリオールを使用すると共に、得られたポリウレタンフォームを元の厚さの5〜80%に圧縮してなることを特徴とする。
【0014】第5の本発明で得られる軟質ポリウレタンフォームを、第6の本発明においては更に圧縮し、その表面状態を微細化することで毛細管現象を促進させ、更に吸水力を高めることができ、極めて保水性に優れたものとなる。したがって、第6の本発明によれば、更に吸水力を高めることができ、極めて保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代用土を詳細に説明する。本発明の代用土は、少なくともポリウレタンフォーム、好ましくはそのチップを含むことを特徴とするものである。ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートとの反応により生成されるウレタン結合(−O−CO−N<)をもつ高分子化合物からなる発泡体である。製造に際して、選択するポリオールの種類に応じて、ポリエステル系およびポリエーテル系に分類されるが、本発明においてはいずれも用いることができ、双方の混合物でもよい。ポリウレタンフォームは、微細な3次元網目構造を有するため、その間隙に毛細管現象によって液体が含浸し、所定の保水性を有する。なお、ポリウレタンフォームには、軟質ポリウレタンフォームと硬質ポリウレタンフォームとがあるが、本発明においてはいずれも用いることができ、チップ加工後のポリウレタンフォームを使用できるとの観点から、軟質ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。
【0016】本発明においては、ポリエステル系およびポリエーテル系のいずれのポリウレタンフォームについても、市場から容易に入手可能な汎用品を用いることができる。具体的には例えば、(株)ブリヂストン製“エバーライト”を挙げることができる。。
【0017】本発明で用いるポリウレタンフォームとしては、ポリオール、イソシアネートおよび水を主成分とする配合物を発泡させて製造する際に、前記ポリオールの一部または全部として親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体を含むポリオールを使用してなるもの(以下、単に「高吸水ポリウレタンフォーム」という場合がある。)が、より一層高い保水性、吸収性(吸水速度が速い)を有するため、さらに好ましい。また、得られたポリウレタンフォームを元の厚さの5〜80%に圧縮してなるものについては、より一層高い保水性、吸収性(吸水速度が速い)を有するため、特に好ましい。
【0018】ポリオールとして、アクリル酸塩、ポリアクリル酸塩等の親水性を有する有機酸金属塩、および/または、その重合体をポリオール中に含んだものを用いることにより、元来は、むしろ疎水性であるポリウレタンフォームを親水性化することができ、更に該フォームを圧縮することにより、その表面状態を微細化することで毛細管現象を促進させ、更に吸水力を高めることができ、極めて保水性に優れたものとなる。したがって、高吸水ポリウレタンフォームを用いることとすれば、極めて保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供することができる。
【0019】以下、高吸水ポリウレタンフォームの詳細について説明する。高吸水ポリウレタンフォームは、まず、ポリオール、イソシアネート、水を主成分とする配合物を発泡させてポリウレタンフォームを得るものであるが、上記ポリオールの一部また全部として親水性有機酸金属塩および/またはその重合体を含有するポリオールを使用するところに特徴がある。
【0020】前記親水性有機酸金属塩における有機酸としては、アクリル酸が好ましいものとして挙げられ、その重合体としてはポリアクリル酸が挙げられる。また、前記親水性有機酸金属塩における金属としてはカリウム、マグネシウム、スズ、銅、リチウム、銀等が有効であり、中でもカリウム、ナトリウムが好ましい。
【0021】一方、上記有機酸金属塩またはその重合体が含有されるポリオールの種類に特に制限はないが、開始剤として、グリセリン、トリメチロールプロパンまたはジエチレングリコール等を用い、プロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイド等を付加したポリエーテルポリオールが挙げられる。なお、上記ポリオールのOH価は10〜100であることが好ましく、特に20〜60であることが好ましい。
【0022】高吸水ポリウレタンフォームの製造に用いる有機酸金属塩および/またはその重合体含有ポリオールは、(ポリオール)/(有機酸金属塩および/またはその重合体)が50/50〜95/5の質量割合となるように混合または重合されたポリオールが好ましい。
【0023】即ち、高吸水ポリウレタンフォームの製造に用いる有機酸金属塩および/またはその重合体含有ポリオールとしては、ポリオール中にアクリル酸ナトリウム等の有機酸金属塩を添加、混合した後、このポリオール中で該有機酸金属塩を重合して、ポリアクリル酸ナトリウム等の有機酸金属塩の重合体を生成したものが好ましい。この場合、アクリル酸ナトリウム等の有機酸金属塩は、通常ポリオールとは反応しないが、ポリオール中で有機酸金属塩の重合体を生成させることにより、平均粒径が0.5〜10μm程度の重合体が得られる。これは、通常のポリアクリル酸ナトリウム樹脂等の有機酸金属塩の重合体の平均粒径が100μm程度であるのに比べて、細粒であり、また、ポリオール中で生成するので、ポリオールに絡まり、ポリオールやポリウレタンフォームから抜け落ちにくい。従って、単にポリウレタンフォームの製造時にポリオール、イソシアネート、水に有機酸金属塩重合体を添加して、フォームを製造する場合に比べて、得られるフォームの吸収性が低下しにくい。また、ポリオール、イソシアネート、水に有機酸金属塩重合体を添加した場合、フォーム製造用材料の粘度が高くなり、フォームが製造しにくくなるおそれがあるが、ポリオール中で重合体を生成したものを用いた場合は、かかる不具合は生じ難い。
【0024】上記有機酸金属塩および/またはその重合体含有ポリオールは、他の通常のポリオール、例えば開始剤のグリセリン、トリメチロールプロパンまたはジエチレングリコールなどにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどを付加したポリエーテルポリオール、開始剤のジエチレングリコール、トリメチロールプロパンまたはグリセリンなどにアジピン酸を付加したポリエステルポリオールなどとブレンドして使用することができる。この場合、上記有機酸金属塩および/またはその重合体含有ポリオールは、全ポリオール中20〜100質量%であることが好ましく、特に50〜100質量%であることが好ましい。20質量%未満の含有量では、目的とする吸収性が得られにくいため好ましくない。
【0025】また、イソシアネートとしては特に制限されず、ポリウレタンフォームの製造に用いる通常のジイソシアネートを用いることができ、例えばTDI、C−MDIなどを使用することができる。
【0026】上記イソシアネートの配合量は、ポリウレタンフォームを製造する場合の常用量でよく、通常全ポリオール100質量部に対し20〜100質量部であり、特に50〜100質量部とすることが好ましい。
【0027】水の配合量も常用量でよく、通常全ポリオール100質量部に対し1〜7質量部、特に1〜5質量部とすることが好ましい。
【0028】高吸水ポリウレタンフォームを得るためには、更に触媒、架橋剤、整泡剤等の配合物を配合することが好ましい。即ち、上記有機酸金属塩および/またはその重合体含有ポリオールを用いて発泡させた場合、反応性が通常の場合に比べて遅くなり、また、通常の配合処方のフォームより硬度が低くなるため、硬度をアップさせるために架橋剤を使用することができる。また、特にその用途により求められる厳密な水分を除去する場合には、高吸水ポリウレタンフォームを使用する際に、該フォームと接触した時点で該フォーム内に存在する溶出物が対象物に付着することのないようにするために、必要に応じて反応性の触媒あるいは整泡剤を用いることが望ましい。
【0029】ここで、触媒としては、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のポリウレタンフォームの製造に用いる通常のアミン触媒を使用することができる。この場合、溶出などが問題となる用途には、反応性を有するアミン触媒、例えばジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノールなどの使用が好ましい。上記触媒の使用量は、全ポリオール100質量部に対し0.001〜5質量部とすることが好ましく、特に0.1〜2質量部とすることがより好ましい。
【0030】また、用途により高硬度のものが望まれる場合には架橋剤を配合し得る。架橋剤としては、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール等、およびそれらにプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドを付加させたものなどを挙げることができ、その配合量は全ポリオール100質量部に対して0〜10質量部とすることが好ましく、特に1〜5質量部とすることが好ましい。
【0031】更に、整泡剤についても、通常ポリウレタンフォーム発泡に使用されるシリコーン系等の整泡剤が使用される。その使用量は、全ポリオール100質量部に対し0.1〜7質量部とすることが好ましく、特に0.5〜5.0質量部とすることが好ましい。
【0032】上記成分が配合された配合物からポリウレタンフォームを発泡、製造する条件は、通常の条件でよいが、発泡温度は20〜30℃が好ましい。
【0033】以上のようにして、本発明の代用土に用いるに適した高吸水ポリウレタンフォームは製造されるが、得られたポリウレタンフォームについて、更にプレス機等を用いて圧縮させることが好ましい。圧縮の程度は、元のフォームの厚さの5〜80%に圧縮することが必要であり、20〜70%に圧縮することがより好ましい。フォームの圧縮が5%未満では、性能上は問題はなく、また吸収性も有するが、フォームの耐久性やコストが問題となり、また、80%を超えると十分な吸収性が得られないためそれぞれ好ましくない。なお、フォームを圧縮する方向はいずれの方向でもよい。
【0034】このようにフォームを例えば熱プレス等により熱圧縮を与えて該フォームの表面状態を微細化させることにより、毛細管現象を促進させ、あるいはフォーム密度をアップさせることにより、保水力を更に高めることができ、本発明の代用土に用いるに特に適した高吸水ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0035】以上説明した高吸水ポリウレタンフォームは、既述の如く極めて高い保水性を有する。したがって、かかる高吸水ポリウレタンフォームの粒子からなる代用土は、少ない量で草木の栽培に十分な保水性を有し、かつ、それ自体軽量であるため、ビルの屋上等高温になり易く、かつ、あまり大量の土を敷くことができない場所に特に好適である。
【0036】本発明におけるポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームチップを用いることが好ましい。このときポリウレタンフォームチップの形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、球形、立方体形、多面体形、円柱形、円錐形、不定形等いずれでもよい。またその粒径としては、その取り扱い性や植栽した後の草木の安定性の観点から適切な範囲があり、数平均粒径として1mm〜50mmの範囲内とすることが好ましく、5mm〜30mmの範囲内とすることがより好ましい。なお、本発明において「粒径」とは、各粒子の投影像における円相当径(同一面積の円における直径)を意味する。
【0037】前記ポリウレタンフォームは、常法により、あるいは、上記高吸水ポリウレタンフォームの製造方法により製造した塊状のポリウレタンフォームを、所望の大きさ・形状のチップに粉砕することで製造することができる。粉砕の方法としては、カッター等の裁断具により裁断する方法や、回転刃式粉砕機を用いる方法等が挙げられる。勿論、所望の大きさ・形状のチップとなるように、ポリウレタンフォーム自体の製造時に調整しても構わない。
【0038】本発明の代用土は、以上説明したポリウレタンフォーム単独であっても十分に代用土としての機能を果たすが、いわゆる通常の土との混合物であってもよい。ポリウレタンフォームと土とを混合してなる代用土によれば、混合割合に応じた軽量化を図ることができるとともに、従来土でなければ育てることのできなかった、あるいは困難であった草木についても植栽することができる。また、通常の土の保水性を大幅に向上させることができ、土のみに比べて草木の生育性をより一層高めることができる。
【0039】このとき、ポリウレタンフォームと土との混合割合は、その目的に応じて適宜調整すればよい。すなわち、ポリウレタンフォームを増加させれば保水量がアップすると共に質量が低下し、土を増加させれば草木の種類によっては、その生育性が向上する。したがって、ポリウレタンフォームと土との混合割合を適切に調整することにより、保水量、質量並びに草木の生育性をバランスさせることができる。
【0040】両者の混合割合は、以上のように目的・用途等に応じて設定すればよいが、具体的には、「ポリウレタンフォーム」:「土」(体積割合)として、100:0〜10:90の範囲から選択すればよく、好ましくは90:10〜20:80の範囲から選択する。この範囲を外れると、両者を混合する意義が失われ、それぞれ単独で用いた場合と効果が遜色無くなってしまう場合がある。
【0041】混合して用いる土としては、特に限定されず、目的や植栽する草木の種類等に応じて、各種の土を用いることができる。用いることができる土としては、例えば、黒土、赤土、培養土、腐葉土、赤玉土、バーミキュライト、鹿沼土、水苔、ピートモス、堆肥等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】以上説明した本発明の代用土は、従来の土に代えてそのまま用いることができる。すなわち、鉢植えやプランター、あるいは花壇(ビルの屋上等に土を敷いたものを含む。以下同様。)等の土として、常法通り用いることができる。勿論、通常の土と同様、肥料や農薬等を混入あるいは散布して用いることも可能である。従来の土に代えて本発明の代用土を用いることとすれば、保水性が高く、かつ、それ自体極めて軽量であり、ビルの屋上等高温になり易く、かつ、あまり大量の土を敷くことができない場所にも植栽することができる。また、微粒子からなる土と異なり、風に吹かれても土埃を生ずることがない。
【0043】また、本発明の代用土は、通常の土により植栽された鉢植えやプランター、あるいは花壇等の土の表面に敷き詰めて用いることもできる。この場合、本発明の代用土が内部の土を保護する状態となり、土の保水性を高めることができるとともに、風が吹き付けた場合にも本発明の代用土が表面を覆っているため、土埃の発生を抑えることができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>(高吸水ポリウレタンフォーム)
以下に示す方法により、高吸水ポリウレタンフォーム(長さ2.54cm(1インチ)当たりに存在するセル数45個)を製造し、これを回転刃式粉砕機にて加工することで粉砕してチップ状(チップの形状:円柱、数平均粒径:20mm)とし、代用土Aを製造した。
【0045】<実施例2>(ポリエステル系ポリウレタンフォーム)
汎用品のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム(長さ2.54cm(1インチ)当たりに存在するセル数50個)を回転刃式粉砕機にて加工することで粉砕してチップ状(チップの形状:円柱、数平均粒径:20mm)とし、代用土Bを製造した。
【0046】<実施例3>(土混合)
上記得られた代用土Aと、市販品の培養土とを、体積比(「代用土A」:「培養土」)=50:50の割合で混合して、代用土Cを製造した。
【0047】<比較例1>(比較用土・・・通常の土)
実施例3と同様、市販品の培養土を用意し、これを比較用土とした。
【0048】<評価試験>上記各実施例および比較例で得られた土(サンプル)について、以下の各評価試験を行った。結果を下記表1にまとめて示す。
(1)保水性試験各サンプルについて、以下の手順に従って保水性の試験を行った。
■ 別々の500mlビーカー中にそれぞれのサンプル250cm3を入れる。
■ それぞれのビーカーに水を10g添加する。
■ これらビーカーを室温雰囲気(平均温度25℃、平均湿度50%)下に放置して、添加した水が乾燥するまでの日数を測定する。水がなくなるまでの日数は、水10gを入れる前の質量(各サンプル自体およびビーカーの合計質量)±1gに到達するまでの日数とした。なお、参考のため、ビーカーに水10gのみを添加したものについても同様に、水が乾燥するまでの日数を測定した。
【0049】(2)生育性試験各サンプルを、それぞれ容積250cm3の鉢植え2つずつに入れ、それぞれの鉢植えに下記植物AおよびBの苗を別々に植栽した。
A:パンジー(高さ5cm)。
B:ひまわり(高さ10cm)。
【0050】その後各鉢を日当たりの良好な場所(ビルの屋上)に置き、毎日朝(9時ごろ)夜(6時ごろ)2回、50mlの水を与えつづけ、1ヶ月後に各植物の生育状態を観察した(観察時期:7月)。評価基準は以下のとおりである。
◎:葉・茎とも元気でみずみずしく、かつ、背丈が伸びる、茎が太くなる、あるいは葉の枚数が増加する、のいずれかの成長が見られた。
○:葉・茎とも元気でみずみずしい。
△:葉・茎に元気が無く、ややしなだれている。
×:ほぼ、または完全に枯れてしまった。
【0051】
【表1】

【0052】表1から明らかなように、本発明の代用土によれば、通常の土よりも軽量で、かつ高い保水性を有し、さらに通常の土と同程度あるいはそれ以上の生育性が認められた。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、木や草花を植栽する場所に敷くものとして、通常の土に代わる、より保水性が高く、かつ、それ自体軽量である代用土を提供することができる。また、本発明によれば、風によっても土埃を生じない代用土を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2002−335757(P2002−335757A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−153074(P2001−153074)