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【発明の名称】 緑化用植栽基盤と、その緑化用植栽基盤を具備する構造体
【発明者】 【氏名】木田 幸男

【氏名】眞家 道博

【氏名】木村 孝

【氏名】蕪木 伸一

【要約】 【課題】建築物の屋上、屋根、壁面、或いはダム、河川の堤防、法面、トンネルの入り口、砂防ダム等の箇所に設置されて緑化用として使用される緑化用植栽基盤と、その緑化用植栽基盤を具備した構造体に関し、透水性が良好であり、軽量で取り扱いが簡易であり、また部品点数を大幅に削減することができ、しかも垂直面や斜面等に設置される建築物の緑化用として使用しても、土壌の崩落等の従来の問題を生じさせることのないという特願2000−322329号の発明の利点を維持しつつ、且つ実際の施工をより好適に行うことができ、作業性も良好となるような改良発明としての緑化用植栽基盤を提供することを課題とする。

【解決手段】草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された複数の基盤ユニットと、該複数の基盤ユニットを縦横に配設した状態で保持する保持材とからなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された複数の基盤ユニット(1),…と、該複数の基盤ユニット(1),…を縦横に配設した状態で保持する保持材とからなること特徴とする緑化用植栽基盤。
【請求項2】 保持材が、縦横に配設された複数の基盤ユニット(1),…の側面側を結束する結束バンド(3) である請求項1記載の緑化用植栽基盤。
【請求項3】 保持材が、複数の基盤ユニット(1),…を縦横に配設した状態で略巾着状態に収納することができる軟質素材からなる巾着ケース(13)である請求項1記載の緑化用植栽基盤。
【請求項4】 巾着ケース(13)が、網状体又は不織布である請求項3記載の緑化用植栽基盤。
【請求項5】 草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された基盤ユニット(1),…を、縦横に複数個配設し、ケース(5) に収納して構成したことを特徴とする緑化用植栽基盤。
【請求項6】 縦横に配設された複数の基盤ユニット(1),…が、保持材で保持された状態でケース(5) に収納されてなる請求項5記載の緑化用植栽基盤。
【請求項7】 ケース(5) 内に灌水パイプ(10)が配設されている請求項5又は6記載の緑化用植栽基盤。
【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の緑化用植栽基盤を設置すべき箇所に、予め2以上のガイドレール(12)を立設させ、該2以上のガイドレール(12),(12) 間に、前記緑化用植栽基盤を収納して構成されてなることを特徴とする緑化用植栽基盤を具備する構造体。
【請求項9】 ガイドレール(12)の近傍に、灌水メインパイプを設け、該灌水メインパイプに、請求項7記載の緑化用植栽基盤に具備された灌水パイプ(10)を接続する請求項8記載の緑化用植栽基盤を具備する構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の屋上、屋根、壁面、或いはダム、河川の堤防、法面、トンネルの入り口、砂防ダム等の箇所に設置されて緑化用として使用される緑化用植栽基盤と、その緑化用植栽基盤を具備する構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて建築物の屋上、屋根、壁面等に植栽基盤を設置して緑化を行うことが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種の植栽基盤は、容器状の基盤本体に土壌を収納して形成されていたため、土壌が崩落するおそれがあり、垂直面や斜面等に設置される建築物の緑化用として必ずしも好適なものではなかった。
【0004】このため、土壌を袋に収納する等によってこのような土壌の崩落等を防止していたが、基盤本体の他に袋を準備しなければならず、部品点数が増大するとともに、施工も煩雑になるという問題点があった。このため、施工期間も長くなっていた。
【0005】また、基盤自体の透水性等が、必ずしも良好ではなかった。
【0006】さらに、土壌を基盤本体に収納して形成したものであるため、基盤の全体の重量も大きくなり、取り扱いが不便となっていた。従って、このことが施工を一層煩雑なものとしていた。
【0007】本発明の発明者等は、以上のような点に鑑みて、透水性が良好であり、軽量で取り扱いが簡易であり、また部品点数を大幅に削減することができ、しかも垂直面や斜面等に設置される建築物の緑化用として使用しても、土壌の崩落等の従来の問題を生じさせることのない全く新規な緑化用植栽基盤を提供するために、平成12年10月23日付けで特許出願を行った(特願2000−322329号)。
【0008】本発明は、上記特願2000−322329号の基本発明に係る緑化用植栽基盤を、実際の施工に際して、より好適に取り扱うことができ、作業性も良好となるような改良発明としての緑化用植栽基盤及びその緑化用植栽基盤を具備した構造体を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するための、本発明の緑化用植栽基盤としての特徴は、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された複数の基盤ユニット1,…と、該複数の基盤ユニット1,…を縦横に配設した状態で保持する保持材とからなることである。
【0010】保持材としては、たとえば縦横に配設された複数の基盤ユニット1,…の側面側を結束する結束バンド3や、複数の基盤ユニット1,…を縦横に配設した状態で略巾着状態に収納することができる軟質素材からなる巾着ケース13のようなものが用いられる。
【0011】また巾着ケース13としては、たとえば網状体や不織布のようなものが用いられる。
【0012】また、他の緑化用植栽基盤としての特徴は、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された基盤ユニット1,…を、縦横に複数個配設し、ケース5に収納して構成したことである。
【0013】この場合、複数の基盤ユニット1,…は、そのままケース5に収納されていてもよいが、上記結束バンド3や巾着ケース13のような保持材で保持された状態でケース5に収納されていてもよい。
【0014】ケース5内には、灌水パイプ10を配設することも可能である。
【0015】さらに、緑化用植栽基盤を具備する構造体としての特徴は、上記のような緑化用植栽基盤を設置すべき箇所に、予め2以上のガイドレール12を立設させ、該2以上のガイドレール12,12 間に前記緑化用植栽基盤を収納して構成したことである。
【0016】この場合、ガイドレール12の近傍に、灌水メインパイプ(図示せず)を設け、該灌水メインパイプに、緑化用植栽基盤に具備された灌水パイプ10を接続することが可能である。
【0017】本発明の基盤ユニットに使用する草炭は、古代の植物遺体が長期に堆積して地中に埋まり、繊維状を保持しつつ化石化したものである。
【0018】堆積過程で、横方向を主体として存在する植物遺体からなる横方向繊維層と、これに横方向繊維を貫いて存在する植物遺体からなる縦方向繊維が三次元的に絡んでいる構造を有する立体的繊維状物が本発明に適している。
【0019】三次元的に繊維が絡んでいる構造を有する立体的繊維状物からなる草炭は、水分24重量%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥することが望ましい。
【0020】さらに、このような草炭地の草炭を乾燥して得られた基盤ユニットは、立体的繊維状物であるために、それ自体の透水性が良好であることはもちろん、水分を上下方向のみならず横方向にも流通させるという特性も有する。
【0021】また、立体的繊維状物であるために植物の根が通過し易いという特性を有する。
【0022】このため、このような基盤ユニットを、複数並列して配置すると、1つの基盤ユニットで生育する植物の根は、隣接する基盤ユニットに侵入することとなり、それによって相互に隣接する基盤ユニットは、それぞれの基盤ユニットで生育する植物の根によって結束される結果となる。
【0023】また、乾燥して立体的繊維状物に形成される結果、適度な弾力性を有することとなり、踏みつけても圧潰されることがないという特性を有する。
【0024】草炭の乾燥は、天日乾燥や機械乾燥によって行うことができるが、好ましくは天日乾燥によってなされる。天日乾燥で乾燥されることによって上記のような特性がより良好となる。
【0025】草炭の繊維と繊維の交点を、天然の澱粉糊、ゼラチン、海藻糊、及び人工合成物のアクリル酸エステル、ポリビニルアルコールとそのエステル、酢酸エステル、ポリメチルセルロース等、水溶性高分子を含む水溶液が結合剤として使用できる。
【0026】結合剤の使用量は、草炭乾燥重量の5%以下が適当で、5%以上になると草炭の空隙まで詰まり、基盤ユニットとして使用するのに適さない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。
【0028】(実施形態1)本実施形態の緑化用植栽基盤2は、図1に示すように、基盤ユニット1,…を、縦横に複数配設し、その縦横に配設された複数の基盤ユニット1,…の側面側を、結束バンド3で結束して構成したものである。
【0029】基盤ユニット1は、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成されたものであり、図2に示すように、2面が正方形からなる直方体状に形成されている。
【0030】本実施形態では、リトアニア共和国の湿地帯であるシルータにおける草炭地(ピートボグ)で得られた草炭を用いた。
【0031】この基盤ユニット1は、上記草炭地の草炭を、掘削機(シャッタリング機)で堀り起こして、ブロック状の立体的な草炭を得た後に、その草炭を、約2年間天日乾燥して製造されるものである。
【0032】本実施形態の緑化用植栽基盤2の基盤菌ユニット1は、草炭を天日乾燥することによって立体的繊維状物に形成されているため、植物の根が通過し易く、従って、基盤ユニット1で生育する植物の根は、該基盤ユニット1の上面から上向きに伸長することはもちろんであるが、側面から外側に向かって横方向にも伸長する。
【0033】この結果、1つの基盤ユニット1の側面から横方向に伸長する植物の根は、隣接する基盤ユニット1に侵入し、それによって相互に隣接する基盤ユニット1,1は、それぞれの基盤ユニット1,1の側面から横方向に伸長する植物の根によって結束されることとなる。
【0034】従って、縦横に複数並設された基盤ユニット1,…は、その側面から横方向に伸長する植物の根によって隣接する基盤ユニット1と相互に結束されるので、多数並設された緑化用植栽基盤1,…は、全体が一体化されることとなる。
【0035】上記のような、緑化用植栽基盤1は、たとえば図3に示すように、屋根に設置して使用することが可能である。
【0036】また、図示しないが、屋上に設置することも可能である。
【0037】いずれにしても、緑化用植栽基盤2は、縦横に配設された複数の基盤ユニット1,…の側面側を結束バンド3で結束して構成したものであるため、施工時において複数の基盤ユニット1を集めて施工箇所で縦横に配置する必要がなく、予め縦横に配列されて結束バンド3で結束された緑化用植栽基盤2を、そのまま屋根や屋上に載置するだけで施工できるので、屋根緑化や屋上緑化のための施工を非常に簡易に行うことができる。
【0038】(実施形態2)本実施形態では、縦横に配設された複数の基盤ユニット1,…を保持する保持材として、上記実施形態1の結束バンド3に代えて、図4に示すような巾着ケース13を用いた。
【0039】この巾着ケース13は、同図に示すように、有底浅箱状のケース本体15と、そのケース本体15の上縁の4辺に形成された閉片14,…とからなり、全体が網状体(ネット)又は不織布等の軟質素材からなるものである。
【0040】このような巾着ケース13内に、上記実施形態1のような複数の基盤ユニット1,…を収納し、縦横に配設した状態で、紐材(図示せず)等で周辺部を結着し、巾着状態に保持することによって緑化用植栽基盤が構成されることになる。
【0041】本実施形態においても、緑化用植栽基盤2は、緑化用植栽基盤が構成され縦横に配設された複数の基盤ユニット1,…を、巾着ケース13内に収納し、紐材等で周辺部を結着することによって巾着状態に保持されているため、その巾着状態に保持された緑化用植栽基盤2をそのまま屋根や屋上に載置するだけで施工できるので、屋根緑化や屋上緑化のための施工を非常に簡易に行うことができる。
【0042】さらに、本実施形態のように巾着ケース13内に収納して巾着状態で複数の基盤ユニット1,…を保持すると、緑化用植栽基盤2の持ち運びが容易に行える他、網状体や不織布等の通水性素材で構成することにより、水分を吸収させる場合にも好都合である。
【0043】(実施形態3)本実施形態の緑化用植栽基盤2は、図5及び図6に示すように、基盤ユニット1,…を縦横に多数個配設するとともに、ケース5に収納した構成からなるものである。
【0044】このケース5は、ケース本体6と蓋体7とからなり、図6に示すように蓋体7がケース本体6の前面側に開閉自在に取り付けられている。
【0045】蓋体7は、フレーム8と格子枠9とで構成されている。また、ケース本体6は前面側は開口しているが、後面側は非開口状態である。
【0046】ケース5内の基盤ユニット1の上部には、灌水パイプ10が挿入されており、その先端部11はケース5の外側に裸出されているとともに、前面側に折り曲げて形成されている。
【0047】この場合、後面側に折り曲げて形成することも可能である。いずれにしても、後述する灌水メインパイプに接続し易いように、その灌水メインパイプの設置位置に応じて、先端部11は任意に形成することができる。
【0048】上述のような構成によって、基盤ユニット1から生育する植物は、格子枠9を介して前面側に伸長することになる。
【0049】この実施形態2の緑化用植栽基盤2は、主として壁面緑化に適した形態のものである。
【0050】この場合、垂直な壁面に限らず、たとえば急勾配の法面のような箇所にも同様にして施工することが可能である。
【0051】尚、複数の基盤ユニット1,…は、既に述べたように、そのままケース5に収納されていてもよく、また上記結束バンド3や巾着ケース13のような保持材で保持された状態でケース5に収納されていてもよい。
【0052】(実施形態4)本実施形態では、実施形態2のように多数個の基盤ユニット1,…がケース5に収納されて構成された緑化用植栽基盤2を具備する構造体の実施形態である。
【0053】本実施形態においては、図7に示すように、複数のガイドレール12が立設されており、そのガイドレール12,12 間に、上記のような基盤ユニット1がケース5に収納された緑化用植栽基盤2が、多段に積載されて設置される。
【0054】ガイドレール12は、図7に示すように、平面略H字状に形成されているが、端部のガイドレール12は、同図に示すように平面略コ字状に形成されている。
【0055】ガイドレール12の近傍、より具体的には、平面略コ字状に形成された端部のガイドレール12の内面側には、灌水メインパイプ(図示せず)が縦に配設されている。
【0056】そして、この灌水メインパイプに、前記緑化用植栽基盤2のケース5から裸出された灌水パイプ10の先端部11が接続されている。
【0057】本実施形態においては、上記のようなガイドレール12が複数立設されているため、そのガイドレール12に沿わせて上記緑化用植栽基盤2を容易に設置することができる。
【0058】特に、緑化用植栽基盤2は、基盤ユニット1がケース5に収納されて構成されたものであるため、そのケース5がガイドレール12に好適にガイドされることとなり、従って緑化用植栽基盤2の設置が非常に容易となる。
【0059】また、ガイドレール12の近傍の灌水メインパイプから、各緑化用植栽基盤の灌水パイプ10の先端部11に接続されているため、灌水は前記灌水メインパイプから灌水パイプ10を経て各緑化用植栽基盤2のケース5内に供給され、そのケース5内の基盤ユニット1に散水される。
【0060】これによって、灌水は緑化用植栽基盤2に均一に供給され、各緑化用植栽基盤2の前面側から好適に植物16が生育することとなる。
【0061】(その他の実施形態)尚、上記実施形態においては、屋根、屋上、壁面等に施工する場合について説明したが、緑化用植栽基盤の施工箇所等は上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば法面や河川敷のフリーフレーム工法に使用することもできる。
【0062】このフリーフレーム工法とは、コンクリート製の枠体を法面や河川敷に配設して施工する工法で、一般には、そのコンクリート製の枠体のマス目の空間部内に人工土壌を収容し、厚層基材を吹いて緑化を行う方法、上記空間部内に土を入れた土嚢袋を収容して緑化を行う方法、さらに上記空間部内にプランターを収容して緑化を行う方法等が採用されている。
【0063】この場合、上記従来の人工土壌、土嚢袋、プランター等とは異なり、土壌を使用していないので非常に軽量であり、取り扱いが非常に容易となり、施工も簡単に行える。
【0064】尚、緑化用植栽基盤1の施工箇所は、上記のような建築物の屋上、屋根、壁面、トンネルの入り口部、法面等のフリーフレーム工法のコンクリート製枠体の他、ダムや河川の堤防、高架の柱、道路の中央分離帯、農業用水の貯水池等、種々の箇所に施工することができる。
【0065】また、上記実施形態では、リトアニア共和国の湿地帯であるシルータにおける草炭地で得られた草炭を原料としたが、これ以外の産地、たとえばフィンランド、カナダ、日本等で採取された草炭を原料とすることも可能である。
【0066】ただし、上記リトアニア共和国の湿地帯であるシルータにおける草炭地で得られた草炭は、いわゆる毛足の長いものであり、従って長い繊維からなる立体的繊維状物として得られるため、これを乾燥した緑化用植栽基盤は上記のような種々の特性の優れたものであった。
【0067】さらに、上記実施形態では、基盤ユニット1が、2面が正方形からなる直方体状に形成されていたが、基盤ユニット1の形状はこれに限定されるものではなく、6面の全面が長方形から成る直方体状に形成されていてもよく、また三角柱状や円柱状に形成されたものであってもよい。
【0068】いずれにしても基盤ユニット1の形状は問うものではない。
【0069】尚、上記実施形態で得られたリトアニア産の草炭を原料とする緑化用植栽基盤は、pHが約4.0 と低いため、緩衝剤を含有させることによって、中性に近づけることも可能でなる。
【0070】さらに、保水剤を含有させることも可能であり、この場合には、緑化用植栽基盤の保水効果が良好となる利点がある。
【0071】さらに、並列的に配置される緑化用植栽基盤の間に、たとえば培養土、ピートモス、水ごけ、土壌改良材、土、人工土壌等を介装させることも可能である。
【0072】さらに、緑化用植栽基盤に、植物の種子を予め含有させて養生させておくことも可能であり、又は幼植物体若しくは一定期間生育した植物体を予め植え付けて養生しておくことも可能である。
【0073】さらに、上記実施形態では、草炭地の草炭を乾燥して立体的繊維状物に形成することで緑化用植栽基盤を構成したが、これに限らず、たとえば草炭を結合剤で固結して固形状に形成して緑化用植栽基盤を構成することも可能である。
【0074】この場合の草炭としては、たとえばカナダ産の草炭(ピートモス)のように毛足の短い草炭が用いられ、それをそのまま若しくは粉粒状にし、結合剤で固結されて固形状に形成される。
【0075】結合剤としては、たとえば合成高分子樹脂製の結合剤や、澱粉系の天然樹脂製の結合剤等が用いられる。
【0076】また、このような結合剤で固結する場合、上記のような草炭に代えて、泥炭や植物繊維を用いることも可能である。
【0077】さらに、上記実施形態1では、結束バンド3で基盤ユニット1を結束して保持し、実施形態2では巾着ケース13で基盤ユニット1を巾着状態で保持したが、基盤ユニット1を保持する保持材の種類はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0078】要は、保持材は、基盤ユニット1を縦横に複数配設した状態で保持しうるものであればよい。
【0079】さらに、上記実施形態2では、ケース5が、ケース本体6に蓋体7が開閉自在に取り付けられた構成されていたが、ケース5の構造は該実施形態に限定されるものではない。
【0080】要は、多数の基盤ユニット1が収容されるように構成されていればよい。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明の緑化用植栽基盤は、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成された複数の基盤ユニットと、該複数の基盤ユニットを縦横に配設した状態で保持する保持材とで構成されたものであるため、縦横に配設された複数の基盤ユニットを、保持材で保持したままの状態で、これを緑化用植栽基盤として屋根や屋上等に載置するだけで、多数の基盤ユニットを同時に屋根や屋上等に設置することができる。
【0082】また、上記のような基盤ユニットを、縦横に複数配設し、ケースに収納して緑化用植栽基盤を構成した場合においても、このような緑化用植栽基盤をそのまま壁面等の手前側に設置するだけで、多数の基盤ユニットを同時に壁面の手前側等に設置することができる。
【0083】従って、上記いずれの緑化用植栽基盤の場合においても、予め複数の基盤ユニットを配設させた状態で組み込んだ緑化用植栽基盤をそのまま設置するだけの非常に容易な作業で施工箇所に設置することができるため、その施工をきわめて短期間に行うことができるとともに、施工の作業性が著しく容易になるという効果がある。
【0084】特に、巾着ケース内に収納して巾着状態で複数の基盤ユニットを保持すると、緑化用植栽基盤の持ち運びが容易に行える他、巾着ケースをたとえば網状体や不織布等の通水性素材で構成することにより、水分を吸収させる場合にも好都合となる利点がある。
【0085】しかも、基盤ユニットは、草炭地の草炭が乾燥されて立体的繊維状物に形成されたものであるため、水分を上下方向のみならず横方向にも流通させ、基盤全体としての透水性が、従来の土壌を容器や袋等に収容した緑化用植栽基盤に比べると、著しく良好になり、さらに空隙を有する立体的繊維状物であるために植物の根が通過し易く、緑化用植栽基盤の上面側へ植物が生育することはもちろん、緑化用植栽基盤の側面側へも植物の根が伸長することになり、一般の土壌を含む植栽基盤に比べると非常に軽量であり、従って取り扱いが容易で施工も簡易に行えるという、特願2000−322329号の基本発明に係る緑化用植栽基盤利点をそのまま維持させることができる。
【0086】また、上記のような基盤ユニットが複数並列して配置されて緑化用植栽基盤が構成されているため、1つの緑化用植栽基盤の側面の外側に伸長する植物の根は、隣接する緑化用植栽基盤に侵入することとなり、それによって相互に隣接する緑化用植栽基盤は、それぞれの緑化用植栽基盤で生育する植物の根によって結束されることになり、複数の植栽基盤が全体として一体化され、一部の植栽基盤のみが脱落するようなことも好適に防止される。
【0087】さらに、本発明の緑化用植栽基盤を具備する構造体は、予め2以上のガイドレールを立設させ、そのガイドレール間に、上記のような緑化用植栽基盤を収納して構成されてなるものであるため、そのガイドレールに沿わせて上記緑化用植栽基盤を容易に設置することができる。
【0088】特に、緑化用植栽基盤が、複数の基盤ユニットをケースに収納した状態で構成されている場合には、そのケースがガイドレールに好適にガイドされることとなり、従って緑化用植栽基盤の設置が非常に容易となる効果がある。
【0089】また、ガイドレールの近傍に、灌水メインパイプを設けるとともに、緑化用植栽基盤に灌水パイプを具備させ、その灌水パイプを灌水メインパイプに接続する場合には、構造体を構成する各緑化用植栽基盤にむらなく均一に灌水を行うことができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000221775
【氏名又は名称】東邦レオ株式会社
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
【出願日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外5名)
【公開番号】 特開2002−335752(P2002−335752A)
【公開日】 平成14年11月26日(2002.11.26)
【出願番号】 特願2001−152912(P2001−152912)