トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 樹木切り株の多機能伐根装置
【発明者】 【氏名】小川 淳次

【要約】 【課題】切断、縦割り、粉砕、根切りなどの多機能の切り株の伐根装置を提供する【解決手段】土工機械のアームに固定するベースフレームの先端に受け盤を設け、リンク機構で駆動する片刃のカッターアームと前記受け盤で切り株を切断、縦割り、粉砕する機構を有する。リンク機構は、先端側に土工機械本体のシリンダ連結ピン孔を有するレバーと、カッターアームの背部と前記レバーに軸着連結されるリンクからなり、リンクが略水平方向に押し出されるようにレバー中間の設定位置に連結する。ベースフレームの受け盤の先端に割り刃を一体に有する。ベースフレームの外側背部に鳶口部材を一体形成する。カッターアームの切り刃の背部に楔部材を一体に設ける。

【解決手段】土工機械のアームに固定するベースフレームの先端に受け盤を設け、リンク機構で駆動する片刃のカッターアームと前記受け盤で切り株を切断、縦割り、粉砕する機構を有する。リンク機構は、先端側に土工機械本体のシリンダ連結ピン孔を有するレバーと、カッターアームの背部と前記レバーに軸着連結されるリンクからなり、リンクが略水平方向に押し出されるようにレバー中間の設定位置に連結する。ベースフレームの受け盤の先端に割り刃を一体に有する。ベースフレームの外側背部に鳶口部材を一体形成する。カッターアームの切り刃の背部に楔部材を一体に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基端側に土工機械のアームに固定する連結部9を有し、先端側に所定面積の受け盤11を有するベースフレーム4と;L形フレームの基端側を前記ベースフレーム4に揺動自在に軸着し、先端側にベースフレームの前記受け盤11に向けて接近・離反する切り刃14を一体に有するカッターアーム6と;カッターアーム6の背部に一端が連結され、土工機械本体のシリンダーの往復運動をカッターアーム6に揺動力として伝達するリンク機構7と;を具備することを特徴とする樹木切り株の多機能伐根装置【請求項2】ベースフレーム4の受け盤11の先端に割り刃13を一体に有する請求項1記載の樹木切り株の多機能伐根装置【請求項3】リンク機構7が、基端側に土工機械本体アームへの連結ピン孔を有し、先端側に土工機械本体の油圧シリンダ連結ピン孔を有するレバー7aと、カッターアーム6の背部と前記レバー7aに軸着連結されるリンク7bからなり、該リンク7bがレバー7aの任意の中間設定位置に連結されていることを更に特徴とする請求項1又は2記載の樹木切り株の多機能伐根装置【請求項4】ベースフレーム4の外側背部に鳶口部材19を一体形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹木切り株の多機能伐根装置【請求項5】カッターアーム6の切り刃14の背部に楔部材15を一体に設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の樹木切り株の多機能伐根装置【請求項6】カッターアーム6の切り刃14の刃先辺を外側に向けた凸状湾曲辺に形成するとともに、ベースフレーム4の受け盤11の受け面を、前記切り刃14の凸状湾曲辺に対応する凹状湾曲面に形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の樹木切り株の多機能伐根装置
【発明の詳細な説明】【001】
【発明の属する技術分野】本発明はパワーショベルなどの土工機械のアームに取り付けて立木、樹木などの切り株の伐根作業を行う装置に関し、詳細には、立木を切り出した後に残る切り株の除去、除去した切り株の破砕処理等に使用する多機能の伐根装置に関する【002】
【発明が解決しようとする課題】杉、松などの材木を切り出す場合、通常は樹木の真直ぐな部分を伐採し、根本付近の曲がった部分から下は地上や地下に残る。伐採後の材木はパワーショベルなどの土工機械を入れて運び出したり、新たに植林を行う必要から切り株を除去し、整地しなければならない。
【003】この切り株の除去作業は一般に、(1)伐採した後の根っこを掘り起こす作業、(2)掘り起こした根っこの産業廃棄物処理、(3)掘り起こした後の埋戻しがあり、いずれも難作業であり、従来から三重苦といわれている。すなわち、従来は切り株を割ったり、砕いたりする装置がないため、根の周囲を大きく掘り起こさなければならず、その作業自体が重労働である。次に、掘り起こした後が大きな穴となるので埋め戻しにも多くの労力が必要になり環境破壊の問題も生ずる。さらに、根を大きな塊として掘り起こすので、そのまま放置して朽ちさせることができず、産廃処理のコストも増大している。
【004】他方、従来の伐採装置は一対の切り刃の刃先を対向させて切断するため、切り取った木材を縦割りに裁断しようとすると刃先からはずれてしまう。この問題を解決するために、切り刃を交差させると刃先間の隙間に圧縮摩擦抵抗がかかり、その反力で支点軸受などを損傷させるトラブルが多発していた。
【005】従って、本発明の目的は、樹木の切り株の切断、縦割り、粉砕、根切りなどの多機能の作用で、地表に残った切り株や掘り起こした切り株を強力な力で細かに切断することができる立木切り株の伐根装置を提供することにある。
【006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の切り株伐根装置は、基端側に土工機械のアームに固定する連結部を有し、先端側に所定面積の受け盤を有するベースフレームと;L形フレームの基端側を前記ベースフレームに揺動自在に軸着し、先端側にベースフレームの前記受け盤に向けて接近・離反する切り刃を一体に有するカッターアームと;カッターアームの背部に一端が連結され、土工機械本体のシリンダーの往復運動をカッターアームに揺動力として伝達するリンク機構と;を具備することを特徴とする。
【007】好ましくは、ベースフレームの外側背部に鳶口部材を設け、切り出した材木や切り株を鳶口部材に引掛けて移動できるようにする。
【008】また、ベースフレームの受け盤の先端に割り刃を一体に設け、この割り刃をまさかりのようにして使用できるようにする。
【009】カッターアームに強い押出力が伝達されるようにするため、リンク機構は、基端側に土工機械本体アームへの連結ピン孔を有し、先端側に土工機械本体の油圧シリンダ連結ピン孔を有するレバーと、カッターアームの背部と前記レバーに軸着連結されるリンクからなり、該リンクがレバーの任意の中間設定位置に連結されている。
【010】さらに、カッターアームの切り刃の背部に楔部材を一体に設け、切り刃を食い込みから抜き易くする。
【011】さらに好ましくは、切り刃の刃先辺を、外側に向けて張り出した凸状湾曲辺に形成するとともに、受け盤の受け面を前記切り刃の凸状湾曲辺に対応する凹状湾曲面に形成し、切り刃の押圧力が一点に集中するようにする。
【012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。本発明の切り株伐根装置1はパワーショベルなどの土工機械のアーム2と油圧シリンダ3に連結して使用されるアタッチメントであって、土工機械のアーム2に固定されるベースフレーム4と、このベースフレーム4にピン5で揺動自在に軸支されたカッターアーム6と前記シリンダ3の往復運動をカッターアーム6に伝達するリンク機構7から構成されている。
【013】ベースフレーム4は中間に湾曲凹部8を有する所定巾のブロックからなり、基端側に2ヵ所の連結部9、10を有し、この連結部9、10を土工機械アーム2に固定して支持される。このベースフレーム4は湾曲凹部8の前方先端側に所定面積の平らな受け盤11を一体に具備している。この受け盤11は切り株や伐採した材木に当接して後述のカッターアーム6で破砕するための受け台であり、このため、受け面が滑らないように突起12を設けてある。
【014】図の実施例のベースフレーム4は、さらに、受け盤11の先端側に下方へ向けて延長させた所定巾の割り刃13を備えている。この割り刃13は主としてアーム2を上下させて切り株に打ちつけ、まさかりのようにして割るのに用いられる。
【015】カッターアーム6は、L字形フレームの先端に所定巾の切り刃14を固定した枠体からなり、基端側を前記ベースフレーム4の湾曲凹部8の手前に揺動自在に軸支し、揺動により先端刃先が前記ベースフレーム4の受け盤11に接近、離反するようになっている。この切り刃14は、好ましくは、外側背面に先細の楔部材15を一体に有し、楔部材15によって木に食い込んだ切り刃14を抜き易くしてある。
【016】リンク機構7は、アーム2に軸支され、油圧シリンダ3で揺動されるレバー7aと、レバー7aの中間から前記カッターアーム6の背部ステイにピン16で軸着されるリンク7bで構成されている。特に、本発明のリンク機構7は、アーム2に軸支したレバー7aの先端を油圧シリンダ3のロッドにピン17で軸着するとともに、リンク7bをカッターアーム6の背部とレバー7aの任意の中間設定位置にピン18で軸着し、これにより、リンク7bを水平又は水平に近い方向へ押し出して押出し力にロスが生じない位置関係で連結している。すなわち、先端にシリンダ3を連結するレバー7aは、その寸法を長くすることによってテコの原理でレバー7aに大きな押出し力を与えることができるが、従来はリンク7bの先端をレバー7aの先端に連結していたため、レバー7aを長くするとシリンダ3とリンク7bの屈折が大きくなり、リンク7bの押出し力にロスが生じていたが、この発明ではレバー7aを長くしてその先端にシリンダ3をピン17で連結して強い押出し力を確保できるとともに、レバー7aの中間設定位置にリンク7bをピン18で連結することにより、リンク7bの直線移動でカッターアーム6が押し出されるので押出し力のロスがなくなる。
【017】図の実施例ではベースフレーム4の背部に鳶口部材19を一体に設け、切り株や材木の寄せ集めに利用できるようにしてある。
【018】図1乃至図6の実施例では、カッターアーム6の切り刃14とベースフレーム4の受け盤11の受け面を平坦(水平)に形成しているが、図7のように、切り刃14の刃先辺中央部を外側に向けて張り出した凸状湾曲辺に形成するとともに、受け盤11の受け面を前記切り刃14の湾曲辺に対応する凹状湾曲面に形成してもよい。
【019】図7の実施例では切り刃14が凸状に湾曲しているので、切り刃14の押圧力が切り株等の対象物に一点集中し、切断力が増大するとともに、受け盤11が凹状に湾曲していることにより対象物に安定して当接される。
【020】本発明の伐根装置は立木の伐採、割り、破砕等の多機能に使用される。以下にいくつかの使用例を示す。まず、図4のように、ベースフレーム4の受け盤11を切り株20の側面に当接し、カッターアーム6で、横に切断することができる。直径50cmの立木も一回の操作できれいに切断することができる。また、、図5のように、ベースフレーム4先端の割り刃13で切り株20上面を縦割りに小割りした後、破砕することができる。さらに、図6のように、切り取った材木21を受け盤11とカッターアーム6で縦に割ることができる。なお、図は省略したが、ベースフレーム4を切り株20の根元に当て、カッターアーム6を地中20cm位の浅いところをもぐらせて切り株20を切り離すことができる。材木や切り株の移動、寄せ集めにベースフレーム4の鳶口部材19が使用されることは前述の通りである。
【021】
【効果】以上のように、本発明の伐根装置は横切断、縦割り、小割り、破砕など多種の機能を有し、これを必要に応じて使い分けることができるので、いかなる大木も一台の装置で処理することができる。
【022】片刃のカッターアームをベースフレームの受け盤で支えて片刃のカッターアームで切断するので、両刃のように切断面がずれるおそれがなく、また、リンクの水平移動でカッターアームを押し出すので強力な破砕力が得られる。
【023】切り株を小さく破砕でき、産業廃棄物として残らないので現場に放置しても短期間で土に還る。
【024】切り株を浅い根ぎりで撤去することができるので、埋戻しの労力が著しく軽減され、山林の環境保護にも大きく貢献する。
【025】切り刃を凸辺に形成し、受け盤を凹面に形成することにより、切り刃の押圧力が集中し、切断力が増大する。
【出願人】 【識別番号】591059146
【氏名又は名称】丸順重工株式会社
【出願日】 平成13年6月5日(2001.6.5)
【代理人】 【識別番号】100073656
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 直義
【公開番号】 特開2002−325517(P2002−325517A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−169425(P2001−169425)