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【発明の名称】 雪吊り具
【発明者】 【氏名】平井 明夫

【要約】 【課題】紐係止体を紐体に沿って上方に押し上げ位置移動し、載置部上に枝が当接した状態で紐体に対して紐係脱部を係止させることにより、紐体と紐係止体とは一体に固定され、紐体は紐吊下体と載置部との間で緊張され、枝は紐体により吊下され、枝を積雪の自重等から保護することができる。

【解決手段】雪から保護すべき樹木の近傍位置に立設される支柱体1と、該支柱体の上部に取り付けられ、樹木の枝を吊下する紐体を吊下可能な紐吊下体2と、枝W1を載置する載置部4・14及び紐体Hに対して係脱動作可能な紐係脱部5・15をもつ紐係止体3・13とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 雪から保護すべき樹木の近傍位置に立設される支柱体と、該支柱体の上部に取り付けられ、樹木の枝を吊下する紐体を吊下可能な紐吊下体と、該枝を載置する載置部及び紐体に対して係脱動作可能な紐係脱部をもつ紐係止体とからなることを特徴とする雪吊り具。
【請求項2】 上記紐係止体の紐係脱部を係脱動作させる係脱操作体を備えてなることを特徴とする請求項1記載の雪吊り具。
【請求項3】 上記紐吊下体は、上記支柱体の上端部に被嵌可能な被嵌部と、該被嵌部の周面に突設され、複数本の紐体を折返吊下可能な複数個の吊下凸部と、該被嵌部に外嵌着される紐保持部とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の雪吊り具。
【請求項4】 上記紐係止体は、上記載置部の両側部に上記紐係脱部を配置してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の雪吊り具。
【請求項5】 上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な複数個の弾性爪体を備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の雪吊り具。
【請求項6】 上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な楔機構を備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の雪吊り具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は降雪時に樹木の枝を守るために樹木の枝を吊って枝の折れを防止する際に用いられる雪吊り具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、雪国においては、降雪時に樹木の枝を守るために樹木の枝を縄等の吊り紐で吊って枝の折れを防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの従来構造の場合、縄やロープの縛着作業は熟練を要すると共に厄介であって手間が掛かり、大変な作業となることがあり、又、取り外しも手間の掛かる厄介な作業となることがあるという不都合を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不都合を解決することを目的とし、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、雪から保護すべき樹木の近傍位置に立設される支柱体と、該支柱体の上部に取り付けられ、樹木の枝を吊下する紐体を吊下可能な紐吊下体と、該枝を載置する載置部及び紐体に対して係脱動作可能な紐係脱部をもつ紐係止体とからなることを特徴とする雪吊り具にある。
【0005】又、請求項2記載の発明は、上記紐係止体の紐係脱部を係脱動作させる係脱操作体を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記紐吊下体は、上記支柱体の上端部に被嵌可能な被嵌部と、該被嵌部の周面に突設され、複数本の紐体を折返吊下可能な複数個の吊下凸部と、該被嵌部に外嵌着される紐保持部とからなることを特徴とするものであり、請求項4記載の発明は、上記紐係止体は、上記載置部の両側部に上記紐係脱部を配置してなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な複数個の弾性爪体を備えてなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な楔機構を備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図1乃至図11は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図7は第一形態例、図8乃至図11は第二形態例である。
【0007】図1乃至図7の第一形態例において、1は支柱体であって、木材、合成樹脂、金属等により製作され、この場合、木材ポールが用いられ、雪から保護すべき樹木Wの近傍位置に杭K等により立設される。
【0008】2は紐吊下体であって、支柱体1の上部に取り付けられ、この場合、上記支柱体1の上端部に被嵌可能な有底筒状の被嵌部2aと、この被嵌部2aの周面に突設され、複数本の紐体Hを折返吊下可能な複数個の吊下凸部2bと、この被嵌部2aに外嵌着される紐保持部2cとからなり、被嵌部2aと紐保持部2cとはボルトナット2dにより着脱自在に設けられている。
【0009】しかして、図2の如く、ボルトナット2dを取り外して被嵌部2aから紐保持部2cを取り外し、複数個の吊下凸部2bに複数本の紐体Hを折返して掛け、紐保持部2cを被嵌部2aに外嵌着し、図3の如く、ボルトナット2dにより被嵌部2aに紐保持部2cを取り付け、図1の如く、被嵌部2aを支柱体1の上端部に載置嵌合し、複数個の紐体Hは紐体Hの両端部H1・H1が地上の作業者に届く長さに垂下されることになる。
【0010】3は紐係止体であって、上記樹木Wの枝W1を載置する載置部4及び載置部4の両側部に配置してなる紐体Hに対して係脱動作可能な紐係脱部5とを備えてなり、この場合、筒体5aの外周面に三個の突出窓部5bを形成し、突出窓部5bに自己弾性を有する弾性爪体5cを嵌合し、弾性爪体5cの外面にテーパー面5dを形成し、筒体5aの上部に筒状のキャップ体5eを固着し、キャップ体5eの端面に当接可能な係止リング5fを筒体5aに挿通配置し、弾性爪体5bの内周面に紐体Hに挟着釈放可能な係止爪5gを形成し、弾性爪体5cの下端部を操作筒体5hに立設固定し、弾性爪体5cを筒体5aの内周面に摺動自在に設けて構成している。
【0011】しかして、図5の如く、操作筒体5hを筒体5aに対して下方に離反移動させた釈放状態において、紐吊下体2の吊下凸部2bにより折り返された紐体Hの両紐部Hを二つの紐係脱部5・5内に挿通し、図6の如く、操作筒体5hを筒体5aに対して接近押し上げ移動させると、弾性爪体5cのテーパー面5dが係止リング5fに当接し、弾性爪体5cはテーパー作用により内方に向けて反り動作し、各係止爪5gは紐体Hに圧接され、これにより紐吊下体2と紐体Hと一体に固定されることになる。
【0012】6は係脱操作体であって、この場合、地上の作業者が保護すべき枝W1の近くに届く長さの長尺の握持杆6aの上端部に操作筒体5hを押上移動可能な押圧部材6bを取付け、押圧部材6bに折り返された紐体Hが位置する逃げ部6c・6cを形成し、かつ、押圧部材6bに載置部4の下面を押上可能な押上片6dを形成すると共に操作筒体5hを引き下げ移動可能な引下片6eを形成し、引下片6eにより操作筒体5hを引き下げて筒体5aに対して離反移動させることにより係止固定を解除して紐体Hを釈放するように構成している。
【0013】この実施の第一形態例は上記構成であるから、雪から保護すべき樹木Wの近傍位置に支柱体1を立設し、支柱体1の上部に紐吊下体2を取付け、紐吊下体2から一本の紐体Hを折り返した紐体Hの両端部H1を紐係止体3の両紐係脱部5にそれぞれ挿通し、紐体Hの下部を引っ張った状態で係脱操作体6の押上片6dにより載置部4の下面を押し上げて紐係止体3を紐体Hに沿って上方に押し上げ位置移動し、載置部4上に保護すべき枝W1が当接したら、係脱操作体6の押圧部材6aにより操作筒体5hを押し上げ、操作筒体5hが筒体5aの底面に対して近接移動することにより紐体Hに対して紐係脱部5を係止動作させ、この係止動作により紐体Hと紐係止体3とは一体に固定され、紐体Hは紐吊下体2と載置部4との間で緊張状態となり、しかして、図1の如く、枝W1は紐体Hにより吊下され、枝W1を積雪の自重等から保護することができ、このため、縄やロープの縛着作業を必要とせずに、短時間で容易に雪吊り作業を行うことができ、又、冬期間外の不使用時においては、容易に分解してコンパクトに収納保管することができ、使用の利便性を高めることができる。
【0014】又、この場合、上記紐係止体3の紐係脱部5を係脱動作させる係脱操作体6を備えてなるから、紐係脱部5を紐体Hに沿って上方に押し上げる係脱操作及び載置部4を紐体Hに沿って押し上げて位置移動させる操作を地上において行うことができ、又、この場合、上記紐吊下体2は、支柱体1の上端部に被嵌可能な被嵌部2aと、被嵌部2aの周面に突設され、複数本の紐体Hを折返吊下可能な複数個の吊下凸部2bと、被嵌部2aに外嵌着される紐保持部2cとからなるので、複数本の紐体Hを吊下することができ、複数個の枝W1を吊下することができ、又、この場合、上記紐係止体3は、上記載置部4の両側部に上記紐係脱部5を配置してなるから、一本の折り返された紐体Hのそれぞれの紐部を載置部4の両側位置で二つの紐係脱部5・5により係脱することができ、枝W1を安定的に吊下することができ、又、この場合、上記紐係脱部5に紐体Hを挟着釈放可能な複数個の弾性爪体5cを備えてなるから、紐係止体3と紐体Hとを強固に固定することができ、確実に紐体Hを吊下することができる。
【0015】図8乃至図11の第二形態例は紐係止体3及び係脱操作体6の別例構造を示し、この場合、紐係止体13は、上記樹木Wの枝W1を載置する載置部14及び載置部14の両側部に配置してなる紐体Hに対して挟着釈放可能な楔機構Kをもつ紐係脱部15とを備えてなり、この場合、二個の筒体16a・16a間に間隔調整用の筒体16bを配置してこの三部材を一体に形成してなる摺動体16を形成し、一方、この筒体16a・16aに挿通可能な楔杆17a・17aの上部間に上記載置部14を架設すると共に下部間に連結杆17bを架設してなる楔部材17を形成し、楔杆17a・17aの外側面に上に向くに従って幅厚となる勾配面からなる楔面17c・17cを形成し、かつ、筒体16a・16a・16bに長円リング状の押上部材18を固着して構成している。
【0016】しかして、図9の如く、摺動体16を楔部材17に対して下方に位置させた釈放状態において、紐吊下体2の吊下凸部2bにより折り返された紐体Hの両端部H1を二つの紐係脱部5・5の楔面17b・17bと筒体16a・16aの内周面との間の挟着間隙Rに挿通し、図11の如く、摺動体16を楔部材17に対して押し上げ移動させると、勾配面からなる楔面17b・17bと筒体16a・16aの内周面との間の挟着間隙Rが狭まることにより紐体Hは挟着され、これにより紐吊下体2と紐体Hと一体に固定されることになる。
【0017】19は係脱操作体であって、この場合、地上の作業者が保護すべき枝W1の近くに届く長さの長尺の握持杆19aの上端部に楔部材17の押上部材18を押上移動及び引下移動可能な押圧部材19b・19bを取付け、押圧部材19b・19bに折り返された紐体Hが位置する逃げ部19c・19cを形成し、かつ、楔部材17の連結杆17bの底面を押し上げ可能な押上片19dを形成し、押圧部材19b・19bにより押上部材18を押し上げ又は引き下げ移動させることにより紐体Hを挟着釈放するように構成している。
【0018】この実施の第二形態例は上記構成であるから、雪から保護すべき樹木Wの近傍位置に支柱体1を立設し、支柱体1の上部に紐吊下体2を取付け、紐吊下体2から一本の紐体Hを折り返した紐体Hの両端部H1を紐係止体13の両紐係脱部15にそれぞれ挿通し、紐体Hの下部を引っ張った状態で係脱操作体19の押上片19dにより連結杆17bの底面を押し上げて紐係止体13を紐体Hに沿って上方に押し上げ位置移動し、載置部14上に保護すべき枝W1が当接したら、係脱操作体19の押圧部材19bにより押上部材18を押し上げ、摺動体16を上昇移動することにより紐体Hに対して紐係脱部15を係止動作させ、この係止動作により紐体Hと紐係止体13とは一体に固定され、紐体Hは紐吊下体12と載置部14との間で緊張状態となり、しかして、図1の如く、枝W1は紐体Hにより吊下され、枝W1を積雪の自重等から保護することができ、このため、縄やロープの縛着作業を必要とせずに、短時間で容易に雪吊り作業を行うことができ、又、冬期間外の不使用時においては、容易に分解してコンパクトに収納保管することができ、使用の利便性を高めることができ、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができると共に上記紐係脱部15・15に紐体Hを挟着釈放可能な楔機構Kを備えてなるから、楔作用により紐係止体13と紐体Hとを強固に固定することができ、確実に紐体Hを吊下することができる。
【0019】尚、本発明は上記実施の形態例に限らず、支柱体1及び紐吊下体2、紐係止体3、載置部4、楔機構K等の個数や形態や構造、大きさ、等は適宜変更して設計される。
【0020】
【発明の効果】本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、雪から保護すべき樹木の近傍位置に支柱体を立設し、支柱体の上部に紐吊下体を取付け、紐吊下体から吊下された紐体に紐係止体の紐係脱部を挿通し、紐係止体を紐体に沿って上方に押し上げ位置移動し、載置部上に枝が当接した状態で紐体に対して紐係脱部を係止させることにより、紐体と紐係止体とは一体に固定され、紐体は紐吊下体と載置部との間で緊張され、しかして、枝は紐体により吊下され、枝を積雪の自重等から保護することができ、このため、縄やロープの縛着作業を必要とせずに、短時間で容易に雪吊り作業を行うことができ、冬期間外の不使用時においては、容易に分解してコンパクトに収納保管することができ、使用の利便性を高めることができる。
【0021】又、請求項2記載の発明にあっては、上記紐係止体の紐係脱部を係脱動作させる係脱操作体を備えてなるから、係脱操作を地上において行うことができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記紐吊下体は、支柱体の上端部に被嵌可能な被嵌部と、被嵌部の周面に突設され、複数本の紐体を折返吊下可能な複数個の吊下凸部と、被嵌部に外嵌着される紐保持部とからなるので、複数本の紐体を吊下することができ、複数個の枝を吊下することができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記紐係止体は、上記載置部の両側部に上記紐係脱部を配置してなるから、一本の折り返された紐体のそれぞれの紐部を載置部の両側位置で二つの紐係脱部により係脱することができ、枝を安定的に吊下することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な複数個の弾性爪体を備えてなるから、紐係止体と紐体とを強固に固定することができ、確実に紐体を吊下することができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記紐係脱部に紐体を挟着釈放可能な楔機構を備えてなるから、楔作用により紐係止体と紐体とを強固に固定することができ、確実に紐体を吊下することができる。
【0022】以上所期の目的を充分達成することができる。
【出願人】 【識別番号】300077331
【氏名又は名称】平井 明夫
【出願日】 平成13年6月18日(2001.6.18)
【代理人】 【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
【公開番号】 特開2002−325516(P2002−325516A)
【公開日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【出願番号】 特願2001−182801(P2001−182801)