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【発明の名称】 農業ハウス用遮光資材
【発明者】 【氏名】井上 智季

【要約】 【課題】軽量、高強度で、種々の遮光率の異なる栽培法に対しても容易に対応が可能で、かつ意匠性の高い農業ハウス用遮光資材を提供すること。

【解決手段】ポリオレフィンからなるフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した基布2の少なくとも片面にポリオレフィンラミネート層3を設け、該ラミネート層上に印刷インキによる印刷層4を設けてなる農業ハウス用遮光資材1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリオレフィンからなるフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した基布の少なくとも片面にポリオレフィンラミネート層を設け、該ラミネート層上に印刷インキによる印刷層を設けてなる農業ハウス用遮光資材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業または農園芸用ハウスにおいてその中で栽培される植物の成育に最適な種々の遮光率を提供する農業ハウス用遮光資材に関するものである。
【0002】
【従来技術】農業ハウス用遮光資材に要求される性能としては、軽量で高強力であるとともに、種々の植物の成育に最適な遮光性を備えるとともに、取扱い性にすぐれ、耐候性、耐久性にすぐれていることなどである。
【0003】このような遮光資材としては、アルミニウム蒸着フィルムをスリットして形成されたスリットヤーンや、光反射性不織布をスリットして形成されたスリットヤーンを織編成して得られた基材が用いられてきたが、生産性が悪く高コストであるとともに、種々の遮光率の異なる基材が必要とされる場合には基材の織り密度を変更するなど基材の製造方法から変更しなければならず、種々の遮光率に対して共通の原反として基材を保有することは困難であり、経済的でなかった。また、このような織編成された基材の表面模様は縦横のストライプ状に限定されてしまうのでさらなる意匠的な改良が要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、軽量、高強度で、種々の異なる遮光率が要求される栽培法に対しても容易に対応が可能で、かつ意匠性の高い農業ハウス用遮光資材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の農業ハウス用遮光資材は、ポリオレフィンからなるフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した基布の少なくとも片面にポリオレフィンラミネート層を設け、該ラミネート層上に印刷インキによる印刷層を設けてなる構成からなるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本発明におけるポリオレフィンからなるフラットヤーンとは、延伸効果を有する結晶性のポリオレフィンを用いて、公知のフラットヤーン製造方法により形成するものである。上記結晶性のポリオレフィンとしては、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン。プロピレンーエチレンブロック共重合体などが挙げられる。これらは単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。上記ポリオレフィンのメルトフローレート(以下、MFRと略す)は、好ましくは0.1〜20g/10min.、より好ましくは0.2〜10g/10min.である。
【0007】フラットヤーンを形成する方法は、まずポリオレフィンを押出機にて溶融混練し、インフレーション法またはTダイ法にてフィルムを成形する。冷却固化したフィルムを約5〜20mm幅にスリットした後延伸し、次いで熱処理してフラットヤーンを形成する。延伸処理はポリオレフィンの融点以下、軟化点以上の温度下に行われるが、加熱方式としては、熱ロール式、熱板式、赤外線式、熱風式等いずれの方式も採用でき、これらの内では熱ロール式が延伸効率、高速生産性、安定性の上で好ましい。スリットされたポリオレフィンフィルムは加熱され、前後ロールの周速度差により延伸を行う。延伸倍率は好ましくは3〜15倍、より好ましくは5〜10倍である。上記フラットヤーンの単糸繊度は、好ましくは100〜3000デシテクス(以下、dtと略す)、より好ましくは400〜2000dtである。
【0008】こうして得られたポリオレフィンフラットヤーンを経緯糸に用いて織成して基布を形成する。基布の目付量は、50〜300g/mが好ましく、70〜150g/mがより好ましい。
【0009】上記基布の少なくとも片面にポリオレフィンラミネート層を積層したラミネートシートを形成する。上記ポリオレフィンラミネート層に用いられるポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、プロピレンーエチレンランダム共重合体、プロピレンーエチレンブロック共重合体等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。上記ポリオレフィンのMFRは、好ましくは1〜50g/10min.、より好ましくは5〜30g/10min.である。
【0010】上記ラミネートシートには、耐候性を向上させるためにヒンダードアミン系光安定剤または紫外線吸収剤を配合するのが好ましい。
【0011】上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールとコハク酸ジエチルの重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサンと2,4-ジクロロ-6-第3オクチルアミノ-s-トリアジンの重縮合物等が挙げられる。光安定剤の配合割合はポリオレフィンに対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
【0012】上記紫外線吸収剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5′-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2-(2′-ヒドロキシ -5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス(4-t-オクチル-6-ベンゾトリアゾル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3′-5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3-5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤の配合割合はポリオレフィンに対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
【0013】前記基布にポリオレフィンラミネート層を設ける方法としては、公知の押出ラミネート法が用いられる。ラミネート層の厚みは30〜100μmが好ましい。
【0014】つぎに本発明においては、上記ポリオレフィンラミネート層上に印刷インキによる連続した印刷層を設ける。印刷インキとしては、公知のバインダー樹脂をビヒクルとし、これに染料または顔料などの着色剤を加え、さらに所定の助剤などを添加した後希釈剤等で調整して生成することができる。ここで、着色剤としては、ファストイエロー、チタンイエロー、黄鉛等の黄色系顔料、トルイジンレッド、ベンガラ、モリブデンレッド等の赤色系顔料、群青、紺青等の青色系顔料、酸化クロム等の緑色系顔料、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛等の白色系顔料、アルミニウム粉末等の銀色系顔料、カーボンブラック等の黒色系顔料などの顔料、あるいはアゾ系染料、フタロシアニン系染料、チオインジゴ系染料、アントラキノン系染料などの染料などの1種ないし2種以上の混合物を用いることができる。これらのうちでは、光反射性の白色系顔料または銀色系顔料が好ましく、とくに酸化チタンまたはアルミニウム粉末が好ましい。光反射性顔料を用いると、遮光性を備えるとともに、太陽光がシートに到達しないのでシートに熱の吸収がなく、トンネル内などの温度上昇による農作物の品質の低下が避けられるので好ましい。
【0015】上記印刷層を設ける方法としては、上記ラミネート層上に、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の通常の印刷方式で連続する印刷層を形成することができる。これらのうちではグラビア印刷が好ましい。印刷膜の膜厚としては、0.5〜20g/mが好ましく、1.0〜10g/mがより好ましい。
【0016】このようにして得られた農業ハウス用遮光資材は、印刷における版の変更により容易に表面の印刷模様が変更可能であり、種々の必要とされる遮光率に対応した遮光資材の供給が容易に可能となる上、基布としては共通の原反を保有可能となるのでコストダウンが可能となるという効果も奏する。
【0017】本発明に用いられるポリオレフィンには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明した本発明の農業ハウス用遮光資材は、印刷インクに含有する着色剤濃度やインク印刷層の膜厚を調整することにより容易に遮光率をコントロールできるとともに、印刷における版の変更により容易に表面の印刷模様が変更可能であり、種々の必要とされる遮光率に対応した遮光資材の供給が容易に可能となる上、基布としては共通の原反を保有可能となるのでコストダウンが可能となるという効果も奏する。また、軽量で高強力で、かつ柔軟性を備えているためにハウスの開閉作業においても良好な収束性のために作業員の負担を軽減する効果を有する農業ハウス用遮光資材を提供することができる。
【0019】
【実施例】実施例1:高密度ポリエチレン(MFR=1.0g/10min.、密度=0.956g/cm)を用いて、押出機を用いてインフレーション法を用いてフィルムを形成した。このフィルムを15mm幅にスリットし、ついで熱ロール法で延伸倍率9倍で延伸して繊度1000dtのフラットヤーンを得た。このフラットヤーンを用いて、縦横10×10本/2.54cmの打込密度で、平織の織布からなる基布2を形成した。
【0020】上記基布2の両面に、低密度ポリエチレン(MFR=8.0g/10min.、密度=0.918g/cm)に、ヒンダードアミン系光安定剤(商品名:キマソーブ944)0.3重量%を含有した厚さ40μmのラミネート層3を押出ラミネート法で設けた。
【0021】ついで、上記ラミネート層3の上面にコロナ処理を施してぬれ指数を40ダイン/cmとした後、アルミニウム粉末を含有するシルバーインキ(商品名:ラミエース、東洋インキ製造株式会社製)を用いてグラビア印刷法によりインキの乾燥後の平均厚さが1.5〜3.0g/mで、市松模様の印刷層4を設けた。
【0022】このようにして得られた農業ハウス用遮光資材1は、引張強力は、縦80kgf/5cm、横64kg/5cm、引裂強力は12kgfと充分な機械的強力を有しており、ウエザオメーター照射800Hr後引張伸び残率が90%で耐候性にすぐれていた。この農業ハウス用遮光資材1は遮光率55%で、野菜栽培ハウス用遮光資材として好適に用いられた。
【出願人】 【識別番号】000234122
【氏名又は名称】萩原工業株式会社
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−320414(P2002−320414A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−128537(P2001−128537)