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【発明の名称】 きのこ収納容器
【発明者】 【氏名】松瀬 和範

【要約】 【課題】箱状容器に伸長方向を横に揃えてきのこを収納しても、かさの部分に破損を生じないきのこ収納容器を提供すること。

【解決手段】上面が開口された箱状に構成され、伸長方向を横に揃えてきのこ30を内部に配列収納するきのこ収納容器1は、収納されるきのこ30の伸長方向の重心位置Mよりもかさ側に位置する容器底面部2には、きのこ30の配列方向に沿って延びる凸条部20が形成されている。凸条部20が形成されていることにより、収納されるきのこは、柄の部分で当接してかさの部分は、容器底面部2から浮いた状態に保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上面が開口された箱状に構成され、伸長方向を横に揃えてきのこを内部に配列収納するきのこ収納容器であって、収納されるきのこの伸長方向の重心位置よりもかさ側に位置する容器底面部には、前記きのこの配列方向に沿って延びる凸条部が形成されていることを特徴とするきのこ収納容器。
【請求項2】請求項1に記載のきのこ収納容器において、前記凸条部は、前記容器底面部から7.5mm〜17.5mmの高さ寸法を有することを特徴とするきのこ収納容器。
【請求項3】請求項1または請求項2に記載のきのこ収納容器において、前記凸条部は、きのこのかさ側の容器端部から24mm〜34mmの位置に形成されていることを特徴とするきのこ収納容器。
【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかに記載のきのこ収納容器において、前記凸条部は、容器底面部の一部を容器内側に突出させて一体的に形成されていることを特徴とするきのこ収納容器。
【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載のきのこ収納容器において、容器深さ寸法が収納されるきのこのかさの幅寸法よりも大きくなっていることを特徴とするきのこ収納容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上面が開口された箱状に構成され、伸長方向を横に揃えてきのこを内部に配列収納するきのこ収納容器に関し、特に、かさの幅寸法に対して柄の部分が比較的長いエリンギ、松茸等のきのこを収納する容器として好適に用いられる。
【0002】
【背景技術】人工栽培で大量に生産されるきのこは、一定量ずつ包装袋やトレーに収納し、密封して出荷され、出荷後の鮮度を保持した状態で消費者に販売される。ここで、種々あるきのこのうち、柄の長さに比較してかさの幅寸法が比較的大きなマッシュルーム、椎茸等は、上面が開口されたトレー上にかさを並べるような形で収納され、ラップ等で開口部を覆うような包装を行うのが通常である。
【0003】一方、エリンギ、松茸等のかさの幅寸法が結構あり、かつ柄の長さがかさの幅寸法よりも比較的長いきのこについては、箱状トレーに伸長方向を横に揃えてきのこを収納し、トレー毎樹脂製の袋で密閉包装してしまう方法がとられることが通常である。また、えのき等の柄の長さに比較してかさが十分に小さいものについては、包装袋による密閉包装を行うこともあるが、エリンギ等と同様に箱状トレーに寝かせた状態で収納して密閉包装することもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような箱状トレーに伸長方向を横に揃えてきのこを収納する方法は、きのこのかさの部分は箱状トレーの底面と当接した状態で包装されるため、輸送時の振動等によりかさの部分が壊れてしまい、スーパーマーケット等の商店で販売する際に、商品価値を落としてしまうという問題がある。
【0005】本発明の目的は、このような箱状容器に伸長方向を横に揃えてきのこを収納しても、かさの部分に破損を生じないきのこ収納容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明のきのこ収納容器は、上面が開口された箱状に構成され、伸長方向を横に揃えてきのこを内部に配列収納するきのこ収納容器であって、収納されるきのこの伸長方向の重心位置よりもかさ側に位置する容器底面部に、前記きのこの配列方向に沿って延びる凸条部が形成されていることを特徴とする。
【0007】ここで、容器材質としては、種々のものを採用することができるが、低コストで大量生産が可能な点を鑑みれば熱可塑性樹脂を採用するのが好ましく、この種の容器材質として汎用的に用いられるHIPS(High Impact PolyStyrene)、GPPS(General Purpose type PolyStyrene)、OPS(Oriented PolyStyrene)、PET(Polyethylene Terephthalate)、APET(Amorphous Polyethylene Terephthalate)、PP(PolyPropirene)、フィラー含有PP等を採用するのが好ましい。また、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂を容器材質として採用してもよい。
【0008】そして、このような熱可塑性樹脂で成形する方法としては、これら熱可塑性樹脂の原反シートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形する方法や、熱可塑性樹脂を射出成形する方法が考えられる。なお、容器の肉厚は、シート等を成形した場合、通常0.1mm〜1.0mmであるが、製品コストを考慮すると、より好ましくは0.2mm〜0.5mmであり、肉厚が薄い場合は、必要に応じて容器底部、側壁部の一部を面外方向に変形させた補強リブ等を形成するのが好ましい。また、発泡ポリスチレン等を容器材質として選択した場合、容器肉厚が1mm以上となり、十分な強度を有するので、このような補強リブは不要である。
【0009】また、凸条部の外周断面形状は、円形状、台形状等種々のものを採用できるが、きのこの柄の部分と面で当接するような平坦な部分を持った形状が好ましい。さらに、例えば、エリンギ等の場合、容器底面から7.5mm〜17.5mmの高さ寸法を有するのが好ましい。そして、凸条部の位置は、きのこの伸長方向の重心位置よりもかさ側であればよいが、より好ましくは、きのこのかさ側の容器端部から24mm〜34mmの位置であるのがよい。
【0010】このような本発明によれば、きのこ収納容器の容器底面部に凸条部が形成されていることにより、収納されるきのこは、柄の部分で当接してかさの部分は、底面部から浮いた状態に保持される。したがって、輸送中に振動等が作用してもかさの部分が破損することなく、商品価値が減じることもない。また、凸条部を前述のような寸法とすると、エリンギを収納する容器として好適である。
【0011】以上において、前述の凸条部は、容器底面部の一部を容器内側に突出させて一体的に形成されているのが好ましい。このような凸条部は、真空成形等に用いる型の表面に凸条部を形成しておけば簡単にできる。このような本発明によれば、容器の一部を変形させて凸条部を形成しているため、容器成形と同時に凸条部が形成でき、容器の製造コストを大幅に削減できる。また、凸条部が容器補強用のリブとしての役割も有するため、容器強度を向上させることができる。
【0012】また、前述のきのこ収納容器は、容器深さ寸法が収納されるきのこのかさの幅寸法よりも大きくなっているのが好ましい。このように容器深さ寸法をかさの幅寸法よりも大きくすることにより、きのこを収納した際、容器上面からかさの部分がはみ出さないので、密閉包装後、包装体を上下に段積みしても、きのこのかさの部分が破損することがなく、一層好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3には、本発明の実施形態に係るきのこ収納容器1が示され、図1は、容器の開口部側から見た平面図であり、図2は、図1のII−II線断面図、図3は、図1のIII−III線断面図である。この容器1は、上面が開口された箱状に構成され、容器底面部2と、この容器底面部2を囲むように設けられる側壁部3とを備え、容器底面部2とは反対側の側壁部3で囲まれた部分が開口部4とされている。
【0014】容器底面部2は、開口部4の平面形状よりも一回り小さな略矩形の平面形状に構成され、容器底面部2の長辺方向、すなわちきのこの伸長方向の寸法は、収納されるきのこの長さ寸法よりも若干大きく、略5〜10%大きく設定されている。また、容器底面部2の短辺方向、すなわちきのこの配列方向の寸法は、収納されるきのこの本数によって適宜の寸法とすることができ、きのこが一列で収納できるような寸法とするのが好ましい。側壁部3は、図2および図3に示されるように、開口部4に向かうに従って容器外側に拡がる斜面状に構成されている。このような容器底面部2および側壁部3には、容器1の長辺方向および短辺方向に沿って補強リブ11が複数形成されている。この補強リブ11は、容器底面部2および側壁部3の一部を容器内側に突出させた断面半円形状に構成され、容器底面部2から側壁部3の上端近傍まで延びている。
【0015】また、容器底面部2の角隅部分には、容器底面部2の矩形の略対角線方向に放射状に延びる斜めリブ12が形成されている。この斜めリブ12も補強リブ11と同様の断面形状を有し、隣り合う側壁部3の交差部分上端近傍まで延びている。さらに、補強リブ11および斜めリブで囲まれた部分には、容器底面部2および側壁部3の一部を容器1の外側に突出させた補助リブ13が補強リブ11の延出方向に沿って形成されている。
【0016】側壁部3の上端部分は、図2および図3に示すように、容器1の全周に亘って外側にフランジ状に折り曲げられた返し部14が形成されていて、この返し部14は、開口部4を変形させないための補強部として機能する。また、この返し部14の上面の平坦な部分は、必要に応じてフィルムが熱溶着されるが、熱溶着する場合には、図2および図3における返し部14の上面平坦部分の幅寸法よりも大きくして、溶着面積を大きく確保する。
【0017】このような種々の補強が施された容器1の容器底面部2には、図2に示されるような凸条部20が形成されている。この凸条部20は、容器底面部2の一部を容器内側に変形させた断面略台形状に形成され、斜辺部21および上面部22を備えている。凸条部20は、短辺方向の側壁部3の容器底面部2との交差部分から寸法Lの部分を台形の頂点とし、容器底面部2の内面からの高さ寸法Hを有し、斜辺部21が垂直方向に角度θ°傾斜している。
【0018】これらの寸法L、Hは、収納されるきのこによって適宜変更可能であるが、エリンギのようなきのこを収納する容器の場合、例えば、L=29mm±5mm、H=12.5mm±5mmで設定される。また角度θ°も任意に定めうるが、成形時の脱型性、収納されるきのこに対してなるべく面接触を確保したいという観点からすれば、39°±10°程度で設定する。また、凸条部20は、図3に示されるように、容器1の短辺方向側壁部3に沿って延び、図2に示されるように長辺方向側壁部3との当接部では、凸条部20の台形断面が外側に拡がるようになっている。
【0019】このような容器1は、厚さ寸法0.1mm〜1.0mmのHIPS、GPPSシートを真空成形することにより製造することができる。まず、シート端部をスパイクチェーン等でクランプしながら、ヒータでシートを加熱して軟化させる。シートが成形に最適な軟化状態となったら、シートをチャンバ内に配置して、真空吸引することによりシートを型に密着させ、成形する。尚、成形型には、複数の容器型が並列配置されていて、所定寸法のシートを密着させることにより、複数の容器が一度に形成される。また、成形型には、容器1の外形を形成する面の一部に凹部または凸部が形成されている。凹部は、補助リブ13を形成するためのものであり、凸部は、補強リブ11、斜めリブ12、および凸条部20を形成するためのものであり、真空成形を行うことにより、容器成形とともに凸条部20も同時に形成される。成形が終了したら、冷却した後、切刃等で各容器毎に切断し、離型する。
【0020】次に、前述した容器1の使用方法について説明する。図4には、容器1へのきのこ30の収納状態が示され、容器1には、エリンギ等のきのこ30が複数本、伸長方向を横に揃えて配列収納されている。各きのこ30は、凸条部20を枕として、かさ部分を上側にして容器1内で斜めに収納されている。より詳しく説明すれば、図5に示すように、凸条部20は、きのこ30の重心位置Mよりもかさ側の位置に形成され、このような位置に凸条部20を形成することにより、きのこ30は、かさ側部分を上側にして斜めに収納されることとなる。
【0021】凸条部20の高さ寸法Hは、前記のような寸法とされるが、要するにきのこ30のかさの下端が容器底部2から浮いた状態で保持することができるような寸法であればよい。図5からも判るように、きのこ30が収納された状態では、きのこ30の柄の部分が凸条部20の上面部22の部分で略当接するようになっている。また、容器1の深さ寸法Dは、きのこ30のかさの幅寸法30Dよりも大きな寸法とされていて、凸条部20にきのこ30の柄の部分を当接させた状態でかさの上端部分が容器1の側壁部3の上端からはみ出さないように設定されている。このようにきのこ30が収納された容器1は、フィルム等の軟包装が施され、鮮度を保持されながら、生産農家から出荷され、スーパーマーケット等の商店の店頭でそのまま販売される。
【0022】前述のような実施形態によれば、以下のような効果がある。すなわち、容器1の容器底面部2に凸条部20が形成されていることにより、収納されるきのこ30は、柄の部分がこの凸条部20に当接してかさの部分は、容器底面部2から浮いた状態に保持される。したがって、輸送中に振動等が作用してもかさの部分が破損することなく、商品価値が減じることもない。また、凸条部20を前記のような位置、寸法で形成することにより、エリンギ等のきのこ30に好適な容器とすることができる。
【0023】さらに、凸条部20が容器底面部2の一部を容器内側に突出させて一体的に形成されているので、容器成形と同時に凸条部20を形成することができ、容器1の製造コストを大幅に削減できる。また、凸条部20が容器1の補強用のリブとしての役割も有するため、補強リブ11等に加えて容器強度を向上させることができる。そして、容器1の深さ寸法Dが収納されるきのこ30のかさの幅寸法30Dよりも大きくしたことにより、きのこ30を収納した際、容器1の開口部4の上面からかさの部分がはみ出さないので、きのこ30のかさの部分が破損することなく、一層好ましい。
【0024】尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。前記実施形態では、凸条部20は断面台形に形成されていたが、本発明はこれに限られない。すなわち、凸条部20の形状は、要するに、収納されるきのこのかさの部分が容器底面部と当接しないような形状であれば種々のものが採用でき、断面円形状、三角形状のものであってもよい。また、前記実施形態では、凸条部20が容器1の容器底面部2と一体的に形成されていたが、容器底面部に棒状の部材を貼り付けて凸条部を構成してもよい。
【0025】さらに、前記実施形態では、HIPS、GPPSフィルムを真空成形することにより、容器1を成形していたが、成形方法はこれに限らず、例えば、射出成形等を採用してもよい。そして、前記実施形態では、容器1を0.1〜1.0mm厚のフィルムで構成していたが、本発明はこれに限られず、発泡ポリスチレン(PSP)等を用いて凸条部を有する容器を形成してもよい。この場合、PSPであれば、十分な肉厚の容器とすることができるため、補強リブ等、補助リブ等を形成する必要はない。その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0026】
【発明の効果】前述のような本発明によれば、きのこ収納容器の容器底面部に凸条部が形成されていることにより、収納されるきのこは、柄の部分で当接してかさの部分は、底面部から浮いた状態に保持される。したがって、輸送中に振動等が作用してもかさの部分が破損することなく、商品価値が減じることもない。
【出願人】 【識別番号】598133724
【氏名又は名称】出光プラスチック株式会社
【出願日】 平成14年3月4日(2002.3.4)
【代理人】 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
【公開番号】 特開2002−320410(P2002−320410A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2002−57518(P2002−57518)