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【発明の名称】 水田の耕区に対する用水の給排水システム
【発明者】 【氏名】小野寺 恒雄

【氏名】小川 真人

【氏名】大久保 学

【氏名】中川 裕英

【要約】 【課題】構成が簡単で、しかも管理が容易で給排水機能を確実に確保できる前記した第一の水管理装置だけを利用することにより、水田の各耕区へ農薬や肥料等を既に含有する排水と用水とを確実に給排水できる水田の耕区に対する用水の給排水システムを提供することである。

【解決手段】水田に対する用水の給排水システム1は、用水路17から用水Aを水田の耕区16へ供給する用水管7等の用水導入部と、排水路19へ水田の耕区16からの排水Bを自然流下により排出する排水管12等の排水部とを備える水管理装置2からなり、用水路17には、用水導入部の連結部より下流側に堰18をそれぞれ設けて、この堰18における用水Aの水圧により排水路からの排水Bを排水路に連絡された連継管7aを介して用水導入部から装置ボックス3内へ取り入れるようにしたことを特徴する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】用水路及び排水路に沿った水田の各耕区への用水の給排水を水管理装置によりそれぞれ行なう用水の給排水システムにおいて、用水路から用水を水田の耕区へ供給する用水導入部と、排水路へ水田の耕区からの排水を自然流下により排出する排水部とを備える水管理装置からなり、用水路には、前記用水導入部の連結部より下流側に堰をそれぞれ設けて、この堰における用水の水圧により排水路からの排水を排水路に連絡された連継管を介して前記用水導入部から装置ボックス内へ取り入れるようにしたことを特徴する水田の耕区に対する用水の給排水システム。
【請求項2】排水路に、前記用水吐出部の連結部より下流側に堰をそれぞれ設けて、この堰における排水の水圧により排水路からの排水を前記用水導入部から装置ボックス内へ取り入れるようにした請求項1に記載された水田の耕区に対する用水の給排水システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水田の耕区に対する用水の給排水システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水田の耕作期間内には、水田には必要量の水量を耕区に保持させる必要があるため、用水の給排水装置により、用水路から水田の各耕区への用水を供給し、また水田の各耕区からの排水を排水路へ排出する用水の給排水システムが実用化されている。
【0003】この用水の給排水装置としては、従来、図2に示す、用水路から用水を水田の耕区へ供給する用水導入部9と、排水路へ水田の耕区からの排水を自然流下により排出する排水部14とを備える第一の水管理装置2と、図4に示す、用水路から用水を水田の耕区へ供給する用水導入部28と、排水路からの排水を水田の耕区へ取り入れる排水導入部30と、排水路へ水田の耕区からの排水を自然流下により排出する排水部35とを備える第二の水管理装置21との組合せによって構成されている。
【0004】上記した第二の水管理装置21では、用水管26から接続管27を介して流入されてきた用水Aを用水導入部28の吐出口28aから一定の水圧で吐出させ、その用水Aを装置ボックス22の室部22a内に滞留させる。29は、用水吐出口28aからの用水量を調整するハンドルである。この滞留する用水Aが一定量以上となったときに装置ボックス22の前面に設けられた給排水口23から田の耕区へと流出させる。24は給排水口23に設けられている堰である。この流出した用水Aは、田の耕区に一時的滞留してから還流してきて再び給排水口23から装置ボックス22内に戻る。
【0005】このように還流水は、仕切り壁35の開孔25aを介して室部22bに及んで、排水Bとして排水部35の接続管33を介する排水管32から排水路へ放出される。なお、34は排水弁であり、操作ハンドル34aによって開閉できる。また、排水Bは、排水部35における水位調整器36の端部の排水口36aの高さにより調整できるようになっており、これにより田の耕区の水位調整を行なうことが可能である。この第二の水管理装置21おける機能は、後記するように、第一の水管理装置2においてと同様である。
【0006】また、特に、第二の水管理装置21は、他の水田の耕区から排出された排水Bを、排水路を介して排水導入部30から再度当該装置ボックス22内に取り入れて水田の耕区へと流出することによって、排水Bを用水の一部として再利用するものである。排水導入部30は、装置ハンドル31aの操作による開閉弁31の開閉度合によってその水量が調整される。これは、他の水田の耕区から排出された排水には、農薬や肥料などの有用成分が既に含有されているから、この排水を再利用することにより、農薬や肥料などの使用量を実質的に減少させようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第二の水管理装置21は、第一の水管理装置2と比べて、排水導入部30を構成する導入管やこの導入管口30を開閉弁31等が追加的に必要となるなど、構成が複雑であるからより高価な装置であると共に、用水導入部28から装置ボックス22内に取り入れた用水Aが排水導入部30から逆流してしまう等、その給排水の流水系に対する制御が難しい等の欠点がある。
【0008】そこで、本発明は、構成が簡単で、しかも管理が容易で給排水機能を確実に確保できる前記した第一の水管理装置だけを利用することにより、水田の各耕区へ農薬や肥料等を既に含有する排水と用水とを確実に給排水できる水田の耕区に対する用水の給排水システムを提供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明の水田の耕区に対する用水の給排水システムは、用水路及び排水路に沿った水田の各耕区への用水の給排水を水管理装置によりそれぞれ行なう用水の給排水システムにおいて、用水路から用水を水田の耕区へ供給する用水導入部と、排水路へ水田の耕区からの排水を自然流下により排出する排水部とを備える水管理装置からなり、用水路には、前記用水導入部の連結部より下流側に堰をそれぞれ設けて、この堰における用水の水圧により排水路からの排水を排水路に連絡された連継管を介して前記用水導入部から装置ボックス内へ取り入れるようにしたことを特徴する。
【0010】上記した本発明の水田の耕区に対する用水の給排水システムでは、用水路から用水を水田の耕区へ供給する用水導入部と、排水路へ水田の耕区からの排水を自然流下により排出する排水部とを備える前記第一の水管理装置を利用するものである。
【0011】用水路には、前記用水導入部の連結部より下流側に堰をそれぞれ設けることにより、この堰における用水の水圧により排水路からの排水を排水路に連絡された連継管を介して用水導入部から装置ボックス内へへ取り入れることが可能となる。この場合、用水導入部に連絡された排水路から排水が用水路に流入するのが防止され、また、排水路の排水の流水圧をより高く保つことにより用水路からの用水が排水路に逆流するを阻止できる。
【0012】この用水路における堰は、予め固定的に設けられていてもよいが、用水の水圧に応じて用水路を開閉できるように、可動式の堰となっていることが好ましい。また、堰としては、板材により構成されたものでもよいが、用水路の底部をノコギリ刃状とし、その山部を堰としたものであってもよい。さらには、この山部に可動式の板材を設けたものであってもよい。
【0013】また、本発明の水田の耕区に対する用水の給排水システムには、排水路に、前記用水吐出部の連結部より下流側に堰をそれぞれ設けて、この堰における排水の水圧により排水路からの排水を前記用水導入部から装置ボックス内へ取り入れるようにした構成を含む。
【0014】この排水路に設けた堰は、排水路における排水の水圧を増大させて、用水導入部への排水の流入を促進するように作用する。この排水路における堰についても、前記した用水路の場合と同様に、予め固定的に設けられていてもよいが、用水の水圧に応じて排水路を開閉できるように、可動堰となっていることが好ましい。排水の流量に応じて可動堰を開閉して、過剰量の排水を用水導入部から装置ボックス内へ取り入れることがないようにするためである。
【0015】上記した用水路や排水路における堰は、田の各耕区における水管理装置ごとに対応して設けられ、それぞれ同様に機能する。また、用水路及び排水路の高さ位置は、田の耕区より上位であっても、下位であってもよい。用水路の高さ位置が田の耕区より下位の場合、用水は吸水ポンプ等を利用して強制的に水管理装置の用水導入部へ供給されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態に係る水田の耕区に対する用水の給排水システムを図に基づいて説明する。図1に示す水田の耕区に対する用水の給排水システム1は、用水路17と排水路19に沿った田の各耕区16に水管理装置2がそれぞれ設置される。用水路17には、用水導入部の連結部より下流側に堰18をそれぞれ設けて、この堰18における用水Aの水圧により排水路19からの排水を排水路19に連絡された連継管7aを介して用水導入部7から装置ボックス3内へ取り入れるようにしたものである。
【0017】ここで、水管理装置2は、図2に示すように、前面上部に給排出口4を備えた装置ボックス3と、仕切り壁6によって仕切られた装置ボックス3の一方の室部3a内であって、給排水口4にほぼ対面する位置に設けられた用水導入部9と、他方の室部3b内に設けられた排水部14とからなる。用水導入部9は接続管8を介して連継された用水管7を伴い、排水部14は接続管13を介して連継された排水管12を伴なっている。
【0018】用水導入部9は、用水を装置ボックス3内に吐出する用水吐出口9aを有し、この用水吐出口9aからの用水の吐出量は、用水弁のハンドル10を操作することにより調整できるようになっている。この用水導入部9の高さ位置は、装置ボックス3内に一定の用水量を滞留できるように配置されている。この装置ボックス3内の滞留水は、給排水口4から田の耕区16に供給されるが、田の耕区16の水位は、給排水口4面を遮るように備える給排水堰5を上下動させることによって調整できるようになっている。
【0019】このように田の耕区16に供給された用水Aは、その耕区16に滞留した後に再び給排水口4にまで還流してくる。この還流水は排水Bとして、仕切り壁6の下部に設けられた開孔6aから室部3bにまで流入し、さらに、排出部14における水位調整器15の端口によってなる排出口15aから排出される。この場合、排出口15aの高さが、用水吐出口9aより低い位置に設定されることにより、自然流下によって流出される。この排出口15aの高さ調整は、水位調整器15により調整することができる。
【0020】図1に示すように、用水管7は用水路17に連結されていることから、用水路17から用水Aと共に、用水管7へその連継管7aを介して排水Bを装置ボックス3内に取り入れることができる。
【0021】即ち、堰18は、図3に示すように、用水路17の底部17aをノコギリ刃状に形成された山形の頂部によって形成されたものである。従って、用水路17に設けられた対応する堰18により、用水Aの水路が遮断されるため、堰18の手前で用水の水圧が増加して、用水Aが用水管7へ導入されると共に、排水Bもその流水圧により用水管7に送り込まれるからである。この場合、排水路19の堰18に対応する位置に堰20を設けて、排水Bの用水管7への送り込み時の流水圧を高めることもできる。
【0022】上記したように、水田の耕区に対する用水の給排水システム1においては、用水導入部9と排水部14とからなる水管理装置2だけで、装置ボックス3内に、用水路17から用水を取り入れると同時に、排水路19の途中から排水Bを取り入れることができる。そして、取り入れた用水A及び排水Bは、装置ボックス3から水田の耕区16に供給される。この際、水管理装置2により供給された用水A及び排水Bは、耕区16で一定の水量を確保するように機能する。
【0023】なお、図2に示す11は灌漑用パイプであり、室部3a内から水田の耕区16における用水不足を迅速に補給することを可能とするように機能する。また、接続管12の端部に設けられている排水弁12aは、その操作ハンドル12bを開閉操作することにより、装置ボックス3内にの滞留する用水を排水管11から排水路19に排出したり、その排水を停止したりすることができる。
【0024】
【発明の効果】上述したように本発明は構成されるから、次のような効果が発揮される。本発明の水田の耕区に対する用水の給排水システムでは、用水導入部と排水部とからなる簡単な構成の水管理装置2だけで、水田の各耕区に排水を含む用水を供給できるから、排水を再利用することにより、農薬や肥料などの使用量を実質的に減少させることができる、田の各耕区に対する水管理を容易かつ確実に実行できると共に、システム全体をより経済的に構成できる。
【0025】また、用水路の堰に対応させて排水路に堰を設ける構成によれば、上記した効果をより一層各実に実行させることができる。
【出願人】 【識別番号】596029085
【氏名又は名称】株式会社パディ研究所
【識別番号】000006172
【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開2002−291355(P2002−291355A)
【公開日】 平成14年10月8日(2002.10.8)
【出願番号】 特願2001−99760(P2001−99760)