| 【発明の名称】 |
い草育苗方法とい草栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉成 賢治
【氏名】内田 哲也
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| 【要約】 |
【課題】い草苗の株分け及び株挿し作業が容易に行えるようにすることを課題とする。
【解決手段】い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行うい草育苗方法とし、い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行った後に、育苗ポットのい草苗を圃場に移植して栽培するい草栽培方法としたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行うことを特徴とするい草育苗方法。 【請求項2】 育苗ポットにて育苗したい草苗の根部をカッター300等の切断具にて複数に分割して、その分割後の根部を育苗ポットに挿す請求項1記載のい草育苗方法。 【請求項3】 育苗ポットが幅の狭い溝状のポットであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のい草育苗方法。 【請求項4】 分割後の根部を育苗ポットに挿した後に、培土を育苗ポット内に入れることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法。 【請求項5】 育苗ポット内に泥状に水分を含んだ培土を入れた状態で、分割後の根部を育苗ポット内の培土に挿すことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法。 【請求項6】 い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行った後に、育苗ポットのい草苗を圃場に移植して栽培することを特徴とするい草栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、い草苗を育苗ポットにて育苗する方法とい草苗を栽培する方法に関するものである。 【0002】 【従来技術と発明が解決しようとする課題】従来の手植えによるい草苗栽培の慣行農法では、6月に圃場にて栽培したい草苗を掘り起こして、この親株を分けて、その株分けしたい草苗を圃場に再び移植して苗株を増やす為に栽培する。そして、この栽培したい草苗を10月に再び掘り起こして、この親株を分けて、その株分けしたい草苗を圃場に移植して収穫用に翌年の7月から8月初旬まで栽培して収穫する。尚、収穫前の6月に来年収穫するためのい草苗を最初に述べたように掘り起こして、株分けしたい草苗を圃場に再び移植して栽培する。 【0003】この手植えによるい草苗栽培の慣行農法であると、収穫までの間に圃場から2度い草苗を掘り起こして株分けして植付けなければならない。そして、い草苗の根は硬くて然も圃場の土中で絡み合っており、掘り起こす作業も大変である上に、この複雑に絡み合った根を株分けしていく作業は非常に大変なものであった。更に、圃場に手で植付ける作業も謂うまでもなく重労働な作業であった。 【0004】一方、この手植えによるい草苗栽培の慣行農法に換えて、い草苗を一度ポット育苗箱(育苗ポットを多数有する育苗トレイ)にて育苗して、機械移植する方法が考えられる。このポット育苗箱による機械移植の方法としては、4月に圃場にて栽培したい草苗を掘り起こして、根部の土を洗い落して鋏等でこの親株を2〜3本の茎が1株になるように切り分けて(長く伸びた不要な根は、ポットに挿しにくいので切り除く)、その株分けしたい草苗をポット育苗箱の各ポットに挿して栽培する。そして、この栽培したポット育苗箱のい草苗を6月に圃場に機械移植して、苗株を増やす為に栽培する。そして、この栽培したい草苗を8月に再び掘り起こして、この親株を再び2〜3本の茎が1株になるように分けて、その株分けしたい草苗をポット育苗箱の各ポットに挿して栽培する。そして、この栽培したポット育苗箱のい草苗を10月に圃場に機械移植して、収穫用に翌年の7月から8月初旬まで栽培して収穫する。尚、収穫前の4月に来年収穫するためのい草苗を最初に述べたように掘り起こして、株分けしたい草苗をポット育苗箱の各ポットに挿して栽培する。 【0005】このポット育苗箱による機械移植の方法であると、作業者は手植えによる重労働からは開放されるが、収穫までの間に圃場からい草苗を掘り起こして株分けする作業は、前例と同じく2度あり、然も、今度は株分けした苗をポット育苗箱の各ポットに挿す作業が発生し、然も、収穫用の苗をポット育苗箱にて栽培するのであるから、8月に株挿しする時には10aで25,000株〜27,000株必要であるので、作業者は10aの圃場栽培につき複雑に絡み合った根を25,000株〜27,000株にも分割する株分け作業を行ない、その上に、ポット育苗箱に25,000〜27,000回の株挿し作業をしなければならないことになる。掘り起こしたい草苗は早くポットに挿して育苗しないと、苗が弱ってしまい枯れる原因となるので、この株分け作業と株挿し作業は、早急にしないといけないので、作業者は株分け作業と株挿し作業を日中はもとより夜を徹して連続して行ない、非常に過酷な作業であった。尚、圃場から掘り起こしたい草苗を株分けする作業は、い草苗の根が複雑に絡み合っており、その根を解きほぐす作業が非常に困難であることに加えて、分割する際に新芽を傷つけてはいけないので、慎重に分割作業をしなければならず、大変な作業であった。また、謂うまでもなく、4月に最初にする株分け及び株挿し作業も、8月と同様に大変な作業である。 【0006】また、上記の何れの栽培方法も、図42に示すように、1本のい草苗は分けつ(その根に近い茎の関節から枝分かれして新茎を出すこと)して、茎数が増えて成長していくが、その時、水平から約45度の角度で分けつして茎が増えていく習性があり、従って、分けつが進みい草を収穫する時期になると、図43に示すようにい草の茎は側面視で最初の茎が長くて、外側の茎程短い状態の成育になっていた(い草の苗株全体としては、中央部の茎が長くて、周囲の茎程短い状態の成育になっていた)。この状態でい草を収穫すると(茎の圃場に近い部分を切って、収穫する)、市場で求められている長い品質の良いい草は中央部のみで、周囲の茎は短くて製品にならないか、なっても二級品の価値しかないものであった。従って、収量が少なくて品質もあまり良くないものであった。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行うい草育苗方法としたものであり、請求項2の発明は、育苗ポットにて育苗したい草苗の根部をカッター300等の切断具にて複数に分割して、その分割後の根部を育苗ポットに挿す請求項1記載のい草育苗方法としたものであり、請求項3の発明は、育苗ポットが幅の狭い溝状のポットである請求項1または請求項2記載のい草育苗方法としたものであり、請求項4の発明は、分割後の根部を育苗ポットに挿した後に、培土を育苗ポット内に入れる請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法としたものであり、請求項5の発明は、育苗ポット内に泥状に水分を含んだ培土を入れた状態で、分割後の根部を育苗ポット内の培土に挿す請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法としたものであり、請求項6の発明は、い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行った後に、育苗ポットのい草苗を圃場に移植して栽培するい草栽培方法としたものである。 【0008】 【発明の効果】請求項1記載の発明は、い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行うい草育苗方法としたものであるから、従来例のように圃場からい草苗を掘り起こして根部を水洗いして複雑に絡み合った根を解きほぐして新芽を傷つけないように分割するような大変な作業を繰り返して行わなくても、一度、育苗ポットで育苗した後は、育苗ポットから育苗したい草苗を取り出してその根部を分割するのみで分割作業は終了し、育苗ポットにい草苗を挿す作業が大幅に省力化されて(短時間で育苗ポットへの苗挿し作業が行えて)、従来例の課題を解消することができる。 【0009】請求項2の発明は、育苗ポットにて育苗したい草苗の根部をカッター300等の切断具にて複数に分割して、その分割後の根部を育苗ポットに挿す請求項1記載のい草育苗方法としたものであるから、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、育苗ポットにて育苗したい草苗の根部をカッター300等の切断具にて複数に分割して、その分割後の根部を育苗ポットに挿すだけであるので、育苗ポットに挿す作業も容易となり、効率の良い苗挿し作業が行える。 【0010】尚、機械にて苗挿し作業を行う場合には、根部が切断具にて分割された苗はその根部の形状が略揃っているので機械適応性が良いので、機械での苗挿し作業も行い易い。請求項3の発明は、育苗ポットが幅の狭い溝状のポットである請求項1または請求項2記載のい草育苗方法としたものであるから、請求項1または請求項2記載の発明の作用効果に加えて、育苗ポットにて育苗したい草苗の根部は、幅の狭い帯状になっているので、カッター300等の切断具にて複数に分割する作業が容易に行え、更に、効率の良い苗挿し作業が行える。 【0011】尚、育苗ポットにて育苗したい草苗の根部は、幅の狭い帯状の根部となっているので機械適応性が良く、機械にて自動的に根部を切断する構成も容易となり、自動切断装置等の開発も容易に行える。請求項4の発明は、分割後の根部を育苗ポットに挿した後に、培土を育苗ポット内に入れる請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法としたものであるから、請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の作用効果に加えて、分割後の根部を育苗ポットに挿したとき、挿し苗の根部は分割されたポット状の土が付いており、育苗ポットに苗は安定良く収まっているので、培土を育苗ポットP内に入れる作業が容易となり、効率の良い作業が行える。 【0012】請求項5の発明は、育苗ポット内に泥状に水分を含んだ培土を入れた状態で、分割後の根部を育苗ポット内の培土に挿す請求項1または請求項2または請求項3記載のい草育苗方法としたものであるから、請求項1または請求項2または請求項3記載の発明の作用効果に加えて、泥状に水分を含んだ培土を入れた状態の育苗ポットに分割後の根部を挿したとき、挿し苗の根部は分割されたポット状の土が付いているので、育苗ポットに苗は安定良く収まり、効率の良い作業が行える。尚、育苗ポット内の泥状に水分を含んだ培土は、少し硬めの泥状態の方が苗の姿勢が安定して良い。【0013】請求項6の発明は、い草苗を複数に分割して育苗ポットにて育苗する工程を複数回連続して行った後に、育苗ポットのい草苗を圃場に移植して栽培するい草栽培方法としたものであるから、収穫用に圃場にい草苗を移植する際に必要な多数のい草苗株を容易に且つ効率的に得ることができ、い草栽培の作業が大幅に省力化されて、従来例の課題を解消することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面に表された好ましい実施の形態について説明する。先ず、い草用の苗移植機1について説明する。乗用走行車体2の後側にリンク装置3を介して6条植えの植付部4が昇降可能に装着され、また、走行車体2の後部には、側条施肥装置5の肥料ホッパ5aと、各条ごとに肥料を繰り出す肥料繰出装置5b…が配設されている。 【0015】走行車体2は、駆動回転する左右一対の操向可能な前輪6,6と駆動回転する左右一対の後輪7,7を備え、フレーム8上の前側にミッションケース9、その後側にエンジンEが搭載され、エンジンEの回転動力はベルト伝動装置10によりミッションケース9の上部に取り付けた油圧ポンプに一旦伝動され、そこから、無段変速操作可能なベルト伝動装置11によりミッションケース9内に伝動される。そして、ミッションケース9内のトランスミッションで変速された動力が、前輪6,6及び後輪7,7に伝動されるとともに、伝動軸9a、中間ギヤケース9b、伝動軸9cを介して植付部4に伝動される。なお、図中の12は前輪6,6を操向操作するためのハンドル、13は操縦者が座る座席、14は操縦者が走行車体上を移動するためのステップフロア、15は予備の苗を載せておく予備苗載台、16は次行程における走行車体2の進路を圃場面に線引きする線引きマーカである。 【0016】リンク装置3は、走行車体2のフレーム8の後端部に固着のリンクベース20に上リンク21,21及び下リンク22,22が回動自在に取り付けられ、これら上下リンクの後端部に連結枠23が連結されている。そして、その連結枠23の下端部に、植付部4側に回転自在に支持されたローリング軸24の前端部が挿入連結される。これにより、植付部4は進行方向に対してローリングに装着される。また、リンク装置3を駆動するための油圧シリンダ26が、基部側をフレーム8に取り付けて設けられていて、そのピストンロッド側が上リンク21,21の基部から下向きに一体的に固着されたアーム27の先端部にスプリングを介して連結されている。この油圧シリンダ26が伸縮作動すると、上下のリンク21,21,22,22がリンクベース20側の支軸回りに回動し、植付部4が昇降動するようになっている。 【0017】植付部4の上部に後下がりに傾斜した上下2段の苗載台30…が左右並列に3組設けられ、これら各組の苗載台の後端部に育苗トレイ搬送路31…が接続されている。各育苗トレイ搬送路31は、苗載台30から1個づつ供給される育苗トレイを前半は下向きに搬送し、途中で搬送方向を徐々に変え、後半は上向きに搬送する側面視略U字状に形成されている。この育苗トレイ搬送路31に対応させて、育苗トレイを育苗トレイ搬送路31に沿って搬送させる育苗トレイ送り装置32と、育苗トレイ搬送路31の苗取出位置Qで搬送中の育苗トレイから苗を取り出す苗取出装置33と、取り出された苗を下側前方に弧を描くような軌跡で搬送する苗搬送装置34と、該苗搬送装置から苗を抜き出す苗抜き装置35と、抜き出された横1列分の苗を半分づつ左右両側に横送りする苗横送り装置36と、該苗横送り装置によって搬送されてくる苗を取って圃場に植え付ける苗植付装置37,37とが設けられている。また、育苗トレイ搬送路31の終端部には、苗取出位置Qで苗を取り出された後の空の育苗トレイを複数個上下に重ねた状態で収容することのできる空箱収容枠38が設けられている。 【0018】ところで、この苗移植機1では、育苗ポットPが縦横に所定の間隔で並んだプラスチック製の可撓性を有する育苗トレイ(苗箱)Tで育成された苗を使用する。前記育苗トレイTは、複数個の育苗ポットPの開口部が互いに連結し底部側が独立した形状に成形されている。また、育苗トレイTの長手方向に沿う左右の端縁部Taには、育苗ポットPの長手方向の間隔に合わせて後述する送り爪60,60が作用する苗箱送り用の角孔Tbを設けている。各育苗ポットPの底部には、苗を育苗ポットPから取り出すための苗押出しピン72…が底部側から侵入できる切れ目Pcを設けている。Tcは左右(短手方向)中央で長手方向に向けて設けられた広間隔部である。育苗は、各育苗ポットP内に床土を詰めてい草苗を株挿しし、育苗される。 【0019】また、育苗ポットPの縦横のピッチはい草苗の育苗を考慮して2cmに設定され、育苗トレイTの短手方向の長さは約19cmになっている。尚、育苗トレイTは、短手方向に8個の育苗ポットPを設けた構成となっている。また、育苗ポットPの内寸法は、上口部の内径が16mm・底の内径が13mm・高さが24.7mmであり、内容積は約4ccの小さなポットである。 【0020】そして、上記育苗トレイ搬送路31…及び各装置を支持するとともにこれら装置への伝動機構を内蔵する植付部フレームは、育苗トレイ搬送路31…のU字の内側に配した駆動ケース41…と一体に背面視はしご状のメインフレーム42を形成し、その下側左右水平部分から4個の植付伝動フレーム45…が後方に延びた構成となっている。また、駆動ケース41…の上面に苗載台支持フレーム46…の基部が固着され、これで上下2段の苗載台30…を支持している。前記ローリング軸24は、メインフレーム40の下側水平部分の左右中央部に固着の植付部支持ブラケット48に取り付けた軸受ケース50に回転自在に挿入されている。これにより、植付部全体がローリング自在に支持されている。 【0021】植付部4の下部にはセンターフロート52と左右一対のサイドフロート53,53が設けられており、植付作業時は、これらフロートが圃場面を整地しながら滑走する。これら各フロート52,53,53には、各条の苗植付位置の近傍の圃場面に施肥用の溝を形成する作溝器54…が取り付けられ、その後側に平面視断面が後方開口のU字状の施肥ガイド5c…が取り付けられ、そこに肥料繰出装置5b…から繰り出される肥料を移送する施肥ホース5d…が各条ごとに連結されている。 【0022】センターフロート52は圃場面の凹凸を検出するセンサでもあり、植付作業時にはセンターフロート52の前端部の上下動が上下動検出機構55に検出され、その検出結果に応じて前記油圧シリンダの制御バルブを切り替えて植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。また、各フロート52,53,53は左右方向の植付深さ調節軸57と一体回動するフロート支持アーム58…に取り付けられており、植付深さ調節軸57を回動させてフロートの取付高さを変更することにより、苗の植付深さを調節する。 【0023】次に、植付部4の各部の構成について説明する。苗載台30は、図5〜8に示すように、育苗トレイTのポット底面を下から支える底板130、該底板の左右両端部から立ち上がるフェンス131,131等で構成され、育苗トレイを長手方向が前後に向く状態で2枚づつ直列に載せられるスペースを有している。台上の育苗トレイは自重で後方に滑り落ちるようになっている。尚、この苗載台30の左右幅は、19cmより大きくなっている。苗載台30の後端部には、育苗トレイの左右の端縁部を上下から挟んで育苗トレイを育苗トレイ搬送路31に送り出す左右各上下一対の自動供給ローラ132,133が設けられている。下側のローラ132はモータ134で駆動される駆動ローラ、上側のローラ133は駆動ローラ側に付勢されている押えローラである。苗載台30及び育苗トレイ搬送路31の適所に育苗トレイの有無を検出する複数のスイッチ(図示せず)が設けられており、このスイッチの検出結果に応じてモータ134を自動制御し、上下の苗載台30から育苗トレイ搬送路31へ適宜タイミングで育苗トレイを1個づつ送り出す。 【0024】フェンス131の後部上面には、苗載台上の左右端縁部が前記自動供給ローラ132,133の間に導かれるように、育苗トレイの浮き上がりを防止する押え板135が、フェンスよりも内側に張り出す状態で取り付けられている。また、底板130の前部は、図8に示すように、底板が左右両側ほど高位となる円弧状に形成されている。このため、苗載台30に育苗トレイTを補給するとき、育苗トレイが上側に湾曲した形状となり、各育苗ポットに収容されている苗の葉が左右中心側に傾斜し、左右外側部の葉が育苗トレイTと押え板135の間に挟み込まれるのを防止している。 【0025】育苗トレイ送り装置32は、苗取出位置Qとほぼ同じ高さの位置に、各左右一対の送り爪60,60及び係止爪61,61を備えている。送り爪60,60は、育苗トレイ搬送路31に沿って上下に往復動し、下動するときには育苗トレイの左右縁部に育苗ポットと同ピッチで形成されている角孔に係合し、上動するときは角孔Tbとの係合が外れて次の角孔Tbまで乗り越すように作動する。係止爪61,61は、送り爪60,60の動作と連動し、送り爪60,60が下動するときには角孔から外れ、送り爪60,60が上動するときには角孔Tbに係合して育苗トレイを支えるように作動する。これら送り爪60,60及び係止爪61,61の作動により、育苗トレイ搬送路31に沿って育苗トレイが育苗ポット配列の1ピッチ分づつ間欠的に送られる。また、送り爪60,60及び係止爪61,61の上側には、係止爪61,61が先行する育苗トレイの角孔から抜け出るのに連動して育苗トレイ搬送路に突出し、育苗トレイ搬送路31を滑り落ちてくる後続の育苗トレイを一旦受け止める遮断爪63,63が設けられている。 【0026】苗取出装置33は、育苗トレイの横方向の育苗ポットに対し同数同ピッチで並んだ苗押出しピン72…が、前後方向に摺動自在に支持されたスライド軸73,73と一体に作動するように設けられている。送り爪60,60の送り作動が終了して係止爪61,61にて育苗トレイが支えられている時、スライド軸73,73が後方にスライドし、苗押出しピン72…が苗取出位置Qにある横一列分の育苗ポットに底面側から挿入され、苗を後方に押し出す。その後、送り爪60,60の送り作動が開始するまでに、スライド軸73,73が元の位置に戻り、苗押出しピン72…が引っ込む。 【0027】苗搬送装置34は、育苗トレイの育苗ポットから押し出された苗の床土部を保持する苗保持体として、前後に開口し上方が切り欠かれた背面視凹状の苗保持部83a…が苗押出しピン72…に対応する位置に形成された苗ホルダー83を備えている。苗ホルダー83は、左右各一対の揺動リンク84,85,84,85に、下記のように連結されている。すなわち、平行リンクである揺動リンク84,85の後端部同士を連結する連結リンク86の後方に延びる延長部に取付プレート87を一体に取り付け、左右の取付プレート87,87の下端部間に支持棒88を掛け渡して設け、該支持棒の左右中央部に固着した支持体89の前端部に苗ホルダー83が支持されている。このように、後方から延ばした支持体89で苗ホルダー83の左右中央部を支持する構成とすることにより、苗ホルダー83の支持部材と後記葉押え具100,100との干渉を避けている。 【0028】揺動リンク84,85,85,85の揺動により、苗ホルダー83は一定姿勢のまま円弧状軌跡を描いて往復移動する。苗ホルダー83が軌跡上端の苗受取位置Aに位置するとき、送り爪60,60が送り作動して育苗トレイが1ピッチ送られ、苗取出位置Qに位置する横1列分の苗の茎葉部の根元部分が苗ホルダー83の各苗保持部に上方から入り込む。そして、苗押出しピン72…が突出作動し、育苗トレイから苗の床土部を押し出して苗ホルダー83の苗保持部に押し込む。苗を受け取った苗ホルダー83は軌跡下端の苗開放位置Bまで移動し、そこで苗抜き装置35により苗が抜き出される。 【0029】育苗トレイ送り時に苗Nの茎葉部の根元部分を苗ホルダー83の苗保持部83a…に良好に入り込ませるため、隣接する苗同士の葉茎部が互いに絡まないように分ける苗分離具150と、各苗の葉の先端部分が下方に垂れないように下から支える苗支え具160とが設けられている。 【0030】苗分離具150は、前端部に分離板151…を取り付けた前後方向の分離棒152…を平面視櫛状に配したもので、育苗トレイ搬送路31の機枠に固定した支持アーム153,153の後端部に取り付けた支持体154に分離棒152…の後端部が支持されている。各分離板151及び分離棒152は、苗ホルダー83の苗保持部と苗保持部の間隔部に相当する左右位置にある。分離板151は、苗受取位置Aにある苗ホルダー83の上側に位置する側面視略三角形の本体部分151aと、該本体部分から苗ホルダー83の後方下側に延びる垂下部分151bとからなっている。苗の長い葉は分離棒152によって分離され、短い葉や芽は分離板151によって分離される。また、分離板の垂下部分151bが苗ホルダー83の後方下側まで延びているので、苗が苗ホルダー83の苗保持部83aに完全に入るまで苗を分離し、苗同士の絡み付きを確実に防止する。 【0031】苗支え具160は、作用部分が左右水平となるように棒材を折り曲げて成形したもので、前記支持アーム153,153の後端部に回動自在に設けた苗支え具取付軸161に一体に取り付けられている。この苗支え具取付軸161は、アーム162、ロッド163、及びアーム164を介して、スライド軸73の上側に設けた回動軸165と連動するようになっている。回動軸165は、スライド軸73の後端に当接する押圧プレート166とリターンスプリング167の作用により、スライド軸73の前後スライドに応じて正逆回動する。これにより、苗支え具160は、常態では作用部分が苗の葉を下から支える作用位置(図10において実線で示す)にあるが、苗押出ピン72…が突出作動して苗を後方に押し出すときには作用部分が苗の葉を下から支えない非作用位置(同図において鎖線で示す)へ回動する。苗押出ピン72…が引っ込むと苗支え具160は作用位置へ戻る。 【0032】苗押出ピン72…が苗を押し出すまでは苗支え具160が苗の葉茎部を下から支えているので、苗の葉茎部が苗ホルダー83の苗保持部に入り込むとき苗の姿勢が適正に保たれる。苗押出ピン72…が苗を押し出す時に苗支え具160が非作用位置へ移動することにより、苗押出しの邪魔にならず、苗の床部が苗ホルダー83の苗保持部に押し込まれやすい。さらに、苗支え具160が非作用位置にある間に苗の葉が下方に垂れることにより、苗支え具160が作用位置へ戻っても苗の葉は苗支え具160の下方にある。このため、苗ホルダー83が下方へ移動して苗を搬送する際に、苗支え具160によって苗が上に持ち上げられることがなく、苗の姿勢が乱れない。 【0033】苗抜き装置35は、苗開放位置Bに位置する苗ホルダー83の苗保持部を前後に通り抜け可能な櫛状の苗抜き具90が上下回動するように設けられており、苗ホルダー83が移動軌跡下端に移動してきたとき、苗ホルダー83の各苗保持部に保持されている苗を苗抜き具90が受け止め苗ホルダー83のみを通過させて苗を抜き出す(図15a)とともに、苗抜き具90が下向きに回動し、該苗抜き具の背面から突出している突起90a…が抜き出された苗を苗横送り装置36の後記苗搬送ベルト110,110上に叩き落す(図15b)。 【0034】苗抜き具90は、図12、13に示すように、回動自在に設けた左右方向の苗抜き具取付軸91に一体的に取り付けられている。苗抜き具取付軸91に固定の回動アーム92にローラ93が回転自在に支持され、該ローラが苗叩きカム軸94に取り付けられた苗叩きカム95のカム面に当接するように、図示しないスプリングにて回動アーム92を付勢している。苗叩きカム95が回転すると、該カムの凹部にローラ93が嵌り込むとき苗抜き具90が素早く下向きに回動し、すぐに元の位置に復帰するように作動する。 【0035】また、図12、14に示すように、苗抜き具取付軸91には葉押え具100,100の取付アーム101,101が回動自在に嵌合している。両取付アーム101,101は一体に回動するように連結軸101aで連結されている。葉押え具100は、左右方向の作用部100aを有する平面視L形をしており、上記作用部100aが苗開放位置Bに位置する苗ホルダー83に保持されている苗の葉茎部を下側(苗搬送ベルト側)に押し付けるように上下に回動するようになっている。 【0036】葉押え具100の作動機構は、苗抜き具90の作動機構と同様に、右側の取付アーム101と一体に回動するローラ支持アーム102にローラ103が回転自在に支持され、該ローラが苗叩きカム軸94に取り付けられた苗押えカム105のカム面に当接するように、図示しないスプリングにてローラ支持アーム102を付勢している。苗押えカム105の大径部にローラ103が当接しているときは葉押え具100が図14における実線の位置にあり、該カムの小径部にローラ103が当接するときは葉押え具100が図14における鎖線の位置まで回動する。苗押えカム105には小径部が2か所に設けられており、苗抜き具90が苗を叩き落とす直前と直後の2回、実線の位置まで回動する。 【0037】苗ホルダー83が苗開放位置Bに移動してきたとき、葉押え具100が下に回動して、苗N…の葉茎部を苗搬送ベルト110,110側に押し付ける(図15a)。その状態で、苗ホルダー83の各苗保持部に保持されている苗N…が、苗抜き具90によって抜き出される。次いで、苗抜き具90が下向きに回動し、抜き出された苗N…を苗搬送ベルト110,110上に叩き落す(図15b)。その後、苗ホルダー83が苗受取位置A側へ戻るが、苗保持部から苗が完全に抜き出されずに、苗Nを連れ戻ることがある(図15c)。しかしながら、苗抜き具90が2回目に下向きに回動する際、連れ戻されている苗Nを苗抜き具90が上から押えることにより、その苗を苗ホルダ−83から分離して苗搬送ベルト110の上に供給する。なお、この苗抜き具90の2回目の下向き動作は、1回目よりも高速で行うようするのがよい。 【0038】苗横送り装置36は、外周部に複数の苗位置決め用突起110a…が形成された左右一対の苗搬送ベルト110,110を上側の横送り作用部がそれぞれ外側へ移動するように左右対称に設けている。苗搬送ベルト110は、外側の駆動ローラ111と内側の従動ローラ112とに掛けられている。 【0039】一対の苗搬送ベルト110,110の間隔部には、山型の苗仕切板115が設けられている。また、前記苗ホルダー支持体89は、断面形状が上下方向に長く下方に開口するコ字形をしており、苗ホルダー83が苗開放位置Bにあるとき苗ホルダー支持体89の下部に苗仕切板115の上部が入り込んだ状態となる。これにより、苗ホルダー83から抜き出される中央2個の苗が、葉同士が絡み付くことなく、苗搬送ベルト110,110上へ確実に導かれる。 【0040】さらに、苗搬送ベルト110,110の後方には、葉分離櫛116が苗搬送ベルトの上面よりも上方に突出する状態と引っ込む状態とに作動可能に設けられている。この葉分離櫛116は、カム117とローラ118の組み合わせからなる作動機構で作動させる。苗ホルダー83が苗開放位置Bへ移動する時には、葉分離櫛116が苗搬送ベルトの上面よりも上方に突出する状態にあり、葉分離櫛116によって各苗の葉が分離するように梳かれる。その状態で、苗ホルダー83から苗が抜き出され、苗搬送ベルト110,110の上に落とされる。葉分離櫛116によって葉が左右適正位置に保持されているので、苗が苗搬送ベルト110,110上に整列状態に供給される。苗の抜き出された後、葉分離櫛116はすぐに引っ込む。 【0041】苗抜き装置35により抜き落とされた横一列分の苗N…は、左右一対の苗搬送ベルト110,110の上に整列状態で落下し、これを受けた苗搬送ベルト110,110,110が左右半分づつの苗をそれぞれ左右両側に搬送する。苗搬送ベルト110,110で搬送された苗Nは、適当な隙間を開けて設けられている一対の植付ガイド123,123の間に落とし込まれる。尚、左右全体の苗搬送ベルト110,110の左右幅は、苗載台30と略同幅に構成されている。 【0042】苗植付装置37は、植付伝動フレーム45の後端部に設けられた植付駆動軸120と一体回転する回転ケース121に一対の苗植込具122,122が取り付けられ、苗植込具122,122が閉ループの先端軌跡を描いて移動する。各苗植込具122は、植付ガイド123,123の間に落とし込まれた苗を交互に一株づつ取り、それを植付ガイド123,123の間を移動させて圃場に植付ける。 【0043】また、苗植込具122の回転ケース121に装着された基部側の端面122aは、全面が左右方向において平面視で曲面状に構成されている。これにより、植付けた苗が苗植込具122の端面122aのどこに当たっても植付姿勢が変化しにくいように構成している。従来は、苗植込具122の端面122aが該苗植込具122の長手方向と垂直な平面であり、また、い草苗の茎葉部が放射状に広がる傾向があるので、植付けたい草苗が苗植込具122の平らな端面122aに当たり、植付けたい草苗の姿勢が変化しやすく、適正な植付姿勢で苗を植え付けられなくなるおそれがあった。また、苗植込具122は先端部と基部(後端部)とを左右方向にオフセットして設けられると共に、苗植込具122の端面122aは苗植込具122の先端部がオフセットされた側に当たった苗が逃げるように該オフセットされた側寄りに曲面を構成している。従って、苗植込具122の先端部と基部(後端部)とを左右方向にオフセットして設けているので前記先端部で植付けた苗が前記基部(後端部)に当たりにくく、また植付けた苗が苗植込具122の端面122aに当たっても回転ケース121とは反対側に苗が逃げるので苗を苗植付装置37に巻き込みにくいようにしている。 【0044】また、左右の苗植付装置37の間隔は、苗載台30の幅と略同じ21cmになっている。これは、育苗トレイTの短手方向の育苗ポットPの数を8個とし長さを19cmとしたからこの形態の苗移植機において構成できるものであって、育苗トレイTの短手方向の育苗ポットPの数を増やす毎に育苗ポットPのピッチ分(2cm)づつ育苗トレイTの短手方向の長さが長くなるからその分左右の苗植付装置37の間隔が広くなってしまうからである。従って、このい草用の苗移植機1は、苗植付条間が21cmとなる。 【0045】そして、圃場内において走行車体2を走行させながら植付部4を作動させると、21cmの苗植付条間で6条分のい草苗を同時に移植していく。尚、上記の実施例では苗植付条間を21cmとしたが、必要に応じて、苗植付条間を21cm以下に設定しても良く、苗植付条間を狭くすればするほど、い草苗は密植状態となって、日光を求めて上方に向いて長く伸び長いい草を収穫することができる。 【0046】次に、分けつ増殖用トレイTZを用いて、前記育苗トレイTの各育苗ポットP…に育苗されたい草の苗Nを得るまでの説明をする。まず、分けつ増殖用トレイTZの構成を図19及び図20に基づいて説明する。分けつ増殖用トレイTZは、従来の水稲用育苗箱のように硬い材質(プラスチック製)にて形成されており、平面視で長細い溝状の複数の育苗ポットPZ…が縦横に所定の間隔で並び、各ポットPZ同士を開口部側で互いに連結している。分けつ増殖用トレイTZの左右中央部にはポットPZとポットPZの間隔が広い広間隔部TZcが設けられ、この広間隔部を挟んで各ポットPZは同数づつの2郡に分かれている。育苗ポットPZの底部には、切れ目PZcが形成されており、この切れ目PZcにより育苗時には余分な水が抜けると共に、苗Nの根がポットPZから地面に延び出して地面から養分を吸って良好な成育をし、また、生育後にポットPZから苗Nを取出す時にはこの切れ目PZcから苗押し出し体を下方から入れてポットPZ内の苗Nを簡単に取り出せられるようになっている。 【0047】そして、この分けつ増殖用トレイTZは、育苗トレイTと外形寸法は同じに構成されているので、後述のアンダートレー276に載置されて、各育苗ポットPZ…内に培土が詰められる。そして、灌水されてアンダートレー276に載置した分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…内の培土は少し硬めの泥状になった状態で、下記の苗挿し機201にて4株分(1株は、茎が2本乃至3本である)のイグサ苗Nが各育苗ポットPZ…内の培土に挿される。 【0048】次に、分けつ増殖用トレイTZにい草苗Nを挿す作業について説明する。図21乃至図25に示す苗挿し機201は、苗Nを保持した苗カートリッジ206を所定の苗挿し位置Eへ供給する苗供給装置202と、分けつ増殖用トレイTZを前記苗挿し位置Eへ供給する苗箱供給装置203と、前記苗挿し位置Eで苗カートリッジ206から苗Nを取り出して分けつ増殖用トレイTZの育苗ポットPZ内に挿し込む苗挿し装置204とを備えている。 【0049】この苗挿し機201に使用される苗カートリッジ206は、図25に示すように、苗Nを一株づつ収容することのできる8つの苗収容部261…が分けつ増殖用トレイTZの育苗ポットPZに対応する間隔で左右方向に並べて配置された苗収容体262を備えている。苗収容部261…は交互に前後に位置をずらしてある。各苗収容部261は上部が広くなった漏斗状で、その上端開口部は、各苗収容部261ごと交互に苗収容部の例L1・L2を挟んで反対側に偏位していると共に、偏位方向が前記列L1・L2に対し斜めになっている。苗収容部261…の形状を上記のようにすることにより、同じ大きさの苗収容体262に形成される苗収容部261…の上端開口部を広くすることができ、該苗収容部への苗Nの補給が容易になる。苗収容体262の上端部前後両側には、後記チエーン供給コンベヤ211・212のチエーンに支持される支持部263・263が形成されている。また、その前後内側には、後記吊下げ体215・221が下側から係合する係合部264・264が形成されている。 【0050】苗収容体262の下方には、左右方向の軸265・265に回動自在に支持された下端位置決め体266が設けられている。この下端位置決め体266は、スプリング267によって付勢されて常態では苗収容体262の直下に位置しているが、後逑する退避アクチュエータ257がピン268を押すことにより、図25(c)で鎖線で示す位置まで退避させられるようになっている。 【0051】ここで、アンダートレー276の構成について詳述すると、底277と左右側壁278・278と前後壁279・279とで平面視で長方形の箱状に合成樹脂にて一体形成されており、底277には平面視で前後壁279・279に向かう方向に長い長円の貫通孔280…が多数設けられている。この貫通孔280…は、アンダートレー276に育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZを載置した時に、ちょうど育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットP…またはPZの底部の切れ目PcまたはPZcが一致するように底277に整列配置されて設けられている(図30及び図31参照)。 【0052】281は底277の上面に左右側壁278・278にその両端が連結して設けられた突条であって、この突条281に育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの左右中央部の広間隔部TcまたはTZcの底面が嵌合するようにしてアンダートレー276に育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZを載置すると、アンダートレー276に育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZは安定良く載置され、また、育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの位置決めも確実となり、前記各育苗ポットP…またはPZ…の底部が各貫通孔280…に確実に一致する。 【0053】また、アンダートレー276に載置されて各育苗ポットP…内に培土が詰められて、灌水されてアンダートレー276に載置した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットP…またはPZ…内の培土が少し硬めの泥状になった状態で、苗挿し機201にてイグサ苗Nが各育苗ポットP…またはPZ…内の培土に挿されたものを、アンダートレー276に載置したそのままで地面に置いて育苗する(この時、アンダートレー276の底面が少し地面に入り込むように、地面に対してアンダートレー276を押し込んで置いた方が、苗Nの根が地中に早く延びて成育が良い)。そして、灌水時には、各育苗ポットP…またはPZ…の切れ目PcまたはPZcから余分な水が抜けると共に、アンダートレー276の水も各貫通孔280…を通って良好に排水され、アンダートレー276内に長時間溜ることによる根腐れ等が防止できる。更に、各育苗ポットP…またはPZ…の切れ目PcまたはPZcからアンダートレー276の各貫通孔280を通って、各育苗ポットP…またはPZcの苗Nの根が各々網283を通過して地面に延び出し地面から養分を吸って良好な成育をする。アンダートレー276の各貫通孔280…と各育苗ポットP…またはPZc…の底部とは位置が一致しているので、この各育苗ポットP…またはPZc…の苗Nの根は各々適確に地面に延び出すことができ、その成育は非常に良好である。 【0054】そして、成育を終えて、アンダートレー276を地面から剥がし取る時に、この地面に延びた根を切断する。この方法としては、アンダートレー276の左右側壁278の一側の網283とアンダートレー276底面との間にワイヤ284等を挿し入れて左右側壁278の他側方に向けてこのワイヤ284等を移動させて切断作業を行うのであるが、アンダートレー276の各貫通孔280…は平面視で前後壁279・279に向かう方向に長い長円であるから、この貫通孔280を通っている根郡も前後壁279・279に向かう方向に長い長円形状になっているので、左右側壁278・278方向にワイヤ284等を移動させる時に根の切断が容易に行えて、作業性がとても良く効率よく作業が行える。(ワイヤ284の代りに根切り用の刃を用いても同様である。また、網283は、特に敷かなくても良い。)尚、左右側壁278・278には、図に示すように、切欠き部282が設けられており、アンダートレー276に載置した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZを取り出すときに、この切欠き部282にて育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの左右側部が剥き出しになっているので、容易に育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの左右側部を持つことができて、アンダートレー276から育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZを容易に取り出すことができる。従って、育苗後に移植機に育苗トレイTを装填する際のアンダートレー276からの育苗トレイT取出し作業が効率良く行えるので、移植作業の能率も良くなる。一方、アンダートレー276の撓み防止の為に、長手方向である前後壁279・279には切欠きを設けていない。また、この切欠きを設けていない前後壁279・279と左右側壁278・278にその両端が連結して設けられた突条281とが、アンダートレー276を型成形する際の撓みや歪み防止の効果をなし、撓みや歪みの少ないアンダートレー276が成形できる。 【0055】苗供給装置202は、一対のチエーンで前記支持部263・263を下から支持する状態で苗カートリッジ206を搬送する供給コンベヤ211・212が前後並列に2組設けられている。一方は供給コンベヤ211で、苗カートリッジ206を図21及び図22における右方向に搬送する。他方は戻しコンベヤ212で、苗カートリッジ206を図21及び図22における左方向に搬送する。両コンベヤ211・212に沿って平坦な上面を有する作業台290・290が設けられており、該作業台290・290には、それぞれのコンベヤ211・212を共に止める非常停止スイッチ213・214が設けられている。そして、2人の作業者が各々この作業台290・290に向かって立ち、作業台290・290にイグサの苗Nを載せておき、順次、作業台290上に載せたイグサの苗Nを一株づつ苗カートリッジ206の苗収容部261…に入れる。 【0056】供給コンベヤ211の搬送終端部から戻しコンベヤ212の搬送始端部へ、苗カートリッジ206の係合部264・264に下側から係合して苗カートリッジ206を吊り下げることのできる第一吊下げ体215によって苗カートリッジ206を移載するようになっている。この第一吊下げ体215は、昇降アクチュエータ216により昇降、及び前後移動アクチュエータ217により前後移動させられる。 【0057】また、戻しコンベヤ212の搬送終端部から供給コンベヤ211の搬送始端部へ、前記第一吊下げ体215と同様の第二吊下げ体221によって苗カートリッジ206を移載するようになっている。この第二吊下げ体221は、昇降アクチュエータ222により昇降、及び前後移動アクチュエータ223により左右移動させられる。 【0058】供給コンベヤ211及び戻しコンベヤ212によって複数の苗カートリッジ206…が連なる状態で搬送されている。供給コンベヤ211によって搬送される苗カートリッジ206が該コンベヤの搬送終端部に到達すると、その苗カートリッジ206の係合部264・264が供給コンベヤ211の搬送終端部で待機している第一吊下げ体215に嵌り込む。その状態で第一吊下げ体215が少し上昇し、苗カートリッジ206を吊下げる。次いで、第一吊下げ体215が後進するとともに下降して、苗カートリッジ206を戻しコンベヤ212の搬送始端部に移載する。 【0059】戻しコンベヤ212の搬送始端部に載置された苗カートリッジ206は、当該コンベヤの搬送終端部まで搬送される。ここで、苗カートリッジ206の係合部264・264が戻しコンベヤ212の搬送終端部で待機している第二吊下げ体221に嵌り込む。その状態で第二吊下げ体221が少し上昇し、苗カートリッジ206を吊り下げる。そして、吊下げ体221が前進するとともに下降して、苗カートリッジ206を供給コンベヤ211の搬送始端部に移載する。 【0060】上記動作を繰り返すことにより、苗カートリッジ206は供給コンベヤ211の搬送路と戻しコンベヤ212の搬送路を循環移動する。そして、供給コンベヤ211により苗カートリッジ206が苗挿し位置Eまで搬送される間に、人手により苗カートリッジ206の各苗収容部261…に苗Nが一株づつ補給される。苗収容部261は上側に漏斗状であるので、苗補給を行いやすい。戻しコンベヤ212で搬送される苗カートリッジ206に苗Nを補給してもよい。苗Nの入った苗カートリッジ206が苗挿し位置Eまで移動すると、苗挿し装置204が後述する方法で苗カートリッジ206の各苗収容部261…から苗Nを取り出す。 【0061】苗箱供給装置203は、長手方向が前後を向く状態にアンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZを載せ、育苗ポットPZのピッチ分づつ間欠的にアンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZを搬送するようになっている。苗箱供給装置203は、苗挿し位置Eにおいて苗供給装置202の下側で、これと平面視で直角に交わるように設けられている。必要に応じて、空のアンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZを苗箱供給装置203に搬入する搬入コンベヤ231と、苗挿しされたアンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZを苗箱供給装置203から搬出する搬出コンベヤ232とが設置される。尚、アンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…内には培土が詰められ灌水されて少し硬めの泥状になっている。 【0062】苗挿し装置204は、苗カートリッジ206に収容されている苗Nを分けつ増殖用トレイTZに苗Nを挿すための把持ハンド241を備えている。この把持ハンド241は、押苗位置Eの後側にあり、全体が昇降アクチュエータ243により昇降、かつ前後移動アクチュエータ245により前後移動させられるようになっている。 【0063】把持ハンド241には、苗Nを把持するための左右一対で1組のフィンガアーム247L・247R…が苗カートリッジ206の苗収容部261と同数組設けられている。各フィンガアームの内面部にはゴム等のクッション材248が取り付けられている。左側のフィンガアーム247L…を支持する支持体、及び右側のフィンガアーム247R…と支持する支持体はそれぞれ別の開閉アクチュエータ249L・249Rに取り付けられており、両開閉アクチュエータが互いに逆向きに作動することでフィンガアームが開閉するようになっている。 【0064】また、把持ハンド241には、フィンガアーム247L・247R…の下側位置に、把持ハンド241とは別に設けた前ガイドプレート252と対になって苗把持時に苗Nの姿勢を固定する後ガイドプレート251が設けられている。この前ガイドプレート251は、一対のフィンガアーム247L・247Rの間に苗Nを導くように先端が平面視で鋸刃状になっている。前ガイドプレート252は上下2枚で1組となっており、前後移動アクチュエータ254により前後移動可能に設けられている。 【0065】また、苗挿し位置Eの上方には、苗頭部押えシリンダ255によって上下動させる苗頭部押え板256が設けられている。さらに、苗挿し位置E近傍の適正位置に、苗カートリッジ206の下端位置決め体266を退避位置へ退避させるための前記退避アクチュエータ257が設けられている。 【0066】次に、苗挿し装置204の動作について説明する(図33、図34参照)。供給コンベヤ211によって搬送される苗カートリッジ206が苗挿し位置Eまで移動してくると、苗頭部押え板256が苗カートリッジ206の上面に当接もしくは当接する寸前まで下降する(図33a)。これにより、葉が曲がっていたり、横に伸びた地下茎が存在する等の理由により苗Nが苗収容部261の途中に引っかかっている場合、当該苗Nの上端を苗頭部押え板256が上から押え、苗Nを下端が下端位置決め体266に当接するまで押し込む。 【0067】次いで、苗カートリッジ206に対応する所定の高さで待機していた把持ハンド241が突出すると共に、前ガイドプレート252が突出し、把持ハンド241の後ガイドプレート251と前ガイドプレート252とで苗N…の苗収容部261…から下方に出ている部分を把持する(図33b)。このとき、後ガイドプレート251の鋸刃状の谷の部分に各苗Nが嵌合し、苗Nの前後位置及び左右位置が位置決めされる。また、後ガイドプレート251の上下に2枚の前ガイドプレート252が位置し、苗Nの姿勢が乱れないように固定される。この状態で、フィンガアーム247L・247R…が閉じ、各苗Nを把持する。 【0068】さらに、前ガイドプレート252が後退した後、退避アクチュエータ257が作動して、下端位置決め体266を苗Nの下端を下側から支えない位置(図23において鎖線で示す)へ退避させる(図33c)。そして、昇降アクチュエータ243が作動して把持ハンド241が下降し、苗カートリッジ206の各苗収容部261から苗Nを下方に取り出す(図33d)。このように、苗Nの葉茎の伸長方向に沿って苗Nを取り出すので、苗Nに無理な力がかからず苗Nが傷まない。 【0069】苗Nを把持した把持ハンド241は、苗Nの下端が苗箱搬送装置203で搬送されるアンダートレー276に載置された分けつ増殖用トレイTZの上面よりも少しだけ上位となる高さまで下降する(図34a)。次いで、把持ハンド241が前進(図34b)した後、少し下動して把持している苗N…を分けつ増殖用トレイTZの左右方向に長い育苗ポットPZ内の泥状の培土に挿し込む(図34c)。把持ハンド241は苗箱搬送上手側から下手側へ移動するので、把持ハンド241が既に押苗されている苗Nと干渉しない。フィンガアーム247L・247R…が開いて苗N…を開放した後、把持ハンド241は後退してから(図34d)、初期位置へ戻る。 【0070】以上の各動作は図示しない制御装置で制御されている。苗カートリッジ206に苗Nを補給する作業者の人数、経験、疲労度等に応じて、各部の作動速度を任意に調節することができる。そして、苗供給装置202を苗挿し装置204の一側方に長く設けたので、苗挿し作業を行う場合に、作業者は楽な姿勢で長く設けた苗供給装置202に対して苗Nを供給することができて、苗挿し作業を正確かつ能率よく行える。また、苗供給装置202の長さを二人以上が作業できる長さに設定し、然も、両側から各々複数人の作業者が苗供給装置202に対して苗Nを供給することができるので、苗挿し機の苗挿しスピードを上げても苗供給装置202に対する苗供給が対応でき、苗挿し作業が高能率に行える。 【0071】そして、上記の苗挿し機201に用いられる培土は、山土とシラスとを9対1の割合で混合して乾燥装置Aにて乾燥したものであるから、比較的安価な山土に対してシラスを10%混合することにより、安価な培土を得ることができる。また、シラスを10%混合することにより、多数の育苗ポットP…を連設した育苗トレイTに培土を入れて灌水して、培土が少し硬めの泥状になった状態で用いて、上述のように育苗ポットP内の少し硬めの泥状の培土中にい草の苗Nの根部を挿し込む場合、シラスを10%混合した状態で灌水すると、い草の苗Nの根部を挿し込むのに最も適した流動性が得られるので、育苗ポットP内の泥状の培土に簡単に挿すことができ、また、い草の苗Nの根部を挿し込んだ時には苗Nの周りの培土を押し退けた状態となるが、シラスの持つ流動性により、すぐに培土が苗Nの周囲に戻り、苗Nを挿した後、苗Nの姿勢が安定して良好な苗挿し作業が行なえ、その後の苗育成も良好である。 【0072】また、原土とシラスとを混合乾燥した後に粉砕機Bにて粉砕するので、適切な粉砕が行なえると共に、回転篩Cにより粒径1.54mm以下のものの選別も適切に行なえる。そして、回転混合装置Dにて選別後の乾燥土と粉末状のベントナイトを混合するので、混合が均一に行なえて良質の培土を得ることができる。また、最終行程で粉末状のベントナイトを混合するのでベントナイトの無駄もない。(回転篩Cによる選別の前に粉末状のベントナイトを混合すると、回転篩Cで廃棄される土にもベントナイトが付いて排出されるので、無駄となる。)更に、大量に産出され安価なベントナイトの優れた吸水性により、多数の育苗ポットP…またはPZ…を連設した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZに培土として用いるとき、各育苗ポットP…またはPZ…での苗Nの育苗時の水管理が容易となり、良好な苗Nを容易に育成することができる。また、1%の粉末状のベントナイトを混合することにより、多数の育苗ポットP…またはPZ…を連設した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZに培土として用いると最も適した吸水性を発揮して、各育苗ポットP…またはPZ…での苗Nの育苗時の水管理が容易となり、良好な苗Nを容易に育成することができる。また、例え苗Nの根が絡み合うことによる根鉢の形成が少なくても、粒径が非常に細かい粉末状のベントナイトの粘結力が各育苗ポットP…の培土をポット形状に適正に固める作用をする(1%の粉末状のベントナイトを混合した場合が、最も苗の成育に害の少ない適した固め作用を発揮する)ので、苗育成後に機械移植する際、苗Nの根鉢部分が壊れにくく、即ち、培土のポット形状が壊れにくく、適正な圃場への苗移植作業が行なえる。(尚、ベントナイトを多量に用いると、固まり過ぎて根の成長に支障を来し苗の成長も劣る。逆に、ベントナイトの量が少ないと、固まり具合が悪くて成育後の苗を機械移植する場合に根鉢部分が壊れてしまって適正な機械移植が行なえない。従って、この培土は、苗の成育に及ぼす害が少なくて、然も、機械移植する場合には根鉢部分が壊れにくい適正な固まり具合となるようなベントナイトの量を用いている。)一方、山土とシラスとを混合乾燥した後に粉砕し、粒径が1.54mm未満のものを選別した培土であるから、取扱性が良くて多数の育苗ポットP…またはPZ…を連設した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZに培土を入れる作業が容易になる。 【0073】また、多数の育苗ポットP…またはPZ…を連設した育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZに培土を入れて灌水して、培土が少し硬めの泥状になった状態で用いて、その育苗ポットP…またはPZ…内の少し硬めの泥状の培土中にい草の苗Nの根部を挿し込む場合、前記シラスを加えたことによる作用に加えて、更に、育苗ポットP…またはPZ…内の泥状の培土に簡単に挿すことができる。 【0074】以上のように、この培土を育苗トレイTまたは分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットP…またはPZ…内に入れて灌水し、培土が少し硬めの泥状になった状態で、上記の苗挿し機201にて一株分のイグサ苗Nを各育苗ポットP…またはPZ…内の培土に挿すと、前記のとおり、姿勢良く然も適切にイグサ苗Nは各育苗ポットP…またはPZ…内の培土に挿される。そして、その後の成育も良好である。 【0075】次に、い草の苗Nを育苗トレイTの各育苗ポットP…に挿す作業について説明する。まず、育苗トレイTの構成を図35及び図36に基づいて説明する。育苗トレイTは、プラスチック製の可撓性を有するもので、複数の育苗ポットP…が縦横に所定の間隔で並び、各ポットP同士を開口部側で互いに連結している。育苗トレイTの左右中央部にはポットPとポットPの間隔が広い広間隔部Tcが設けられ、この広間隔部を挟んで各ポットPは同数づつの2郡に分かれている。育苗ポットPの底部には、切れ目Pcが形成されており、この切れ目Pcにより育苗時には余分な水が抜けると共に、苗Nの根がポットPから地面に延び出して地面から養分を吸って良好な成育をし、また、本田への機械による移植時にはこの切れ目Pcから苗押し出し体が入ってポットP内の苗Nを取り出せれるようになっている。 【0076】そして、この育苗トレイTは、前記アンダートレー276に載置されて、各育苗ポットP…内に前記の培土が詰められる。そして、灌水されてアンダートレー276に載置した育苗トレイTの各育苗ポットP…内の培土は少し硬めの泥状になった状態で、上記の苗挿し機201にて一株分(茎が2本乃至3本)のイグサ苗Nが各育苗ポットP…内の培土に挿される。育苗トレイTは、その外寸法及び形状が前記分けつ増殖用トレイTZと全く同じであり、然も、その各育苗ポットP…の底部の切れ目Pcは、分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…の底部の切れ目PZcと全く同じ形状で且つ同じピッチで配置されている。従って、上記の苗挿し機201にて、分けつ増殖用トレイTZと全く同様にして、各育苗ポットP…内の培土に一株分(茎が2本乃至3本)のイグサ苗Nを挿すことができる。 【0077】次に、本発明のい草の栽培方法の一実施例として、10aの圃場にてい草栽培して収穫する場合について説明する。先ず、12月にい草苗の親株を2本(または3本)の茎が1株になるように分けて、その株分けしたい草苗Nを分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に各々4株づつ合計120株(分けつ増殖用トレイTZには育苗ポットPZ…が64個あるので、120株は1つの分けつ増殖用トレイTZの半分程度の30個の育苗ポットPZ…を用いることになる)挿して(上記の例では、育苗ポットPZ…に土を入れた状態で苗Nを挿したが、育苗ポットPZ…に苗Nを挿した後から土を入れても良い)、そのい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて前述のように育苗する(図30参照)。尚、親株を株分けするのは、従来例に記したように大変な作業であるが、120株程度の株分けであるので、さほど時間はかからない。 【0078】そして、2か月後の翌年2月まで短期間育苗すると1株の茎数が10本程度にまで分けつしたまだ若い状態の苗になる。そして、2月に分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76ごと地面から剥がし取り(アンダートレー76から地面に延びた根は図32に示すようにワイヤ等で切断する)、育苗ポットPZの底部を押して30個の育苗ポットPZ…から30株の帯状ポット苗を取り出し(図37参照)、15枚の円盤カッター300a…を同軸で回転するようにした切断装置300でこの各ポット苗の根部を16等分に切る。すると、16等分された各根部には、2〜3本の茎がある状態となる(新芽も4等分された各根部に等分された状態となる。図39参照)。これは、い草苗Nを実施例のような狭い幅の育苗ポットPZで育苗(栽培)すると、根が伸びるのに育苗ポットPZ内壁に当たり、根が育苗ポットPZ内で渦状に伸びる為に(伸びた根に順次茎が生える)、育苗ポットPZ平面視で茎が育苗ポットPZに均一に生えて、育苗したポット苗を何のように16分割しても(無作為に16分割しても)16等分された各根部には、2〜3本の茎(及び新芽)がある状態となる。 【0079】このようにして30株のポット苗を16等分して、簡単に480株得ることができる。この短期間栽培したまだ若い状態の480株の苗Nを再び上記のように分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に挿して(1個の育苗ポットPZに4個づつ苗Nを挿すので、480株は120個の育苗ポットPZ…に挿すことになり、2個の分けつ増殖用トレイTZで挿せる)、そのい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて再び育苗する。 【0080】そして、2か月後の4月まで育苗すると1株の茎数が10本程度にまで分けつしたまだ若い状態の苗になる。そして、4月に同様にして分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76ごと地面から剥がし取り、育苗ポットPZの底部を押して各育苗ポットPZ…から120株の帯状ポット苗を取り出し、切断装置300でこの各帯状ポット苗の根部を上記と同様に16等分に切る。すると、16等分された各根部には、2〜3本の茎がある状態となる(新芽も4等分された各根部に等分された状態となる。)。 【0081】このようにして120株のポット苗を16等分して、簡単に1,920株得ることができる。この短期間栽培したまだ若い状態の1,920株の苗Nを再び上記のように増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に挿して(1個の育苗ポットPZに4個づつ苗Nを挿すので、1,920株は480個の育苗ポットPZ…に挿すことになり、8個の分けつ増殖用トレイTZで挿せる)、そのい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて再び育苗する。 【0082】そして、2か月後の6月まで育苗すると1株の茎数が10本程度にまで分けつしたまだ若い状態の苗になる。そして、6月に同様にして分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76ごと地面から剥がし取り、育苗ポットPZの底部を押して各育苗ポットPZ…から480株の帯状ポット苗を取り出し、切断装置300でこの各帯状ポット苗の根部を上記と同様に16等分に切る。すると、16等分された各根部には、2〜3本の茎がある状態となる(新芽も4等分された各根部に等分された状態となる。)。 【0083】このようにして480株のポット苗を16等分して、簡単に7,680株得ることができる。この短期間栽培したまだ若い状態の7,680株の苗Nを再び上記のように分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に挿して(1個の育苗ポットPZに4個づつ苗Nを挿すので、7,680株は1,920個の育苗ポットPZ…に挿すことになり、30個の分けつ増殖用トレイTZで挿せる)、そのい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて再び育苗する。 【0084】そして、2か月後の8月まで育苗すると1株の茎数が10本程度にまで分けつしたまだ若い状態の苗になる。そして、8月に同様にして分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76ごと地面から剥がし取り、育苗ポットPZの底部を押して各育苗ポットPZ…から1,920株の帯状ポット苗を取り出し、切断装置300でこの各帯状ポット苗の根部を上記と同様に16等分に切る。すると、16等分された各根部には、2〜3本の茎がある状態となる(新芽も4等分された各根部に等分された状態となる。)。 【0085】このようにして1,920株のポット苗を16等分して、簡単に30,720株得ることができる。この短期間栽培したまだ若い状態の30,720株の苗Nを最後には育苗トレイTの各育苗ポットP…に挿して(30,720株は120個の育苗トレイTで挿せる)、そのい草苗Nを挿した育苗トレイTをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて再び育苗する。 【0086】そして、2か月後の10月まで短期間育苗すると1株の茎数が10本程度にまで分けつしたまだ若い状態の苗になる。このようにして、10aの圃場でい草栽培するのに必要な苗株数(25,000株〜27,000株)を得ることができる。そして、10月に同様にして育苗トレイTをアンダートレー76ごと地面から剥がし取り、10月にこの育苗トレイTを前記苗移植機1の苗載台30に載置してい草苗を圃場に植付ける。 【0087】そして、翌年の7月から8月初旬まで栽培して、収穫する。尚、10月に圃場に移植した収穫用の苗のうち、12月に次の栽培工程で収穫するためのい草苗を最初に述べたように掘り起こして、株分けしたい草苗を育苗トレイTの各育苗ポットP…に挿して栽培する。若しくは、次年度用に必要な苗株数だけ、本田に植付けないで分けつ増殖用トレイTZにて育苗しても良い。 【0088】以上のように、育苗ポットPからポット苗を取り出し、その根を解きほぐすことなく切断装置300若しくは包丁等でこの各帯状ポット苗の根部を単純作業で16等分に切るのみで、16等分された各根部には、2〜3本の茎がある状態となる(新芽も16等分された各根部に等分された状態となる)から、株分け作業が容易に且つ短時間で行える。また、これを育苗ポットPZまたはPに挿す作業も、帯状ポット苗の根部を16等分に切ったものを挿すので、その形状が一定であり手作業でも挿し易く、然も、挿し苗の形状が一定であるから機械適応性が良くて前記の苗挿し機201にて機械挿しする場合にも安定して良好なる苗挿し作業が行える。 【0089】そして、上記のように、帯状ポット苗の根部を16等分に切ったものを育苗ポットPZまたはPに挿して育苗する工程を繰り返すことにより、必要とする多数の苗株を容易に得ることができ、効率の良いい草苗の栽培が行える。また、上記実施例では、育苗ポットPZから取り出したポット苗の根部を切断装置300で16等分に切る例を示したが、育苗ポットPZから自動的に帯状ポット苗を取り出して(例えば、前記の苗移植機1の苗取出装置33のような形態で、苗押出しピン…を育苗ポットPZに底面側から挿入して苗を押し出して取り出す構成)、それを切断装置300まで移送して順次16等分に切断していくような機械を用いて帯状ポット苗を自動的に16等分するようにすれば、より効率的である。【0090】一方、従来例で記したように、8月にい草苗Nを育苗トレイTの各育苗ポットP…に挿して10月まで栽培する際にい草苗が枯れてしまうと謂う現象が多発する。この原因を栽培テストを繰り返し試行錯誤して研究してみると、い草苗は高温に弱くて、夏になって気温が30度以上になると圃場の地温が上昇して枯れてしまうことが多いことが解明できた。 【0091】そこで、上記の実施例では、い草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま地面に置いて育苗する例を示したが、水を溜められる栽培槽を用意して、この栽培槽の片側から供給制御バルブにて水の供給が制御される灌水装置にて水を供給し、その他方側から排出制御バルブにて水を排出するように構成し、この栽培槽内にい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま置いて育苗する。この育苗時に、供給制御バルブを開いて灌水装置にて水を常時少量づつ供給し、排出制御バルブにて所定量以上の水が栽培槽内に溜まらないように制御する(所謂、プール栽培法)と、絶えず分けつ増殖用トレイTZのい草苗Nは新しい水に浸かった状態となっている為に、夏場に気温が30度以上になっても、苗の根部の温度が上昇せず苗が枯れることがなく、良好な苗の栽培が行える。 【0092】また、時折、供給制御バルブを閉じて排出制御バルブを開いて、栽培槽内の水を全て抜いてやり、苗の根を乾かして水が欠乏した状態に短時間してやると、苗の気孔は閉じて危機状態になる為、苗が危機状態に慣れて強い苗に生育して枯れにくくなる。また、水分が欠乏するので、苗の芯部分も硬くなり、い草としては良質の苗になる。 【0093】一方、上記のように若い状態の苗株を茎数が2本(または3本)になるように分けて育苗ポットPZまたはPに挿して育苗することを複数回行なうことにより、い草苗の習性が変わり、上記で10月に圃場に移植して翌年の7月まで最後の栽培をする時、図40に示すように、1本のい草苗は分けつして茎数が増えて成長していくが、その時、水平に近い角度で分けつして茎が増えていく習性になっており、従って、分けつが進みい草を収穫する時期になると、図41に示すように、い草の茎は側面視で全体が略同じような茎の長いものに成育する(い草の苗株全体としても、中央部と周囲の茎の長さの差が少なくて、全体が略同じような茎の長いものに成育する)。従って、この育苗ポットPZまたはPを用いた栽培方法によると、市場で求められている長い品質の良いい草の収量が増える。尚、上記のい草苗の習性の変化は、試行錯誤した結果、実施例の育苗ポットPZまたはPのように幅の狭い帯状若しくは小さな円筒形状(横断面形状が円状)のポットが最適であった。これは、育苗ポットPZまたはP内でい草苗が分けつする時に、根がポット内壁に沿って一定の方向に伸び、従って、分けつする茎も整然と増えて行くことが要因と考えられる。 【0094】然も、この育苗ポットPZまたはPを用いた栽培方法によると、分けつする茎間の距離X1は前記図42に示す従来方法での茎間の距離X2よりも短くなり(小さな育苗ポットで複数回育苗したことにより、狭い領域で分けつする習性がついて、分けつ茎間が短くなったものと考えられる)、圃場で栽培するとき茎間が狭いので茎は密集した状態となり、真上から当たる日光を求めて茎は上方にまっすぐに伸び、茎の長さが長くなる。そして、密集した状態での成育であるから、茎は細くて硬い状態に成育する。今、市場で品質が良いと求められているい草は、長くて・細くて・硬いものであり、従って、この育苗ポットPを用いた栽培方法によると、長くて・細くて・硬い良品質のい草を得ることができる。 【0095】尚、この育苗ポットPを用いた栽培方法によると、図44に示すように、い草の茎の断面において、軟らかい芯部分Sが小さくて茎外側の硬い部分Hが厚くなっている(従来の栽培方法では、図45に示すように、芯部分Sが大きくて茎外側の硬い部分Hが薄い)ので、硬いい草を得ることができたのである。 【0096】要するに、株分けした苗を幅狭い育苗ポットPZまたは小さな育苗ポットPにて育苗したものを再び株分けして育苗ポットにて育苗し、そのサイクルを繰り返した後に、圃場に移植して栽培するい草の栽培方法としたものであるから、長くて・細くて・硬い良品質のい草を得ることができると共に、長いい草の収穫量が増える。 【0097】尚、実施例では、最初の12月の株分け作業を圃場にて栽培した親株を掘起して株分けする例を示したが、前回に分けつ増殖用トレイTZにて育苗したものを置いておき、最初から、分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…からポット苗を取り出して16等分に切って株分けをするようにしても良いことは謂うまでもない。 【0098】また、上記の株数を増やす例では、最初に12月から始める例をしめしたが、例えば、2月から始める場合には、1株に2〜3本の茎(及び新芽)がある480株の苗Nを分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に挿して(480株は2個の分けつ増殖用トレイTZで挿せる)、そのい草苗Nを挿した分けつ増殖用トレイTZをアンダートレー76に載置したまま育苗し、その後は、上例と同様に2ヶ月毎のサイクルで10月までに10aの圃場でい草栽培するのに必要な苗株数(25,000株〜27,000株)を得るようにしても良い。 【0099】また、上記の実施例では、分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に2〜3本の茎(及び新芽)がある苗を挿してそれを2ヶ月間育苗する例を示したが、分けつ増殖用トレイTZの各育苗ポットPZ…に4〜5本の茎(及び新芽)がある苗を挿すようにすれば、1個の育苗ポットPZに上例の倍の茎(及び新芽)がある苗になり、それを32分割すれば得られる株数が上記の例の2倍になるので、2ヶ月毎の育苗サイクル回数を減らせることができる。 【0100】最後に、育苗ポットによる複数回の育苗にて株数を増やし、その株分けも容易で(機械によるポット苗の根部の切断をすれば、更に効率的)、その上、苗挿し機201を用いて機械による効率的な苗挿し作業と苗移植機1による効率的な機械移植作業と謂うように、い草苗の株数を増やす作業・育苗ポットへの株挿し作業・圃場への移植作業の機械一貫体系でのい草栽培の省力化が行えて、い草栽培に多大なる貢献をするものである。 【0101】尚、上記の分けつ増殖用トレイTZを用いないで育苗トレイTのみを用いて、育苗ポットによる複数回の育苗にて株数を増やす作業を行う場合には、育苗トレイTの育苗ポットPは円柱形状であるから、株を切断する際に切断しにくいという課題がある。そこで、円柱形状の育苗ポットPで育成した株を切断する際には、株部(土部)を平らな板等で押して(茎は痛まないように土部のみを押す)、株部を平板状にすれば、簡単に作業性良く包丁やカッターなどで等分することができる。また、自動的に切断する機械を用いる場合でも、先ず、株部(土部)を平板状にしてから切断するようにすれば、機械化も容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−291347(P2002−291347A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−104896(P2001−104896) |
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