| 【発明の名称】 |
キノコの収穫器具及びキノコの栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】木下 順一
【氏名】丸山 博康
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| 【要約】 |
【課題】商品価値を低下させることなく、キノコの収穫が簡便に出来るキノコの収穫器具及び栽培方法を提供する。
【解決手段】本発明のキノコの収穫器具10は、キノコの栽培瓶20の瓶口21に取り付け、装着したままキノコを生長させ収穫時期に栽培瓶20から引き離すことで生長したキノコ30を収穫する。その構成は、栽培瓶20の瓶口21が脱着自在に嵌入する収穫穴13が設けられた支持体11と、収穫穴13をその平面内で複数に区分し、支持体11に起立させて取り付けた仕切り板12とを備えていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キノコの栽培瓶の瓶口に取り付け、瓶口から生長したキノコを収穫する際に使用するキノコ栽培用収穫器具であって、前記栽培瓶の瓶口が脱着自在に嵌入する収穫穴が設けられた支持体と、前記収穫穴をその平面内で複数に区分し、前記支持体に起立させて取り付けた仕切り板とを備えていることを特徴とするキノコ栽培用の収穫器具。 【請求項2】 前記支持体が、栽培瓶を収容するコンテナの平面領域を覆う大きさに形成され、前記収穫穴が、コンテナに収容された各々の栽培瓶の瓶口と同一の平面配置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の栽培用の収穫器具。 【請求項3】 前記支持体に、通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のキノコの収穫器具。 【請求項4】 前記仕切り板に通気用の溝が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載のキノコの収穫器具。 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のキノコの収穫器具を、コンテナに栽培瓶を収納した状態で該栽培瓶の瓶口に収穫穴を位置合わせして装着し、前記収穫器具を取り付けた状態のままキノコを生長させ、キノコが収穫に充分な大きさまで生長したところで前記収穫器具を前記栽培瓶から引き離すことによって個々の該栽培瓶からキノコを収穫することを特徴とするキノコの栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は栽培瓶で栽培されるキノコの収穫に便利な、キノコの収穫器具及びキノコの栽培方法に関する。 【0002】 【従来の技術】キノコの収穫に際しては、株状に生長したキノコを、人手によって根元からもぎとるようにしたり、収穫用のへらを用いて培養基からキノコを浮かせて収穫したり、圧縮エアによってキノコを培地から剥離させて収穫したりする方法が行なわれている。また、キノコの包装作業では、収穫したキノコを一定のグラム数となるようキノコを小分けにして袋詰めしたり、トレイにパックしたりしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】キノコの包装作業は手作業によって行なわれ、極めて手間がかかることから包装作業を簡素化するために株状に生長したキノコを小分けせずに、1株ごと包装する方法も行なわれている。このように株のまま包装する場合は、株をあまり大きくすることはできないから、栽培瓶の容量や瓶口の大きさを小さくしたり、培養基の分量を減らすといったことが行われる。しかしながら、キノコの生産効率を考えると、ある程度の容積を有する栽培瓶を使用してキノコを生長させる方が有効である。 【0004】そこで本発明は、これらの課題に注目してなされたものであり、その目的とするところは、従来使用している栽培瓶を用いてキノコを栽培する方法であって、キノコの収穫作業が簡便にでき、キノコの包装作業を容易にして、商品価値の高い商品を提供することができるキノコの栽培方法及びこれに用いる栽培用具を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために次の構成を備える。すなわち、本発明のキノコの収穫器具は、キノコの栽培瓶の瓶口に取り付け、瓶口から生長したキノコを収穫する際に使用するキノコ栽培用収穫器具であって、前記栽培瓶の瓶口が脱着自在に嵌入する収穫穴が設けられた支持体と、前記収穫穴をその平面内で複数に区分し、前記支持体に起立させて取り付けた仕切り板とを備えていることを特徴とする。これにより、仕切り板で容易にキノコの株を分けることができ、キノコの採取が簡便に行なわれる構成のキノコの収穫器具となる。 【0006】また、本発明は、前記支持体が、栽培瓶を収容するコンテナの平面領域を覆う大きさに形成され、前記収穫穴が、コンテナに収容された各々の栽培瓶の瓶口と同一の平面配置に設けられていることを特徴とする。これによりコンテナごとに収穫器具が設置され、キノコの採取がコンテナ単位で簡便に行なわれる。また、前記支持体に、通気孔が形成されていることを特徴とし、空気の流通を良くし、湿度の高い環境下でも水滴が出来ることがない。また、前記仕切り板に通気用の溝が設けられていることを特徴とし、キノコと仕切り板との間の空気の流通を良くし、湿度の高い環境下でも水滴が出来ることがない。 【0007】また、キノコの収穫器具を、コンテナに栽培瓶を収納した状態で該栽培瓶の瓶口に収穫穴を位置合わせして装着し、前記収穫器具を取り付けた状態のままキノコを生長させ、キノコが収穫に充分な大きさまで生長したところで前記収穫器具を前記栽培瓶から引き離すことによって個々の該栽培瓶からキノコを収穫することを特徴とする。これによりキノコの株を確実に分断し、一度に多数の株のキノコを簡便に採取することができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施の形態を添付図面と共に詳細に説明する。図1は、本発明によるブナシメジ用の収穫器具10の、実施の形態を示す斜視図であり、図2は収穫器具10の使用状態を示す斜視図である。 【0009】図1に示されるように収穫器具10は、板状に形成された支持体11と、支持体11に設けられた複数の収穫穴13と、その収穫穴13の開口部16を二等分する仕切り板12から成る。ここで開口部16とは、収穫穴13が開けられている円形部分の、支持体11の栽培瓶が配置される側とは反対側の上面を示す。このような構成による収穫器具10は、図2に示すようにキノコ栽培用の栽培瓶20を複数個コンテナ40内に並べた状態で、栽培瓶20の瓶口21上に水平に載せられて使用される。この時収穫穴13を貫通して上方へと露出した瓶口が、仕切り板12を支持することで収穫器具10は栽培瓶20上に保持されている。 【0010】こうして使用される収穫器具10の収穫穴13の位置は、コンテナ40内に収納された複数の栽培瓶20の、瓶口21の配置と同一の配置に設ける。さらに瓶口21の外径寸法と収穫穴13の内径寸法は同程度に円形に形成する。また仕切り板12は収穫穴13の開口部16を通過して二等分するように、支持体11に対して垂直に起立させて配設する。図1においては、複数の開口部16を1枚の仕切り板12で二等分できるように支持体11の端から端に渡って設けた。さらに仕切り板12の高さは15mm程度が好適である。高すぎるとキノコの生長の妨げになるが、キノコが生長する際に、仕切り板12の上を跨って伸びない程度の高さが必要である。株を別にするべく仕切り板12で分けられたキノコが、生長してお互いに絡み合うと、それを解くためにキノコがばらばらになってしまうからである。 【0011】さらに収穫器具10には、図3及び図4に示したように支持体11の、仕切り板12を配設した面とは反対面側に、瓶口21の外周面が嵌入されるよう短筒状に形成した瓶口固定部14を設けた。これは、収穫器具10を栽培瓶20に設置した際には、瓶口21と収穫穴13の位置が合致して保持され、収穫器具10を外す際には上方へ持ち上げるだけの操作で容易に外すことが出来るようにするためのものである。 【0012】次にこのような構成による収穫器具10を用いた場合の、ブナシメジの栽培方法について図3、4を用いて説明する。培養基25の準備、培養基25の殺菌、接種等は従来と同様に行い、接種の後には、栽培瓶20内部に菌糸が充分に蔓延するのを待って菌掻き作業が行なわれる。ブナシメジの場合は図8のように培養基25の発芽面の中央を盛り上げて菌床面を一部残すようにして山形に菌掻きをする。しかし、本発明においては、仕切り板12によって区分けされた部位により差が生じないよう発芽面全体から均等に発芽させるため、培養基25の表面を平に菌掻きをして、キノコ30を瓶口21いっぱいに満遍なく広げて生長させる。エノキダケのように菌床面全体を平らに菌掻きするキノコの場合は、従来通りの菌掻き方法でよい。 【0013】その後、キノコ30が発芽し成長し始めた時期に、図2に示すようにコンテナ40ごとに収穫器具10を設置する。図3は収穫器具10を設置して子実体が生長し始めた時期を示す。キノコ30が瓶口21から外部に伸び始め、どちらの方向に伸びていくかがある程度予測できるぐらいに生長した時期に収穫器具10を設置するのが良い。設置する際は、キノコ30の量が仕切り板12で左右略2等分されるようにキノコの量を見ながら栽培瓶20を回転して調整すると良い。前述の菌掻き作業で培養基25が平に均され、キノコ30が瓶口21一杯に満遍なく広がって発芽しているので、容易に二等分することが出来る。この後収穫器具10は、キノコ30が収穫される時期まで、栽培瓶20の上にそのまま設置されて保持される。 【0014】図4はブナシメジの子実体30aが生長して収穫時期となった状態である。収穫器具10は、薄い板状に形成されており、キノコが伸びる方向に妨げとなるような、或いは空気の流れをとざすような形状になっていないので、通常の栽培瓶だけによる生長と同様の速さで生長させることができる。収穫するのに充分な大きさに成長したキノコ30は、収穫器具10を水平に支持してそのまま上方(図4の矢印方向)に持ち上げることで収穫することができる。この操作だけで栽培瓶20からキノコ30が抜け出て、栽培瓶20はそのままコンテナ40内に残り、キノコ30は収穫器具10上に保持されて収穫器具10ごと一度に複数の株のキノコ30を採取することが出来る。 【0015】この時、子実体30aは瓶口21から水平方向の支持体11上に広がって伸びており、さらに仕切り板12に密着して生長しているので、収穫器具10からは簡単に外れず、キノコ30の形はそのまま保たれて採取される。しかし根元部分30bは、栽培瓶20内の培養基25から容易に抜けるので、根元部分30bごと栽培瓶20から簡単に採取されるものである。 【0016】この時点では仕切り板12が、子実体30aの根元付近に挿入された形であり、根元部分30bは依然として一塊となって1つの株を形成している。そこでキノコ30を収穫穴13から上方へ根元から引き抜くか、あるいは根元部分30bを図4の矢印方向へ押し出すことで、解れ易い根元部分30bは、自動的に仕切り板12で切断されることになる。この時、分断された子実体30aの上方は、仕切り板12によって分けられて互いに絡み合わずに生長しているので円滑に2つに分断される。こうして分断されたキノコ30は、それぞれ根元の部分で繋がっており、バラバラにならずに2つの株として採取される。 【0017】その後根元についている培養基を落とし、プラスチックフィルムで密封されて商品となる。ブナシメジの栽培では、1瓶で180〜200g程度収穫できるので、半分に分割することで90〜100g程度に分割され、計量せずにそのまま包装することができる。こうして包装された商品は株状にまとまって提供されるので、キノコの自然の状態であり、傷みにくく、バラバラにして計量している従来のキノコの商品と差別化され商品価値が上がる。 【0018】上記のようにしてキノコ栽培に使用される収穫器具10は、その他様々に設計変更可能である。前述の実施の形態では支持体11は板状に形成されるが、網状に、或いは板体に通気孔を設けて形成しても良い。網状或いは通気孔を設けることによって、コンテナ40の内と外の空気の流通が良好となり、湿度の高い環境下でも支持体11に水滴がたまったりせず、雑菌等の繁殖も防止できる。さらに収穫穴13を形成する枠と、その枠どうしを連結する連結部から成る構成としても良く、これによれば確実に空気の流通が行なわれるようになる。そして支持体11と同様に通気を良くするために、通気溝として仕切り板12の両面に縦溝や横溝を設けても良い。支持体11と同様にキノコ30と仕切り板12との間に空気が流通し、水滴が溜まるのを防止する。 【0019】収穫穴13の位置は、コンテナ40内に収納される栽培瓶20の本数及び配置に応じて決められる。よってスペース的にあるいは栽培方法において、効率のよい栽培瓶20の並べ方に対して位置決めされれば良く、その数についても限定されない。 【0020】さらに、収穫穴13の大きさが瓶口21の大きさよりも大きいか或いは同じ程度の場合について述べてきたが、支持体11が瓶口21で支持されるように、支持体11の下方から伸びるキノコ30の生長に影響がない程度に、収穫穴13の大きさを瓶口21よりも小さく形成しても良い。この場合の収穫穴13の形状は、図1に示すように瓶口21の形状にあわせて円形でも良いが、後に採取されるキノコが、収穫穴13の大きさいっぱいに広がって生長し、収穫穴13の形状はキノコの形状に影響することから、図6のようにしても良い。これは、収穫穴13の開口部16である円の部分が、仕切り板12に接している部分で、仕切り板12を中心に左右対称に丸みを持たせたものである。このような形状にすると、仕切り板12によって2つの塊に株が分けられたキノコの根元付近の形状が、丸みを持って束ねられたようにまとまり、見た目にも自然で無理が無く、商品価値が上がるものである。 【0021】仕切り板12については、1つの収穫穴13に対して1枚ずつ設けても良い。さらに図5に示すように、開口部16が4等分されるように、十字に設けても良く、等分される数は限定されない。そして等分ではなく、開口部16の区分けされた部分の面積を変えれば、それぞれの区分けされた面積に応じた量のキノコの塊である株ができ、一度に量の違う多種類のキノコの商品を作ることが可能となる。 【0022】また、開口部16だけを区分するのではなく、収穫穴13の内部も区分けされるように、仕切り板12を収穫穴13内部に嵌め込まれるように形成すれば、より確実に株を分けることができる。それ以上に栽培瓶20の瓶の首22内にまで挿入されるように形成すれば、収穫の際に根元部分30bの大部分で既に切断された状態のキノコができ、効率良く採取が行われる。さらに図1に示した実施の形態においては、栽培瓶が12個収容可能なコンテナ40を1単位として収穫器具10を形成したが、様々な大きさのコンテナに対応可能なように、小型の収穫器具10の端部に接続構造を設けても良い。複数の小型の収穫器具10を、接続構造によって水平に隣接させて接続させることで、大きなコンテナ用の収穫器具10とすることが出来る。 【0023】そしてコンテナ40との固定をより安定化させるために、収穫器具10とコンテナ40を連結させる連結部を収穫器具10に設けても良い。これによれば、コンテナ40ごと収穫器具10と栽培瓶20を移動させる場合に、収穫器具10が確実にコンテナ40に固定されているので落下することがない。 【0024】また、瓶口固定部14は、瓶口21と収穫穴13が連通された状態で保持可能なように、瓶口21が嵌め込まれる形状に、支持体11の収穫穴13の周囲に沿って厚さを設け、ストッパーとしたものである。その瓶口固定部14を、収穫器具10を持ち上げても栽培瓶20が離れない程度に固定し、保持可能な保持機構とし、その保持と開放が自由に成される構成とすることで、持ち運びのための、コンテナ等の収容箱も不要となる。 【0025】以上のような構成による収穫器具10は、なめこ、ひらたけ、まいたけ、しめじ類等の菌柄が比較的短くて太めのキノコに適するが、エノキダケのようにキノコの成長段階で紙巻きを行う場合は、図7に示したような構成が用いられる。エノキダケの場合、垂直で長く白い菌柄のキノコを得るために、キノコが瓶口から3cmくらい伸びた時点で、瓶の首22に長さ7〜8cmぐらいの扇型の紙を巻くが、この紙巻きをすることを考慮にいれて作製されたのが図7の収穫器具10である。 【0026】栽培瓶1つずつに対して収穫器具10を作成した。この収穫器具10は、支持体11の中央に収穫穴13を有し、収穫穴13の周縁から上方に筒状に延びた支持筒部15が設けられている。支持筒部15内部には、仕切り板12が収穫穴13を二分するように、支持体11に対して垂直に立設され、支持筒部15内壁に固定されている。その他の構成は前述同様であり、支持体11の図示されない栽培瓶20側の面には瓶口固定部14が配設されている。 【0027】このような構成による収穫器具10は、前述同様にキノコが成長して栽培瓶20の外部に出始めたころに栽培瓶20の1つずつに載せて設置する。その後紙巻きは、この支持筒部15の外壁に紙を巻き付けることで行なわれるが、その時期はキノコが支持筒部15から飛び出し、撓み始めるころとするのが良い。紙巻きを行った収穫器具10は、収穫までそのままの状態で保持される。収穫方法については、前述と同様に瓶口21から収穫器具10を外すことで行なわれ、紙巻きの紙を取り外した後キノコを根元から引きぬくと、根元部分で分断された2つの株のキノコが採取される。 【0028】 【発明の効果】本発明に係るキノコの収穫器具によれば、栽培瓶で株状に生長したキノコを、株をくずすことなく小さく小分けして収穫することができ、株のまま包装することが可能となって見栄えが良く、傷みにくくなって商品価値を高めることができる。また、従来の栽培瓶を使って効率的な栽培が可能であり、さらに株を小分けする作業が簡単にできて包装作業も効率化できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398029599 【氏名又は名称】みなみ信州農業協同組合
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077621 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−291335(P2002−291335A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月8日(2002.10.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−99755(P2001−99755) |
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