| 【発明の名称】 |
植栽ブロック |
| 【発明者】 |
【氏名】河井 章
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| 【要約】 |
【課題】ビル屋上やマンションのベランダ等の広い面積に適合し、土壌を使用せず、軽量で、取扱い容易、かつ敷設面積に容易に合致させるよう加工性のよい植栽ブロックを得る。
【解決手段】植栽ブロックA1 又はA2 は、1つの水受け皿1を畳一枚又はその1/2程の大きいサイズとし、これに+の中間支持台2、多孔質セラミックスの植栽ボード3を嵌合して形成され、このようなブロックを設置場所の広さに応じて数個又は数10個分組合わせて敷設する。各ブロックA1 又はA2 は、主要部分は水受け皿1、中間支持台2、植栽ボード3の断面構造であるが、その外周辺には水受け皿1上に多孔質セラミックスの緻密ボード3’と植栽ボード3を重ねた断面構造であるため、切断加工が容易で、設置場所の形状に合わせて容易に加工される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の多角形状の凹部を互いに規則的に隣接して所定面積広さに形成した水受け皿と、上記凹部形状にそれぞれ相似形の複数の中間支持台及び複数の多孔質セラミックス製の植栽ボードとを備え、水受け皿の各凹部に中間支持台を挿置し、その上に植栽ボードを載置して植栽ボードを支持するように構成した植栽ブロック。 【請求項2】 前記中間支持台に複数の挿通孔を設け、植栽ボードの下面に水受け皿底面へ延びる脚部を上記挿通孔に対応して複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の植栽ブロック。 【請求項3】 前記水受け皿の凹部を、それぞれの凹部が六角形状で、かつ互いに規則的に隣接して形成されたハニカム構造としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の植栽ブロック。 【請求項4】 前記水受け皿の複数の凹部のうち特定引用にのみ多孔質セラミック製の緻密ボードと多孔質セラミック製の植栽ボードを嵌合させ、これらボードの任意の位置で切断してブロックを形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の植栽ブロック。 【請求項5】 前記水受け皿の凹部外周辺のランド部と植栽ボード外周辺の下面との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の植栽ブロック。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ビル屋上や家庭のベランダで土壌等を使用せずに芝生等を植生するのに用いられる植栽ブロックに関する。 【0002】 【従来の技術】ビル屋上や家庭のベランダで植物を育生し、環境の緑化への取組みが種々行われている。このような植物の育生には、自然土壌や人工土壌が従来から使用されているが、これに代わるものとしてポーラスコンクリートのブロックの空隙部に人工土壌を含む培養土を充填し、これらブロックに植物を育生して床面、壁面、あるいは法面などに設置し、緑化をする方法が多数提案されている。その代表的なものとして特開平11−323882号公報(公報1)による「ポーラスコンクリート部体」の発明がある。 【0003】上記公報1の「ポーラスコンクリート部体」は、ポーラス孔とは別に口径が5〜80mmの独立又は連続した空隙穴を形成し、これらをポーラス孔と連通して形成したものである。このポーラスコンクリート部体は、代表的な形態としてブロック形状に成形し、これに客土、覆土などで土壌を空隙穴に充填し、植物を根付かせるように使用される。 【0004】土壌材を用いずに植物を植栽することができる基盤材の一例として、特開2000−92978号公報(公報2)の「無土壌植栽用セラミックブロック及びその使用方法」の発明が知られている。このセラミックブロックは、表面に植物を直接植栽することができる軽量のブロックであり、土壌材を用いずに植栽ができるとされている。 【0005】上記公報1のポーラスコンクリート部体は、ポーラス孔と空隙穴が形成されてはいるが、素材がコンクリート材であるため重量がなお重く、土壌を充填して植栽するため土壌が流出し、植物が枯れてしまう。又流出した土壌により排水口が目詰まりするなどの問題がある。このような問題に対処するため、公報2のセラミックブロックは、軽量であって土壌を使用せず植物を植栽できるとしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ビル屋上や家庭のベランダ等で植物を育生するのに用いられる植栽ブロックは、運搬の便や設置後の床面への悪影響を避けるためにも軽量とするのが好ましい。植栽ブロックを設置する場所は、大きなビルの屋上全部が対象というような広い面積部の所やそのごく一部の小面積部の所など広さが種々異なる。小面積部では例えば300〜450角のような小さいブロック単位の方が配置や運搬の都合などから適している。 【0007】しかし、このような小面積部用のブロック単位の植栽ブロックを広い面積部にそのまま使用すると、ブロックとブロックの繋ぎ箇所が増える等により施工の際作業に手間が掛かり過ぎるという施工上の問題が生じる。そこで、ブロック単位の大きい植栽ブロックを設計する必要が生じるが、しかし単にブロック単位を小面積用のものを相似的に大きくし、面積が大きいものとするだけでは強度が低下し、特に軽量ブロック用に用いられる多孔質セラミック系のブロックでは、持上げたり、設置の際に傾いて置かれたりするとブロックが破損したりする。従って、軽量で広い面積にも適合し、加工性の良い植栽ブロックが所望されている。 【0008】この発明は、上記の問題点に留意して、ビル屋上やマンションのベランダ等の広い面積に適合し、土壌を使用せず軽量で、取扱い容易、かつ敷設面積に容易に合致させることができる加工性のよい植栽ブロックを提供することを課題とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を解決する手段として、複数の多角形状の凹部を互いに規則的に隣接して所定面積広さに形成した水受け皿と、上記凹部形状にそれぞれ相似形の複数の中間支持台及び複数の多孔質セラミックス製の植栽ボードとを備え、水受け皿の各凹部に中間支持台を挿置し、その上に植栽ボードを載置して植栽ボードを支持するように構成した植栽ブロックとしたのである。 【0010】上記構成の植栽ブロックは、広い設置面積に適合するブロックとして各構成部材の構造及び断面が形成されている。基本的にはブロック1つの大きさとして畳1枚又はその1/2程度として形成されるが、これより少し大きくても小さくてもその大きさは任意である。ビル屋上やマンションのベランダなどの広い面積場所に設置する場合、上記ブロックを数個又は数10個分を互いに隣接して設置する。 【0011】多数の凹部は殆ど完全形の多角形状であるから、これら凹部には中間支持台を載せ、さらにその上に多孔質セラミックス製の植栽ボードを載置して設置する。植栽ボードの下面から下向きに脚部を設けた植栽ボードを用いる場合は、その脚部が水受け皿に予め給水された水に水没し、この脚部を介して植栽ボードに給水される。植栽ボード、脚部はそれぞれ多孔質セラミックスで形成され、その内部には微細な連通気孔が形成されているため、水没した脚部から連続する気孔を通じて毛細管現象により水の重力に打ち勝って上へと上昇し植栽ボードへと水が供給され、植栽ボードに給水がなされる。 【0012】上記脚部を有する植栽ボードを用いる場合は、散水は不要であるが、雨水や散水を水受け皿に溜め、この溜水の蒸発で植栽ボードに給水する形式の場合は、給水のための脚部は不要である。このような植栽ブロックは、土壌を使用することなくビルの屋上やベランダで芝生等の植物を育成することができる。芝生を育成する場合は、予め植栽ボードのみを外して外部で芝生を植付けし、ある程度育成された状態で適当数の植栽ボードグループを次々とそれぞれの中間支持台上に置き設置するとよい。 【0013】この植栽ブロックを定形サイズの所定面積広さに形成する場合、その面積の殆どに完全形の多角形状の凹部が形成されるが、外周辺には寸法を合わせるために不完全形の凹部が生じる。これらの凹部は定形寸法より少し大きいサイズで形成し、これら凹部に中間支持台を省略しその代わりに多孔質セラミック製の緻密ボードとその上に植栽ボードを載置し、この外周辺を定形寸法線に沿ってカッタで切断して定形サイズのものを製作する。緻密ボードは、植栽ボードの加工時の約1.5倍程の大きい加圧力で加圧が加工されたものである。このような周辺構成とするとカッタによる切断加工が容易であり、加工性がよい。 【0014】又、定型サイズに製作した植栽ブロックを使用すると、設置場所の面積、形状によっては定型サイズの植栽ブロックを任意の位置で切断する必要が生じることがある。このような時も、その切断しようとする線上に完全形の植栽ボードが載置されていれば、その線上の植栽ボードの下の中間支持台を緻密ボードに代えて植栽ボードをその上に置き、全体を一体として切断すべき線上で切断すると加工が容易で、設置場所の広さ、形状に正確に合致させることができる。 【0015】 【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に実施形態の植栽ブロックの外観斜視図、図2に図1の矢視II−IIから見た断面図を示す。図示の植栽ブロックA1 、A2 は、A1 の長さがA2 の2倍であるだけで断面構造、材質は全く同一のものであり、それぞれ所定企画の定形サイズのブロックとして形成されたものである。上記ブロックA1 、A2 はそれぞれサイズが1800×900mm、900×900mmの長方形、正方形のものである。以下ではブロックA1 について主として説明する。ブロックA1 は、図示の定形サイズの大きさの水受け皿1の上に、図2に示すように、中間支持台2を置き、その上に多孔質セラミックス製の植栽ボード3を載置したものから成る。 【0016】上記水受け皿1は、規格サイズ(1800×900)より少し大きい寸法に形成されたものを、後で説明するように、その外周辺の不要部分を切断して図1、図4に示す規格サイズのものとして形成される。この水受け皿1には多角形状(図示の例では六角形)の凹部1aが複数箇所、互いに規則的に隣接して所定面積広さに形成されている。但し、凹部は完全形状(六角形のような多角形)のもの以外にも、図4に示すように不完全形状の凹部1b、1c、1dも複数箇所設けられている。その理由は後で説明する。 【0017】上記凹部1a、1b・・・が、図1、図4に示すように、ハニカム状の受け皿1を形成している。この水受け皿1は軽量な硬質の合成樹脂材で形成されている。合成樹脂材とはプラスチック、硬質発泡スチロール、塩化ビニールなどである。水受け皿1の複数箇所の凹部1aには、それぞれ図6に示す軽量な硬質の合成樹脂材製の中間支持台2が嵌合挿置される。この中間支持台2は、平面視が水受け皿1の凹部1aと相似形で、凹部1aの入口形状と同じ寸法に形成されている。 【0018】又、中間支持台2は、その下面に放射状に多角形状の辺数と同数の脚材21が一体に形成されて下方へ延びており、各脚材21と脚材21の間に同数の挿通孔22が、中心部にも挿通孔23がそれぞれ形成されている。上記凹部1の上の中間支持台2上には、図7に示す多孔質セラミックス製の植栽ボード3が載置される。この植栽ボード3は、中間支持台2と同様に凹部1aと相似形で、中間支持台2の外形より平面視寸法がやや大きいサイズに形成されている。 【0019】植栽ボード3の下面には、中間支持台2の複数の挿通孔22と中央の挿通孔23とに対応してこれら挿通孔に挿通される複数の脚部31がそれぞれ一体に形成されて下方へ延びている。その下端は中間支持台2の厚さより少し短いが、水受け皿1に貯留される水に没入して水を吸い上げるに十分な長さとされる。なお、植栽ボード3の下面には、中間支持台2に正確に嵌合するよう中間支持台2と同形状に浅い凹面3aが形成されている。 【0020】植栽ボード3は、本出願人他が先の特許出願である特願2000−272797号で提案した「多孔質セラミックスの製造方法」の発明により製造された多孔質セラミックスが用いられる。この多孔質セラミックスは、スラグに発泡剤を添加した発泡性スラグを焼成し、成形して得られるものであり、その詳細については後で説明する。 【0021】上記各構成部材1〜3は、図1、図4に示すように、完全形の多角形状の中間支持台2、植栽ボード3、これらを挿置する水受け皿1の断面部分についてのものであるが、水受け皿1は、例えば図2、図3の右側に示すタイプbの構成部材3、3’、1’、さらに図1、図4に示すタイプc及びdの構成部材3、3’、1’部分をも有する。タイプbの構成部材3は、完全形の植栽ボード3を用いたタイプaの多孔質セラミックスと同じ材料で作られているが、脚部31は設けられていない。 【0022】又、中間支持台2を用いずにこれに代えて多孔質セラミックスの緻密ボード3’が使用されている。この緻密ボード3’は、厚さが中間支持台2の脚材21の深さを含む寸法として形成されている。緻密ボードとは、植栽ボード3の多孔質セラミックスを通常成形する加圧力(2.0〜2.2g/cm2 )の約1.5倍の加圧力(3.0〜4.0g/cm2 )で加圧成形したものである。この緻密ボードは金型で加圧成形する際に金型底面と接触する部分がより緻密となり平面度が優れているので、この面を植栽ボード3の底面と接触させるように用いる。 【0023】なお、タイプbの構成部材の3、3’、1’は、最終形状は実線で示す半部分のみであるが、最終加工前には一点鎖線で示す半部分を含んで製作されており、切断加工により一点鎖線の半部分が切り落とされて形成される。又、タイプc、dについてもタイプbと形状が異なるだけであり、切断加工によりそれぞれの形状のものとされる。 【0024】図2、図3に示すように、水受け皿1に多数の凹部1aが形成されると、それぞれの凹部1aと1aの境界部にはランド部1T が形成される。このランド部1T は凹部1aの周縁に形成されるため、当然凹部1aと相似形である。このランド部1T に対し、載置される植栽ボード3の外周辺部の下面との間には、図2に示すように、隙間5が形成される深さに植栽ボード3の外周辺部は形成されている。又、植栽ボード3と3の隣接する辺の間には所定の隙間4が生じる寸法に植栽ボード3は形成されている。 【0025】さらに、ランド部1T のうち対向する2辺のそれぞれ中間位置には通水溝6が設けられている。これら通水溝6は、一直線上に複数の凹部1aが形成された時、それらの通水溝6も直線上に並ぶ位置に配置されている。なお、植栽ボードをその外周辺の定形サイズ位置で切断した時、緻密ボード3’と植栽ボード3が重なった状態で切断された端面は、水受け皿1の側辺が無いため、上記両ボード3’、3が外れないようにするため、両ボード3’、3は予め水受け皿1に接着剤で接着して固定しておくか、又はその端面を押さえる押部材を設けて抜止めとしてもよい。 【0026】以上から分かるように、上記切断された端面は殆ど隙間のない状態で終わる構造となるが、隙間5は隙間4と共に切断端面まで連続して形成されている。このため、切断端面に開口する隙間5による開口から水を供給すると、少しずつ多角形状の隙間5を取り凹部1a内に水を供給することができる。従って、植栽ブロックAの側辺にタンクを接触して設け、その水圧で水を少しずつ多数の凹部1aへ送るようにすることができる。又、雨水や散水があればその水は植栽ボード3と3の間の隙間4から外周辺の隙間5を通り各凹部1a内に流入することとなる。 【0027】前述した植栽ボード3の多孔質セラミックスは、スラグに発泡剤を添加して形成した発泡性スラグを焼成して作られるが、その概略は次の通りである。スラグは鋳物用キュポラで発生するキュポラスラグ、高炉で発生する高炉スラグ、転炉、電気炉などで発生する製鋼スラグなどである。このようなスラグに発泡剤を添加して発泡性スラグを形成する場合、発泡剤は0.2〜1.0重量%の範囲の炭化珪素とし、発泡性スラグは平均粒子径が4〜40μmの範囲とされ、この発泡性スラグを0.2mm〜10mm範囲内の造粒物として形成した後、その造粒物を焼成するとよい。 【0028】造粒物の形成方法としては、発泡性スラグ粉末をパン型、インテンシブミキサ(アイリッヒミキサ)などの造粒機により形成してもよく、又はスラグ粉末と発泡材(S:C)とを水と共にボールミル等湿式粉砕し、平均粒子径7〜8μmのスラリーを作製した後、スプレードライヤで乾燥して形成してもよい。なお、造粒物の粒子径を1mm以下とする場合は、発泡剤と顆粒の強度保持のため、無機バインダ(水ガラス)0.5%などや、有機バインダ(ポリビニールアルコール)0.3%などを添加するのが好ましい。 【0029】この造粒物は、発泡性スラグを無機質粒子(粒子径0.5〜10mm)の表面にコーティングして形成してもよく、これにより発泡量が制限され粒子間隙間(アグリゲート)が確保されるため、無機質粒子の種類に応じて保水性、吸水性、通気性、吸音性、吸放湿性などに優れた多孔質セラミックスを作製できる。無機質粒子は砕石、ガラス粒、スラグ粒子、砂、黒曜石発泡粒子、真珠岩発泡粒子、又は調質機能を有する材料で形成した粒子のいずれかとするのがよい。スラグに発泡剤を添加して形成した発泡性スラグは、ボールミル等の粉砕機を用いてスラグを微粉化する際に、発泡剤を添加して乾式粉砕して形成するか、又はボールミル等粉砕機内にスラグ及び発泡剤を水と共に混入させ湿式粉砕した後スプレードライヤなどで乾燥粉末化して形成する。 【0030】コーティングに際しては、無機質粒子の径によって表面積が異なり、発泡性スラグのコーティング量が、粒子間隙間(通気性や吸音性と関係する)や製品強度に影響を与えるため、発泡性スラグの添加量を調整する必要がある。又、無機質粒子の径も粒子間隙間に係わり、通気性、透水性又は吸音性に影響するため調整が必要である。 【0031】個々に独立した多孔質セラミックスを得る場合は、発泡性スラグにて形成した造粒物、又は無機質粒子に発泡性スラグをコーティングして形成した造粒物を乾燥した後、ロータリキルンなどで融着防止剤(例えば水酸化アルミニウム水簸カオリン粘土類)と共に温度1000〜1100℃で焼成する。所要形態に形成した一体成形物の多孔質セラミックスを得る場合は、発泡性スラグ、発泡性スラグにて形成した造粒物、又は無機質粒子に発泡性スラグをコーティングして形成した造粒物を耐熱容器内に充填して、あるいは押出成形機やプレス成形機にて所要形態に成形した後、トンネルキルンなどを用いて温度1000〜1100℃で焼成する。 【0032】具体的に1例として挙げれば次のようなものである。無機質粒子として、スラグ粒(粒径1〜2mm、粒径2〜3mm)、黒曜石発泡粒(パーライト;粒径0.7〜1.2mm、粒径1.7〜2.4mm、粒径4.0〜4.8mm)をそれぞれ準備し、コンクリートミキサー(301容量)内において、スラグ粒2kg(1800〜1900ml)に対して発泡性スラグ1kgの割合でコーティングする。 【0033】より具体的には、メチルセルロース1重量%水溶液(有機質バインダー)をスプレーガンで噴霧して無機質粒子の表面を濡らしながら転動させて、造粒物をその表面にコーティングする。その後、耐熱容器中に充填し、温度1000〜1020℃で30分、昇温時間3.5時間の条件下焼成発泡させ、板状の多孔質セラミックスを作製する。 【0034】得られた多孔質セラミックスは、1つ1つの粒子の表面層に数ミクロンから100ミクロン程度の大きさを持つ無数の連続気孔を有し、無機質粒子の表面に造粒物をコーティングしているため、発泡量が制限され平均500〜600ミクロン程度の粒子間隙間(アグリゲート)が確保され、吸水性および保水性の他、通気性、透水性に富むものとなった。以下表1に各物性値を示す。また、黒曜石発泡粒にコーティングしたものは、優れた吸音特性を有する。 【0035】 【表1】
【0036】上記植栽ブロックA1 又はA2 は、水受け皿1、中間支持台2、植栽ボード3を図2の断面のように組立てて形成される。完成状態では、図1に示す長方形又は正方形に切断加工されたものとなり、このようなブロックA1 又はA2 を複数個組合わせて設置される。これらブロックA1 又はA2 は、1つのブロックが畳1枚分(1800×900)又は畳の1/2枚分(900×900)の広さであるから、広い面積場所に使用するのに適している。例えば、10坪程の広さのガーデンであればブロックA1 を20枚程度設置すればよい。勿論、設置場所の形状によってはブロックA1 にブロックA2 を混合して組合わせるようにしてもよい。上記植栽ブロックA1 又はA1 とA2 の組合わせのものは、例えばビルの屋上又はマンションのベランダに設置して使用される。 【0037】上記植栽ボードA1 又はA2 を所定場所に組立てて設置する場合、A1 又はA2 を図1の定形サイズで互いに隣接して設置するときは、予め水受け皿1の多数の凹部1aにタイプaとしてそれぞれ完全形の中間支持台2と植栽ボード3を嵌め込んでおき、タイプb、c、dに相当する部分には緻密ボード3’と脚部31のない植栽ボード3とを嵌め込み、それぞれ不要部分は電気カッタ(図示せず)により切断して定形サイズで仕上げたものを作り、これらを順次設置場所に置いてガーデンが形成される。 【0038】しかし、設置場所の広さによっては植栽ボードA1 とA2 の定形サイズのものを敷き詰めても寸法が調整できない場合がある。このような場合、例えば植栽ボードA1 の長さを略2/3の長さ位置で切断すればよいとすると、定形サイズのブロックではこの2/3長さ位置には完全形の中間支持台2と植栽ボード3が嵌合されているのを予めbタイプ断面のように緻密ボード3’と脚部のない植栽ボード3に取替えておき、その切断長さ位置で敷設場所の寸法に合わせて電気カッタで切断する。 【0039】このとき、ハニカム形状の凹部1aを切断するが、この切断されるハニカム状の凹部には緻密ボード3’が挿入されているので、全体を一体として切断すれば、寸法に狂いがなく、設置場所に正確に合致する。なお、隣接する植栽ボード3同士の間には隙間4が設けられ、水受け皿1のランド部1T と植栽ボード3の外周辺下面との間には隙間5が設けられているので、隙間5に工具を差込みテコの原理で植栽ボード3を持上げると、それぞれの植栽ボード3は単品で簡単に交換することができる。 【0040】植栽ブロックA1 、A2 への給水は、前述したように、ブロックの側辺に設置されるタンクの水圧で隙間5、通水溝6を経由して複数の凹部1a、1a・・・に順次送られる。雨水や散水があれば隙間4からそれぞれの凹部1a、1a・・・に流入して溜められる。 【0041】こうして給水される植栽ブロックには、例えば芝生が植生される。この場合、芝生は最初から植栽ブロック上に植えるのではなく、植栽ボード3だけを取り外して外部で植物の種を撒き予め初期の芝生の育生を行なうとよい。そして、ある程度芝生が生長すると、植栽ボード3と芝生を各ブロック毎にビルの屋上又はベランダへ運んで、中間支持台2上へ乗せてセットする。その後は水を供給するだけで芝生は生育が維持される。植栽ボード3の粒子間は平均500〜600ミクロン程度の空隙を有するため、芝生等毛根の細い植物の育成に適している。 【0042】植栽ボード3を中間支持台2の上に乗せ、水受け皿1の各凹部1a、1aに水を給水した際に、植栽ボード3上に生育された芝生には植栽ボード3の脚部31の多孔質セラミックスの粒子間に作用する毛細管現象により給水が行なわれる。植栽ボード3も脚部31も共に多孔質セラミックスで形成されているから、脚部31の下部が水受け皿1の各凹部1a、1a内に水没されているため、脚部31の水没していない部分に毛細管現象で水が伝達される。 【0043】これは脚部31を形成している粒状物の微細組織内には微細な連続気孔が含まれているため、その連続気孔内に水が毛細管現象で伝達され、脚部31の下部から上部へと重力に逆らって上昇し、植栽ボード3へと伝達され植栽ボード3の全面に給水されるからである。植栽ボード3から芝生に水分が吸い取られると、植栽ボード3へは脚部31から常に一定量の水が送られ、水枯れすることなく給水が行なわれる。このため、必要以上の水を与えた場合に発生し易い各種の病気や根腐れの防止にも役立つ。 【0044】又、植栽ボード3に芝生を育生した後、植栽ブロックを1単位として多量に設置する遠隔地に運搬する際も植栽ボード3には多孔質セラミックスの微細な連続気孔内に多量の水を含んでいるため、夏の炎天下に放置した状態でも一定期間水を給水せずとも直ちに芝生が枯れることはない。上記植栽ブロックにより育生できる植物の対象は、芝生以外にも苔や一部シダ類が含まれる。多孔質セラミックスには気孔付与材を含んでいないため、材料としての強度も十分確保されている。 【0045】上記の実施形態では水受け皿1の凹部1a、中間支持台2、植栽ボード3の多角形状は、六角形としたが、四角形その他任意の多角形のものを採用することができる。 【0046】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明の植栽ブロックは水受け皿に多角形の凹部を複数箇所、互いに規則的に隣接して形成し、これら凹部にこの凹部と対応する相似形状の中間支持台とその上に多孔質セラミックス製の植栽ボードとを載置し、所定面積広さに形成したから、畳程の大きさにブロックを形成しても土壌を使用しないため軽量であり、広い面積に敷設しても植栽ボードを1つずつ連結する必要がなく、単にブロックを必要個数だけ設置場所に隣接して置くだけであるから設置工事も容易であり、水受け皿に予め給水するが、雨水又は散水を溜めて植栽ボードに給水すると植栽ボードの連続する微細の連続気孔の毛細管現象を利用して水を吸上げ植物を育生できるという顕著な効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000142595 【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所 【識別番号】501128818 【氏名又は名称】財団法人関西グリーン研究所
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| 【出願日】 |
平成13年3月28日(2001.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−281846(P2002−281846A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月2日(2002.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−92891(P2001−92891) |
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