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【発明の名称】 養液栽培方法
【発明者】 【氏名】阿知波 信夫

【氏名】矢野 由希絵

【要約】 【課題】農薬等によるストレスの与え方では、周囲環境への悪影響が懸念されるとともに、コストアップに繋がる。

【解決手段】植物に有効な肥料成分を含有する培養液に前記根部を浸漬する培養液浸漬工程と、塩化物塩の希釈水溶液を電解して生成される電解生成水に前記根部を浸漬する電解生成水浸漬工程とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物の根部を浸漬して栽培する養液栽培方法であって、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に前記根部を浸漬する培養液浸漬工程と、塩化物塩の希釈水溶液を電解して生成される電解生成水に前記根部を浸漬する電解生成水浸漬工程とを有することを特徴とする養液栽培方法。
【請求項2】 植物の根部を浸漬して栽培する養液栽培方法であって、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に前記根部を浸漬する培養液浸漬工程と、pH4以下の酸性水に前記根部を浸漬する酸性水浸漬工程とを有することを特徴とする養液栽培方法。
【請求項3】 植物の根部を浸漬して栽培する養液栽培方法であって、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に前記根部を浸漬する培養液浸漬工程と、pH10以上のアルカリ性水に前記根部を浸漬するアルカリ性水浸漬工程とを有することを特徴とする養液栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、植物の根部を浸漬して栽培する養液栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の養液栽培(水耕栽培)では、植物体にストレスを与えることで糖度アップや酸度アップ等の品質向上を行なっている。このストレスの与える方法としては、養液に農薬を混入する方法や養液の濃度を高くする方法が実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した農薬等によるストレスの与え方では、品質向上の効果はあるものの、植物体の病気のかかり易さや生長の偏り等の生長に係る改善がなされていない。また、農薬による周囲環境への悪影響も懸念されるという問題点を有している。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、植物体の生長に係る改善を行なうとともに周囲環境に悪影響を及ぼすことない養液栽培方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、初期の目的を好適に達成するため、本発明に係る養液栽培方法は、植物の根部を浸漬して栽培する養液栽培方法であって、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に根部を浸漬する培養液浸漬工程と、塩化物塩の希釈水溶液を電解して生成される電解生成水に前記根部を浸漬する電解生成水浸漬工程とを有することを特徴としている。また、請求項2に係る養液栽培方法は、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に根部を浸漬する培養液浸漬工程と、pH4以下の酸性水に前記根部を浸漬する酸性水浸漬工程とを有することを特徴としている。さらに請求項3係る養液栽培方法は、植物に有効な肥料成分を含有する培養液に根部を浸漬する培養液浸漬工程と、pH10以上のアルカリ性水に前記根部を浸漬するアルカリ性水浸漬工程とを有することを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る養液栽培方法につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下説明する。図1は実施の形態に係る養液栽培方法を示す概略図であり、発泡スチロール製のパネル11に組み込まれているスポンジ(図示せず)に種子が蒔かれ、発芽生長した植物体10は、その下部に複数の根からなる根部12を有している。この根部12は図2でA部を詳細に示す如く、太い径を有する主根12aと、この主根12aから分岐する主根12aより細い径の側根12bを有している。
【0007】前記根部12は、通常は植物に有効な肥料成分を含有する大塚化学製A処方等を希釈した培養液に浸漬され(培養液浸漬工程)、48時間ごとに5〜10時間程度、前記培養液とは異なる液性の水溶液に浸漬させる。この培養液とは異なる液性の水溶液は、電解生成水(電解生成水浸漬工程)、pH4以下の酸性水(酸性水浸漬工程)およびpH10以上のアルカリ性水(アルカリ性水浸漬工程)の液性のうち少なくとも一つの液性を有している。前記電解生成水を生成する電解水生成装置は、図3に示す如く水道水供給管路20から供給される水道水に添加する塩化カリウム水溶液を貯留する塩水タンク21と、この塩水タンク21の前記塩化カリウム水溶液を前記水道水に添加するポンプ22と、水道水に塩化カリウムが添加された被電解水が供給されるとともに、隔膜23で仕切られた陽極室24および陰極室25を有する電解槽30と、前記陽極室24および陰極室25内に配設された陽極26および陰極27に電圧を印加することにより前記被電解水を電気分解して生成される電解生成酸性水および電解生成アルカリ水を排出する排出管路28とから構成されている。この電解水生成装置はpH4以下の電解生成酸性水およびpH10以上の電解生成アルカリ性水の電解生成水を生成し前記電解生成水浸漬工程の浸漬水として利用する。電解生成水は農薬と異なり、植物の栄養素となるカリウムを含む塩化カリウム水溶液を電気分解して得ることができるので周囲環境にとって無害の水溶液であるとともに安価に生成できる水溶液である。
【0008】前記電解生成水等の培養液とは異なる液性の水溶液に植物の根部12を浸漬することによって植物体はストレスを与えられる。このストレスはpHによるストレス、電気分解による酸化還元電位や生成された溶存ガス等の水質変化によるストレスである。前記ストレスを与えられた植物は植物自身の生長を抑制し、植物自身が生長を抑制すると細い径の前記側根12bの一部を主根12aから切断する。前記側根12bが主根12aから切断されると、側根12bの生長が抑制され多くの栄養素が主根12aに与えらることにより主根12aが生長する。このストレスによる生長で主根12bの細胞壁が厚くなり病原菌等に対する抵抗力が強化される。また、植物体の生長の偏りもなくなる。以上の如く電解生成水を採用すると周囲環境に悪影響を与えることがなく、安価に植物体にストレスを与え、植物体を体質強化することができる。
【0009】なお、本実施形態では培養液とは異なる液性の水溶液としてpH4以下の電解生成酸性水およびpH10以上の電解生成アルカリ性水で説明したがこれに限定されるものではなく、無隔膜型の電解槽で電気分解して生成されたpH8〜9の弱アルカリ性の電解生成水や、pH4以下の電解生成酸性水およびpH10以上の電解生成アルカリ性水を水道水で希釈したものであってもよい。また、塩酸や水酸化カリウム等でpHを調整された酸性水やアルカリ性水であってもよい。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように本発明の養液栽培方法は、植物体の体質が強化されることにより病気にかかり難くなる等植物体の生長に係る改善がなされるとともに、周囲環境に悪影響を及ぼすことない。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−262682(P2002−262682A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−71006(P2001−71006)