| 【発明の名称】 |
灌漑用開閉装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷川 明男
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、電源を必要とせず、安価で、小型化が容易で、大規模な灌漑にも利用でき、長期間の自動給水も可能な自動的に動作する灌漑用開閉装置を供給することである。さらに、広大な農地や公園などの灌漑を行う際に、場所による水はけの差や植物の種類に応じた給水の調整をも単純な配管で可能にし、従来緑化が困難であったコンクリートの壁面などの場所の緑化を可能にすることである。本発明は上記の目的を通して、過剰な灌漑による土壌と作物・植物における弊害を軽減し、地球的規模で進行する環境劣化を防止しつつ食糧不足を回避することを究極の目的としている。
【解決手段】本発明は、少なくともその一部が水分を透過することができる容器に収められた吸水体の体積膨張の圧力を直接的あるいは間接的に用いて給水管の開閉を自動的に行うことを特徴とする灌漑用開閉装置である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくともその一部が水分を透過することができる容器に収められた吸水体の体積膨張の圧力を用いて給水管の開閉を自動的に行うことを特徴とする灌漑用開閉装置。 【請求項2】請求項1の灌漑用開閉装置によって給水管本管から分岐した細管の開閉を自動的に行い、給水管本管から分岐した細管の水圧によって給水管本管の開閉を行うことを特徴とする灌漑用開閉装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は液体の開閉装置に関し、特に植物に水を供給する灌漑用開閉装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、植物に自動的に給水する装置の多くは、たとえば特許第2507378号のように、電気的水分センサーと開閉バルブを組み合わせたシステムであり、電力を必要とするとともに高価である。電力を要しない給水装置には、特開平11−239424のように貯水容器内の空気圧や毛細管現象を利用したものなどが考案されているものの、いずれも大規模な灌漑には利用できず、かつ長期間にわたる自動給水は困難である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする問題点は、従来の装置が電力を必要とすること、高価であること、小型化が困難であること、大規模な灌漑に利用できないこと、長期間の自動給水が困難であることなどである。更に、広大な農地や公園などの灌漑を行う際に、場所による水はけの差や植物の種類に応じた給水の調整を行うとき、極めて複雑で大規模な設備が必要であることである。 【0004】 【発明の目的】本発明の目的は、電源を必要とせず、安価で、小型化が容易で、大規模な灌漑にも利用でき、長期間の自動給水も可能な自動的に動作する灌漑用開閉装置を供給することである。更に、広大な農地や公園などの灌漑を行う際に、場所による水はけの差や植物の種類に応じた給水の調整をも単純な配管で可能にし、従来緑化が困難であったコンクリートの壁面などの場所の緑化を可能にすることである。 【0005】本発明は上記の目的を通して、過剰な灌漑による土壌と作物・植物における弊害を軽減し、地球的規模で進行する環境劣化を防止しつつ食糧不足を回避することを究極の目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともその一部が水分を透過することができる容器に収められた吸水体の体積膨張の圧力を直接的あるいは間接的に用いて給水管の開閉を自動的に行うことを特徴とする灌漑用開閉装置である。 【0007】 【作用(効果をもたらすための手段の働き)】吸水性を有するたんぱく質やセルロースなどの天然素材あるいは人工的に合成された吸水性高分子体などの素材の多くは、水を吸収することで乾燥時の十倍以上にその体積を増す。こうした吸水体を透水性のある容器に封じて、水分を外部から供給すると、容器の内部に圧力を生じる。この圧力は内部の水分が蒸発あるいは浸透などの作用で外部に逃げることで減少する。 【0008】上記の容器内に生じる圧力によって柔軟性を有する給水ホースの一部をつぶす、あるいは、シリンダー内のピストンなどを動作させて弁の開閉を行わせることで、吸水体の体積膨張の圧力を直接的に用いた請求項1の灌漑用開閉装置を作成できる。 【0009】また、給水管本管から分岐させた細管を別に設けたセンサー用シリンダーに導き、細管の途中に上記の直接的開閉装置を設けて、給水管本管の水圧で、柔軟性を有する給水ホースの一部をつぶす、あるいはシリンダー内のピストンなどを動作させて給水管本管に設けた弁の開閉を行わせることで、吸水体の体積膨張の圧力を間接的に用いた請求項2の灌漑用開閉装置を作成できる。 【0010】 【発明の実施の形態】 【構成の説明】つぎに、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。 【0011】図1(a)を参照すると、本発明の実施の形態の第一例は、柔軟性を有するチューブ101とそれを完全に被覆する透水性カバー102の間に吸水体103を入れ、柔軟性を有するチューブ101と透水性カバー102の両端をホース取付け口105にホースバンド104によって密着・固定した構造である。吸水体103が透水性カバー102から外部に漏出しないように、透水性カバー102の材質を選定し、その取りつけは接着剤を使用するなどして漏出点を作らないように行う。 【0012】本第一例では、柔軟性を有するチューブ101と透水性カバー102とは、各々の全体を単一素材としたが、外部の水分が吸水体103に供給され、その結果発生する圧力が内側のチューブの一箇所でも押しつぶせる構造である限りにおいて、例えば、内側の円筒の一部だけを柔軟性材料としたり、外側の円筒の一部だけを透水性材料としたりすることも可能である。また、柔軟性を有するチューブ101の内側にチューブを扁平に変形させる円盤などを挿入に、柔軟性を有するチューブ101がつぶれやすくしてもよい。 【0013】つぎに、図2(a)を参照すると、本発明の実施の形態の第二例は、シリンダー201にピストン205を取りつけ、そのシリンダー201を水の入口210と出口211と弁の穴213を有する弁ブロック208にねじ込んで取りつける。ピストン205の上部に取りつけたパッキングA204とシリンダー201の上部開口部に取りつけた透水性カバー202の隙間に吸水体203を封じ込める。ピストン205はシリンダー201内で、パッキングB207で支えられてスムーズに上下に動くことができるようにするが、吸水体203が膨張していないときは、ばね206によって上に押し付けられている。ピストン205の下部にもパッキングC209を取りつけ、ピストン205が下がったときにシリンダー201の弁の穴213をぴったり塞ぐようにする。 【0014】本第二例では、シリンダー201の上部開口部の内径を下部の内径より大きくしている。絶対に必要な要件ではないが、こうすることでより大きな力でピストン205を下に押し付けることができる。ピストン205をより大きな力で押し付けるには、吸水体203が発生する圧力をてこなどの力を増幅する装置を介して伝える方法も有効である。 【0015】つぎに、図3(a)を参照すると、本発明の実施の形態の第三例は、上記の第一例もしくは第二例に類する開閉装置301に給水管の水圧が常にかかっている水の入口に設けた分岐口316から水を導入し、開閉装置301の水の出口からセンサーシリンダー302に配管し、開閉装置301が開いたときにセンサーシリンダー302内に水が導入されるようにする。センサーシリンダー302にはセンサーピストン303を挿入し、センサーピストン303がてこ306の力点308を押し上げられる位置にセンサーシリンダー302を設置する。センサーシリンダー302には水圧を逃がす小さい穴305を設け、センサーシリンダー302内に水圧がないときにはてこ306の力点308とセンサーピストン303が引っ張られて下がっているようにばねA304を設置する。 【0016】更に、てこ306の作用点309にピストン310の上端が接するようにシリンダー弁ブロック317とその中に挿入されたピストン310を設ける。ピストン310はパッキングA312によって支えられ、シリンダー弁ブロック317内を上下に動けるようにする。また、ピストン310は、縮められたばねB311によって、てこ306の作用点309に押し付けられているようにする。さらにピストン310がてこ306によって押し下げられているときは、シリンダー弁ブロック317の弁の穴319をぴったり塞ぐようにピストン310の下端にパッキングB313を取りつける。 【0017】以上の本発明の開閉装置の例を構成するのに必須の材料である吸水体には多種多様な材料が応用できる。例えば、天然素材であるこんにゃくや海藻の繊維など、合成素材であるデンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ポリアクリル酸系、ポバール系などの多数のプラスチックが使用できる。開閉装置を設計する際に、吸水時の膨張率や発生する圧力を考慮して素材を選べばよい。 【0018】また、透水性カバーにも多種多様な材料が応用できる。例えば、天然の皮革や繊維、板状にした木炭、ポリビニルアルコールなどの合成の皮革や繊維が使用できる。強度を補うためにステンレスやプラスチックの網で表面を覆うか、透水性材料と高強度材料の複合素材を使用してもよい。 【0019】上記の例で使用したシリンダーとピストンの構造は、密閉性を有し直線運動が可能である構造であれば応用でき、例えばジャバラ構造などへの設計上の変更が可能である。また、てこを利用した構造も、油圧装置などへの設計上の変更が可能である。 【0020】なお、上記三例は全く同様の構造のまま、油や有機溶剤などの液体一般の開閉装置としても機能させることができる。その際は、制御したい液体に対して耐性を有する材料を選択して装置を構成する必要がある。 【0021】 【動作の説明】まず、図1を参照して、上記第一例の動作を説明する。外部から水分が供給されず、吸水体103が乾燥した状態では、図1(a)に示すように、吸水体103の体積は小さく、柔軟性を有するチューブ101の中を水106が流れることができる。外部から水分が供給されると、図1(b)に示すように、吸水体108は膨張してその圧力で柔軟性を有するチューブ107がつぶされて、水106が止まる。 【0022】外部の水分がなくなると、膨張した吸水体108から徐々に水分が失われ、図1(b)の状態から図1(a)の状態に戻る。吸水体103の量や種類を変えることで、上記の変化の速度を調節することができる。 【0023】つぎに、図2を参照して、上記第二例の動作を説明する。外部から水分が供給されず、吸水体203が乾燥した状態では、図2(a)に示すように、吸水体203の体積は小さく、ピストン205はばね206によって押し上げられて、弁の穴213を水212が流れることができる。外部から吸水体203に水分が供給されると、図1(b)に示すように、吸水体214は膨張してその圧力でピストン205は押し下げられて弁の穴214は塞がれて、水212が止まる。 【0024】外部の水分がなくなると、膨張した吸水体214から徐々に水分が失われ、図2(b)の状態から図2(a)の状態に戻る。吸水体203の量や種類、さらにシリンダー201の弁ブロック208へのねじ込み量を変えるなどすることで、上記の変化の速度を調節することができる。 【0025】つぎに、図3を参照して、上記第三例の動作を説明する。外部に水分が豊富に存在するとき、図3(a)に示すように、開閉装置301は閉じた状態で、センサーシリンダー302内に水が供給されず、センサーピストン303は下がり、てこの力点308、作用点309、ピストン310はともに下に押し下げられて、弁の穴319は塞がれて水315は止まった状態にある。 【0026】外部の水分がなくなると、図3(b)に示すように、開閉装置301は開いた状態になり、センサーシリンダー302内に水が供給され、センサーピストン303は上がり、てこの力点308、作用点309、ピストン310はともに上に押し上げられて、弁の穴319が開放され水315が流れる状態になる。 【0027】外部の水分が豊富になると、開閉装置301が閉じ、センサーシリンダー302内の水が水圧を逃がす小さい穴305から抜けて、図3(b)の状態から図3(a)の状態に戻る。 【0028】第三例の動作上の特徴は、閉状態(図3(a))から開状態(図3(b))、あるいは開状態(図3(b))から閉状態(図3(a))への移行が速やかに起こり、半開きの状態が短時間であることである。この特徴は、スプリンクラーを使用した灌漑の際のように、開状態時の時間当たりの給水量を一定にしたいときに適する。 【0029】 【実施例】 【実施例の構成の説明】ここでは、本発明の実施例として具体的応用例を図面を参照して説明する。 【0030】図4は本発明の開閉装置を使用して鉢植えに自動的に水を供給する実施例を示す。植木鉢A403と植木鉢B404とに土壌A405と土壌B406とを入れ、植物A412と植物B413とを栽培する際、一本の導水管407に、それぞれの植物に適した異なる特性を有する本発明の開閉装置A401と開閉装置B402とを土壌中に設置し、それぞれ給水管A408と給水管B409とを接続する。導水管407内には、常に適当な水圧が存在するようにする。例えば、植物A412が乾燥を好み、植物B413が湿った環境を好む場合、開閉装置A401には少量の水で閉状態になる開閉装置を、開閉装置B402には多量の水で閉状態になる開閉装置を用いる。そうすることで、植物A412には土壌A405がかなり乾燥した状態になってはじめて水410が給水管408から自動供給され、植物B413には土壌B406がわずかに乾燥した状態になると直ちに水411が給水管409から自動供給される。土壌A405あるいは土壌B406の水分量がそれぞれの適量に達すると、開閉装置A401あるいは開閉装置B402によってそれぞれの給水が自動的に止まる。 【0031】上記の例では鉢植えは2鉢であったが、もっと多数の鉢植えにも同様に適用でき、しかもそれぞれの鉢植えに適した給水が自動的に行われるようにできる。 【0032】図5は本発明の開閉装置を使用して広大な農地に自動的に水を供給する実施例を示す。耕作地A501と耕作地B502とに異なる作物を栽培する際、一本の導水管504に、それぞれの作物に適した特性を有する開閉装置A505と開閉装置B506とを多数取りつけ、耕作地A501と耕作地B502とに埋設し、それら開閉装置にそれぞれスプリンクラー503を接続する。導水管504内には、常に適当な水圧が存在するようにする。 【0033】上記のようにすることで、耕作地A501と耕作地B502とは異なる給水が自動的に行われ、同一耕作地内の水分量は適量に均一化される。ここでは、畑地を想定して説明したが、水田や池の水位を一定に保つこともできる。その場合、水田や池毎に一個の本発明の開閉装置を保ちたい水位の高さに設置すればよい。 【0034】図6は本発明の開閉装置を使用して公園や庭園などに自動的に水を供給する実施例を示す。花壇601と芝生広場602とに一本の導水管603に、それぞれの場所に適した特性を有する開閉装置A604と開閉装置B605とを水の出口を開放したまま多数取りつけ、花壇601と芝生広場602とに埋設する。導水管603内には、常に適当な水圧が存在するようにする。 【0035】上記のようにすることで、広大な公園や庭園などにも場所に応じた給水が自動的に行われる。しかも給水設備は全て地下に埋設することができるため、公園や庭園などの美観を損なうこともなく、その上で運動を行う芝生の野球場、サッカーコート、テニスコート、ゴルフ場などにも適用できる。 【0036】さらに、本発明の開閉装置をコンクリートの壁面などに設置すると、その表面を湿った状態に保つこともできる。このように湿らせた表面に植物を着生させれば、建物や橋などの表面を緑化することも可能である。 【0037】 【発明の効果】第1の効果は、灌漑用水の節約である。植物への水やりは通常の不足のないように過剰に行われる。しかし、本発明の開閉装置を用いた場合、水やりの量は適量に制御されるため、灌漑用水の消費量が節約される。 【0038】第2の効果は、作物や植物の育成の増進である。広大な農地などは一様に見えても土壌の水はけが場所によって異なっている。本発明の開閉装置を用いた場合、水やりの量は場所毎に土壌の湿りけに応じて制御されるため、全農地で作物や植物の育成が増進される。 【0039】第3の効果は、灌漑作業の省力化である。本発明の開閉装置はいったん設置すれば、水圧が限界量以上に保たれる限り長期間にわたって無人で灌漑される。しかも運用に電力などのほかのエネルギーは一切必要ない。電力供給が不安定な地方や国においても安定した自動灌漑が可能である。 【0040】第4の効果は、従来緑化が困難であった場所の緑化である。本発明の開閉装置を用いれば、垂直なコンクリートの壁面などを湿った状態に保つことが可能で、湿らせた表面に植物を着生させれば、建物や橋などの表面を緑化することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】301004879 【氏名又は名称】谷川 明男
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| 【出願日】 |
平成13年3月7日(2001.3.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−262679(P2002−262679A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月17日(2002.9.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−62931(P2001−62931) |
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