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【発明の名称】 植物育成システム及び植物育成方法
【発明者】 【氏名】角田 真一

【要約】 【課題】循環型の植物育成システム及び植物育成方法を提供することにより、環境保全に貢献する。

【解決手段】有機物処理室2の下部に排出口10を設け、植物育成室11の下部に流入口18を設け、排出口10と流入口18とをガス搬送路21で連通する。有機物処理室2内で有機性廃棄物6は微生物の作用により分解処理され、その際に発生する二酸化炭素ガスは、有機物処理室2の内圧の高まりにより、排出口10からガス搬送路21内に押し出され、ガス搬送路21を介して流入口18から植物育成室11内に搬送される。植物育成室11内に搬送された二酸化炭素ガスは、植物15に吸収される。植物15は、光のエネルギーを用いて二酸化炭素ガスと固形培土から吸収した水分とで、ブドウ糖、デンプン等を光合成し、酸素を放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に有機物を収容し、該有機物を微生物の作用により分解して肥料化する有機物処理室と、内部に植物を収容し、該植物を育成する植物育成室と、前記有機物の分解により発生した二酸化炭素ガスを前記有機物処理室から前記植物育成室へ搬送するガス搬送手段とを具えたことを特徴とする植物育成システム。
【請求項2】 前記ガス搬送手段は、前記有機物処理室と前記植物育成室とを連通するガス搬送路からなり、前記有機物処理室内の二酸化炭素ガスを前記ガス搬送路を介して前記植物育成室内へ搬送する請求項1に記載の植物育成システム。
【請求項3】 前記ガス搬送手段は、前記有機物処理室と前記植物育成室とを連通するガス搬送路と、該ガス搬送路の途中に設けられる貯留室とからなり、前記有機物処理室内の二酸化炭素ガスを前記貯留室内に一旦貯留させるとともに、前記ガス搬送路を介して前記植物育成室内へ搬送する請求項1に記載の植物育成システム。
【請求項4】 前記ガス搬送路の途中にポンプを設けた請求項2又は3に記載の植物育成システム。
【請求項5】 前記ポンプは、前記植物育成室への日照量を検出する検出手段に検出された日照量により制御されることを特徴とする請求項4に記載の植物育成システム。
【請求項6】 前記ガス搬送路は、一端が前記有機物処理室に設けられる前記有機物処理室内外を連通する排出口に接続され、他端が前記排出口よりも下方に位置する前記植物育成室に設けられる前記植物育成室内外を連通する流入口に接続される請求項2〜5の何れかに記載の植物育成システム。
【請求項7】 前記有機物処理室又は前記ガス搬送路の途中に、ガスと水分とを分離する分離手段を設けた請求項2〜6の何れかに記載の植物育成システム。
【請求項8】 前記有機物処理室に、ガスの流入のみを許容する一方向弁を設けた請求項1〜7の何れかに記載の植物育成システム。
【請求項9】 前記植物育成室に、ガスの流出のみを許容する一方向弁を設けた請求項1〜8の何れかに記載の植物育成システム。
【請求項10】 有機物処理室の内部に有機物を収容し、該有機物を微生物の作用により分解して肥料化し、このとき発生する二酸化炭素ガスをガス搬送手段により有機物処理室内から植物育成室内に搬送し、該二酸化炭素ガスを該植物育成室内に収容され、育成されている植物に作用させることを特徴とする植物育成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は植物育成システム及び植物育成方法に関し、特に、有機物の分解時に発生する二酸化炭素ガス、発酵熱等を利用した循環型の植物育成システム及び植物育成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農業においては、環境保全による土壌消毒剤等の規制、若者の離脱による就農者の高齢化等により、土耕栽培から養液栽培を中心とした無土壌栽培に移行する傾向にあり、今後、その傾向は益々高まるものと思われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、無土壌栽培の比率が高まると、土壌改良等の目的で使用されている生ゴミ等の有機性廃棄物や、生ゴミ等の有機性廃棄物を分解処理してコンポスト化した有機性肥料等の用途がなくなり、毎日大量に出される生ゴミ等の有機性廃棄物の処理の問題が生じてくる。一方、畜産業においては、農地の許容量を上回る大量の家畜糞尿堆肥が発生しており、その有効利用が大きな課題となっている。
【0004】土壌改良等の目的で使用される有機性廃棄物や有機性肥料は、土壌中の微生物によって分解されるときに二酸化炭素ガスを発生させる。この二酸化炭素ガスは、植物の育成を高める効果があるが、大部分は大気中に放出されてしまうため、大気中の二酸化炭素ガス量が増加し、地球温暖化を促進させる要因となる。
【0005】養液栽培を中心とする無土壌栽培は、密閉された空間内で行われるために、植物の育成に必要な二酸化炭素ガスを外部から人為的に施用しなければならず、そのためにコストがかかり、栽培コストが高くなる。また、無土壌栽培にはロックウールからなる固形培土が使用されるが、ロックウールは非分解性であるために使用後の廃棄処理が問題となる。
【0006】この発明は、前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、家畜糞尿堆肥や生ゴミ等の有機性廃棄物の処理の問題を解決することができるとともに、大気中に放出される二酸化炭素ガスの量を減少させることができて、地球温暖化を抑制することができ、さらに、栽培コストを低減させることができ、そして、使用後の固形培土の廃棄処理の問題が生じるようなことがなく、環境保全に貢献することができる植物育成システム及び植物育成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような問題を解決するために、この発明による植物育成システムは、内部に有機物を収容し、該有機物を微生物の作用により分解して堆肥化する有機物処理室と、内部に植物を収容し、該植物を育成する植物育成室と、前記有機物の分解により発生した二酸化炭素ガスを前記有機物処理室から前記植物育成室へ搬送するガス搬送手段とを具えた手段を採用したものである。また、前記ガス搬送手段は、前記有機物処理室と前記植物育成室とを連通するガス搬送路からなり、前記有機物処理室内の二酸化炭素ガスを前記ガス搬送路を介して前記植物育成室内へ搬送する手段を採用したものである。さらに、前記ガス搬送手段は、前記有機物処理室と前記植物育成室とを連通するガス搬送路と、該ガス搬送路の途中に設けられる貯留室とからなり、前記有機物処理室内の二酸化炭素ガスを前記貯留室内に一旦貯留させるとともに、前記ガス搬送路を介して前記植物育成室内へ搬送する手段を採用したものである。さらに、前記ガス搬送路の途中にポンプを設け、このポンプを必要に応じて日照量の大小により制御するようにしたものである。なお、ここにいう日照量は、日照量を直接的に検出する場合のみならず、予測された日の出や日没の時刻によってタイマを用いて制御する場合を含むものとする。さらに、前記ガス搬送路は、一端が前記有機物処理室に設けられる前記有機物処理室内外を連通する排出口に接続され、他端が前記排出口よりも下方に位置する前記植物育成室に設けられる前記植物育成室内外を連通する流入口に接続される手段を採用したものである。さらに、前記有機物処理室又は前記ガス搬送路の途中に、ガスと水分とを分離する分離手段を設けた手段を採用したものである。さらに、前記有機物処理室に、ガスの流入のみを許容する一方向弁を設けた手段を採用したものである。さらに、前記植物育成室に、ガスの流出のみを許容する一方向弁を設けた手段を採用したものである。
【0008】そして、この発明による植物育成方法は、前記のような問題を解決するために、 有機物処理室の内部に有機物を収容し、該有機物を微生物の作用により分解して肥料化し、このとき発生する二酸化炭素ガスをガス搬送手段により有機物処理室内から植物育成室内に搬送し、該二酸化炭素ガスを該植物育成室内に収容され、育成されている植物に作用させる手段を採用したものである。
【0009】この発明による植物育成システム及び植物育成方法は、前記のように構成したことにより、有機物処理室内で有機物を微生物の作用により分解すると、二酸化炭素ガスが発生し、その二酸化炭素ガスは、ガス搬送手段により有機物処理室から植物育成室へ搬送され、植物の育成に利用されることになる。ガス排出手段を有機物処理室と植物育成室との間を連通するガス搬送路で構成した場合には、そのガス搬送路を介して二酸化炭素ガスが搬送される。ガス搬送路の途中にガスの貯留室を設けた場合には、ガス搬送路内を搬送される二酸化炭素ガスがその貯留室内に一端貯留されることになる。ガス搬送路の途中にポンプを設けた場合には、そのポンプによって有機物処理室内の二酸化炭素ガスが植物育成室側に強制的に搬送されることになる。植物育成室の流入口を有機物処理室の排出口よりも下方に位置させ、それらの間をガス搬送路で連通した場合には、有機物処理室内の二酸化炭素ガスは自然に植物育成室内に搬送されることになる。ガス搬送路の途中にガスと水分とを分離する分離手段を設けた場合には、ガス中に含まれる水分が分離手段によって回収されることになる。有機物処理室にガスの流入のみを許容する一方向弁を設けた場合には、その一方向弁を介して有機物処理室外の空気が有機物処理室内に導かれることになる。植物育成室内にガスの流出のみを許容する一方向弁を設けた場合には、その一方向弁を介して植物育成室内の酸素が植物育成室外に排出されることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。図1には、この発明による植物育成システムの第1の実施の形態が示されていて、この植物育成システム1は、有機物処理室2と、植物育成室11と、ガス搬送手段20とを具えている。
【0011】有機物処理室2は、底板3、側板4、屋根板5等によって囲まれる密閉された空間であって、内部に生ゴミ、畜糞、鶏糞、排水汚泥等の有機性廃棄物6と、枯れ草、枯葉、木屑、紙屑、藁、籾殻等の炭素源7が収容されるようになっている。
【0012】有機物処理室2は、コンクリート等からなる基台19の上部に設けても良いし、地面の上部に直接設けても良い。また、屋外、屋外の何れに設けても良いが、屋外に設ける場合には雨水等が内部に浸入するのを防ぐために、十分な防水対策を採る必要がある。さらに、有機物処理室2の大きさは、有機性廃棄物6の処理量に応じたものとすれば良い。
【0013】有機物処理室2内の上部には、酸素(又は空気)のガス供給管8が設けられ、このガス供給管8は配管(図示せず)を介して有機物処理室2外に位置しているガス供給源(図示せず)に接続され、ガス供給源の作動時に配管を介してガス供給管8内に酸素(又は空気)が供給されるようになっている。ガス供給管8の複数箇所にはガス供給口(図示せず)が設けられ、このガス供給口を介してガス供給管8内に供給される酸素(又は空気)が有機物処理室2内に供給されるようになっている。
【0014】有機物処理室2の上部には、有機物処理室2の内圧に応じて開閉する一方向弁9が設けられ、有機物処理室2の内圧が大気圧よりも低くなったときにこの一方向弁9が開くことにより、有機物処理室2外に位置する空気が有機物処理室2内に導かれるようになっている。なお、前述のガス供給源は、必ずしも強制的に外気を有機物処理室2内へ送り込むものに限定されるものではなく、単に有機物処理室2の隙間から内部へ外気を送り込む場合、あるいは、前記一方向弁9のみを設けて外気を取り込む場合をも含むものとする。
【0015】有機物処理室2の下部には、有機物処理室2内外を貫通する排出口10が設けられ、この排出口10を介して有機物処理室2内の二酸化炭素ガスが有機物処理室2外に排出されるようになっている。
【0016】排出口10は、有機物処理室2の下部の少なくとも1箇所に設ければ良い。また、排出口10の形状は、特に限定されるものではないが、抵抗を小さくするために円形状等とすることが望ましい。さらに、排出口10に金網、不織布等を設け、二酸化炭素ガスの流出のみを許容し、有機性廃棄物6の流出を阻止するようにしても良い。
【0017】植物育成室11は、底板12、側板13、屋根板14等によって囲まれる密閉された空間であって、内部に植物15が収容されるようになっている。植物育成室11は、コンクリート等からなる基台19の上部に設けても良いし、地面の上部に直接設けても良い。また、屋外、屋内の何れに設けても良いが、屋外に設ける場合には、雨水等が内部に浸入するのを防ぐために、十分な防水対策を採る必要がなる。植物育成室11の大きさは、育成する植物15の種類、量等に応じたものとすれば良い。植物育成室11は、有機物処理室2に連設しても良いし、有機物処理室2と所定の距離を隔てた部分に設けても良い。植物育成室11内で育成する植物15は、養液栽培とし、有機物処理室2内で有機性廃棄物6を分解処理することにより得られる有機性肥料を固形培土16として使用する。
【0018】植物育成室11の上部には植物育成室11の内圧に応じて開閉する一方向弁17が設けられ、植物育成室11の内圧が大気圧よりも高くなったときにこの一方向弁17が開くことにより、植物育成室11内の酸素が植物育成室11外に排出されるようになっている。
【0019】植物育成室11の下部には植物育成室11内外を貫通する流入口18が設けられ、この流入口18を介して有機物処理室2の排出口10から排出された二酸化炭素ガスが植物育成室11内に流入するようになっている。
【0020】流入口18は、植物育成室11の下部の少なくとも1箇所に設ければ良い。流入口18の形状は、抵抗を小さくするために円形状等とすることが望ましい。また、流入口18に金網、不織布等を設けて、二酸化炭素ガスの流入のみを許容し、植物育成室11内で使用する固形培土16の流出を阻止するようにしても良い。
【0021】ガス搬送手段20は、有機物処理室2の排出口10と植物育成室11の流入口18とを連通するガス搬送路21であって、有機物処理室2の排出口10から排出された二酸化炭素ガスをこのガス搬送路21を介して植物育成室11の流入口18から植物育成室11内に搬送するようになっている。
【0022】ガス搬送路21は、基台19の内部に配管を埋設して構成しても良いし、基台19の内部に穴を設けて構成しても良い。ガス搬送路21の断面形状は、抵抗を小さくすることができる形状であれば良く、例えば円形状等とすることができる。
【0023】ガス搬送路21の途中には、有機物処理室2から排出される二酸化炭素ガスを一旦貯留させるガス貯留室22が設けられ、このガス貯留室22内に二酸化炭素ガスを貯留させることにより、常に一定圧で植物育成室11内に二酸化炭素ガスを供給することができるものである。なお、このガス貯留室22は必ずしも必要ではなく、ガス搬送路21が必然的に有する容積をガス貯留室22としてのガス貯留作用に利用してもよいのはもちろんである。
【0024】ガス搬送路21の途中には、ガスと水分とを分離する分離手段である水分貯留室23が設けられ、この水分貯留室23内にガス搬送路21内を搬送される二酸化炭素ガス中に含まれる水分を貯留させることにより、植物育成室11内に供給される二酸化炭素ガス内に水分が含まれるのを阻止することができるものである。水分貯留室23内に貯留された水分は配管(図示せず)等を介して水分貯留室23から排出され、回収されるようになっている。回収された水分は、有機性の液体肥料として使用することができる。
【0025】ガス搬送路20の途中にポンプ24を設けても良い。ポンプ24を設けることにより、有機物処理室2の排出口10からガス搬送路21内に流出した二酸化炭素ガスを強制的に植物育成室11に搬送することができるものである。このポンプ24の制御は、植物の炭酸同化作用が日照量によって異なる(日照量が多くなる留細活発になるため、二酸化炭素もより多く必要になる)ため、日照量を検出するセンサの出力によってポンプ24の運転を制御することも有効である。例えば1平方メートル当たりの日照量180Wをしきい値とし、このしきい値を超えるとポンプ24を運転し、170〜180Wをしきい値として、このしきい値以下となると停止させるようにしてもよい。また、時刻によっておおまかにポンプ24の運転停止を制御して、日照量の多い昼間のみ運転するようにしてもよい。
【0026】そして、有機物処理室2内に生ゴミ等の有機性廃棄物6と、稲藁等の炭素源7とを適当な割合で収容し、ガス供給源からガス供給管8内に酸素(又は空気)を供給し、ガス供給管8のガス供給口から有機物処理室2内に酸素(又は空気)を供給すると、有機性廃棄物6は微生物の分解作用によりコンポスト化(堆肥化)される。
【0027】すなわち、有機性廃棄物6は、微生物の作用により分解されて、易分解性の有機物は二酸化炭素と水になり、難分解性の有機物はアンモニア、腐植質等になり、腐植質を多く含んだ完熟堆肥(有機性堆肥)が製造される。
【0028】このようなコンポスト化の過程において発生する二酸化炭素ガスは、空気よりも重いために有機物処理室2の下方に溜まり、有機物処理室2の内圧が酸素(又は空気)の供給によって高まることにより、排出口10からガス搬送路21内に押し出される。ガス搬送路21内に押し出された二酸化炭素ガスは、有機物処理室2の内圧と植物育成室11の内圧との差により、ガス搬送路21内を植物育成室11の方向に搬送されて、流入口18から植物育成室11内に供給される。この場合、有機物処理室2内の水分も排出口10からガス搬送路21内に押し出されるが、その水分はガス搬送路21の途中に設けられている水分貯留室23内に回収されることになるので、植物育成室11内に搬送されるようなことはない。なお、ガス搬送路21の途中にポンプ24を設けた場合には、有機物処理室2の内圧と植物育成室11の内圧との差が小さくても、有機物処理室2内の二酸化炭素ガスを植物育成室11内に強制的に搬送することができるものである。有機物処理室2の内圧が二酸化炭素ガスの排出によって大気圧よりも下がると、屋根板5の部分に設けられている一方向弁9が開き、有機物処理室2外に位置する空気が有機物処理室2内に導かれる。
【0029】植物育成室11内に供給された二酸化炭素ガスは、植物育成室11内で育成されている植物15によって吸収される。植物15は、光のエネルギーを用いて二酸化炭素ガスと固形培土16から吸収した水分とで、ブドウ糖やデンプンや繊維素を光合成し、酸素を放出する。
【0030】植物15から放出された酸素によって植物育成室11の内圧が高まると、屋根板14の部分に設けられている一方向弁17が開き、植物育成室内11の酸素が大気中に放出される。なお、植物育成室11から出される植物15の残渣は有機物処理室2の有機性廃棄物6として利用される。
【0031】上記のように構成したこの実施の形態による植物育成システム1にあっては、有機物処理室2内で有機性廃棄物6を分解処理する際に発生する二酸化炭素ガスを植物育成室11内の植物15の育成に利用しているので、植物育成室11内の植物15に二酸化炭素ガスを外部から人為的に施用する必要がなくなる。したがって、二酸化炭素ガスの施用コストがかからなくなるので、植物15の栽培コストを大幅に低減させることができることになる。
【0032】また、植物育成室11内での植物15の育成に、有機物処理室2内で製造された有機性肥料を固形培土16として用いることができるので、固形培土16に非分解性のロックウールを使用する必要がなくなり、使用後の廃棄処理の問題がなくなり、環境保全に貢献できることになる。
【0033】さらに、有機性廃棄物2の分解の際に発生する二酸化炭素ガスは、植物15の育成に全て利用されて、大気中に放出されることがないので、大気中の二酸化炭素ガスの量を増加させるようなことはなく、地球温暖化の抑制に貢献することができることになる。
【0034】さらに、毎日大量に出される生ゴミ等の有機性廃棄物6を有効に利用することができるので、生ゴミ等の有機性廃棄物6の処理の問題を解決することもできることになる。
【0035】そして、加熱源として、有機物処理室2内での有機性廃棄物6の分解の際に発生する発酵熱を利用することができるので、加熱源を別個に設ける必要がなくなり、これによっても栽培コストを低減させることができることになる。
【0036】図2には、この発明による植物育成システムの第2の実施の形態が示されていて、この植物生成システム1は、有機物処理室2及び植物育成室11を傾斜地を利用して設置し、有機物処理室2の排出口10を植物育成室11の流入口18よりも上方に位置させることにより、大気より密度の高い二酸化炭素を重力によって下方の植物育成室へ送り込むようにしたものである。なお、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0037】そして、このような構成の植物育成システム1にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、有機物処理室2内で有機性廃棄物6を分解処理する際に発生する二酸化炭素ガスを植物育成室11内の植物15の育成に利用することができるので、植物育成室11内の植物15に二酸化炭素ガスを外部から人為的に施用する必要がなくなる。したがって、二酸化炭素ガスの施用コストがかからなるくなるので、植物15の栽培コストを大幅に低減させることができることになる。
【0038】また、植物育成室11内での植物15の育成に、有機物処理室2内で製造された有機性肥料を固形培土16として用いることができるので、固形培土16に非分解性のロックウールを使用する必要がなくなり、使用後の廃棄処理の問題がなくなり、環境保全に貢献できることになる。
【0039】さらに、有機性廃棄物6の分解の際に発生する二酸化炭素ガスは、植物15の育成に全て利用されて、大気中に放出されることがないので、大気中の二酸化炭素ガスの量を増加させるようなことはなく、地球温暖化の抑制に貢献することができることになる。
【0040】さらに、毎日大量に出される生ゴミ等の有機性廃棄物6を有効に利用することができるので、生ゴミ等の有機性廃棄物6の処理の問題を解決することもできることになる。
【0041】さらに、加熱源として、有機物処理室2内での有機性廃棄物6の分解の際に発生する発酵熱を利用することができるので、加熱源を別個に設ける必要がなくなり、これによっても栽培コストを低減させることができることになる。
【0042】そして、有機物処理室2の排出口10が植物育成室11の流入口18よりも上方に位置しているので、有機物処理室2内の二酸化炭素ガスは、ガス搬送路21内を植物育成室11の方向に自然に流れて植物育成室11内に供給されることになる。したがって、有機物処理室2の内部に酸素(又は空気)の供給管を設ける必要がなくなり、有機物処理室2には一方向弁9のみを設ければ足りるので、全体の構造を簡単にすることができ、設備費を削減することができることになる。
【0043】なお、この実施の形態においては、傾斜地を利用して有機物処理室2及び植物育成室11を設置したが、平らな部分に段差を設けて、有機物処理室2及び植物育成室11を設置し、有機物処理室2の排出口10を植物育成室11の流入口18よりも上方に位置させるように構成しても良いものである。
【0044】図3には、この発明による植物育成システムの第3の実施の形態が示されていて、この植物育成システム1は、有機物処理室2及び植物育成室11を完全に密閉して、有機物処理室2の上部と植物育成室11の上部との間をガス搬送路25で連通し、植物育成室11内の植物15から放出される酸素をこのガス搬送路25を介して有機物処理室2内に搬送し、有機性廃棄物6の分解に利用するように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0045】そして、この実施の形態に示すものにあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様に、有機物処理室2内で有機性廃棄物6を分解処理する際に発生する二酸化炭素ガスを植物育成室11内の植物15の育成に利用することができるので、植物育成室11内の植物15に二酸化炭素ガスを外部から人為的に施用する必要がなくなる。したがって、二酸化炭素ガスの施用コストがかからなくなるので、植物15の栽培コストを大幅に低減させることができることになる。
【0046】また、植物育成室11内での植物15の育成に、有機物処理室2内で製造された有機性肥料を固形培土16として用いることができるので、固形培土16に非分解性のロックウールを使用する必要がなくなり、使用後の廃棄処理の問題がなくなり、環境保全に貢献できることになる。
【0047】さらに、有機性廃棄物6の分解の際に発生する二酸化炭素ガスは、植物15の育成に全て利用されて、大気中に放出されることがないので、大気中の二酸化炭素ガスの量を増加させるようなことはなく、地球温暖化の抑制に貢献することができることになる。
【0048】さらに、毎日大量に出される生ゴミ等の有機性廃棄物6を有効に利用することができるので、生ゴミ等の有機性廃棄物6の処理の問題を解決することもできることになる。
【0049】そして、加熱源として、有機物処理室2内での有機性廃棄物6の分解の際に発生する発酵熱を利用することができるので、加熱源を別個に設ける必要がなくなり、これによっても栽培コストを低減させることができることになる。
【0050】そして、この実施の形態に示すものは、有機物処理室2及び植物育成室11を完全に密閉しているので、前記第1、第2の実施の形態に示すものよりも有効に資源を利用することができるものである。
【0051】
【発明の効果】この発明による植物育成システム及び植物育成方法は、前記のように構成したことにより、有機物処理室内で有機物を分解処理する際に発生する二酸化炭素ガスを植物育成室内の植物の育成に利用することができるので、植物育成室内の植物に二酸化炭素ガスを外部から人為的に施用する必要がなくなる。したがって、二酸化炭素ガスの施用コストがかからなくなるので、植物の栽培コストを大幅に低減させることができることになる。
【0052】また、植物育成室内での植物の育成に、有機物処理室内で製造された有機性肥料を固形培土として用いることができるので、固形培土に非分解性のロックウールを使用する必要がなくなり、使用後の廃棄処理の問題がなくなり、環境保全に貢献できることになる。
【0053】さらに、有機性廃棄物の分解の際に発生する二酸化炭素ガスは、植物の育成に全て利用され、大気中に放出されることがなくなるので、大気中の二酸化炭素ガスの量を増加させるようなことがなくなり、地球温暖化の抑制に貢献することができることになる。
【0054】さらに、毎日大量に出される生ゴミ等の有機性廃棄物を有効に利用することができるので、生ゴミ等の有機性廃棄物の処理の問題を解決することもできることになる。
【0055】さらに、加熱源として、有機物処理室内での有機性廃棄物の分解の際に発生する発酵熱を利用することができるので、加熱源を別個に設ける必要がなくなり、これによっても栽培コストを低減させることができることになる。
【0056】さらに、二酸化炭素ガスを貯留室内に一旦貯留させることにより、植物育成室内に一定圧の二酸化炭素ガスを供給することができるので、安定した栽培を行うことができることになる。
【0057】さらに、有機物処理室の排出口が植物育成室の流入口よりも上方に位置しているので、有機物処理室内の二酸化炭素ガスはガス搬送路内を植物育成室の方向に自然に流れて植物育成室内に供給されることになる。したがって、全体の構造を簡単にすることができるので、設備費を削減することができることになる。
【0058】さらに、ガス搬送路の途中に設けた分離手段により二酸化炭素ガスと水分とを分離することができるので、回収した水分を有機性の液体肥料として利用することができ、資源を有効に利用することができることになる。
【出願人】 【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
【出願日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2002−262667(P2002−262667A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−70194(P2001−70194)