| 【発明の名称】 |
連続空隙を有する動植物育成床およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】玉井 元治
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| 【要約】 |
【課題】持ち運びあるいは育成に手間がかからない鑑賞用の動植物ないしはその育成手段を提供する。
【解決手段】植物育成床1は、多数の骨材2が、セメントモルタル固化物からなる結合材3で結合されてなる硬化体をその骨格とする。この硬化体は、その内部に連続空隙4を有する。そして、連続空隙4内に、休眠状態ないしは冬眠状態にある植物の種子5と、該植物の成長を扶助する成長扶助材6とが収容されている。そして、この植物育成床1は、容器7により密閉されている。また、容器7内には乾燥剤8が配置されている。植物育成床1を容器7から取り出して、これに水を散布すれば、種子5が発芽し、該植物が成長扶助材6中の肥料を吸収しつつ自然に成長し、鑑賞用植物となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に連続空隙を有する多孔質体と、上記連続空隙内に収容され、低温化又は乾燥により個体成長の初期段階で休眠状態とされた未成長の植物および/または動物と、上記連続空隙内に収容され、上記植物および/または動物の個体成長を扶助する成長扶助材と、上記多孔質体を密閉する封緘材とを備えていることを特徴とする連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項2】 上記未成長の植物が種子、胞子、茎、地下茎または菌糸体類であり、上記未成長の動物が受精卵、蛹または幼生であることを特徴とする、請求項1に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項3】 上記成長扶助材が、粘土、シルト、細砂等の無機物と、セルローズ、ペプトン等の有機物との混合物、またはピートモスもしくは植物粉砕物を含んでいることを特徴とする、請求項1または2に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項4】 上記連続空隙内に未成長の植物が収容されている場合は上記成長扶助材に該植物の肥料が含まれ、上記連続空隙内に未成長の動物が収容されている場合は上記成長扶助材に該動物の餌が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項5】 上記多孔質体が、内部に連続空隙を有する単一の多孔質材料からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項6】 上記単一の多孔質材料が、多孔質スラグ、多孔質ガラス、多孔質セラミック、多孔質火山レキ、軽石、多孔質珊瑚石または木炭であることを特徴とする、請求項5に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項7】 上記多孔質体が、骨材同士が結合材で結合されてなり、内部に連続空隙を有する硬化体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項8】 上記骨材が、砕石、砂利、火山レキ、軽石、人工軽量骨材、発泡ガラス、スラグ、発泡スチロール、木材チップまたは木炭であることを特徴とする、請求項7に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項9】 上記結合材が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂または不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項8に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項10】 上記結合材が、セメントペーストまたはセメントモルタルの固化物であることを特徴とする、請求項8に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項11】 上記のセメントペーストまたはセメントモルタルの固化物が、体積比で上記骨材間空隙部の20〜70%に充填されていることを特徴とする、請求項10に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項12】 上記セメントモルタルに使用される細骨材が、川砂、海砂、砕砂、スラグ砂、火山レキ粉砕物、シラス軽石粉砕物または発泡スチロール粉砕物であることを特徴とする、請求項11に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項13】 上記セメントペーストまたはセメントモルタルが、無機系混和材料として、フライアッシュ、スラグ微粉末、シリカフューム等のポゾラン物質、またはアルミニウム粉末等の発泡剤を含んでいることを特徴とする、請求項12に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項14】 上記セメントペーストまたはセメントモルタルが、有機系混和材料として、高性能減水剤、高性能AE減水剤、ポリマーエマルジョンまたはアクリル系もしくはセルローズ系の増粘剤を含んでいることを特徴とする、請求項11に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項15】 上記封緘材がビニール製もしくはポリエチレン製の袋、プラスチック容器、ガラス瓶または金属缶であり、該動植物育成床が乾燥状態にあり、かつ封緘材内に乾燥剤が封入されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項16】 上記封緘材内の気体に、二酸化炭素が体積比で0.1〜10%含まれていることを特徴とする、請求項15に記載の連続空隙を有する動植物育成床。 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法であって、多孔質体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物と成長扶助材とを水に分散させてなる液状物または泥状物を含浸、噴霧または注入し、上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により乾燥させることを特徴とする連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項18】 請求項1〜16のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法であって、多孔質体の連続空隙に、成長扶助材を水に分散させてなる液状物または泥状物を含浸、噴霧または注入した上で、上記液状物または泥状物を加熱により60〜90℃で滅菌・乾燥させ、多孔質体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物を水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、または植物を植付け、上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により乾燥させることを特徴とする連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項19】 未成長の植物および/または動物を含む液状物または泥状物を乾燥させた後、動植物育成床を冷温環境下に所定期間静置し、未成長の植物および/または動物を冬眠状態にすることを特徴とする、請求項17または18に記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項20】 上記冷温環境が+5〜−8℃の温度範囲であり、上記所定期間が1〜4週間以上であることを特徴とする、請求項19に記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項21】 請求項10〜16のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法であって、粘性の高いセメントペーストまたはセメントモルタルを骨材にまぶして該骨材を結合させることにより、内部に連続空隙を有する硬化体を形成し、上記硬化体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物と成長扶助材とを水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、または未成長の植物を植え付けた後成長扶助材を水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により乾燥させることを特徴とする連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項22】 請求項10〜16のいずれか1つに記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法であって、水とセメントと混和材料とを混合してセメントペーストを調製し、または水とセメントと細骨材と混和材料とを混合してセメントモルタルを調製し、上記セメントペーストまたはセメントモルタルと骨材とを混練りしてセメント混練物を調製し、上記セメント混練物を型枠に打設して固化させることにより、内部に連続空隙を有する硬化体を形成し、上記硬化体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物と成長扶助材とを水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、または未成長の植物を植え付けた後成長扶助材を水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により乾燥させることを特徴とする連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。 【請求項23】 上記硬化体を形成した後、液状物または泥状物を含浸、噴霧または注入する前に、該硬化体を、体積比で0.5〜10%の二酸化炭素を含み撹拌されている気体中に所定時間置き、硬化体表面を中性化させることを特徴とする、請求項21または22に記載の連続空隙を有する動植物育成床の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低温化または乾燥により休眠状態ないしは冬眠状態とされた未成長の植物および/または動物(菌糸類、カビ類を含む)を含み、所望の時期に休眠状態ないしは冬眠状態を解除することにより植物および/または動物(菌糸体類またはカビ類の胞子を含む)に成長を開始させて育成することができる、連続空隙を有する動植物育成床とその製造方法とに関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、家庭、職場などでは、周囲の者に安らぎないしは潤いを与えるなどといった効果があることから、鉢植え植物、水槽入り魚類などといった、比較的長期にわたって生存する鑑賞用ないしは装飾用の動植物(以下、「鑑賞用動植物」という。)が、室内、ベランダ、屋上、庭等に置かれることが多い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような鑑賞用動植物を新たに入手する場合、これらを販売店等で購入して、家庭、職場などに持ち帰るのが普通である。しかしながら、このような鑑賞用動植物は、その持ち運びが不便であるといった問題がある。例えば、鉢植え植物は、土などがこぼれ落ちないように、あるいは植物をいためないように慎重に持ち運ばなければならない。魚類は、十分な量の水に入れた状態で持ち運ばなければならない。また、販売店側では、このような鑑賞用動植物の維持・管理に手間がかかるといった問題がある。 【0004】そこで、例えば鉢植え植物の場合は、その種子を購入して家庭あるいは職場で植木鉢等にまき、該植物を育成するといったことが広く行なわれている。しかしながら、この場合、種子の持ち運びは容易であるが、植木鉢に土や肥料を入れるなどといった、手間がかかりかつ手や衣服を汚すことが多い面倒な作業を必要とする。なお、魚類等の動物の場合は、その卵あるいは幼生は、その採取ないしは保存が困難なことから、ほとんど市販されていない。 【0005】本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、持ち運びあるいは育成に手間がかからない鑑賞用ないしは装飾用の動植物ないしはその育成手段を提供することを解決すべき課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためになされた本発明にかかる連続空隙を有する動植物育成床は、(i)内部に連続空隙を有する多孔質体と、(ii)上記連続空隙内に収容され、低温化(凍結を含む)又は乾燥(水分の低減)により個体成長の初期段階で休眠状態(ないしは冬眠状態)とされた未成長の植物および/または動物と、(iii)上記連続空隙内に収容され、上記植物および/または動物の個体成長を扶助(促進)する成長扶助材と、(iv)上記多孔質体を密閉(シール)する封緘材(密封材)とを備えていることを特徴とするものである。なお、「未成長」とは、将来成長する可能性はあるが、現時点では活発な成長活動を行なっていない状態である。植物の場合は、例えば、発芽、出芽等が起こる前の状態がこれに該当し、動物の場合は孵化、変態等が起こる前の状態がこれに該当する。 【0007】ここで、上記未成長の植物としては、例えば植物の種子、胞子、茎、地下茎または菌糸体類(例えば、アガリクス、シメジ、マイタケ、ヤマブシタケ、シイタケ等の菌糸)があげられ、上記未成長の動物としては、例えば動物の受精卵、蛹または幼生があげられる。また、成長扶助材としては、無機物(例えば、粘土、シルト、細砂等)と有機物(例えば、セルローズ、ペプトン等)の混合物、またはピートモスもしくは植物粉砕物(例えば、腐葉土、堆肥等)を含むものなどがあげられる。連続空隙内に未成長の植物が収容されている場合は成長扶助材に該植物の肥料が含まれているのが好ましく、未成長の動物が収容されている場合は成長扶助材に該動物の餌が含まれているのが好ましい。 【0008】この動植物育成床においては、連続空隙内に収容されている未成長の動植物は低温化または乾燥により休眠状態ないしは冬眠状態となっているので、そのままではとくには変化ないしは成長しない。したがって、動物育成床は、長期間にわたってその状態が変化せず、長期間の保存に耐える。また、この動植物育成床は、その大部分が多孔質体で形成されているので、極めて軽量である。したがって、動植物育成床は容易に持ち運ぶことができる。例えば、この動植物育成床を販売店等で購入した場合、購入者はこれを普通の物品の場合と同様に、容易に家庭、職場等に持ち帰ることができる。また、販売店は、この動植物育成床の維持・管理にほとんど手間がかからない。 【0009】そして、家庭、職場等において未成長の動植物の休眠状態を解除すれば、該動植物は成長を開始する。なお、未成長の動植物の休眠状態は、例えば、動植物育成床に対して、水を与えたり(例えば、噴霧するなどして)、水中に浸漬したり、温度を上昇させたり、低温で保存している場合は常温に戻したり、光をあてたりすることにより解除される。このように一旦成長を開始すれば、動植物は成長扶助材を肥料ないしは餌として利用しつつ自然に成長する。したがって、鑑賞用動植物の育成者は、その育成にほとんど手間をかける必要がなく、該動植物を極めて容易に育成することができる。なお、動植物育成床を、該動植物の育成のために実際に設置する場合は、植物および/または動物の種類に応じて、その育成に適したところ、例えば、水中、半水中(一部水中、一部空気中等)、空気中等に配置される。 【0010】上記動植物育成床において、多孔質体は、例えば、内部に連続空隙を有する単一(単体)の多孔質材料で形成されることができる。このような単一の多孔質材料としては、例えば、多孔質スラグ、多孔質ガラス、多孔質セラミック、多孔質火山レキ、軽石、多孔質珊瑚石、木炭、各種合成樹脂で作成した多孔質樹脂等があげられる。なお、多孔質材料はできるだけ軽量なものを用いるのが好ましい。 【0011】また、多孔質体は、骨材同士が結合材で結合されてなり、内部に連続空隙を有する硬化体で形成されることができる。このような骨材としては、例えば、砕石、砂利、火山レキ、軽石、人工軽量骨材、発泡ガラス、スラグ、発泡スチロール、木材チップ、木炭等があげられる。なお、骨材は、できるだけ軽量なものを用いるのが好ましい。結合材には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の合成樹脂を用いることができる。 【0012】また、結合材には、セメントペーストまたはセメントモルタルの固化物を用いることができる。この場合、セメントペーストまたはセメントモルタルの固化物は、体積比で骨材間空隙部の20〜70%に充填されているのが好ましい。セメントモルタルを用いる場合は、細骨材として、川砂、海砂、砕砂、スラグ砂、火山レキ粉砕物、シラス軽石粉砕物、発泡スチロール粉砕物等を使用するのが好ましい。 【0013】ここで、セメントペーストまたはセメントモルタルは、無機系混和材料を含んでいるのが好ましい。無機系混和材料としては、例えば、フライアッシュ、スラグ微粉末、シリカフューム等のポゾラン物質、あるいはアルミニウム粉末等の発泡剤を用いることができる。また、セメントペーストまたはセメントモルタルは、高性能減水剤、高性能AE減水剤、ポリマーエマルジョン、アクリル系またはセルローズ系の増粘剤等の有機系混和材料を含んでいてもよい。このように、混和材料を用いれば、結合材(セメントペーストまたはセメントモルタルの固化物)の粘度を調整することができ、また硬化後の耐久性や強度が高められる。 【0014】上記動植物育成床において、封緘材(密封材)としては、例えば、ビニールまたはポリエチレン製の袋、プラスチック容器、ガラス瓶、金属缶等があげられる。この場合、動植物育成床が乾燥状態にあり、かつ封緘材内に乾燥剤(例えば、シリカゲル)が封入されているのが好ましい。また、封緘材内の気体(空気)に、二酸化炭素が体積比で0.1〜10%含まれているのがより好ましい(適切な濃度は、生物の種類によって異なる)。 【0015】上記動植物育成床においては、未成長の動植物とその成長扶助材とが含まれているので、そのままの状態では、状況によっては、植物の種子や胞子の場合は発芽したり、小動物の受精卵の場合は孵化するおそれがある。そこで、動植物育成床を自然乾燥、真空乾燥等により急速に乾燥させ、植物の種子や胞子、動物の卵や蛹等の周辺の水分を除去し、動植物を確実に休眠状態ないしは冬眠状態として、育成者の意図に反する発芽、孵化等を確実に阻止するようにしている。また、封緘材内に二酸化炭素を入れた場合は、動植物の休眠状態ないしは冬眠状態を促進・永続させることができる。なお、動植物育成床は、例えば冷蔵庫、冷凍庫等を用いて低温で保存するのが好ましい。このようにすれば、動植物の休眠状態ないしは冬眠状態をより確実に促進・永続させることができる。 【0016】本発明にかかる連続空隙を有する上記各動植物育成床の製造方法は、(i)多孔質体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物と成長扶助材とを水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、または未成長の植物を植え付けた後成長扶助材を水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、(ii)上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により(急速)乾燥させることを特徴とするものである。なお、成長扶助材が肥料および/または餌を含む場合は、肥料および/または餌を別途に含浸、噴霧または注入してもよい。また、オガクズやヌカ等の添加材を、一緒にあるいは別途含浸、噴霧または注入してもよい。この動植物育成床の製造方法によれば、本発明にかかる上記各動植物育成床を容易に製造することができる。 【0017】本発明にかかる連続空隙を有する上記動植物育成床のもう1つの製造方法は、(i)多孔質体の連続空隙に、成長扶助材を水に分散させてなる液状物または泥状物を含浸、噴霧または注入し、(ii)上記液状物または泥状物を、加熱により60〜90℃で滅菌・乾燥させ(例えば、熱風を吹き付けて)、(iii)多孔質体の連続空隙に、未成長の植物および/または動物を水に分散させてなる液状物もしくは泥状物を含浸、噴霧もしくは注入し、または植物を植付け、(iv)上記液状物または泥状物を、自然乾燥または真空乾燥により(急速)乾燥させることを特徴とするものである。なお、成長扶助材が肥料および/または餌を含む場合は、肥料および/または餌を別途に含浸、噴霧または注入してもよい。この動植物育成床の製造方法によれば、多孔質体ないしは成長扶助材を迅速に乾燥させることができ、上記各動植物育成床を短時間で製造することができる。 【0018】上記いずれの動植物育成床の製造方法においても、未成長の植物および/または動物を含む液状物または泥状物を乾燥させた後、動植物育成床を冷温環境下に所定期間静置し、未成長の植物および/または動物を冬眠状態にするのが好ましい。ここで、上記冷温環境が+5〜−8℃の温度範囲であり(動植物の種類によって相違する)、上記所定期間が1〜4週間以上であるのが好ましい。このようにすれば、動植物をより確実に冬眠状態にすることができる。 【0019】ここで、多孔質体が硬化体である動植物育成床を製造する場合は、粘性の高いセメントペーストまたはセメントモルタルを骨材にまぶして骨材を結合させることにより、内部に連続空隙を有する硬化体を形成するのが好ましい。また、(i)水とセメントと混和材料とを混合してセメントペーストを調製し、または水とセメントと細骨材と混和材料とを混合してセメントモルタルを調製し、(ii)上記セメントペーストまたはセメントモルタルと骨材とを混練りしてセメント混練物を調製し、(iii)上記セメント混練物を型枠に打設して固化させることにより、内部に連続空隙を有する硬化体を形成してもよい。なお、セメントペーストまたはセメントモルタルの材料と骨材とを混練りして、1つの工程でセメント混練物を調製してもよい。 【0020】これらの場合、硬化体を、体積比で0.5〜10%の二酸化炭素、あるいは10%以上の二酸化炭素を含み撹拌されている気体中に所定時間(例えば、10〜60分)置き、硬化体表面を中性化させるのが好ましい。一般に、セメント系材料を用いた多孔質材では、その表面が強アルカリを呈するが、この強アルカリは動植物の成長を妨げる。しかしながら、このような中性化処理を行なえば、二酸化炭素によりこの強アルカリが中和され、動植物の成長が促進される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、ここでは、植物のみを育成する場合(植物育成床)を例にとって説明するが、動物のみを育成する場合(動物育成床)、あるいは植物および動物の両方を育成する場合(動植物育成床)も、その基本的技術は同様である。図1に示すように、本発明にかかる植物育成床1は、多数の骨材2が結合材3で結合されてなり、内部に連続空隙4を有する硬化体をその骨格とする。そして、連続空隙4内に、植物の種子5と、該植物の成長を扶助する成長扶助材6とが収容されている(入っている)。そして、この植物育成床1は、容器7により密閉(封緘)されている。また、容器7内には乾燥剤8(例えば、シリカゲル)が配置されている。 【0022】ここで、骨材2には、砕石が用いられている。しかしながら、骨材2は砕石に限定されるものではなく、その他の種々の材料、例えば、砂利、火山レキ、軽石、人工軽量骨材、発泡ガラス、スラグ、発泡スチロール、木材チップ、木炭等を用いることができる。結合材3には、水、セメントおよび細骨材からなるセメントモルタルの固化物が用いられている。セメントモルタルの固化物は、体積比で骨材間空隙部の20〜70%に充填されている。細骨材には、川砂が用いられている。しかしながら、細骨材は、川砂に限定されるのもではなく、その他の種々の材料、例えば、海砂、砕砂、スラグ砂、火山レキ粉砕物、シラス軽石粉砕物、発泡スチロール粉砕物、木材チップ粉砕物、オガクズ等を用いることができる。 【0023】このセメントモルタルには、その強度を高めるために、無機系混和材料と有機系混和材料とが添加されている。なお、無機系混和材料としては、ポゾラン物質(例えば、フライアッシュ、スラグ微粉末、シリカフューム等)または発泡剤(例えば、アルミニウム粉末等)を用いることができる。また、有機系混和材料としては、高性能減水剤、高性能AE減水剤、ポリマーエマルジョン、アクリル系またはセルローズ系の増粘剤等を用いることができる。 【0024】植物の種子5は、種々の植物の種子、例えば各種洋芝、高麗芝、マンネングサ(セダム)等の種子の中から選択することができる。なお、種子に代えて、コケ・シダ類の胞子、または茎もしくは地下茎の乾燥物等を用いてもよい。成長扶助材6は、粘土、シルト、細砂等の無機物と、セルローズ、ペプトン等の有機物との混合物、またはピートモスもしくは植物粉砕物(腐葉土、堆肥等)に、上記植物に適した肥料を添加したものが用いられている。 【0025】容器7は、植物育成床1を密閉できるものであれば、どのようなものでもよく、例えば、プラスチック容器、ガラス瓶、金属缶等を用いることができる。なお、容器の代わりにビニール製またはポリエチレン製の袋を用いてもよい。乾燥剤8にはシリカゲルが用いられているが、どのような乾燥剤を用いてもよい。ここで、植物育成床1は、乾燥状態で容器1内に収容されている。すなわち、この植物育成床1には、植物の種子5と肥料を含む成長扶助材6とが含まれているので、水分が多いと、植物の種子5が、育成者の意図に反して発芽するおそれがある。そこで、植物育成床1を自然乾燥または真空乾燥等により急速乾燥させ、種子5の周辺の水分を除去し、該種子5を確実に休眠状態ないしは冬眠状態として、不本意な発芽を確実に阻止するようにしている。 【0026】また、容器7内には、二酸化炭素を体積比で0.1〜10%含む空気が封入されている。この二酸化炭素は、植物の種子5の休眠状態ないしは冬眠状態を促進・永続させる。なお、二酸化炭素の適切な含有量は、動植物等の種類によって相違する。なお、この植物育成床1は、植物の種子5の休眠状態ないしは冬眠状態をより確実に促進・永続させるため、冷蔵庫等を用いて低温で保存するのが好ましい。 【0027】以下、この植物育成床1の製造方法を説明する。この植物育成床1を製造するには、まず水とセメントと細骨材と混和材料とを混合してセメントモルタルを調製する。なお、適切な細骨材および混和材料は、前記のとおりである。次に、セメントモルタルと骨材2とを混練りしてセメント混練物を調製する。そして、このセメント混練物を型枠に打設して固化させることにより、骨材2が結合材3(セメントモルタルの固化物)で結合されてなり、内部に連続空隙4を有する硬化体(セメント硬化体)を得る。 【0028】次に、硬化体を、体積比で10%以上の二酸化炭素を含み撹拌されている空気中に10〜60分置き、強アルカリ性の硬化体表面を中性化(中和)させる。なお、自然状態で長時間(1か月以上)放置しておいても中性化する。そして、硬化体の連続空隙4に、植物の種子5と成長扶助材6とを水に分散させてなる液状物ないしは泥状物を含浸、噴霧または注入する。次に、この液状物ないしは泥状物を含む硬化体を、自然乾燥または真空乾燥により急速乾燥させ、植物育成床1(まだ、完成はしていない)を得る。 【0029】なお、ここでは、植物の種子5と成長扶助材6とを水に分散させてなる液状物ないしは泥状物を用いて、種子5と成長扶助材6とを同時に連続空隙4に入れるようにしているが、これらを個別に入れるようにしてもよい。この場合は、例えば、次のような手法が用いられる。すなわち、まず連続空隙4に成長扶助材6を水に分散させてなる液状物または泥状物を含浸、噴霧または注入する。そして、液状物ないしは泥状物を、熱風(60〜90℃、滅菌を必要とする場合は70℃以上が好ましい)を吹き付けて迅速に乾燥させる。なお、自然乾燥で乾燥させてもよい。次に、連続空隙4に、種子5を水に分散させてなる液状物ないしは泥状物を含浸、噴霧または注入する。この後、液状物ないしは泥状物を含む硬化体を、自然乾燥または真空乾燥により急速乾燥させ、植物育成床1(まだ、完成はしていない)を得る。 【0030】次に、植物育成床1を、+5〜−8℃の冷温環境下に1〜4週間以上静置し、植物の種子5を、確実に休眠状態ないしは冬眠状態にする。この後、植物育成床1と乾燥剤8とを容器7に入れる。そして、さらに完全に長期休眠状態にするために、容器7内に二酸化炭素を、体積比で0.1〜10%含まれるように添加した後、該容器7を密閉・封緘する。かくして、植物育成床1が完成する。 【0031】このようにして製造された植物育成床1は、連続空隙4内に収容されている植物の種子5が休眠状態ないしは冬眠状態にあるので、そのままではとくには変化ないしは成長しない。したがって、この植物育成床1は、長期間にわたってその状態が変化せず、長期間の保存に耐える。なお、この植物育成床1を冷蔵庫等を用いて低温状態で保存すれば、さらに長期間にわたって保存することができる。 【0032】この植物育成床1は、コンパクトかつ軽量であるので、容易に持ち運ぶことができる。したがって、植物育成床1を例えば販売店で購入した場合、購入者はこれを容易に家庭、職場等に持ち帰ることができる。また、販売店は、この植物育成床1の維持・管理にほとんど手間がかからない。 【0033】この植物育成床1は、容器7から取り出して所望の場所に配置し、水を与えれば、種子5は休眠状態ないしは冬眠状態が解除されて発芽し、該植物は成長を開始する。このように一旦成長を開始すれば、該植物は成長扶助材6を肥料として利用しつつ自然に成長し、鑑賞用植物となる。したがって、鑑賞用動植物の育成者は、その育成にほとんど手間をかける必要がなく、該植物を極めて容易に育成することができる。 【0034】なお、上記の実施形態では、連続空隙4内に植物の種子5と成長扶助材6とを収容した植物育成床1を例にとって本発明を説明している。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、連続空隙内に苔やシダ類の胞子、あるいは菌糸体類(例えば、シメジ、マイタケ、ヤマブシタケ、シイタケ、アガリクス茸等の菌糸)と、その育成に適した成長扶助材とを収容すれば、苔やシダ類を育成する植物育成床が得られる。 【0035】また、連続空隙内に、動物の受精卵、蛹、幼生等と、その育成に適した成長扶助材(該動物の餌を含む)とを収容すれば、該動物を育成する動物育成床が得られる。具体的には、例えば、ミジンコ、カブトエビ、ミミズ、昆虫類(スズムシ、コオロギ等)、両生類(カエル等)、魚類、小型の爬虫類等の受精卵と、これらの育成に適した成長扶助材(餌を含む)とを連続空隙に収容すれば、これらの動物を育成する動物育成床が得られる。なお、これらの動物の冬眠状態にある幼生と成長扶助材とを連続空隙に収容してもよい。 【0036】このような動物育成床においても、容器から取り出した後、動物の種類に応じて受精卵、蛹、幼生等の休眠状態ないしは冬眠状態を解除すれば(例えば、魚類の場合は水中に浸漬する。)、受精卵が孵化し、あるいは蛹、幼生等が成長を開始し、該動物は成長扶助材に含まれる餌を食べながら自然に成長する。なお、連続空隙に、植物の種子ないしは胞子およびその育成に適した成長扶助材と、動物の受精卵、蛹ないしは幼生およびその育成に適した成長扶助材とを収容すれば、植物と動物の両方を育成する動植物育成床が得られるのはもちろんである。 【0037】上記の実施形態では、結合材としてセメントモルタルを用いているが、結合材としてセメントペーストを用いてもよい。また、セメント系の結合材ではなく、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の合成樹脂を結合材として用いてもよい。さらに、上記の実施形態では、多孔質体として、骨材と結合材とからなる硬化体を用いているが、内部に連続空隙を有する単一(単体)の多孔質材料からなる多孔質体を用いてもよ。このような多孔質材料としては、例えば、多孔質スラグ、多孔質ガラス、多孔質セラミック、多孔質火山レキ、軽石、多孔質珊瑚石を用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592010276 【氏名又は名称】玉井 元治 【識別番号】593087422 【氏名又は名称】株式会社パリティジパング 【識別番号】594101846 【氏名又は名称】南州コンクリート工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月14日(2001.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062144 【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−262658(P2002−262658A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月17日(2002.9.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−71982(P2001−71982) |
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