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【発明の名称】 トウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法
【発明者】 【氏名】白井 建史

【氏名】萩森 学

【要約】 【課題】トウガラシ属(Capsicum)植物の栄養繁殖方法を確立することによって、品種開発に要する期間を大幅に短縮することができ、多岐にわたる要求に迅速に対応した品種開発も可能とする。

【解決手段】トウガラシ属(Capsicum)植物におけるシュートを切断して得られる穂木を挿し穂又は接ぎ木する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トウガラシ属(Capsicum)植物におけるシュートを切断して得られる穂木を挿し穂又は接ぎ木することを特徴とするトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項2】 上記穂木は、複数に分枝したシュート木端部位を切断することにより得られることを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項3】 上記穂木を挿し穂又は接ぎ木した後、養液栽培することを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項4】 上記養液栽培に使用する培養液のEC値を、定植時は0.6〜1.0(mS/cm)に設定し、採穂時は1.0〜3.0(mS/cm)に設定することを特徴とする請求項3記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項5】 トウガラシ属(Capsicum)植物の母株を栽培する際、栽植密度を60本/m2未満に定植することを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項6】 トウガラシ属(Capsicum)植物の母株を栽培する際、栽植密度を60本/m2以上に定植することを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項7】 トウガラシ属(Capsicum)植物を接ぎ木した後、17〜22℃の温度条件下とすることを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項8】 栄養繁殖させる母株を、穂木がタバコモザイクウイルス(TMV)に感染した場合に穂木と台木の接合部にて過敏感反応を起こす組み合わせとすることを特徴とする請求項1記載のトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法。
【請求項9】 請求項1〜8いずれか一項に記載されたトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法により、トウガラシ属(Capsicum)植物の苗を得ることを特徴とする苗生産方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、トウガラシ属に属する植物の増殖方法に関し、特に、トウガラシ属に属する植物における栄養系苗の生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トウガラシ(Capsicum)属植物の野菜としては、緑色ピーマンの他、赤色、黄色及びオレンジ色のパプリカやカラーピーマン、トウガラシ、シシトウ等が知られている。これらトウガラシ属の植物においては、通常、固定品種又はF1品種として種子による栽培が行われていた。また、通常F1種子を開発するには、両親を固定する必要があり、長い年月を要する。すなわち、トウガラシ属植物においては、様々な品種開発に長期間を必要とし、迅速な品種開発を行うことが困難であった。
【0003】近年、同じナス科植物であるペチュニア等では、サツマイモ、イチゴ、ワサビ等で行われている栄養繁殖により生産された苗が実用化されているが、トウガラシ属植物、特にピーマンでは効率的に栄養繁殖を行う技術が確立されておらず、栄養繁殖による苗も実用化には至っていない。
【0004】一方、トウガラシ属植物、特にピーマンでは、従来から、いわゆる「種無しピーマン」に対する要望があった。ところで、種無しピーマンは、四倍体と二倍体との交配により得られる三倍体植物に出現することが知られている。しかしながら、三倍体植物の種子は、採種効率が極めて低いために、一般に普及するには至っていない。すなわち、トウガラシ属植物においては、種無しピーマン等の種子で苗を生産することが困難な選抜個体については品種として生産することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、トウガラシ属(Capsicum)植物の栄養繁殖方法を確立することによって、品種開発に要する期間を大幅に短縮することができ、多岐にわたる要求に迅速に対応した品種開発も可能となるトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために本発明者は、トウガラシ属(Capsicum)植物を大量に増殖する方法、それらを効率的に苗化する方法について鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者は、トウガラシ属(Capsicum)植物において、初めて栄養繁殖による苗生産を可能とする方法を確立し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法は、トウガラシ属(Capsicum)植物におけるシュートを切断して得られる穂木を挿し穂又は接ぎ木することを特徴とするものである。また、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法は、上記穂木が複数に分枝したシュートの木端部位を切断することにより得られるものであることが好ましい。ここで、シュートの木端部位とは、枝先から20cm以内のシュートを意味するが、必ずしもその長さに限定されるものではない。
【0008】さらに、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法は、上記トウガラシ属(Capsicum)植物を養液栽培することが好ましい。さらにまた、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法は、上記養液栽培に使用する培養液のEC値を、定植時は0.6〜1.0(mS/cm)に設定し、採穂時は1.0〜3.0(mS/cm)に設定することが好ましい。
【0009】さらにまた、トウガラシ属(Capsicum)植物の母株を栽培する際、栽植密度を60本/m2未満に定植することによって、栽培期間が3ヶ月を越えるような場合においてより早く増殖させることができる。さらにまた、トウガラシ属(Capsicum)植物の母株を栽培する際、栽植密度を60本/m2以上に定植することによって、栽培期間が3ヶ月以内であるような場合において、単位面積あたりの栽穂効率を向上させることができる。さらにまた、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の作出方法は、トウガラシ属(Capsicum)植物を接ぎ木した直後、17〜22℃の温度条件下とすることが好ましい。
【0010】さらにまた、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法は、穂木を挿穂する母株に接ぎ木苗を用いる場合、母株がタバコモザイクウイルス(TMV)に感染した場合に穂木と台木の接合部にて過敏感反応を起こす組み合わせとすることが好ましい。さらにまた、本発明に係る苗生産方法は、上記トウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法により、トウガラシ属(Capsicum)植物の苗を得ることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法について詳細に説明する。本方法は、所定のトウガラシ属植物におけるシュートを切断して得られる穂木を挿し穂するか又は当該穂木を接ぎ木することによって、当該トウガラシ属植物を増殖する方法である。本方法によれば、両親となる植物を固定した後にF1品種を得るといった従来の育種方法と比較して、ランダムに交配して得られた個体をそのまま品種にできるため、新規品種を短時間に且つ容易に確立することができる。
【0012】ここで、本方法では、トウガラシ属植物を増殖対象としている。トウガラシ属植物としては、例えば、ピーマン、パプリカ、シシトウ及びトウガラシ等を挙げることができる。本方法において、先ず、増殖対象のトウガラシ属植物を選定する。増殖対象のトウガラシ属植物は、公知の手法に従ってランダムに交配してなる多種のトウガラシ属植物から選定することができる。すなわち、ランダムに交配してなる多種のトウガラシ属植物において、所望の優れた個体を選びだし、増殖対象のトウガラシ属植物とすることができる。
【0013】特に、本方法において、増殖対象のトウガラシ属植物は、WO99/12412に記載されているウィルスフリーのトウガラシ植物苗生産方法に準じて生産されたものが好ましい。この方法に従えば、ウィルスに感染していないトウガラシ属植物を得ることができる。
【0014】次に、増殖対象のトウガラシ属植物において、成長したシュートを切断して穂木を得る。ここで、トウガラシ属植物において、増殖に適した長さ(3〜10cm)に伸長したシュートは全て穂木として用いることができる。特に、4〜10cmに伸長したシュートを穂木として用いることが好ましいがこれらに限定されるものではない。また、穂木は、複数に分枝したシュート木端部位を切断することにより得られることが好ましい。
【0015】次に、得られた穂木を挿し穂又は接ぎ木する。挿し穂とは、少なくとも水を含む培地中に穂木を載置することによって、根や苗を生じさせ1つの個体とすることを意味する。接ぎ木とは、得られた穂木と所定の台木とを一体化し、穂木の発達を続行するようにして癒合させて、単一の個体とすることを意味する。
【0016】挿し穂する際には、一般的に、オアシス(日本曹達株式会社製)やバーミキュライト(ニッタイ株式会社製)等を使用する。湛液タイプの水耕で栽培する場合には、オアシス(日本曹達株式会社製)等の固形培地に挿すことが好ましい。また、穂木を挿すに際して、オキシベロン粉剤(塩野義製薬株式会社製)等の発根促進剤を当該穂木における切断面に塗布することが好ましい。なお、発根促進剤を穂木における切断面に塗布することは必須ではない。
【0017】一方、接ぎ木は、挿し穂と比較して定植までの期間が短いため、本発明において好ましい。具体的に、挿し穂の場合には穂木を挿してから発根までに3〜4週かかるが、接ぎ木の場合には接ぎ木後2〜3週で定植が可能となる。接ぎ木した後、17〜22℃で養生することが好ましい。養生の際の温度条件を17〜22℃とすることによって、トウガラシ属植物から採取した穂木を確実に発育させることができる。
【0018】また、接ぎ木を行う場合、通常、穂木及び台木において、タバコモザイクウィルス(TMV)抵抗性のタイプを同じくすることが好ましい。しかしながら、接ぎ木苗を増殖用の母株に用いる場合は、母株がTMVに感染すると、穂木と台木との接合部にて過敏感反応を起こすようなTMV抵抗性に関して異なる組み合わせにすることが好ましい。その結果、TMVに感染した母株は枯死し、TMVの蔓延を最小限にと留めることができる。
【0019】次に、挿し穂又は接ぎ木を行った後、栽培する。この栽培方法としては、特に限定されないが、養液栽培を行うことが好ましい。養液栽培を行う場合、培地のEC(電気伝導度)は、定植時は0.6〜1.0(mS/cm)に設定し、採穂時は1.0〜3.0(mS/cm)に設定することが好ましい。
【0020】栽培に際して、より早く増殖したい場合や栽培期間が3ヶ月以上になる場合は栽植密度を60本/m2未満とすることが好ましい。また、栽培に際して、栽培期間が3ヶ月以内であって単位面積あたりの採穂効率を高くする場合には、栽植密度を60本/m2以上とすることが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1本例では、トウガラシ属植物の一例としてピーマンを用いて、挿し穂により増殖させた。まず、ウイルスフリー確認済みのピーマン選抜個体から、茎長が3〜10cm程度のシュートを採穂した。採穂した穂木の切断面に発根促進剤のオキシベロン粉剤(塩野義製薬(株))を塗布し、オアシスに挿した。そして、20〜25℃、湿度90%以上、約3000luxの蛍光灯下に12時間日長に設定した苗ピットに静置し、栽培した。その結果、3〜4週後には発根し、定植可能な苗となった。
【0022】実施例2本例では、トウガラシ属植物の一例としてピーマンJT育成系統VP4を用いて、接ぎ木により増殖させた。まず、ウイルスフリー確認済みのピーマンJT育成系統VP4から、茎長が3〜10cm程度のシュートを採穂した。採穂した穂木を用いて接ぎ木をした。台木は京波(タキイ種苗(株))を用いた。VP4のTMVに対する抵抗性を全く持たず、京波はL1の抵抗性を持つ。従って、この接ぎ木苗にTMVが感染すると、接ぎ木接着面で過敏感反応を起こして枯死する。
【0023】トウガラシ属(Capsicum)植物を栄養繁殖した場合、接ぎ木後、通常のトマトやピーマンの養生条件下では、活着はするが穂木が落葉し、直ちに出荷可能な苗を生産できる効率が低くなる虞がある。そこで落葉を防ぐために、接ぎ木後の養生の温度を検討した。具体的には、養生温度を20℃、22℃、25℃又は27℃とし、それぞれの温度で養生したときの出荷可能な苗を得る割合を算出した。
【0024】養生温度以外の各種条件は、湿度95%以上、12時間日長、日数5〜7日とした。そして、苗ピットから出庫後トンネル内で遮光した後に徐々に自然条件に順化した。実験は、約10回行い、それぞれについて接ぎ木14日後に活着率、出荷可能苗率を調査した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】表1に示すように、養生温度が低いほど活着率及び出荷可能苗率が高くなっており、特に、出荷可能苗率は大幅に上昇している。養生温度が27℃の場合、接ぎ木によって活着はするがほとんどが落葉し、出荷可能苗率はわずか4%にとどまった。これに対して、養生温度を低くすると、落葉数は減り、活着率も向上した。また、養生温度を22℃以下とした場合には、活着率及び出荷可能苗率ともに優れた値となった。なお、養生温度が高い場合には、蒸散量が多くなるので、蒸散量を抑制するために葉を落としてしまうと考えられる。
【0027】実施例3本例では、実施例1で使用した「京波」を用いて、トウガラシ属(Capsicum)植物を栄養繁殖する際の効率良く採穂する方法を検討した。具体的には、8/18に挿し穂し、9/17に湛液タイプの水耕装置に定植した。養液としては、JT水耕栽培用肥料のA-4(日本たばこ産業株式会社)を886g/1000l、B-2を443g/1000l、C-1を50g/1000lになるよう調合したものを使用した。栽植密度は60本/m2、栽植本数は各32本とした。定植開始時は、EC(電気伝導度)を0.8に設定し、以後徐々にECを上げ、定植1ヵ月後にはECを1.5とした。pHは5.5〜7.0の範囲内に設定した。なお、ECは、簡易型のECメーター(東亜電波工業株式会社)を用いて測定することができる。
【0028】定植した京波を1〜6区に分け、1区と2区の採穂開始日を11/1とし、3区と4区の採穂開始日をその4週後(11/29)とし、5区と6区の採穂開始日をさらに4週後(12/27)とした。そして、採穂は、茎長が4cm以上に伸びたシュートを週2回切断することによって行った。また、1、3及び5区では二股に分かれたシュートの双方を切断し、2、4及び6区では二股に分かれたシュートの片方のみを切断した。各区における採穂数を、m2あたりの数に換算した結果を表2に示す。
【0029】
【表2】

【0030】表2から判るようにより早い段階で採穂をはじめた方がトータルの採穂数が多くなった。また、この表2から、二股に分かれたシュートの双方を切断した方が、片側のみを切断する場合と比較して採穂数が多くなっていることが判った。一般に、「京波」は、成長段階で、まず花芽が分化し、葉が1枚でき、そこで茎が二股又は三股に分かれる。すなわち、シュートの数は、倍、倍と増えることになる。したがって、長期間の栽培によってシュートの数は増えていくこととなる。しかしながら、上述のように、早い段階で採穂をはじめた区では、トータルの採穂数が多くなっていた。これは、早い段階でシュートをカットすることにより腋芽の伸長が誘導されたためであると考えられる。
【0031】また、シュートの双方を切断した場合には、片方のみを切断した場合に比べてより腋芽の伸長が促進されるため、採穂数が多くなったと考えられる。また、シュートの数は倍、倍とは増えるが、茎の伸長が均一でなく、特に2、4及び6区では、生育の良い側のシュートを採穂して生育の悪い側のシュートの残すため、その分、茎の伸長に遅れが出たと考えられる。
【0032】実施例4トウガラシ属(Capsicum)植物を水耕栽培によって栄養繁殖する場合、栄養繁殖に対するEC(電気伝導度)の影響を検討した。ここでは、採穂数を計測することによって、栄養繁殖に対するECの影響を評価した。採穂方法は実施例3の1区に準じた。なお、本例では、45本/m2の栽植密度で15本定植した。
【0033】ECは、定植直後は0.7に設定し、以後徐々に高めて、定植1ヶ月後には1区が1.0、2区は1.5、3区は3.0にした。なお、水耕栽培と土耕栽培を比較する目的で、6号鉢にも定植した。実際の採穂数から、一株あたりの採穂数に換算した結果を表3に示す。
【0034】
【表3】

【0035】表3から判るように、水耕栽培によって栄養繁殖する際、どの区分においても採穂数にあまり差が見られなかった。一方、水耕栽培と鉢を用いた土耕栽培とを比較したところ、水耕栽培の方が明らかに採穂数が多くなっていた。
【0036】実施例5本例では、実施例2に記載した方法に準じて接ぎ木した苗を用い、実施例3における1区の採穂方法で、養液栽培にて栽植密度と採穂数の関係を調査した。穂木はJT育成系統のVP4、台木品種は京波、接ぎ木日は4/24〜27、5/18に湛液タイプの水耕装置に定植した。定植開始時は、ECを0.8に設定、以後徐々にECを上げ、定植1ヵ月後にはECを1.5とした。また、pHは5.5〜7.0の範囲内に設定した。栽植密度は、1区180本/m2、2区120本/m2、3区90本/m2、4区60本/m2、5区45本/m2、6区30本/m2とした。栽植本数は、1区96本、2区64本、3区48本、4区32本、5区24本、6区16本とした。結果を表4及び表5に示す。
【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

【0039】表4から判るように、一株当たりの採穂数は、疎植にするほど多くなった。しかしながら、表5から判るように、単位面積あたりの採穂数は、密植にするほど多くなった。従って、栽培面積に余裕があり、より早く増殖したい場合は疎植(60本/m2未満)に、栽培面積が限られ、限られた面積を有効活用したい場合は密植(60本/m2以上)にすると良いことがわかった。
【0040】実施例6本例では、実施例1及び2で増殖した母株を湛液タイプの水耕装置に定植し、接ぎ木苗を生産した。本例では、栽植密度を30〜180本/m2、ECを定植時0.7(mS/cm)、採穂時1.5(mS/cm)に設定した。また、実施例3の1区に準じて採穂し、接ぎ木を行った。穂木はTMVの抵抗性を持たないJT育成系統のVP4であり、台木は同じくTMVの抵抗性を持たない伊勢ピーマン(丸種株式会社製)を用いた。本例は、出荷面の作出を想定したため、穂木と台木とにおいてTMV抵抗性の同じものを用いた。本例では、接ぎ木直後、温度20℃、湿度95%以上、12時間日長に設定した苗ピットにて5〜7日間養生し、その後ハウス内のトンネルで徐々に自然条件に順化した。その結果、本例によれば、接ぎ木14日後には出荷可能な接ぎ木苗を得ることが可能となった。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、トウガラシ属(Capsicum)植物の栄養繁殖方法を確立することができたため、品種開発に要する期間を大幅に短縮することができ、多岐にわたる要求に迅速に対応した品種開発も可能となるトウガラシ属(Capsicum)植物の増殖方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
【出願日】 平成13年3月12日(2001.3.12)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2002−262657(P2002−262657A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−68259(P2001−68259)