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【発明の名称】 植栽ポットの製造方法
【発明者】 【氏名】景山 英治

【氏名】景山 昌治

【氏名】景山 政光

【要約】 【課題】枠状ケースの収容ポケットに植栽ポットを嵌め込み並べる作業の省力化および能率向上を図れ、かつ、枠状ケースの収容ポケット内において、花を所望する方向に向けて方向転換させて収納することができる植栽ポットを、簡単に製造でき廉価に提供できる製造方法を案出し、提供すること。

【解決手段】合成樹脂樹脂シートを型成形して、単一の植栽ポット15の複数個を縦横方向に並列して配置され、かつ、相互に隣接する植栽ポット15の周壁11に相当する部分を全体として逆U字形状に形成されており、全体としてトレイ形状に一体形成された原型のシート材10を成形する工程、この原型のシート材10を切断して前記植栽ポット15ごとに分離し、植栽ポット15単体を成形する工程、ついで各植栽ポットの上端部を熱処理して上端部をカール状に成形する工程を有し、必要に応じて、各植栽ポットに角孔やスリット等の排水孔を穿設する工程が加わる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上面が開口する筒状の周壁と、該周壁の軸方向下端側に連続する底壁とからなる単一の植栽ポットの複数個を縦横方向に配置し、互いに隣接する植栽ポットの周壁上端部の全体形状が逆U字形状をなしている原型のシート材を得、この原型のシート材を切断して前記植栽ポットごとに分離したのち、各植栽ポットの上端部を熱処理加工して植栽ポットの上端部にカール部を形成することを特徴とする、植栽ポットの製造方法。
【請求項2】前記植栽ポットは、その上端開口部が矩形に形成された鉢状であることを特徴とする請求項1に記載の、植栽ポットの製造方法。
【請求項3】前記植栽ポットは、その上端開口部の周縁が波状に形成された鉢状であることを特徴とする請求項1に記載の、植栽ポットの製造方法。
【請求項4】前記植栽ポット単体は、周壁から底壁にわたる複数の補強用線状リブが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の、植栽ポットの製造方法。
【請求項5】前記植栽ポット単体は、周壁から底壁にわたる排水用の角孔またはスリット孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の、植栽ポットの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜や花き等の植物苗を育苗するために使用する簡易なカール付植栽ポットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、野菜および花き等の植物苗を育苗するに際して、ポリエチレンまたは塩化ビニル等の軟質合成樹脂製の植栽ポットが多用されているが、かかるポットは上端開口縁で終端する筒状の周壁と、該周壁下端より連続する排水孔付きの底壁とからなる単一の鉢体として形成されたものである。
【0003】一方、特開平9−275804号公報には、トレー内に複数の植栽ポット部を形成するとともに、該植栽ポット部を切り離しすためのミシン目を設け、植栽ポット単体に切り離すように構成された植栽ポット用成形体(原型のシート材)が開示されている。
【0004】また、特開平10−215689号公報には、単一の鉢体形状をなす植栽ポットの複数個を、該植栽ポットの側壁の上端開口縁に外方向に張り出す連結耳部を設け、複数の植栽ポットを連結耳部にて引き裂き分離可能に連結した植栽ポット用成形体(原型のシート材)が開示されており、特開平10−315315号公報には、単一の鉢体形状をなす植栽ポットの複数個を、該植栽ポットの上端開口部周縁に連接部を一体的に形成し、土壌を収容した植栽ポットの引き千切りにより、前記連接部を破断可能に構成した植栽ポット用成形体(原型のシート材)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記鉢状の植栽ポット単体は、使用材料の節約や軽量化のためにかなり薄肉に形成されており、側壁に補強用のリブが形成されていても、腰が弱くて保形性に乏しく、取扱い難いものであった。また、積み重ねられた状態の植栽ポットが密着し易いために、一つ一つ抜き取る作業が誠に面倒であり、二個取りや三個取りが発生して、スムーズな作業ができない等の問題があった。
【0006】そのため、植栽ポットを一つ一つ抜き取りながら、枠状ケースの収容ポケットに嵌め込み並べるセット作業時に、作業時間がかかって作業効率が悪いという問題があった。
【0007】一方、植栽ポット単体の上端開口部に、この上端開口部から外方向に向けて張り出す鍔部を有するポットがあり、その上端開口部が変形し難く、腰が強くて保形性に優れ、誠に取扱い易いものの、花を所望する方向に向けて方向転換させ難い傾向があった。
【0008】本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、枠状ケースの収容ポケットに植栽ポットを嵌め込み並べる作業の省力化および能率向上を図れ、かつ、枠状ケースの収容ポケット内において、花を所望する方向に向けて方向転換させて収納することができる植栽ポットを、簡単に製造でき廉価に提供できる製造方法を案出し、提供せんとするところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明に係る植栽ポットの製造方法が採用した構成は、請求項1の発明は、上面が開口する筒状の周壁と、該周壁の軸方向下端側に連続する底壁とからなる単一の植栽ポットの複数個を縦横方向に配置し、互いに隣接する植栽ポットの周壁上端部の全体形状が逆U字形状をなしている原型のシート材を得、この原型のシート材を切断して前記植栽ポットごとに分離したのち、各植栽ポットの上端部を熱処理加工して植栽ポットの上端部にカール部を形成するところに構成的特徴を有する製造方法を、その要旨とするものである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の製造方法において、前記植栽ポットは、その上端開口部が矩形に形成された鉢状であるものを、その要旨とするものである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の製造方法において、前記植栽ポットは、その上端開口部の周縁が波状に形成された鉢状であるものを、その要旨とするものである。
【0012】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの製造方法において、前記植栽ポット単体は、周壁から底壁にわたる複数の補強用線状リブが形成されているものを、その要旨とするものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの製造方法において、前記植栽ポット単体は、周壁から底壁にわたる排水用の角孔またはスリット孔が形成されているものを、その要旨とするものである。
【0014】上記の各請求項の発明に係る植栽ポットの製造方法は、互いに隣接する植栽ポット部の周壁上端部が逆U字形状となるよう一体形成してなる原型のシート材を得、この原型シート材を、例えばトムソン刃のような刃体にて、連結部を残して各植栽ポットごとに切断し、各植栽ポットを熱処理加工することにより、各植栽ポットの上端部にカール部を形成するものであるから、これらを大量且つ簡単に製造でき、廉価に提供できる。
【0015】さらに、得られた植栽ポット単体は、かなり薄肉に形成されていてもカール部が形成されているから、上端開口部が腰折れしたり変形し難くて保形性に優れ、取扱い易くなる。また、積み重ねられた状態の植栽ポットが密着し難いから、植栽ポットを一つ一つ抜き取る作業が容易になり、二個取りや三個取りが発生し難く、作業性の向上が図れる。
【0016】また、枠状ケースの収容ポケット内で所望する方向に向けて自在に方向転換させることができる。すなわち、苗が生長して開花し店頭する際に、花を一定方向に向けて陳列できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をより詳細に説明する。ところで、本発明に係る植栽ポットを製造するための材質を特に限定するものではないが、成型し易さやコストなどの観点からは、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル(PVC)、ペット(PET),ABS等の合成樹脂を原材として使用し成形されていることが好ましく、地球環境汚染防止の観点からは、ポリ乳酸やカプロラクトン等の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を使用して成形されていることが好ましい。
【0018】本発明の植栽ポットは、好適には、上部支持部、側部支持部及び底部支持部からなる区画室の複数を縦横方向に並列に配置し、一体に形成した枠体ケースの前記区画室にそれぞれ嵌め込み、内部に培土を充填して苗床を形成するために使用される。この場合、各植栽ポットはそれぞれ、上記区画室の上部支持部、側部支持部及び底部支持部にて支えられた状態で収納されている。
【0019】本発明に係る植栽ポットの製造方法は、(1) 厚さ1mm以下の合成樹脂樹脂シートを型成形して、単一の植栽ポットの複数個が縦横方向に並列配置され全体としてはトレイ形状に一体形成された原型のシート材を得る工程、(2) ついで、原型のシート材を切断して前記植栽ポットごとに分離した単一の植栽ポットを成形する工程、(3) ついで、各植栽ポットの上端部を熱処理して、上端部をカール状に成形する工程、を含み構成されている。なお、必要とするならば、(4) 各植栽ポットに角孔やスリット孔等の排水孔を穿設する工程が加わる。
【0020】原型のシート材は、上方ほど径大のテーパ状で上面が開口する筒状の周壁と、該周壁の軸方向下端側に周壁の下端周縁に連接された底壁とにより単一の鉢体形状をなす植栽ポットの複数個が縦横に並列して配置され、全体としてはトレイ形状に一体形成されており、かつ、互いに隣接する植栽ポットの周壁上端部は、その全体形状が逆V字形状ではなくて逆U字形状をなしているものである。
【0021】ついで、原型のシート材を、図6に示すように、例えばトムソン刃のような公知刃体を使用して、抜き加工を施す。この工程で、周壁の上端部が、テーパ状をなす周壁に対して外方に湾曲して延出した状態であり、かつ、その全体形状が朝顔の花形状を有する植栽ポット単体が得られる。
【0022】ついで、各植栽ポットのそれぞれに対し、植栽ポット上端部に熱加工処理を施して、上端部に外方向に延出するカール部を成形すると、さらには、必要に応じて、各植栽ポットの底壁に1個ないし複数個の排水孔を穿設するか、周壁から底壁にわたる角孔(図示しない)または複数のスリット孔(図示しない)を穿孔すると、本発明の植栽ポットが製造できる。
【0023】
【実施例】つぎに、本発明を具体化した実施例に基づいて説明するが、これらの実施例はその代表的なものを示したに過ぎず、本発明の要旨を越えない範囲内で様々な設計変更が可能である。図1は実施例1の植栽ポット15を成形するための原型のシート材10を示す斜視図であり、図2は同原型のシート材10の平面図、図3は同原型のシート材10に係わる植栽ポット15部分を示す一部を欠截した拡大平面図、図4は同原型のシート材10に係わる植栽ポット15部分を示す一部を欠截した拡大断面図であり、図5は、同原型のシート材10に係わる連結部14部分を示す要部拡大斜視図である。
【0024】図において、原型のシート材10は、厚さ0.2mmのポリエチレンフィルム(シート)を型成形して比較的薄肉に形成されており、上面が開口する筒状の周壁11と、該周壁11の下端周縁に連接された底壁12とにより単一の鉢体形状をなす植栽ポット15の複数個を縦横それぞれ複数列をなすように並列して連結されているものである。図4に示すように、相互に隣接する植栽ポット15,15の周壁11,11に相当する部分は全体として略逆U字形状をしており、全体としてはトレイ状に型成形されているものである。型金型を使用する熱圧縮成形法等にて簡便且つ迅速に製造できる。
【0025】植栽ポット15に相当する部分は、上面が開口しテーパ状をなす筒状の周壁11と、該周壁の軸方向下端側に連続する底壁12とからなり、底壁12が円形で上端開口部13がほぼ正方形であり、その間の周壁11は、円形の底壁12から立ち上がった直後からほぼ正方形となっている。周壁11の上端部は、テーパ状をなす周壁11に対して外方に湾曲して延出しており、分離した状態での各ポット単体はいずれも、その全体形状が朝顔の花形状であり、保形性および意匠性に優れている。
【0026】各植栽ポット単体15に相当する部分の形態については、円形の底壁11周縁から立ち上がった部位まで円形で、そこから上端開口部13周縁までほぼ正方形に形成したもののほか、四隅部にアールをつけたものであっても構わない。いずれの場合でも、上端開口部13の周縁部は、テーパ状をなす周壁11に対して外方に湾曲して延出している。
【0027】原型のシート材10を、図6に示すように、例えばトムソン刃のような公知刃体5を使用して、抜き加工を施す。この工程で、周壁11の上端部が、テーパ状をなす周壁11に対して外方に湾曲して延出した状態であってかつその全体形状が朝顔の花形状を有する植栽ポット単体15が成形される。
【0028】ついで、各植栽ポット15のそれぞれに対し、植栽ポット上端部に熱加工処理を施して、上端部に外方向に延出するカール部16を成形すると、さらには、必要に応じて、各植栽ポットの底壁に1個ないし複数個の排水孔12aを穿設するか、周壁から底壁にわたる角孔(図示しない)または複数のスリット孔(図示しない)を穿孔すると、本発明の植栽ポット1が製造できる。以下の各実施例においても、同様に操作して抜き加工を施す。
【0029】つぎに、実施例2の原型のシート材20は、全体が厚さ0.2mmのポリエチレン樹脂より型成形されたものである。植栽ポット単体25に相当する部分は、上端開口部23および底壁22がともに平面円形の鉢体形状をしており、その複数個が、縦横それぞれ複数列をなすように並列して連結されているものである(図7)。
【0030】この原型のシート材20において、相互に隣接する植栽ポット25,25を連結する連結部24付近の、周壁21,21に相当する部分は、全体として略逆U字形状をしている。従って、打ち抜き加工にて得られる植栽ポット単体25は、周壁21の上端部が外方に湾曲して延出しており、この部分よりカール部26が成形されるようになっている。
【0031】つぎに、実施例3の原型のシート材30もまた、全体が厚さ0.2mmのポリエチレン樹脂より型成形されたものである。植栽ポット単体35に相当する部分は、上端開口部33から外方向に膨出する平面波打ち円形状に形成された鉢体形状をしており(図8)、その複数個が縦横それぞれ複数列をなすように並列に配置され、植栽ポット35,35同士は、周壁の上端部33から外方向に膨出して相互に重なる部分にて一体的に連結されている。相互に隣接する植栽ポット35,35の周壁31,31に相当する部分(連結部34の近傍)もまた、全体として略逆U字形状をしている。従って、打ち抜き加工にて得られる植栽ポット単体35は、周壁31の上端部が外方に湾曲して延出するように成形されることになり、そして、この部分に熱加工をしてカール部34を形成するようになっている。
【0032】以上述べた各実施例において、例えば図1乃至5に示したように、各植栽ポットの周壁11の周方向の所要間隔に、根巻き防止用の周壁リブ11aを設け、補強用の縦方向リブとして機能させることができるし、底壁12の下面側に、底壁12外周端縁から中央の排水孔12aに通じ凹溝12bを形成し、床面に置いた場合の通気性や排水性を確保することができる。また、上端開口部の下方には周方向の線状リブ(図示しない)を設けることもできる。
【0033】なお、前記植栽ポット15に相当する部分の配列形態としては、縦横方向に並列させる場合のほか、横列を1列ごとに交互に左右に位置をずらせた配列とすることもできるし、ポットサイズ等に応じて適宜の配列にして実施できるものとする。
【0034】いずれの実施例においても、図9に示すように、各ポットの上端開口から外方向に張り出すカール部が形成されているから、植栽ポットを入れ子にして多数の植栽用ポットを重ね合せた場合の密着防止部として機能し、植栽ポットを一つ一つ抜き取る作業が容易になり、二個取りや三個取りが発生し難く、作業の省力化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明に係る植栽ポットの製造方法によると、つぎの各作用効果を奏する植栽ポットを簡単に製造できこれを廉価に提供できる、という極めて実効性に優れた作用効果が得られるまず、全体が薄肉に形成されていても、その上端を外方向にカールさることによりカール部を形成してあるから、上端開口部が腰折れしたり変形し難くて保形性に優れ、取扱い易くなる。
【0036】つぎに、積み重ねられた状態の植栽ポットが密着し難いから、植栽ポットを一つ一つ抜き取る作業が容易になり、二個取りや三個取りが発生し難く、作業の省力化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0037】さらに、苗が生長して開花した際に、開花した植物を植栽ポットごと所望する方向に向けて方向転換させることができ、これにより、花を一定方向に向けて展示陳列することができるから、商品的価値が向上する。
【出願人】 【識別番号】593049914
【氏名又は名称】株式会社東海化成
【出願日】 平成13年2月28日(2001.2.28)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2002−253058(P2002−253058A)
【公開日】 平成14年9月10日(2002.9.10)
【出願番号】 特願2001−54961(P2001−54961)