| 【発明の名称】 |
植物用ポット及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】安間 康一
【氏名】秋山 正一
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| 【要約】 |
【課題】植物(種子も含む。)が出荷された後であっても、廃棄物として処分に困ることがないとともに、生ゴミ処理装置から排出される残渣の有効利用を図ることができる新規な植物用ポット及びこの植物用ポットの製造方法を提供する。
【解決手段】特定の材料が加圧成形されてなる植物用ポット11であって、上記特定の材料は、生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する生ゴミ処理装置1から排出された粉状又はフレーク状の残渣2であるか、又はこの残渣2を含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 特定の材料が加圧成形されてなる植物用ポットであって、上記特定の材料は、生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する生ゴミ処理装置から排出された粉状又はフレーク状の残渣であるか、又はこの残渣を含むことを特徴とする植物用ポット。 【請求項2】 前記特定の材料には、糖質が10重量部以上含有されてなることを特徴とする請求項1記載の植物用ポット。 【請求項3】 生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する生ゴミ処理装置から排出された残渣を得る工程と、上記残渣を含む材料を金型により加圧成形する加圧成形工程と、を有してなることを特徴とする植物用ポットの製造方法。 【請求項4】 前記残渣を含む材料には、糖質が10重量部以上含有されてなることを特徴とする請求項3記載の植物用ポットの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、植物の種や発芽し成長した植物が植えられる植物用ポットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、植物の種を植えたり、或いは種子から発芽してある程度成長した植物の苗を植える際に使用されるものとして、植物用ポットがある。この植物用ポットは、植木鉢として使用されるものであるばかりではなく、沢山の植物を生産者が出荷する場合にも使用されるものであり、材料としては、以前では素焼きのセラミックスが使用されたが、近年では樹脂により成形されたものが使用される場合が多い。したがって、例えば、生産者は、種子を苗床に蒔き、発芽した苗を上記樹脂製の植物用ポットに移植し、その上で出荷する場合が多い。そして、こうして出荷された植物の購入者(需要者)は、上記植物用ポットから植物を土と一緒に取り出し、畑等に移植する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した植物用ポットは、上述したように購入者(需要者)が植物を畑等に移植された後には、廃棄物とされてしまい、野菜や果実の生産農家のように大量に苗を購入する需要者にとっては、廃棄物とされた従来の植物用ポットの処分が大きな課題となっている。 【0004】一方、現在では、家庭ばかりではなく、レストラン,病院,学校等からは日々大量の生ゴミが排出され、こうした生ゴミを酵素により減容化し分解する処理する生ゴミ処理装置が開発され一部では実用化されている。しかしながら、こうした生ゴミ処理装置から排出される残渣は、必ずしも肥料その他に有効利用されている訳ではなく、残渣の有効利用が期待されている。 【0005】そこで、本発明は、上述した従来の植物用ポットが有する課題と、生ゴミ処理装置から排出される残渣が有する課題とに鑑みて提案されたものであって、植物(種子も含む。)が出荷された後であっても廃棄物として処分に困ることがないとともに、生ゴミ処理装置から排出される残渣の有効利用を図ることも可能とする新規な植物用ポット及びこの植物用ポットの製造方法を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的を達成するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、植物用ポットに係るものであり、特定の材料が加圧成形されてなる植物用ポットであって、上記特定の材料は、生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する生ゴミ処理装置から排出された粉状又はフレーク状の残渣であるか、又はこの残渣を含むことを特徴とするものである。 【0007】本発明においては、上記植物用ポットは、生ゴミ処理装置から排出された粉状又はフレーク状の残渣を含むことを必要とし、この生ゴミ処理装置は、生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する機能を有するものであることを必要とする。すなわち、この生ゴミ処理装置は、生ゴミを酵素分解する機能と、生ゴミの酵素分解工程中又は酵素分解後に除湿乾燥させる機能を備えていることが必要となる。本発明に係る植物用ポットは、こうした機能を有する生ゴミ処理装置から排出された残渣を材料とするものであり、少なくとも植物(種子も含む。)を土と共に植えることができる機能を有すれば、大きさや形状が問われるものではない。また、この発明に係る植物用ポットは、上述した残渣を「含む」ものであれば良く、植物用ポットの材料として残渣のみを使用したものは勿論、残渣以外に肥料や木屑等の有機物が添加されているものであっても良い。また、上記残渣を含む材料を加圧成形する方法は、上型及び下型(又は雄型及び雌型)内に上記材料を充填し加圧する方法を言う。 【0008】上述した植物用ポットによれば、該植物用ポットに苗木や種子が植えられたままの状態で畑等に植えることができ、従来の植物用ポットのように、該植物用ポット自体が廃棄物とされることがなく、また、生ゴミ処理装置から排出された残渣を有効活用することが可能となる。 【0009】また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記特定の材料(残渣又はこの残渣を含む材料)には、糖質が10重量部以上含有されてなることを特徴とするものである。この糖質とは、単糖類,二糖類及び多糖類を言い、上記単糖類としては、グルコースやフルクトース又はガラクトースを挙げることができ、二糖類としては、スクロース(ショ糖),マルトース(麦芽糖),ラクトース(乳糖)を挙げることができる。また、多糖類としては、デンプン,セルロースを挙げることができる。通常の生ゴミを前述した生ゴミ処理装置を用いて処理し、該生ゴミ処理装置から排出された残渣には、糖質が含まれている場合が多いが、残渣に糖質が含まれていない場合には、残渣に対して糖質を後に添加したものであっても良い。 【0010】上述した糖質を含む場合には、植物用ポットの成形時において、圧力を低減させることができるとともに、後述するように、加熱する場合においても、高熱をかける必要がない。また、こうした糖質を含む植物用ポットによれば、植物(種子も含む)と共に畑等に植えた場合、該植物用ポットに含まれた糖質により、土中に生息する土壌菌を活性化することができ、この土壌菌の活性化により地力の増強をることができる。すなわち、土壌菌の活性化により土中の有機物が肥料として変えられ、植物の成長を促すことができる。特に、表皮が弱い種子を植える場合においては、この植物用ポットによれば、徐々に糖質が土壌中に浸透することから、種子が腐食してしまうことが防止され、種子から順調に発芽し根が伸びて成長する過程で、この植物用ポットから土壌に浸透した後に土壌菌が活性化する。したがって、本発明によれば、表皮の弱い種子を成長させる場合には、特に有効である。 【0011】したがって、糖質の含有量は、上記成形時での容易性と土壌菌に与える影響から、少なく10重量部以上の糖類が含有されていることが好ましい。すなわち、、上記糖質が10重量部よりも少ない場合には、加圧力を高圧にし、また、後述する加熱温度を高温とさせる必要があり、余り高温に加熱した場合には、残渣が炭化してしまうおそれがある。したがって、こうした成形時の問題と土壌菌や植物に与える影響からすれば、この糖質の含有量は、40重量部以上とすることが好ましい。 【0012】また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、植物用ポットの製造方法に係るものであって、生ゴミを酵素分解するとともに除湿乾燥する生ゴミ処理装置から排出された残渣を得る工程と、上記残渣を含む材料を金型により加圧成形する加圧成形工程と、を有してなることを特徴とするものである。 【0013】また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第3の発明において、前記残渣を含む材料には、糖質が10重量部以上含有されてなることを特徴とするものである。 【0014】上述した第4の発明によれば、加圧成形時における加熱温度を低くすることができ、成形時における残渣の炭化をも防止することが可能となる。なお、上記加圧成形工程において加熱する温度(加熱温度)は、植物用ポットの材料に含有されている糖質の含有率による。すなわち、糖質が多量に含まれている場合には、摂氏50度から摂氏70度とすることにより成形されるが、糖質が10重量部により少ない場合には、約摂氏100度以上の温度で加熱する必要があり、残渣が炭化することにより植物に対する所期の目的を達成することができない可能性がある。したがって、糖質の含有率が第4の発明記載のものに設定されることにより、極めて容易に加圧成形することができ、植物に対しても好適である。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係る植物用ポットの製造方法を図面を参照しながら説明し、その後に植物用ポットについて詳細に説明する。 【0016】先ず、図1に示すように、生ゴミ処理装置1から残渣2を得る。この生ゴミ処理装置1は、第1の開閉扉3を開放することにより、図示しない生ゴミを内部投入することができるものであり、内部には、この生ゴミを攪拌する攪拌手段4と、この攪拌手段4により攪拌されている生ゴミを除湿する除湿手段5と、この除湿手段5により除湿された生ゴミを乾燥させる乾燥手段6を有している。なお、この乾燥手段6としては、加熱乾燥を採用することができる。また、この生ゴミ処理装置1には、上記生ゴミと共に酵素が投入される。したがって、上記攪拌手段4により攪拌中に、生ゴミは酵素により分解され、分解されたものは、除湿手段5及び乾燥手段6により、残渣となる。そして、こうした生ゴミ処理装置1には、第2の開閉扉7が設けられており、この第2の開閉扉7を開放することにより上記残渣2を得ることができる。 【0017】この残渣2は、生ゴミが酵素により分解されたものであり、生ゴミの種類により種々異なるが、タンパク質,脂質,糖質,灰分等から構成され、学校やレストランから排出される生ゴミ(残飯)にあっては、約50重量部の糖質が含まれている。 【0018】そして、上述した生ゴミ処理装置1から上記残渣2を得ると、次いで、成形装置10により、該残渣2を加圧成形する。この加圧成形装置10は、下型8と上型9とを有してなるものであり、上記下型8の上面には、成形する植物用ポット11の形状に対応した凹部8aが形成されている。また、上記上型9は、図示しない昇降駆動装置により昇降可能とされてなるものであり、該上型9の下面には、上記凹部8aの形状に対応した凸部9aが形成されている。そして、上記下型8に形成された凹部8aと上記上型9に形成された凸部9aとの間には、成形される植物用ポット11の肉厚に対応した空間が形成されている。なお、上記下型8と上型9との両方には、図示しない加熱手段により約摂氏60度に加熱されるように構成されている。したがって、上記上型9が上昇している間に、上記下型8の凹部8a内に上記残渣2を所定量充填し、次いで、上記上型9を下降させることにより、該残渣2は加熱されながら加圧され成形される。そして、再び上記上型9を上昇させ、成形された植物用ポット11を脱型する。なお、この脱型された植物用ポット11は、次いで、約摂氏60度で加熱する(素焼き工程)を経て、最終製品としての植物用ポット11としても良い。 【0019】そして、上述した工程で製造された植物用ポット11は、本実施の形態においては、残渣2のみを材料(原料)として、内部に土と植物が収容される凹部11aが形成されたものとなる。したがって、例えば、図示しない苗床で野菜等の種子から発芽した苗(植物)Pを、図2に示すように、一つずつこの植物用ポット11に移植し、市場に出荷することができる。そして、この出荷された苗Pは、上記植物用ポット11と共に、図3に示すように、そのまま畑に植えることが可能となる。したがって、野菜や果実等の生産農家は、従来使用されている樹脂製の植物用ポットのように、該植物用ポットから苗Pと土を一緒に取り出した上で畑に移植する必要はないとともに、該植物用ポットが廃棄物として処理されることはない。 【0020】また、図3に示すように、畑に植物用ポット11と共に苗Pが植えられると、土壌中の水分や雨水又は散水による水により、該植物用ポット中に含まれた糖質が土壌S中に溶け出し、この溶け出した糖質が土壌S中に生息する土壌菌を活性化し、活性化された土壌菌により土壌S中の有機物が分解され、植物である苗Pのエネルギーとなって該苗Pの成長を促進させる。 【0021】したがって、上述した製造方法により製造された植物用ポット11によれば、畑等に苗P等の植物を移植した後に、多量の植物用ポットを廃棄物として処理する必要がないとともに、苗Pと共に畑に植えることが可能となるので、従来に比べて作業性も向上されるばかりではなく、該植物用ポット11に含まれた糖質により土壌を活性化し、該苗Pの成長にも効率よく作用する。 【0022】なお、上述した植物用ポットの製造方法では、生ゴミ処理装置1から排出された残渣2のみを材料(原料)として使用したが、こうした残渣2に窒素やカリウム等の化学物質や木屑,堆肥等の有機物等のような植物が成長するために従来より肥料として使用されている物質を添加しても良い。 【0023】 【発明の効果】上述した一実施の形態に係る植物用ポット及びその製造方法からも明らかなように、本発明によれば、植物用ポットに苗木や種子が植えられたままの状態で畑等に植えることができ、従来の植物用ポットのように、該植物用ポット自体が廃棄物とされることがなく、また、生ゴミ処理装置から排出された残渣を有効活用することが可能となる。 【0024】そして、第2の発明(請求項2記載の発明)のように、所定量の糖質が、この植物用ポットに含有されている場合には、植物用ポットの成形時において、圧力を低減させることができるとともに、加熱する場合においても、高熱をかける必要がない。すなわち、所定の糖質が含有されている場合には、簡易に成形することが可能となる。また、こうした糖質を含む植物用ポットによれば、植物(種子も含む)と共に畑等に植えた場合、該植物用ポットに含まれた糖質により、土中に生息する土壌菌を活性化することができ、この土壌菌の活性化により土壌の地力を増強させることができる。すなわち、土壌菌の活性化により土中の有機物が分解され地力のエネルギーとなって、植物の成長を促進させることができる。特に、表皮が弱い種子を植える場合においては、この植物用ポットによれば、徐々に加圧成形された部位から糖質が徐々に土壌中に浸透することから、(残渣をそのまま土壌に与えた場合のように、)種子が腐食してしまうことが防止され、種子から順調に発芽し根が伸びて成長する過程で、この植物用ポットから土壌に浸透した後に土壌菌が活性化する。したがって、本発明によれば、表皮の弱い種子を成長させる場合には、特に有効である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599129199 【氏名又は名称】株式会社エーム 【識別番号】592085919 【氏名又は名称】株式会社東宝商会
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| 【出願日】 |
平成13年3月2日(2001.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094156 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 民安
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| 【公開番号】 |
特開2002−253056(P2002−253056A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月10日(2002.9.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−57943(P2001−57943) |
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