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【発明の名称】 人工土壌による緑化構造
【発明者】 【氏名】横井 義順

【要約】 【課題】廃棄ポリウレタン自然発泡品を主体とする人工土壌を用いて、建物の屋上や屋根、べランダ等に好適に実施することができる、軽量かつ簡易な緑化構造を提案する。

【解決手段】最下部に凹凸状の保水部21を有する保水シート20を敷設し、前記保水シート20上に、概略径が5mm以下の廃棄ポリウレタン自然発泡品の粉砕物と籾殻及び米糠の混合物をイソシアネート系接合剤によって比重0.1ないし0.15となるように圧縮成形された人工土壌マット30を1ないし複数層載置し、前記人工土壌マット30の上面に草類を植生させることを特徴とする人工土壌による緑化構造10。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 最下部に凹凸状の保水部を有する保水シートを敷設し、前記保水シート上に、概略径が5mm以下の廃棄ポリウレタン自然発泡品の粉砕物と籾殻及び米糠の混合物をイソシアネート系接合剤によって比重0.1ないし0.15となるように圧縮成形された人工土壌マットを1ないし複数層載置し、前記人工土壌マットの上面に草類を植生させることを特徴とする人工土壌による緑化構造。
【請求項2】 請求項1において、前記緑化構造が建物の屋上、屋根、ベランダにおいて施工される人工土壌による緑化構造。
【請求項3】 請求項1又は2において、上面に草類を植生させた人工土壌マットを用いる人工土壌による緑化構造。
【請求項4】 請求項1又は2において、人工土壌マットの上面に草類の種が蒔かれている人工土壌による緑化構造。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記人工土壌マットが定型サイズのものである人工土壌による緑化構造。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記人工土壌マットの厚みが約50mmである人工土壌による緑化構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は廃棄ポリウレタン自然発泡品を利用した人工土壌による緑化構造に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に特開平7−115843号において、廃棄ポリウレタン自然発泡品の再生利用による土壌用マット及びその製造方法を提案した。この先行発明によれば、従来再生利用されることなく廃棄されていた廃棄ポリウレタン自然発泡品を用いて、透水性が高いとともに適度な含水性を有し、また比較的腰強さのある人工土壌を得ることができた。そして、その後における長期の試験の結果も良好であることも確認された。
【0003】一方において、近年、都市部における緑地はますます減少し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が増え続けている。都市部では、土地の大半がビルやマンションで占められているため、都市部の気温が高まる「ヒートアイランド現象」が問題となっている。そこで、都市緑地保全法を改正するなど、都市部の緑化促進のため、国を挙げ大きく動いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このような点に着目して、廃棄ポリウレタン自然発泡品を主体とする人工土壌を用いて、建物の屋上や屋根、べランダ等に好適に実施することができる、軽量かつ簡易な緑化構造を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1の発明は、最下部に凹凸状の保水部を有する保水シートを敷設し、前記保水シート上に、概略径が5mm以下の廃棄ポリウレタン自然発泡品の粉砕物と籾殻及び米糠の混合物をイソシアネート系接合剤によって比重0.1ないし0.15となるように圧縮成形された人工土壌マットを1ないし複数層載置し、前記人工土壌マットの上面に草類を植生させることを特徴とする人工土壌による緑化構造に係る。
【0006】また請求項2の発明は、請求項1において、前記緑化構造が建物の屋上、屋根、ベランダにおいて施工される人工土壌による緑化構造に係る。
【0007】また請求項3の発明は、請求項1又は2において、上面に草類を植生させた人工土壌マットを用いる人工土壌による緑化構造に係る。
【0008】また請求項4の発明は、請求項1又は2において、人工土壌マットの上面に草類の種が蒔かれている人工土壌による緑化構造に係る。
【0009】また請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記人工土壌マットが定型サイズのものである人工土壌による緑化構造に係る。
【0010】また請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記人工土壌マットの厚みが約50mmである人工土壌による緑化構造に係る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1はこの発明の人工土壌による緑化構造の一例を示す概略断面図、図2は図1の人工土壌マットの斜視図、図3は図1の保水シートの斜視図である。また、図4は人工土壌マットの製造工程の一例を示す概略工程図、図5はこの発明の緑化構造により植物を栽培する場合の一例を示す側面図、図6はこの発明の緑化構造により植物を栽培する場合の他の例を示す側面図である。
【0012】請求項1の発明である図1の人工土壌による緑化構造10は、最下部に図3の保水シート20を敷設し、該保水シート20の上に図2の人工土壌マット30の1ないし複数を層状に載置された構造よりなる。
【0013】前記保水シート20は、図示のような凹凸状の保水部21が形成されたプラスチックシート状物よりなる。この保水シート20は、保水部(凹部)21によっては雨水等の水Wを溜めて人工土壌マット30に適度に湿気を付与するとともに、凸部によってその上に人工土壌マット30を載置しやすくするという機能、作用を有する。なお、実施例の保水部21の深さLaは概ね35mm程度である。
【0014】前記人工土壌マット30は、本発明者が、特開平7−115843にて提案した廃棄ポリウレタン自然発泡品の再生利用による土壌用マットであり、概略径が5mm以下の廃棄ポリウレタン自然発泡品の粉砕物を主原料に、籾殻及び米糠の混合物をイソシアネート系接合剤によって比重0.1ないし0.15となるように圧縮成形されたものである。
【0015】前記人工土壌マット30の製造工程の一例を、図4に示しながら説明する。この製造方法は、廃棄ポリウレタン自然発泡品の粉砕工程S1と、前記粉砕物に籾殻および米糠を混入してイソシアネート系接合剤と混合する混合工程S2と、前記混合物の圧縮成形工程S3を含む。まず、概略径が5〜10cm程度の廃棄ポリウレタン自然発泡品60、たとえば前記したベントホール成形物61が公知のカッタ、チッパ等によって、概略径が5mm以下になるように粉砕される。前記粉砕物61Aに籾殻62、米糠63を混合し、さらに、前記混合物の総重量に対して約20重量%のイソシアネート系接合剤64を混合させる。前記イソシアネート系接合剤としては、水と熱によって反応するようなものであればよく、特にはMDI(4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート)が好ましい。以上の混合物65を圧縮機66にかけ、成形物の比重が0.1〜0.15となるように型温度120℃で、プレス成形される。
【0016】このように製造された人工土壌マット30は、構成物として籾殻62及び米糠63を混入しているため、植物育成用の土壌に必要な栄養源が与えられ各種の土壌菌が育成される素地となる。さらに、比重を0.1〜0.15とすることにより軽量で、しかも透水性が高いとともに適度な含水性を有し、比較的腰強く、さらに根伸びしやすい人工土壌マット30となる。
【0017】前記人工土壌マット30は、1ないし複数を層状に載置することが可能で、設置の場所や条件及び栽培する植物に合わせて載置数を変更し、好適な緑化構造とする。例えば、図5及び図6に示すような例である。前記人工土壌マット30の上面側に植生する植物P1,P2は、種類により根の張り方が異なるため、前記人工土壌マット30の載置数を適当に変更して栽培することにより、より好ましい状態で栽培することができる。なお、P1は、従来、鉢を使用して栽培するような植物を、前記緑化構造10の最上部に設けられる切り欠き部31Aを有する切り欠き人工土壌マット30Aに植えられる例である。また、P2は草類植物であり、そのまま直接、前記人工土壌マット30の上面に植えられる例である。
【0018】また請求項2の発明は、請求項1によってなる緑化構造10が、建物の屋上、屋根、ベランダにおいて施工されることを特徴とする。この発明の緑化構造10は、軽量で施工が容易で、かつ保水性があるので、特にこのような場所に好ましく設置できる。例えば駅のプラットホームなどの屋根に施工することも好ましい例である。なお、この場合において、屋上、屋根、ベランダ等の照り返しを考慮して人工土壌マット30の厚み(層数)を決定すべきである。
【0019】また請求項3の発明は、予め草類を植生させた人工土壌マット30を用いることを特徴とする。予め草類を植生しておけば枯れるおそれも低く、耐久性もある。
【0020】また請求項4の発明は、前記人工土壌マット30に、草類の種が蒔かれていることを特徴としている。草類の種は例えば公知の紙に種をすき込んだ発芽シートなどを用いることもできる。より確実な発芽及び植生が可能となる。
【0021】また請求項5の発明は、前記人工土壌マット30が定型サイズであることを特徴とする。定型サイズとしては、縦Lx、横Lyが450mm、450mmのもの、あるいは60mm、1200mmのものが一般的である。定型サイズとすることにより量産が可能となり、保管や移送が容易で、必要に応じて張り替えることもできる。
【0022】また請求項6の発明は、前記人工土壌マット30の厚みLbが、約50mmであることを特徴とする。50mm程度の厚みが保管や移送が容易でかつ積み重ねによって所望の厚みが得られる。
【0023】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に係る人工土壌による緑化構造によれば、廃棄ポリウレタン自然発泡品を主体とする人工土壌を用いているため、極めて軽量でかつ簡易な緑化構造を得ることができ、それにより、狭いスペースで好みに応じた植物を簡単に栽培することができるようになった。また、土壌を必要としないため、従来、植物育成が困難であった建物の屋上、屋根及びベランダにおいても、植物の栽培を簡易に行うことができる。
【0024】また、都市部の緑地面積が少なくなることにより、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の増加、また「ヒートアイランド現象」等の問題が生じていたが、このような問題を解消し、さらには降雨時において雨水が集中して流れ込むことを防ぐことができる。
【0025】また、人工土壌マットを変えるのみでメンテナンスができるため、枯れたり下場合にも、あるいは季節に応じて植物を変えたい場合にも容易に交換をすることができる。
【出願人】 【識別番号】593209932
【氏名又は名称】第一物産株式会社
【出願日】 平成13年2月19日(2001.2.19)
【代理人】 【識別番号】100079050
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 憲秋 (外1名)
【公開番号】 特開2002−238349(P2002−238349A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−42154(P2001−42154)