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【発明の名称】 軽量植栽土
【発明者】 【氏名】唐澤 信雄

【要約】 【課題】比重が小さく、コストが低廉で、しかも、廃棄物のリサイクルに貢献する軽量植栽土を提供する。

【解決手段】細砂と、発泡ガラスと、樹木の葉類と、食品残渣と、保水兼消臭材とを混合することにより、比重約0.6の軽量植栽土を製造する。軽量植栽土における重量比は、細砂、発泡ガラス、樹木の葉類及び食品残渣の合計が約95%であり、保水兼消臭材が約5%である。保水兼消臭材には、木炭、もみ炭、やしがら炭、もみがら酢液又は木酢液の少くとも1種を採用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細砂と、発泡ガラスと、樹木の葉類と、食品残渣と、保水兼消臭材とが混合されることにより構成されることを特徴とする軽量植栽土。
【請求項2】 前記保水兼消臭材が、木炭、やしがら炭、もみ炭、もみがら酢液又は木酢液の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の軽量植栽土。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルディング等の建造物の屋上等に設置された栽園や畑に使用される軽量の植栽土に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からビルディング等の建造物の屋上、バルコニー、中庭及び室内等に、環境の緑化とスペースの有効利用のために、栽園や畑が設置されている。栽園や畑には、通常の土又は化学肥料等が混合された通常の土が、使用されている。
【0003】また、植栽の土壌には、関東ローム(比重1.8、以下同様)、黒色畑土(1.6)、真珠岩パーライト(0.55)、バーミキュライト(0.6)及びピートモス(0.8)等が、使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ビルディング等の建造物の屋上やバルコニーで使用される土は、安全性と経済性の維持向上のために軽量土(0.6t/m3 以下)であることが望ましい。
【0005】軽量土の主要材としては、建設汚泥(細砂)やガラス発泡材等の産業廃棄物、食品残渣及び街路樹等をリサイクルして活用すると、環境の浄化とコストの低廉化のために好都合である。
【0006】また、栽園や畑には、樹木、芝生、草、花及び野菜等が植えられて、日常の水かけ等が行われても、これらは短期間で枯れることがないようにするために、軽量土は、好適な植栽土であることが必要である。
【0007】更に、軽量植栽土は、屋上、バルコニー、中庭及び室内等で使用されるため、公害や臭気等を発生しない性質であること及び台風やビル風等の強い風や雨水により飛散しない性質であることを要求される。特に、軽量植栽土で急斜面や大型斜面を形成する場合には、これらの性質を要求される。もっとも、芝生や草木等で栽園や畑の上部を養生すると、これらの性質の要求が緩和される。
【0008】前述したように、従来の屋上等に設置された栽園や畑には、比重が大きく、コストが高価で、しかも、廃棄物のリサイクルに貢献しない土が使用されている。
【0009】そこで、本発明は、比重が小さく、コストが廉価で、しかも、廃棄物のリサイクルに貢献する軽量植栽土を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0011】1.細砂と、発泡ガラスと、樹木の葉類と、食品残渣と、保水兼消臭材とが混合されることにより構成される軽量植栽土。
【0012】2.前記保水兼消臭材が、木炭、やしがら炭、もみ炭、もみがら酢液又は木酢液の少なくとも1種である前記1記載の軽量植栽土。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態例の軽量植栽土について説明する。軽量植栽土は、建設汚泥(細砂)、廃ガラス発泡砂、樹木の落葉類、食品残渣及び保水兼消臭材(炭、木酢液及びもみがら酢液等)が混合されることにより構成されるが、以下に各成分について順次説明する。
【0014】1.建設汚泥(細砂)
軽量植栽土には、建設現場から発生する産業廃棄物である建設汚泥が採用される。
【0015】建設汚泥には、地下鉄や建家地下躯体等に発生する水分の多い泥(以下「建設汚泥A」という。)と、セメント分が混入した掘削液等に関連する成分(以下「建設汚泥B」という。)があり、どちらも都市において多量に発生する産業廃棄物である。現場にて、建設汚泥A,Bは残土等と混合して固化処理したり、現場からタンク車やバキューム車等で工場等に運搬し、人工固化土を工場等にて製造し、埋土又は路床等に使用しているが、現状では多くのエネルギーを消費しても、人工固化土は、処理又は利用先が少く限定されている。
【0016】本発明の軽量植栽土には、建設汚泥A,Bを直接には採用せずに、特殊で処理処分の困難な掘削液(水分90%,pH8〜10.5)等の循環使用時に発生する細砂(直径74〜150ミクロン、水分を含むと、1.75t/m3 )を採用する。掘削液(水分が重量比で90%前後)の循環利用プラントは、運搬費を安価にするため建設現場の多い都市部に建設することが必須条件であり、これは、都市部で特に必要な軽量植栽土の条件と一致し、軽量植栽土の主要材である細砂の供給と都市部で多く発生する産業廃棄物のリサイクルとも結び付く。
【0017】掘削後の循環使用施設から発生するスライムには、約20〜25%の水分が含まれ、スライム中の細砂の比重は1.75程度である。細砂は、排出量が少ないことと排出現場の状況のために、モルタルやコンクリート製品には再利用し難いので、本発明の軽量植栽土に採用する。
【0018】なお、現場築造杭及び地下連続壁の構築時に発生する掘削土、トンネル掘削土並びに地下掘削残土等も利用可能であるが、細砂に比べて品質の一定化等の製品化方法が難しい。
【0019】2.廃ガラス発泡砂比重1.75の細砂を利用し、軽量植栽土を製造するには、必らず軽量な土又は砂が必要である。都市から多量に発生する軽量砂としては、廃ガラス発泡砂を挙げることができる。廃ガラス発泡砂は、まだ多量には有効利用されていない。廃ガラスは、都市ごみとして多量に排出され、再利用とリサイクルが要望されている。廃ガラスを利用した発泡ガラスは、リサイクル品として製造され、無機、軽量性、不燃性及び耐天候性等の性質を有するから、土木建築材料として活用されている。
【0020】本発明では、発泡ガラスの長所と都市部で多く廃出されるガラスのリサイクルと廃出ガラスの運搬流通経路に注目して、細砂と廃ガラス発泡砂で軽量土の基本を構成する。
【0021】掘削液のリサイクル施設で発生した細砂には、そのままでも雑草が生えることをプラントの現場で確認することができた。発泡ガラスは、400〜800℃の温度で製造すると、水分は零となり、土質分がなく、砂状又は塊状であり、吸水率(すのこ上で24時間経過後3〜10%)が低く、保水性に乏しく、人工砂骨材のため、植栽樹木や芝生等に必要な養分とリンを植物に供給するといわれるVA菌根菌も有しない。したがって、細砂とガラス発泡砂とから構成される軽量土は、その性質上植栽土として利用し難い。
【0022】このような軽量土に養分の添加とVA菌根菌の増殖とを行うことにより、適切な軽量植栽土を製造する。これらの養分とVA菌根菌は、都市部で多く廃出される樹木の落葉類と食品残渣から得ることが望ましい。
【0023】3.樹木の落葉類都市部には、多くの公園や街路樹があり、多量の樹木の落葉、枝及び幹、草並びに花が発生し、今後も発生の増加が予想される。したがって、樹木の落葉類をリサイクルとして処理する方法の解決が求められている。
【0024】本発明では、このような樹木の落葉類を軽量植栽土の一成分として採用する。
【0025】4.食品残渣都市部には、軽量植栽土の養分となる食品残渣の有機肥料や無機質分が多量に発生し、これらのリサイクルが図られている。食品残渣は、スーパー市場の食品仕分工場、学校給食、ホテル、飲食店及び家庭等から発生する。
【0026】本発明では、このような食品残渣を軽量植栽土の一成分として採用する。
【0027】そして、養分(無機質分及び腐葉土等の培養土類)の不足する軽量植栽土に前述した樹木の落葉類及び食品残渣から発生した肥料分を混合することにより、新たな軽量植栽土を製造する。
【0028】5.保水兼消臭材細砂と発泡ガラスのみでは、保水性が不足するという問題が生じる。また、樹木や草花が育つ軽量植栽土を製造することができても、問題が生じる。この問題とは、食品残渣や腐葉土等の有機肥料が場合によっては悪臭を発生することである。保水臭気対策として軽量植栽土に炭を重量比で約5%混入する。炭は、臭気の吸着、植物へのミネラル等の養分の補足及び薬品類の吸着を行う。炭が混入された植栽土は、通気性、保水性及び防虫性を有し、また、自然の形態に近く視認される。炭の種類は、街路樹等利用の木炭、もみ炭及びやしがら炭等である。また、炭の代わりに、炭焼時に発生するもみがら酢液や木酢液を採用することができる。もみがら酢液と木酢液は、保水、消臭及び養分の供給を行う。
【0029】なお、本発明においては細砂に代えて残土を採用し、また、廃ガラス発泡材に代えて不定形塊材(1〜5cm)又はALCくず材を採用して、軽量植栽土を製造することもできる。
【0030】
【実施例】本発明の一実施例の軽量植栽土の各成分の配合について説明する。
【0031】1.細砂水分を25%(重量、以下同様)含む比率1.75の細砂を350cc、610gを採用する。細砂の乾燥時は、比重1.2、350cc、420gとなる。
【0032】2.廃ガラス発泡材(乾燥)
直径0.3〜1.2mmのものを300cc、1.2〜2.5のものを500cc、2.5〜5.0のものを300cc合計420gを採用する。比重は、いずれも0.38である。
【0033】細砂と廃ガラス発泡材を混合すると、1700cc(注、単純な総和よりも大きくなる。)、1030g、比重0.606となる。細砂と廃ガラス発泡材の混合物の飽和水率(混合物の中に含まれる水の限界量率)は、重量比で約6%である。
【0034】3.やしがら炭比重0.5のやしがら炭を85cc、43g採用する。
【0035】細砂と廃ガラス発泡材とやしがら炭を混合すると、1850cc、1073g、比重0.58となる。
【0036】4.樹木の葉及び枝のチップ並びに食品残渣比重約0.6のものを若干量採用する。
【0037】5.もみがら酢液比重約1.0のものを若干量採用する。
【0038】以上に説明したように、重量比で約95%の細砂と廃ガラス発泡材と樹木の葉等と、重量比で約5%のやしがら炭ともみがら酢液を混合すると、比重約0.6の軽量植栽土を製造することができる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果を奏することができる。
【0040】1.本発明の素材は、建設汚泥における細砂、廃ガラス、樹木の葉類、食品残渣及び炭等の保水兼消臭材であるから、比重がちいさいので、軽量な植栽土を得ることができる。
【0041】2.本発明の素材の多くは、産業廃棄物と日常生活における廃棄物を採用するので、軽量植栽土は、コストが低廉で、廃棄物のリサイクルに貢献する。
【0042】3.本発明は、成分に食品残渣と樹木の葉類を含むが、保水兼消臭材として炭、もみがら酢液又は木酢液等を採用するので、水分の供給と臭気の吸着等を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】595058912
【氏名又は名称】唐澤 信雄
【出願日】 平成13年2月21日(2001.2.21)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【公開番号】 特開2002−238348(P2002−238348A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−45141(P2001−45141)