| 【発明の名称】 |
芝草の栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】屋祢下 亮
【氏名】宮川 智喜
【氏名】養田 武郎
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| 【要約】 |
【課題】農薬や肥料の使用量を軽減し、環境負荷を軽減できる芝草の栽培方法の開発を課題とする。
【解決手段】芝草に黒酢を散布することで解決できることを見出した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 黒酢を散布することを特徴とする芝草の緑度維持方法。 【請求項2】 一日の平均気温が5℃以下となり、芝生の生育が止まる頃に黒酢を散布することを特徴とする請求項1記載の芝草の緑度維持方法。 【請求項3】 100〜500倍に希釈した黒酢を散布することを特徴とする請求項1または2記載の芝草の緑度維持方法。 【請求項4】 黒酢を散布することを特徴とする芝草の病害防除方法。 【請求項5】 病害菌がスクレロテニア(Sclerotinia)菌、リゾクトニア(Rhizoctonia)菌、立枯れ病(Gaeumannomyces)菌のいずれか1以上であることを特徴とする請求項4記載の芝草の病害防除方法。 【請求項6】 一日の平均気温が10℃以上になり芝草の萌芽が始まる頃に黒酢を散布することを特徴とする請求項4または5記載の病害防除方法。 【請求項7】 50〜100倍に希釈した黒酢を散布することを特徴とする請求項4、5または6記載の芝草の病害防除方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、環境を汚染することなく芝草を栽培する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ゴルフ場などで使用されている芝草の維持管理にあたって、年間で液体肥料を20回、粒状肥料を5回ほど散布するなど、大量の化学肥料が使用され、また病害を防除するために、殺菌剤を年間18〜20回散布しており、大量の化学農薬が使用されてきた。これに対して、近年ゴルフ場等で使用される農薬や肥料成分が河川等の水質環境を汚染するとして、芝草を管理する際に用いる農薬や肥料の使用量を軽減するための研究開発が活発化してきている。 【0003】例えば、特開平8−298858号公報には、「芝生の育成方法」と題し、低濃度で環境汚染の少ない農薬として、N−モノメチルジチオカルバミン酸ナトリウム液を混和する方法が示されているが、環境汚染が少ないとはいえ、化学的に合成された農薬自体であり、環境への影響を無視することはできない。 【0004】また、特開平10−36209号公報には、「芝生生育促進方法」と題し、芝生面に安定化二酸化塩素水溶液を散布することによって、自然環境を汚染することなく、人畜に安全な方法で有害微生物を防除して、芝生の生育を促進することができるとしている。しかし、これも化学物質であって、全く無害であるとは言えない。このように、環境を汚染することなく芝草を栽培する方法が、いまだに見出されていないのが現状である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】農薬や肥料の使用量を軽減し、環境負荷を軽減できる芝草の栽培方法の開発を課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力をした結果、芝草に黒酢を散布することで解決できることを見出した。 【0007】すなわち、本発明は(1)黒酢を散布することを特徴とする芝草の緑度維持方法、(2)一日の平均気温が5℃以下となり、芝生の生育が止まる頃に黒酢を散布することを特徴とする(1)記載の芝草の緑度維持方法、(3)100〜500倍に希釈した黒酢を散布することを特徴とする(1)または(2)記載の芝草の緑度維持方法、(4)黒酢を散布することを特徴とする芝草の病害菌防除方法、(5)病害菌がスクレロテニア(Sclerotinia)菌、リゾクトニア(Rhizoctonia)菌、立枯れ病(Gaeumannomyces)菌のいずれか1以上であることを特徴とする(4)記載の芝草の病害菌防除方法、(6)一日の平均気温が10℃以上になり芝草の萌芽が始まる頃に黒酢を散布することを特徴とする(4)または(5)記載の病害菌防除方法、(7)50〜100倍に希釈した黒酢を散布することを特徴とする(4)、(5)または(6)記載の芝草の病害防除方法に関する。 【0008】従来、酢には主成分である酢酸、アセトン、メタノールに加えて様々な有機酸や微量成分を数多く含んでおり、また、その中には植物の生長促進因子も存在すると言われ、既に木酢は農産物の栽培に利用されている。しかしながら、酢であればどんな植物にも有効というわけではない状況で、本出願人は、黒酢が稲の成長促進、増収、いもち病防除に対して効果を発揮することを見出し特許出願した(特願平11−343514号)。 【0009】本発明はこの知見に基づいてなされたもので、黒酢が芝草に対して肥料効果、病害に対する抵抗力を増強する効果、病害菌に対する生長阻害効果があることを見出した。通常の米酢は精米した米を原料に用いているのに対して、黒酢は、玄米層を含んだ原料を用いていることを特徴としている。従って、黒酢は米酢に比べ、たんぱく質が6倍、遊離アミノ酸の含量が10倍程多い。 【0010】なお、本発明において黒酢とは、玄米から作られた玄米黒酢と、大麦から作られた玄麦黒酢とを指すものである。黒酢の散布時期としては、冬期の芝生の緑度を維持するためには、一日の平均気温が5℃以下となり、芝生の生育が止まる1月から3月上旬(地域により異なる)にかけてが好ましく、このことにより春先に早期に緑化させる効果もある。 【0011】ダラースポット病等土壌病害菌によって引き起こされる病気を防除するには、一日の平均気温が10℃以上になり芝草の萌芽が始まる4月から5月上旬(地域により異なる)に散布するのが好ましい。なお、ダラースポット病とは、Sclerotinia菌により引き起こされるもので、芝生の表面に1ドルコインくらいの病斑ができる病気である。本発明により、肥料の散布回数は10回程度に減らすことが出来、また農薬の散布回数も半減させることができる。以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。 【0012】 【発明の実施の形態】 【実施例1】ゴルフ場のグリーンによく使用されているベントグラスのうち、最新品種であるL−93、クレンショウ、サウスショアの3品種を用いて黒酢の散布試験を行った。それぞれの品種について、10,100,500,1000,2000倍に希釈した黒酢液を散布する試験区、計5区の試験区を設定し、任意の濃度に希釈された黒酢液を、月に1回、1m2当たり1Lの割合で散布し、何も散布しない対照区と比較した。 【0013】黒酢散布の効果を確認するために、週ごとに芝生の色度、密度、健全度(病害抵抗性を含む)、総合評価の4項目について観察によって5段階(1:劣〜5:最優)でスコアリングを行い、芝草の生育状況を評価した。その結果を図1、図2、図3及び図4に示す。これを見ると、100倍希釈液、500倍希釈液を散布した試験区では、1〜2月上旬と3〜4月上旬にかけて色スコアが他の区に比べて0.5〜1点程度高く、黒酢散布は冬期の芝草の緑度維持と春の緑化に対して有効であることが確認された。 【0014】また、病害の発生度を評価する項目である健全度スコアの推移をみると、5月以降10倍希釈液散布区では、健全度スコアが3〜3.5点で維持されていたのに対して、他の試験区ではダラースポット病が発生し、健全度スコアが低下した。黒酢を10倍に希釈した液を散布することによって、5〜6月にベントグラスで発生し易いダラースポット病を予防できることが明らかとなった。 【0015】 【実施例2】黒酢の、芝草の病原菌に対する生長阻害作用について検討するために、黒酢を添加した培地上で病原菌の生長状況を調査した。50、100、500、1000倍希釈の濃度になるように黒酢液を添加したPDA培地(ブドウ糖を加えたジャガイモ煎汁培地)に、ゴルフ場の芝生で主要な病害を引き起こすリゾクトニア菌(Rhizoctonia菌、ブラウンパッチ病)、スクレロテニア菌(Sclerotinia菌、ダラースポット病)、立枯れ病菌(Gaeumannomyces菌、テイクオールパッチ病等)を植菌し、25℃暗室で静置培養し、菌糸の生長状況を1週間後に調査した。 【0016】その結果、対照培地(無添加)では菌糸が繁茂したにもかかわらず、50倍希釈の黒酢液を添加した培地上では、いずれの病害菌も菌糸が伸長しなかったので、黒酢が芝草の主要病害菌に対して生長阻害効果を持っていることが明らかとなった。 【0017】 【実施例3】日本のゴルフ場のベントグリーンで最も使われている品種であるペンクロスに対する黒酢の肥料効果確認試験を行った。温室内のポットに育成したペンクロスに液肥と濃度の異なる黒酢液を散布し、芝草の生育状況を比較した。8種類の試験区を設定し、10倍、50倍、100倍、500倍に希釈した黒酢液、液肥のみ、50倍希釈黒酢液+液肥、100倍希釈黒酢液+液肥を、それぞれ1m2当たり1Lの割合で散布した。その結果を図5に示す。 【0018】これを見ると、黒酢散布1週間後の3月17日調査時では、500倍区における総合評価スコアが最も高く、圃場試験の結果と同様に、500倍程度に希釈された黒酢液を散布することによって、化学肥料である液肥を与えなくとも、ペンクロスの生育が良化することが確認された。 【0019】 【発明の効果】本発明により、芝草の緑度が維持され、ダラースポット病等の芝草の病害を防除することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000206211 【氏名又は名称】大成建設株式会社 【識別番号】591022254 【氏名又は名称】石山味噌醤油株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月14日(2001.2.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−238342(P2002−238342A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月27日(2002.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−37270(P2001−37270) |
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