| 【発明の名称】 |
挿苗機 |
| 【発明者】 |
【氏名】有馬 誠一
【氏名】山本 和彦
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| 【要約】 |
【課題】苗を一株づつ収容することのできる苗収容部を備え、該苗収容部に収容されている苗を育苗器に挿苗する挿苗機において、苗収容部に苗を正確かつ効率的に供給する。
【解決手段】複数株の苗を同時に所定位置まで搬送する搬送コンベヤ10と、該搬送コンベヤから苗を一株づつ取り上げて前記苗収容部へ供給する苗供給具11とを設け、前記苗供給具11は、前記搬送コンベヤ10から苗を当該苗の葉部を吸着して上方に取り上げ、前記苗収容部の上方で苗を解放する吸着手段16と、該吸着手段が吸着した苗以外の苗をつられて持ち上がらないように押える押え手段17とを具備する構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗を一株づつ収容することのできる苗収容部を備え、該苗収容部に収容されている苗を育苗器に挿苗する挿苗機であって、複数株の苗を同時に所定位置まで搬送する搬送コンベヤと、該搬送コンベヤから苗を一株づつ取り上げて前記苗収容部へ供給する苗供給具とが設けられており、前記苗供給具は、前記搬送コンベヤから苗を当該苗の葉部を吸着して上方に取り上げ、前記苗収容部の上方で苗を解放する吸着手段と、該吸着手段が吸着した苗以外の苗をつられて持ち上がらないように押える押え手段とを具備することを特徴とする挿苗機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、挿し木用の苗を育苗器に挿苗する挿苗機に関する。 【0002】 【従来の技術】キク等のように茎や枝を挿し木して株を増やす植物を栽培するに際しては、挿し木用の苗を育苗器の苗床に挿して根を出させた後、これを圃場や鉢に定植するようにしている。従来、育苗器に挿苗する作業をもっぱら人手で行っていたが、これは非常に面倒な作業であり作業能率が悪かった。そこで、挿苗作業を能率的に行うための挿苗機の開発が進められている。この挿苗機は、挿し木用の苗を一株づつ収容することのできる苗収容部を複数備え、各苗収容部に収容されている苗を苗ハンドで把持して育苗器に挿苗する構成となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記構成の挿苗機にあっては、各苗収容部に苗を一株づつ供給することが必要であり、これを如何に確実かつ効率的に行うかが重要な課題となっている。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる挿苗機は、苗を一株づつ収容することのできる苗収容部を備え、該苗収容部に収容されている苗を育苗器に挿苗する挿苗機であって、複数株の苗を同時に所定位置まで搬送する搬送コンベヤと、該搬送コンベヤから苗を一株づつ取り上げて前記苗収容部へ供給する苗供給具とが設けられており、前記苗供給具は、前記搬送コンベヤから苗を当該苗の茎葉部を吸着して上方に取り上げ、前記苗収容部の上方で苗を解放する吸着手段と、該吸着手段が吸着した苗以外の苗をつられて持ち上がらないように押える押え手段とを具備することを特徴としている。 【0005】搬送コンベヤの適当位置に複数株の苗を同時に供給すると、該搬送コンベヤが苗を苗収容部の近傍の所定位置まで搬送し、その複数株の苗から苗供給具が一株づつ取り上げて苗収容部へ供給する。苗供給具は、吸着手段で苗の茎葉部を吸着して保持する構成であるので、苗を傷めることが少なく、また、押え手段が設けられているので、確実に一株づつ苗収容部に苗を供給することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】図1乃至図5は本発明の一実施形態であるキク苗用の挿苗機を表している。この挿苗機1は、複数の育苗ポット2aが前後左右に整列状態に配置された育苗器2に苗を挿苗するためのものであって、苗供給位置P1に位置する苗カートリッジ3の苗収容部3aに苗を一株づつ供給する苗供給装置5、苗カートリッジ3を所定の無限軌道に沿って搬送する苗カートリッジ搬送装置6、育苗器2を右から左へ水平に搬送する育苗器搬送装置7、前記苗取出位置P2に位置する苗カートリッジ3の苗収容部3aから苗を取り出して育苗器2の育苗ポット2a内に挿し込む挿苗装置8等で構成されている。 【0007】苗カートリッジ3は、苗を一株づつ収容することのできる複数の苗収容部3aが前後方向に直列に配置されている。苗収容部3aの数は、育苗器2の長手方向のポット数の半数、具体的には10個である。苗収容部3aは、上下に連通する漏斗状になっており、底面部には開閉可能なシャッタ3bが取り付けられている。 【0008】苗供給装置5は、人手で補給される苗を苗供給位置P1に対向する所定位置まで搬送する搬送コンベヤ10、該搬送コンベヤから苗を一株づつ取り上げて苗カートリッジ3の苗収容部3aへ供給する苗供給具11等を組み合わせてなる。 【0009】搬送コンベヤ10は、ラグ付きの無端ベルト12が左側が低位となる傾斜姿勢で前後方向に設けられており、該ベルトを上部が後方へ移動し下部が前方へ移動するように一定距離づつ間欠的に作動させるようになっている。無端ベルト12の外周面には、傾斜低位側(左側)の端部に等ピッチで配置された茎位置ラグ12a、及び左右中央部に前記茎位置ラグ12aの3倍のピッチで配置された葉位置ラグ12bがそれぞれ形成されている。 【0010】無端ベルト12の左端に近接する位置には、ベルト面と直角に苗端位置決めプレート13が設けられている。また、無端ベルト12の下側には、ラグ12a,12bと干渉しない状態でベルトと平行に苗保持プレート14が設けられている。この苗保持プレート14には適当位置に穴14aが開けられており、苗保持プレート14の下方に設けたエアノズル15から前記穴14aを通じてエアが吹き込まれるようになっている。 【0011】挿苗作業時には、無端ベルト12の前部の位置で、苗Nを葉先が右向きになる姿勢で補給する。苗補給に際しては、葉位置ラグ12b,12bの間に苗を適数本の束の状態で補給すればよい。このため、作業者は苗の数を確かめたり載置位置に格別の注意を払ったりする必要がなく、無端ベルト12の上に苗を複数株づつ比較的大雑把に載置してもよいので、作業が楽で、しかも能率的に行うことができる。 【0012】補給された苗は無端ベルト12のベルト面に沿って左側に滑り落ち、苗端位置決めプレート13に受け止められる。これにより、各苗の下端が揃えられる。無端ベルト12の作動により、苗が苗供給位置P1の右方の所定位置まで搬送される。そして、ここで苗供給具11によって苗Nが一株づつ取り上げられる。ラグ12aによって苗の茎部がベルト上で移動するのが規制されているので、搬送中に苗の平面姿勢が乱れることがなく、苗供給具11が苗を適正な状態で取り上げることができる。 【0013】苗供給具11に取り上げられなかった残りの苗は、無端ベルト12の作動に伴って該ベルトの下側に回り込み、苗保持プレート14によって下から支えられながら前方へ搬送され、再度無端ベルト12の上部に戻る。苗が無端ベルト12の下側を搬送されるときは、ラグ12a,12bに押されて移動するので、苗同士が擦れ合うことにより、葉が絡み付いたり表面の水分で葉と葉の付着したりしやすい。そこで、その間、エアノズル15からのエアを苗に吹き付けることにより、上記不都合を解消するようにしている。 【0014】苗供給具11は、苗カートリッジの苗収容部数と同数設けられた吸着手段としての吸引管16と、各吸引管16の左方前後両側に設けられた押え手段としての苗押え17とが共通の支持板18に支持されている。苗押え17は、支持板18に形成された通孔に棒体17aを摺動自在に挿通し、この棒体17aをストッパ17bにより抜け止めし、スプリング17cにより下向きに付勢している。少なくとも棒体17aに外力がかかっていない状態では、棒体17aの下端は吸引管16の下端よりも下方に位置するようになっている。そして、これら吸引管16及び苗押え17を支持する支持板18を左右移動シリンダ19によって左右に移動させると共に、左右移動シリンダ19ごと昇降シリンダ20によって正面視で無端ベルト12のベルト面と垂直に昇降させるようになっている。 【0015】各吸引管16はバキュームポンプ等の図示しない吸引装置に接続されている。吸引管16と吸引装置とを接続する配管には、各吸引管16ごとに圧力センサ22及びバルブ23が設けられている。圧力センサ22及びバルブ23は制御装置に接続されており、苗供給作動時に、吸引管16に吸着ミスが生じ圧力センサ22の検出値が異常になった場合、バルブ23を自動的に閉じるように制御する。 【0016】苗供給具の左右ストロークの左端下方には、苗供給具11から解放された苗を苗供給位置P1にある苗カートリッジ3の各苗収容部3aに導く苗ガイド25が各吸引管16ごとに設けられている。この苗ガイド25は、左下がりに傾斜した断面V字形をしている。また、同左右ストロークの中央部下方には、苗供給具11から落下した苗を搬送コンベヤ10の下方に導く苗シュータ26が設けられている。 【0017】苗供給具は図5に示す動作を行う。(a)搬送コンベヤ10の作動により苗Nが前記所定位置まで搬送されてくると、搬送コンベヤ10の上方で待機していた苗供給具11が下降して苗Nを吸着する。(b)苗を吸着保持した苗供給具11は上昇し、搬送コンベヤ10から苗を取り上げる。この時、吸着した苗に別の苗が絡み付いている場合、この苗を苗押え17が下に押し付けることにより、当該苗が吸着した苗につられて持ち上がるのを防ぐ。また、苗供給具11の吸引管16は苗の葉の部分を吸着するので、苗を高い確率で取り上げることができ、しかも苗の損傷が少ない。 【0018】(c)苗Nを保持した苗供給具11は、上昇してから左方(図5では右方向)へ水平移動する。そして、苗供給具11が左右ストロークの中央部まで移動したとき、昇降シリンダ20がピストンロッドの引っ込み作動及び突出作動を行い、苗供給具11を上下させる。これにより、仮に吸着した苗Nに絡まって別の苗N′が持ち上がっていた場合、その苗N′が振り落とされる。振り落とされた苗N′は苗シュータ26に沿って作業者の近傍まで運ばれるので、作業者はこれを再度搬送コンベヤ10に供給することができる。 【0019】(d)その後、苗供給具11は左右ストロークの左端(図5では右端)まで移動し、さらに苗ガイド21の直上部まで下降する。(e)そこで、苗供給具11の各吸引管16の吸引が停止し、吸着していた苗Nを解放する。苗Nは苗ガイド21の中に落ち、該苗ガイドに案内されて苗供給位置P1にある苗カートリッジ3の各苗収容部3aに供給される。 【0020】上記苗供給作動において、ある吸引管16が苗を吸着できなかった場合、その吸引管16のバルブ23が自動的に閉じられるので、吸引装置全体の負圧上昇が防がれ、他の吸引管16で吸着ミスが生じないようになっている。 【0021】苗カートリッジ搬送装置6は、左右方向に設けた前後一対の無端チェーン30にそれぞれ等間隔で取り付けた支持具31に前記苗カートリッジ3が支持されている。無端チェーン30をモータ32で駆動することにより、苗収容部3aに苗を収容した苗カートリッジ3が無限軌道の上部を通って苗供給位置P1から苗取出位置P2まで移動し、空の苗カートリッジ3が無限軌道の下部を通って苗取出位置P2から苗供給位置P1まで移動する。 【0022】苗カートリッジ3が苗取出位置P2にくると、エアシリンダ33で左右移動させる固定板34を当該苗カートリッジ3の左側面に押し付けて苗カートリッジ3が振れないように固定する。次いで、固定板34に取り付けたエアノズル35から苗カートリッジ3内にエアを吹き込み、苗の下端位置を揃える。そして、シャッタ開閉シリンダ36の作動によりシャッタ3bを開き、苗カートリッジ3から苗を取り出すようになっている。 【0023】育苗器搬送装置7は、長手方向が前後を向くように載置された育苗器2をポットピッチp分づつ間欠的に右から左へ搬送するようになっている。育苗器搬送装置7には、育苗ポット2aに床土が充填された育苗器2が供給される。そして、穴開け装置38により、横一列分づつ育苗ポット内の床土に挿し苗用の穴が開けられる。 【0024】挿苗装置8は、苗の茎部を把持することのできる第一苗把持ハンド40及び第二苗把持ハンド41を備えている。第一苗把持ハンド40は、第一昇降シリンダ42で昇降させると共に、第一左右移動シリンダ43で左右移動させる。また、第二苗把持ハンド41は、昇降ストロークの大きい第二昇降シリンダ44及び昇降ストロークの小さい挿苗シリンダ45で昇降させると共に、第二左右移動シリンダ46で左右移動させる。 【0025】苗カートリッジ3が苗取出位置P2に位置するとき、第一苗把持ハンド40が苗カートリッジ3の下部に挿入されて苗の茎部の下端部を把持する。次いで、苗カートリッジのシャッタ3bが開くと、第一苗把持ハンド40が下降して苗収容部3aから苗を下方に取り出す。取り出した苗は第一苗把持ハンド40から第二苗把持ハンド41に移し替えられる。そして、苗を受け取った第二苗把持ハンド41が、苗の下部を育苗器2の育苗ポット2a内に挿し込む。この一連の動作では、育苗器2の前後方向一つおきの育苗ポット2aに苗が挿し込まれる。同様の一連の動作を第二苗把持ハンド41を前後に1ピッチpずらして行うことにより、育苗器2の全育苗ポット2aに苗が挿し込まれる。 【0026】次に、図6及び図7は異なる苗供給装置を表している。この苗供給装置の搬送コンベヤ50は、左右一対のチェーン51に大バケット52及び小バケット53を不規則な順列で隙間なく取り付けた形態をしている。各バケット52,53は左側が低位となる傾斜姿勢で取り付けられている。挿苗作業時には、バケット52,53の中に、苗を葉先が右向きになる姿勢で複数本づつ束のまま補給する。また、前記搬送コンベヤ10と同様に、苗端位置決めプレート13、苗保持プレート14、及びエアノズル15が設けられている。苗保持プレート14には、バケット52,53の突起部52a,53aが通るスリットが形成されており、このスリットを通ってエアノズル15からのエアが吹き込まれる。 【0027】バケット通路の近傍にフォトインタラプラ55が設けられており、バケット52,53に取り付けたセンサプレート56がこのフォトインタラプラ55の位置にくると搬送コンベヤ50の作動が停止するようになっている。センサプレート56は複数の任意のバケットに取り付けられているので、毎回搬送コンベヤ50は異なる位置で停止する。これにより、各バケット52,53の苗減少の程度が平均化され、苗供給具による苗吸着が安定する。 【0028】 【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる挿苗機は、搬送コンベヤと苗供給具との組み合わせにより、搬送コンベヤの適当位置に供給された苗を自動的に苗収容部へ供給するものであり、苗供給具の吸着手段が搬送コンベヤから苗を吸着して取り上げる際に、吸着した苗以外の苗がつられて持ち上がらないように押え手段が押えるようになっているので、苗を正確に一株づつ苗収容部に供給でき、挿苗作業の精度向上、作業者の負担軽減、及び能率化が図れるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2002−233250(P2002−233250A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月20日(2002.8.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−30197(P2001−30197) |
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