| 【発明の名称】 |
人工軽量土 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 浩史
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| 【要約】 |
【課題】均一な品質のものを安定して製造でき、適度な親水性・保水性を有し、軽量であり、ガーデニングでの植物栽培用土、建造物・法面の緑化基材として有用な人工軽量土を提供する。
【解決手段】プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の酸変性ポリオレフィン樹脂の発泡体を含有してなる人工軽量土(湿潤時の比重0.6〜1.0)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸変性熱可塑性樹脂発泡体を含有してなる人工軽量土。 【請求項2】 酸変性熱可塑性樹脂発泡体が、酸変性ポリオレフィン樹脂発泡体である請求項1記載の人工軽量土。 【請求項3】 酸変性ポリオレフィン樹脂が、プロピレン−無水マレイン酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体である請求項2記載の人工軽量土。 【請求項4】 湿潤時の比重が0.6〜1.0である請求項1〜3の何れか一項記載の人工軽量土。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ガーデニングでの植物栽培用土、建造物・法面の緑化基材として使用される人工軽量土に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ガーデニング、緑化基材などの植物栽培用土壌改良材として、熱可塑性樹脂系材料が開発されている。例えば、特開平6−30656号公報には、熱可塑性プラスチックの連続気泡体を親水化した植物栽培用土壌が開示されている。また、特開平5−271655号公報には、独立気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体の被粉砕物の少なくとも一部が形状を残すように摩擦熱により減容化された土壌改良材が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】特開平6−30656号公報では、架橋ポリオレフィン系連続気泡体にアクリル酸等の親水性モノマーをグラフト重合させることにより保水性を付与している。しかしながら、この親水化処理には電子線を使用するので、電子線照射装置およびその付帯設備が必要となり工業化には不利であり、かつコスト高となる。 【0004】また、特開平5−271655号公報では、発泡ポリスチレン等の独立気泡を有する熱可塑性樹脂発泡体の被粉砕物を、独立気泡を残存させつつ機械的に減容し、更にこの表面に吸水性樹脂の層を形成することにより、保水性を付与している。しかしながら、この表面処理では疎水性樹脂基材に親水性樹脂の層を形成するので、両者の相溶性が不良であり、均一な製品の安定的製造や製品自体の安定性に問題がある。 【0005】本発明は、上述のような従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、均一な品質のものを安定して製造でき、かつ適度な親水性・保水性を有し、軽量であり、ガーデニングでの植物栽培用土、建造物・法面の緑化基材として有用な樹脂発泡体を含有する人工軽量土を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、酸変性熱可塑性樹脂を発泡剤と共に単軸押出機により押出し成形するなどして得た酸変性熱可塑性樹脂発泡体を用いれば、適度な親水性・保水性を有する人工軽量土が容易に且つ低コストで得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】すなわち本発明は、酸変性熱可塑性樹脂発泡体を含有してなる人工軽量土である。 【0008】 【発明の実施の形態】発泡体を構成する酸変性熱可塑性樹脂としては、酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。具体的には、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられ、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。 【0009】本発明においては、酸変性熱可塑性樹脂で発泡体を構成するが、本発明の効果を損なわない範囲内において他の熱可塑性樹脂を組み合わせて用いることもできる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ−1,2−ブタジエン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。 【0010】酸変性熱可塑性樹脂発泡体は、例えば、酸変性熱可塑性樹脂に発泡剤、さらに必要に応じて発泡助剤、他の熱可塑性樹脂、充填剤等を添加し、これを加熱発泡させて機械的成型を行うなど、従来より知られる各種の発泡成形法により得ることが出来る。この発泡成形には、特に、単軸押出機を用いることが好ましい。 【0011】酸変性熱可塑性樹脂を加熱発泡、成形する際の加熱温度は、使用する樹脂の種類に応じて設定すればよく、好ましくは120〜260℃、より好ましくは150〜240℃の範囲内である。 【0012】発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリニトロソトリメチルトリアミン等のニトロソ系化合物;p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系化合物;p,p'−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、トルエンスルホニルセミカルバジド等のスルホニルセミカルバジド系化合物;などの化学発泡剤が挙げられる。これらの中では、特に、アゾ系化合物が好適である。 【0013】酸変性熱可塑性樹脂発泡体には、樹脂改質の為に、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の各種成分を添加してもよい。 【0014】酸変性熱可塑性樹脂発泡体の比重は、湿潤時で0.6〜1.0の範囲内であることが好ましい。また、人工軽量土としての特性の点から、酸変性熱可塑性樹脂の酸価は1〜200mgKOH/g程度が好ましく、10〜100mgKOH/g程度がより好ましい。 【0015】本発明の人工軽量土を、建造物の屋上・壁面緑化基材として使用する場合は、人工軽量土の湿潤時の比重を0.6〜1.0の範囲内にすることが好ましい。比重が0.6以上ならば、風により飛散する可能性が低くなる。また、1.0以下ならば、建造物への荷重を小さくできる。なお、ここでいう湿潤時の比重とは、60×30×3cmの箱内に人工軽量土を充填し、300mlの水を霧吹きで均一に灌水した後の状態の比重をいう。 【0016】本発明の人工軽量土には、酸変性熱可塑性樹脂発泡体以外の成分が含まれてもよい。そのような成分としては、例えば、土壌、土壌改良材、保水剤等が挙げられる。土壌改良材としては、例えば、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、酸性白土、珪藻土、カオリン、ロックウール等の無機鉱物;ピートモス、ウレタンフォーム、ヤシ殻、クリプトモス等の有機素材;など、従来より植物栽培で使用されることが知られている各種の改良材が挙げられる。保水剤としては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ−N−ビニルカルボン酸アミド系、ポリ−N−ビニルホルムアミド系等の各種の吸水性樹脂が挙げられる。 【0017】また、本発明の人工軽量土には、植物の生育に必要な成分を含有する水溶液が含まれていてもよい。そのような成分としては、例えば、窒素、リン、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛等の元素が挙げられる。通常は、これら元素を含む有機または無機塩類が用いられる。これら元素の使用量は、鉄、銅、マンガン、亜鉛の方が、窒素、リン、カリウム、カルシウムに比べて微量でよい。 【0018】さらに、本発明の人工軽量土には、植物の生長を調節するホルモン剤や農薬等が含まれていてもよい。 【0019】 【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0020】<実施例1>酸変性熱可塑性樹脂であるプロピレン−無水マレイン酸共重合体ペレット(三井化学製、商品名アドマーQB540)1000g、および発泡剤50gをホッパーに投入し、30mm単軸押出機を用いて、入口温度150℃、出口温度240℃、スクリュー回転数30rpmの条件で押し出し成形を行い、出口から排出される成形体を切断機で切断し、直径約5mm、長さ5mm、比重0.5の円筒状樹脂発泡体(AR−1)を得た。 【0021】この熱可塑性樹脂発泡体(AR−1)2.5dm3(50体積%)、ピートモス1dm3(20体積%)、バーク堆肥1dm3(20体積%)、および、パーライト0.5dm3(10体積%)からなる人工軽量土を調製した。この時点での人工軽量土の比重は0.6であった。この人工軽量土に、ケンタッキーブルーグラス500粒を添加してよく混合し、育苗箱(内寸:60×30×3cm)に充填した。次いで、300mlの水を霧吹きで均一に灌水した。湿潤時の比重は0.9であった。この育苗箱を屋上の日当たりの良好な場所に設置し、10月初旬から11月初旬の1ヶ月間発芽生育試験を実施した。試験中は適宜灌水を行った。ケンタッキーブルーグラスの平均草丈は11.5cmであった。 【0022】<実施例2>酸変性熱可塑性樹脂として、プロピレン−無水マレイン酸共重合体ペレットの代わりに、エチレン−メタクリル酸共重合体ペレット(三井デュポンポリケミカル製、商品名ハイミラン1652)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、直径約5mm、長さ5mm、比重0.5の円筒状樹脂発泡体(AR−2)を得た。さらに、この円筒状樹脂発泡体(AR−2)を用いて、実施例1と同様にして人工軽量土を調製し、評価した。その結果を表1に示す。 【0023】<比較例1>熱可塑性樹脂発泡体(AR−1)の代わりに自然土を用い、これに実施例1と同様の各成分を添加して培土を調製し、評価した。その結果を表1に示す。 【0024】 【表1】
表1に示す結果から明らかなように、酸変性熱可塑性樹脂発泡体(AR−1、AR−2)を含有する人工軽量土は、灌水前のみならず湿潤時でも軽量である。また、植物の生育も自然土と同程度の良好な結果を示すので、建造物の緑化等に好適である。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の人工軽量土は、具体的には、植物の生育について自然土と同程度の良好な結果を示し、しかも自然土と比較して灌水後も軽量である。また、電子線照射装置等の設備は不要なので、工業化に適し、製造コストも低くなる。さらには、従来の疎水性樹脂基材に親水性樹脂の層を形成する発泡体と比較して、本発明では均一な品質のものを安定して製造できる。 【0026】このように、本発明の人工軽量土は、適度な親水性・保水性を有し、軽量であり、かつ均一な品質のものを安定して製造可能なので、特に、ガーデニングでの植物栽培用土、建造物・法面の緑化基材等として非常に有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006035 【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088328 【弁理士】 【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−233238(P2002−233238A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月20日(2002.8.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−29566(P2001−29566) |
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