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【発明の名称】 緑化断熱建築材及びその施工方法
【発明者】 【氏名】安達 譲治

【氏名】吉井 康雄

【氏名】門脇 恵三

【氏名】宮本 勝司

【要約】 【課題】建築物の躯体の外側に敷設した状態で、十分な断熱効果を発揮することができるとともに、植栽物を植生して均一に育成することができる緑化断熱建築材、及びその施工方法を提供する。

【解決手段】硬質発泡体27,29と防水シート28とよりなる断熱層25の表面に、植栽物34を植生させるための土壌33を含む緑化層26を設けて、緑化断熱建築材21を構成する。この緑化断熱建築材21を建築物22の躯体23の外側に敷設して、止め具により躯体23に止着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断熱層の表面に、植栽物を植生させるための土壌を含む緑化層を設けた緑化断熱建築材において、前記断熱層を、硬質発泡体と、その硬質発泡体の上面に設けられた防水手段とより構成したことを特徴とする緑化断熱建築材。
【請求項2】 断熱層の表面に、植栽物を植生させるための土壌を含む緑化層を設けた緑化断熱建築材において、前記断熱層を、硬質発泡体と、その硬質発泡体の下面に設けられた断熱材とより構成したことを特徴とする緑化断熱建築材。
【請求項3】 断熱層及び緑化層を筺体内に収容してユニット化したことを特徴とする請求項1または2に記載の緑化断熱建築材。
【請求項4】 前記筺体には排水手段を有することを特徴とした請求項3に緑化断熱建築材。
【請求項5】 前記硬質発泡体は、硬質樹脂発泡体よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の緑化断熱建築材。
【請求項6】 前記硬質発泡体は、繊維強化発泡コンクリートよりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の緑化断熱建築材。
【請求項7】 前記防水手段は、多数の空気小室を有するシート材よりなることを特徴とする請求項1,3〜6のいずれか一項に記載の緑化断熱建築材。
【請求項8】 前記断熱材は、多数の空気小室を有するシート材よりなることを特徴とする請求項2に記載の緑化断熱建築材。
【請求項9】 前記シート材の少なくとも一方の面に防水性箔を設けたことを特徴とする請求項7に記載の緑化断熱建築材。
【請求項10】 前記土壌は、pH7〜9の焼結岩を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の緑化断熱建築材。
【請求項11】 請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の緑化断熱建築材を、建築物の躯体の外側に敷設するとともに、固定手段より躯体に固定することを特徴とする緑化断熱建築材の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の表面を緑化するための緑化断熱建築材及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリート建築物の断熱構造としては、建築物の躯体の内側に断熱材を設ける内断熱構造(以下、単に内断熱という)と、躯体の外側に断熱材を設ける外断熱(以下、単に外断熱という)とが知られている。内断熱は、日本国内において集合住宅、病院、オフィスビル、ホテル等のコンクリート建築物に広く使用されている。これに対して、外断熱は、スウェーデン、ドイツ、アメリカ等の欧米諸国において、新築のコンクリート建築物の殆どに使用されている。
【0003】ところで、断熱を施した建物においては、当然のことながら、建物の内外において大きな温度差が生じる。特に、内断熱を施した建築物では、建築物の躯体の内側に断熱材が存在しているため、断熱材の内側と外側との間に生じる温度差に起因して、建築物内部や建築部外壁と断熱材との間の部分の湿度が上昇しやすい。そして、飽和水蒸気圧以上になると躯体壁面に結露が発生する。外断熱の場合は、外側の面が外気に露出しているので、大きな温度差が生じても、結露のおそれはほとんどない。これに対し、内断熱の場合は、建築物外壁と断熱材との間が閉空間になっているため、その閉空間内に湿気が充満する。そして、これがダニやカビの発生を増長させることになって、アトピー性皮膚炎や喘息等の人体の健康面に悪影響を及ぼす原因となっていた。また、結露の発生に伴い建材が腐食したり、躯体が劣化したりして、建築物の短命化を招いていた。
【0004】さらに、内断熱の建築物においては、躯体の内側に断熱材が存在しているため、コンクリート等の躯体が外気温に影響されて温度変化し、その躯体の蓄熱性能を室内温度調整の省エネルギーに活用することができなかった。すなわち、外気温が高い夏期においては、躯体が強い陽射しを受けて高温になり、室内の冷房負荷を増大させる要因になっていた。これとは逆に、外気温が低い冬期においては、躯体が外気にさらされて低温になり、室内の暖房負荷を増大させる要因になっていた。
【0005】これに対して、外断熱を施した建築物では、建築物の躯体の外側に断熱材が存在しているため、躯体が室内の温度環境範囲以上の温度外乱にさらされることはあまりない。よって、躯体の内側と外側との間には室内の温度に引きずられた温度差しか生じず、躯体壁面には結露が発生しにくくなる。この場合、相対湿度の変化は室内の温度に影響されるため、室内の温度調整が適正であれば、結露は発生しなくなる。この結果、ダニやカビの発生を抑制することができて、アトピー等の人体の健康面に対する悪影響を未然の防止することができる。また、結露の発生に伴う建材の腐食や躯体の劣化を抑制することができて、建築物の長命化を図ることができる。
【0006】さらに、外断熱の建築物においては、躯体の外側に断熱材が存在しているため、コンクリート等の躯体が外気温に影響されることなく、室内の調整温度に応じて温度変化して、その躯体の蓄熱性能を室内温度調整の省エネルギーに活用することができる。すなわち、外気温が高い夏期においては、躯体が外気温の影響を受けて高温になることはなく、室内の冷房負荷を低減することができる。また、外気温が低い冬期においては、躯体が外気にさらされて低温になることはなく、室内の温度に応じて暖まり、室内の暖房負荷を低減することができる。
【0007】一方、昨今では都市構造の高層化と稠密化に伴い、建築物の屋上や外壁面等に緑化を施すことが、都市緑化の空間形成に重要視されてきている。このような建築物の緑化は、大気浄化、乾燥防止、温暖化防止、ヒートアイランド現象の緩和等、地球温暖化防止への効果が大きいことが認識され、景観の向上を含めて住環境の形成に際して重要な条件となってきている。
【0008】この種の建築物の屋上や外壁面等に対する緑化方法としては、例えば特開2000−139209号公報に開示されるような方法が従来から知られている。この従来方法では、繊維を不織布状に堆積形成してなる基盤マットの繊維間隙に、土壌あるいは人工土壌よりなる植栽土壌を擦り込み充填して植生マットを形成する。そして、この植生マットに播種または苗播により植栽物を植生させた状態で、これを屋上や外壁面等の人工地盤上に遮水または透水シートを介して敷設固定するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来技術においては、植生マットが繊維を不織布状に堆積形成した基盤マットからなっているため、これを屋上や外壁面等の外側に敷設しても、敷設しなかったときに較べれば、断熱効果は大きいが、躯体への断熱を目的としたものではなかった。また、基盤マットが柔軟性を有するため、植栽物の植生状態で表面に凹凸が生じやすくて、植栽物を均一に育成しにくく、しかも外観の統一性や規則性が損なわれて、見栄えが悪いという問題があった。
【0010】この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、建築物の躯体の外側に敷設した状態で、十分な断熱効果を発揮することができるとともに、植栽物を植生して均一に育成することができる緑化断熱建築材、及びその施工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、断熱層の表面に、植栽物を植生させるための土壌を含む緑化層を設けた緑化断熱建築材において、前記断熱層を、硬質発泡体と、その硬質発泡体の上面に設けられた防水手段とより構成したことを特徴とするものである。
【0012】従って、この発明によれば、緑化断熱建築材を建築物の躯体の外側に敷設した状態で、防水手段により断熱層の硬質発泡体内に水が浸入するのを抑制することができ、建築物の緑化断熱建築材として十分な断熱効果を発揮することができる。また、断熱層に水分が保持されることがほとんどないため、前述したように断熱効果を十分に発揮できるばかりでなく、建築物の寿命に悪影響を与えることもない。さらに、断熱層が硬質発泡体をベースにして形成されているため、緑化層に植栽物を植生した状態で、その表面に凹凸が生じることは少なく、植栽物を均一に育成することができる。
【0013】また、前記断熱層を、硬質発泡体と、その硬質発泡体の下面に設けられた断熱材とより構成しても、前記と同様な作用を得ることができる。断熱層及び緑化層を筺体内に収容してユニット化すれば、施工や運搬において取り扱いが容易になる。
【0014】前記筺体に排水手段を設ければ、その排水手段を介して雨水を排出でき、植裁物の育成環境を良好に維持できる。前記硬質発泡体を、硬質樹脂発泡体より構成すれば、安価であり、しかも軽量であるので、建築物に負担を与えない。
【0015】前記硬質発泡体を、繊維強化発泡コンクリートより構成すれば、緑化断熱建築材を堅固に形成することができる。前記防水手段として、多数の空気小室を有するシート材を用いれば、このシート材も高い断熱効果を有することになるので、断熱層の断熱効果をいっそう高めることができる。
【0016】そして、前記シート材の少なくとも一方の面に防水性箔を設ければ、シート材の断熱性及び防水性がさらに向上するとともに、シート材として長寿命化を図ることができる。
【0017】前記土壌が、pH7〜9の焼結岩を含むように構成すれば、雑草の繁殖を抑制して、植栽物の育成に適した環境を提供することができ、外観も向上する。そして、この発明においては、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の緑化断熱建築材を、建築物の躯体の外側に敷設するとともに、固定手段より躯体に固定することを特徴とするものである。
【0018】従って、この発明によれば、建築物の緑化工事により、外断熱を達成でき、外断熱工事を行う必要がない。このため、断熱工事の簡略化及び施工費の低減を図ることができるとともに、建物緑化、ひいては都市緑化に寄与することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0020】図1に示すように、この実施形態の緑化断熱建築材21は、コンクリート建築物22を断熱するために、その建築物22の屋上や外壁等の躯体23の外側に相互に隣接した状態で敷設固定される。
【0021】図2及び図3に示すように、緑化断熱建築材21は、収容筐体24と、その収容筐体24内に積層収容された断熱層25及び緑化層26から構成されている。従って、この緑化断熱建築材21はユニット化され、施工,運搬、保管等において取り扱いが容易である。
【0022】図2及び図3に示すように、前記収容筐体24は、合成樹脂により上面を開放した四角箱型に形成されている。収容筐体24の底面には、複数の排水溝24aが縦方向及び横方向へ所定間隔おきに延びるように形成されている。収容筐体24の底壁には、各排水溝24aの両端部と連通するように、排水孔24bが透設されている。この排水溝24a,排水孔24bにより雨水を排出するための排水手段が構成されている。また、収容筐体24の四隅には切欠部24cが形成されている。
【0023】図3及び図6に示すように、前記断熱層25は、下硬質発泡体27と、防水手段を構成する防水シート28と、上硬質発泡体29とを積層して構成されている。下硬質発泡体27及び上硬質発泡体29は、発泡スチロール等の硬質合成樹脂発泡体から形成されている。図7に示すように、断熱性を有する防水シート28は、内部に多数の空気小室30aを区画形成してなる合成樹脂製のシート材30の表裏両面に、厚めのアルミニウム箔よりなる防水性箔31を接着固定等により接合した構成となっている。従って、防水シート28は、空気小室30aを有する構成に加えて、さらに防水性箔31により空気室を封止した構成になっており、この構成により、高い断熱性を有する。なお、図7においては、理解を容易にするために、防水性箔31の厚みを誇張して描いてある。
【0024】図3及び図6に示すように、前記緑化層26は、断熱層25の上硬質発泡体29の表面に設置された大きめの焼結岩よりなる礫32と、その礫32間に充填された小さめの焼結岩を用いた軽量土壌33とよりなっている。また、礫32及び軽量土壌33としては、pH7〜9のものが使用されている。そして、この緑化層26の軽量土壌33には、植栽物34が播種または苗播により植生されている。なお、ここで、焼結岩とは、溶岩の外、鋳砂や廃棄物を焼成したものを指す。
【0025】前記植栽物34としては、自生する多年草の一種または複数種を組み合わせて使用され、例えばセダム類をメインにして、牧草やハーブ類を適宜に組み合わせて使用され、全体の軽量化が図られる。なお、屋上の躯体23上に敷設される緑化断熱建築材21の自生植栽物34としては、例えば、ヨーロッパマンネン、コッシニウム、サカサマンネン、キリンソウ、タイトゴメ、メキシコマンネン等が適している。
【0026】次に、前記のように構成された緑化断熱建築材21の施工方法を説明する。さて、この施工時には、図1、図4及び図5に示すように、複数の緑化断熱建築材21をコンクリート建築物22における屋上等の躯体23の外側に、複数のスペーサ35を介して縦方向及び横方向に隣接状態で敷設する。そして、隣接配置された緑化断熱建築材21の収容筐体24の四隅上部に押え金具36を配置し、その押え金具36上から収容筐体24の切欠部24c及びスペーサ35を介して躯体23に、ボルト37を螺合させる。これにより、各緑化断熱建築材21が屋上等の躯体23の外側に敷設状態で整列固定される。前記スペーサ35,押え金具36,ボルト37等により、この実施形態における固定手段が構成されている。
【0027】この緑化断熱建築材21の敷設状態においては、断熱層25に防水シート28が設けられているため、その防水シート28により断熱層25の下硬質発泡体27内への水の浸入が遮断される。よって、建築物22の躯体23の外側に設けられる緑化断熱建築材21として、十分な断熱効果を発揮することができる。その結果、結露の発生を防止して建築物22の建材の腐食や躯体23の劣化を抑制することができ、建築物22の長命化を図ることができる。また、躯体23の蓄熱性能を利用することができるため、室内温度調整の省エネルギーを図ることができる。
【0028】さらに、断熱層25が硬質樹脂発泡体よりなる硬質発泡体27,29をベースにして形成されているので、緑化層26に植栽物34を植生した状態で、その表面に凹凸が生じることは少ない。よって、植栽物34に陽射しや風が平均的に当たって、植栽物34を均一に育成することができる。
【0029】従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この緑化断熱建築材21においては、硬質発泡体27,29と防水部材28とよりなる断熱層25の表面に、植栽物34を植生させるための土壌33を含む緑化層26を設けて構成されている。このため、緑化断熱建築材21を建築物22の躯体23の外側に敷設した状態で、防水部材28により断熱層25の硬質発泡体27,29内に水が浸入するのを抑制することができ、建築物22の緑化断熱建築材21として十分な断熱効果を発揮することができる。また、断熱層25が硬質発泡体27,29をベースにして形成されているため、緑化層26に植栽物34を植生した状態で、その表面に凹凸が生じることは少なく、植栽物34を均一に育成することができる。
【0030】(2) この緑化断熱建築材21においては、前記硬質発泡体27,29が硬質合成樹脂発泡体より形成されている。このため、硬質発泡体27,29を容易かつ安価に製造することができ、施工コストの低減を図ることができる。また、硬質発泡体27,29は、軽量であるため、施工作業を容易に行うことができる。
【0031】(3) この緑化断熱建築材21においては、前記防水部材が、多数の空気小室30aを有するシート材30の両面に防水性箔31を接合した防水シート28より構成されている。このため、硬質発泡体27内に水が浸入するのを確実に防止することができるばかりでなく、シート材30内の多数の空気小室30aの存在によって、断熱層25の断熱効果を飛躍的に高めることもできる。
【0032】(4) この緑化断熱建築材21においては、前記土壌33がpH7〜9の焼結岩を含んで構成されている。このため、雑草の繁殖を抑制して、植栽物34の育成に適した環境を提供することができ、外観が向上する。
【0033】(5) この緑化断熱建築材21においては、前記緑化層26が、断熱層25の表面に固定された礫32と、その礫32内に充填された土壌33とよりなっている。このため、礫32により土壌33を断熱層25の表面に確実に保持することができて、土壌33の流出を防止することができる。
【0034】(6) この緑化断熱建築材21においては、収容筐体24内に断熱層25及び緑化層26が収容され、ユニット化されている。従って、この収容筐体24を整列させながら敷設すれば、屋上等が広い面積を有していても、熟練や専門技能を要することなくその屋上等に対してきわめて容易に緑化及び断熱を施すことができる。また、前述のように、収容筐体24内に断熱層25及び緑化層26が収容されて、ユニット化されているため、運搬や保管にも便利である。
【0035】(7)この緑化断熱建築材21の施工方法においては、前記のような構成の緑化断熱建築材21を使用し、それを建築物22の躯体23の外側に敷設するとともに、止め具36,37より躯体23に固定している。このため、施工工事が簡単で、かつ断熱工事と緑化工事とが二重に行われることになり、工事の簡略化及び施工費の低減を図ることができるとともに、都市緑化に寄与することができる。
【0036】(第2実施形態)次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0037】さて、この第2実施形態においては、図8及び図9に示すように、緑化層26が、断熱層25の上硬質発泡体29の表面に設置された立体網目構造マット41と、その立体網目構造マット41内に充填された土壌33とよりなっている。また、断熱層25は、前記第1実施形態と同様に、硬質樹脂発泡体よりなる下硬質発泡体27と、防水手段を構成する防水シート28と、硬質樹脂発泡体よりなる上硬質発泡体29とを積層して構成されている。
【0038】従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(4),(6)及び(7)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0039】(8) この緑化断熱建築材21においては、緑化層26が、断熱層25の表面に固定された立体網目構造マット41と、その立体網目構造マット41内に充填された土壌33とよりなっている。このため、立体網目構造マット41により土壌33を断熱層25の表面に確実に保持することができて、土壌33の流出を防止することができる。従って、前記実施形態に用いた礫32を用いることも不要になり、全体の軽量化を達成できる。
【0040】(第3実施形態)次に、この発明の第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0041】さて、この第3実施形態においては、図10及び図11に示すように、断熱層25が、繊維強化発泡コンクリートよりなる下硬質発泡体27と、防水手段を構成する防水シート28と、下硬質発泡体27と同様の繊維強化発泡コンクリートよりなる上硬質発泡体29とを積層して構成されている。また、緑化層26は、前記第1実施形態と同様に、断熱層25の表面に設置された礫32と、その礫32内に充填された土壌33とよりなっている。
【0042】従って、この第3実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(3)〜(7)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9) この緑化断熱建築材21においては、断熱層25の上硬質発泡体29及び下硬質発泡体27が繊維強化発泡コンクリートより形成されている。このため、緑化断熱建築材21を繊維強化発泡コンクリートにて堅固に形成することができる。
【0043】(第4実施形態)次に、この発明の第4実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0044】さて、この第4実施形態においては、図12及び図13に示すように、断熱層25が、前記第3実施形態と同様の繊維強化発泡コンクリートよりなる下硬質発泡体27と、防水手段を構成する防水シート28と、繊維強化発泡コンクリートよりなる上硬質発泡体29とを積層して構成されている。また、緑化層26が、前記第2実施形態と同様に、断熱層25の表面に設置された立体網目構造マット41と、その立体網目構造マット41内に充填された土壌33とよりなっている。
【0045】従って、この第4実施形態によれば、前記各実施形態における(1)、(3)、(4)及び(6)〜(9)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(変更例)なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0046】・ 前記各実施形態において、下硬質発泡体27の上面と上硬質発泡体29の下面との少なくともいずれか一方に、防水手段としての防水塗料を直接塗布する等して、防水被覆を施すこと。このように構成すれば、部品点数が少なくなって、構成が簡単になるとともに、いっそうの軽量化を達成できる。
【0047】・ 前記各実施形態において、断熱層25の下硬質発泡体27と上硬質発泡体29とを異なった材料で構成すること。例えば、下硬質発泡体27を硬質樹脂発泡体または繊維強化発泡コンクリートで形成するとともに、上硬質発泡体29を逆に繊維強化発泡コンクリートまたは硬質樹脂発泡体で形成すること。このように構成しても、前記実施形態と同様な効果を発揮できる。
【0048】・ 防水シート28に用いられる防水性箔31を、その防水シート28の一側面のみに設けること。あるいは防水性箔31を用いないこと。このようにしても、防水性及び断熱性を確保できる。
【0049】・ 前記実施形態では、礫32及び土壌33として焼成岩のみで構成したが、他の種類の礫や土壌を混入させること。このようにしても、雑草の発生を抑制できる。
【0050】・ 前記実施形態では、礫32,土壌33,立体網目構造マット41等を断熱層25に設置したが、これらを断熱層25に接着したり、一部埋設したりすること。
【0051】・ 前記格実施形態において、上硬質発泡体に代えて、礫や軽量土壌等よりなる土壌を設けること。このように構成すれば、植裁条件を変更できる。
・ 図14に示すように、収容筐体24の内底面に、図7に示すシート28を断熱材として敷設し、その上に、前記実施形態と同じ材質の硬質発泡体51を設けること。そして、硬質発泡体51の上面に緑化層26を設けること。このように構成した場合には、断熱機能をシート28が発揮し、硬質発泡体51により緑化層26を凹凸が生じることなく均一状態に育成することができる。
【0052】
【発明の効果】以上、実施形態で例示したように、この発明においては、防水手段により断熱層の硬質発泡体内に水が浸入するのを防止することができ、緑化を達成できるばかりでなく、建築物の緑化断熱建築材として十分な断熱効果を発揮することができる。また、建築物の寿命に悪影響を与えることもない。しかも、硬質発泡体がベースであるため、緑化層に植栽物を植生した状態で、その表面に凹凸が生じることは少なく、植栽物を均一状態に育成することができる。
【出願人】 【識別番号】596037208
【氏名又は名称】株式会社ヌルハウス
【識別番号】398073178
【氏名又は名称】王子緑化株式会社
【出願日】 平成13年2月9日(2001.2.9)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2002−233235(P2002−233235A)
【公開日】 平成14年8月20日(2002.8.20)
【出願番号】 特願2001−33072(P2001−33072)