| 【発明の名称】 |
植木鉢の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 貞男
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| 【要約】 |
【課題】大谷石の特性を活かした自然の風合いを備えた植木鉢の製造方法を開発する。
【解決手段】本発明植木鉢の製造方法は、大谷石等軟質凝灰岩を適当大きさの立方体に裁断する。該大きさのほぼ等しい立方体を複数個用意し、これを胴体が上下に回転する形式の回転混合機に投入し、相互に接触、衝突させることで削り合いを促す。角部は削られるが各面の中央部には円形の平坦面が残された段階で回転を停止し、これに盛土及び排水用の孔を穿孔させて得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大谷石等軟質凝灰岩を適当大きさの立方体に裁断し、該大きさのほぼ等しい立方体を複数個用意し、これを胴体が上下に回転する形式の回転混合機に投入し、相互に接触、衝突させることで削り合いを促し、角部は削られるが各面の中央部には円形の平坦面が残された段階で回転を停止し、これに盛土及び排水用の孔を穿孔させて得ることを特徴とする植木鉢の製造方法。 【請求項2】 大谷石等軟質凝灰岩を適当大きさの立方体に裁断すると共に、その各面中央部に円形に撥水剤を塗布して皮膜形成後、これを水中に浸漬させて組織内に水を浸透させ、該大きさのほぼ等しい立方体を複数個用意し、これを胴体が上下に回転する形式の回転混合機に投入し、相互に接触、衝突させることで削り合いを促し、角部は削られるが各面の中央部には円形の平坦面が残された段階で回転を停止し、これに盛土及び排水用の孔を穿孔させて得ることを特徴とする植木鉢の製造方法。 【請求項3】 大谷石等軟質凝灰岩を適当大きさの立方体に裁断すると共に、その各面中央部の円形部を残した角部に硬化性樹脂を塗布して皮膜形成後、該大きさのほぼ等しい立方体を複数個用意し、これを胴体が上下に回転する形式の回転混合機に投入し、相互に接触、衝突させることで削り合いを促し、角部は削られるが各面の中央部には円形の平坦面が残された段階で回転を停止し、これに盛土及び排水用の孔を穿孔させて得ることを特徴とする植木鉢の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は植木鉢の製造方法に関し、更に詳細には、大谷石等の軟質凝灰岩の特性を利用して、自然の風合いを強調しつつ植木鉢としての機能を備えた鉢体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、植木鉢は、粘土を素焼きした焼き物、又は、成形加工したプラスチック等で製造されるのが一般的であるが、しかし、これら従来の植木鉢は、あくまで人工的なものであって、自然の風合いを備えたものとは言えない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、大谷石の加工に携わるものであって、長年大谷石を培った経験から、大谷石の特性を活かした植木鉢ができないものかと創意工夫を重ねたところ、一定製造方法の基に自然の風合いを備えた植木鉢の製造に成功し、本発明を完成させたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】先ず、本発明の対象とするのは、軟質の凝灰岩であって、その代表は大谷石である。例えば、大谷石は、約2千年前に海底火山の爆発による火山灰が堆積して形成されたもので、主成分がクライノタイロフッ石で、組織が多孔質で軟質であるという特性を備えている。 【0005】該凝灰岩を、目的とする植木鉢の大きさに近似した立方体1に切断加工する。例えば、110×110×110mm、130×130×130mm、150×150×150mm等の立方体とする。この切断には、一般的に用いられているダイヤモント切削機が利用できる。 【0006】上記切削の立方体1で大きさを揃えたものを数個用意し、胴体が横又は斜め方向に配置され、それが上下方向に回転する回転混合機6内に投入する。その回転混合機6とは、胴体が回転して投入立法体1が内部で上下方向に運ばれて混合するタイプのものをいい、例えば、図5の如き傾斜円筒形混合機や図示しないがコンクリートミキサー等が利用できる。このとき回転混合機6内には、羽根の替わりに、図6に示す如き長短のL型鋼7を壁面に沿って並設させ、そのL型鋼で撹拌力を高めるようにするのが好ましい。これは、重量物である大谷石等を撹拌させると摩擦で羽根の消耗が激しく、これに替わって交換容易なL型鋼を並設させることで摩耗に対抗しようとするものである。 【0007】そして、該混合機6を適当回転速度で回転させてやると、混合機内部で上記立方体の凝灰岩同士が接触、衝突し合う。この回転速度は、例えば、胴体直径が800mmのもので約20回/分程度とする。すると、重量物である凝灰岩の立方体1が多方向から無秩序に衝突するので、力や方向が多様に混じり合い、軟質の凝灰岩であるので、摩擦、衝撃力で容易に削り合いが生じ、それが角部から徐々に周辺に及んでいく過程で、入り組んだ凹凸の複雑な形状を醸し出す。 【0008】大谷石は、クライノライトフッ石を主成分とし、斜長石、石英、輝石等の結晶性鉱物が共存する一方で、モンモリロン石、サポナイト等の粘土鉱物、更にアロフェンなどの非晶質鉱物も共存する組成物で、その表面は、ざらざらして穴が多く、全体に緑色のかすり模様が入っており、「みそ」と呼ばれる柔らかい褐色の部分が斑点状に含まれているという独自の表情を呈している。その特徴が、上記削り合い等で、更に強く浮き彫りにされる結果となり、自然の石としての外観的な独自の雰囲気が醸し出される。 【0009】これを一定時間続けると、側面中央部2a,2b,2c・・は平面を残すが、角部は丸みを帯びた形状となるので、この段階で回転混合機の回転を停止させる。すると、この段階では、側面に中央部2a,2b,2c・・に平面を残しているので、後述する穿孔の際に底部となる面に平坦面が残り、植木鉢として底面が安定する。一方、角部は削られて自然な岩の風合いを醸す、バランスの取れた形態となる。 【00010】そこで、この立方体に、盛り土用の孔5を穿孔し、例えば110×110×110の立方体には直径70mmで深さ80mm程度の孔を穿孔機で穿設し、最後の表面に付着した凝灰岩の粉末を水で洗い流し、乾燥させて本発明植木鉢を得る。 【0011】第一の製法は上記の通りであるが、大谷石等の凝灰岩は、組織的に、火に強いが水に弱いという特性を有する。そこで、この特性を利用して、上記形状物を更に有効に得る方法を次に説明する。 【0012】先ず、上記立方体の裁断物を得たら、該立方体の6つの側面の中央部にほぼ円形に、液状の撥水剤を塗布する。塗布の方法は、ハケ塗り又はスプレーガン等で良い。即ち、側面中央部には、組織内に水の侵入を防ぐ撥水剤を被膜3a,3b,3c・・として形成し、それを除く角部には水の侵入が容易な状態とする(図3参照)。 【0013】次いで、撥水剤の乾燥後、これを水槽中に浸漬させ、角部に水が侵入する程度の時間そのまま維持する。そして、当該立方体を回転混合機6に投入し、回転に伴って相互を衝突させる。すると、角部から凝灰岩の内部に水が侵入すると、水を吸った凝灰岩の組織は脆いものとなり、上記回転による相互衝突にあって角部が衝突すると、容易に削り合いが進行する。従って、この方法は、軟石材のなかにあっても、比較的硬質な大谷石等を用いる場合に好適となる。又、水を吸った凝灰岩同士の削り合いは、乾いたものと比較して衝撃力が緩和されるので、削った後の凹凸面が柔らかで、女性的なイメージとなる。 【0014】次に、第三の方法は、上記方法とは逆の立場に立って、側面中央部を残した角部に、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂を塗布し、そこに比較的強い被膜4を形成する。 【0015】そして、樹脂の硬化後にこれを上記混合機6に投入して、回転する。すると今度は、角部が硬化性樹脂の被膜4によって強くプロテクトされ、それが衝突するから、比較的強い衝撃力で互いがぶつかり合うことになる。最初一番隅の角部が欠けて、それから徐々に欠けていき、その結果、大きな削り跡を残し、凹凸が大きな、男性的なイメージとなる。そして、これは比較的軟質な凝灰岩に好適となる。 【0016】 【実施例1】大谷石を110×110×110mmの立方体に裁断し、これを20個準備した。これを胴体直径800mmのミキサーに投入し、回転させることで相互に削り合いを促し、胴体内部には粉の飛散を防止する意味でホースで30リットル程度の水を散布した。回転速度は20回/分で、30分続行したところで停止した。ミキサーから取り出した後、上部からドリル型穿孔機で直径70mmで深さ80mmの盛り土用の孔を穿った。底部は平坦面を残して安定であり、且つ、角部は削られ、それが自然に欠けた天然石の風合いを醸しだした。 【0017】 【実施例2】比較的硬質の大谷石を110×110×110mmの立方体に裁断し、20個準備した。この立方体の6面の中央部2a,2b,2c・・に直径約70mmの円形部位に、撥水剤(トスバリア:伊藤忠テクノケミカル社製)をハケで塗布して1日放置して中央部被膜3a,3b,3c・・の形成を待ち、その後水槽中に4時間浸漬させた。これをミキサーに投入し、20回/分の回転速度で20分間続行した。後は実施例1と同様の操作を進めたところ、比較的凹凸が小さな柔らかいイメージの自然石を連想させるものが得られた。 【0018】 【実施例3】比較的軟質の大谷石を150×150×150mmの立方体に裁断し、10個準備した。この立方体の6面の中央部約110mmの円形部を残した角部に、2液性エポキシ樹脂(コニシボンドE−200)を混合したものをハケで塗布して2日放置して被膜4の形成を待った。これをミキサーに投入し、20回/分の回転速度で20分間続行した。後は実施例1と同様の操作を進めたところ、凹凸の比較的大きな荒々しさを残した男性的なイメージの自然石を連想させるものが得られた。 【0019】 【発明の効果】以上の構成に基づく本発明は、削り合い等によって「みそ」等が斑点状に含まれる独自の表情が更に強く浮き彫りにされる結果となり、それが恰も自然の岩石の中に花や植物が生育している雰囲気を醸し出し、従来にない植木鉢の趣を楽しむことができるという特異な効果をもたらす。 【0020】その際、角部が削られて上記自然の風合いをもたらす一方で、側面、底面には円形の平坦面が残されるので、植木鉢として置いた場合に安定感を生み、自然の雰囲気と機能面との均衡が図られると共に、大谷石等の凝灰岩は、多孔質なので通気性と吸水性に富み、植木鉢としての機能性に優れた効果を兼備する。 【0021】更に、撥水剤及び硬化性樹脂を用いれば、凝灰岩のなかでも硬質なものと軟質なものとに対応できると共に、その雰囲気を柔らかい女性的なものと、荒々しさを残す男性的なものとに多様化させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501043717 【氏名又は名称】渡辺 貞男
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| 【出願日】 |
平成13年1月31日(2001.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095739 【弁理士】 【氏名又は名称】平山 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−223639(P2002−223639A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月13日(2002.8.13) |
| 【出願番号】 |
特願2001−23459(P2001−23459) |
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