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【発明の名称】 バルク型レンズを用いた植物栽培装置
【発明者】 【氏名】玉置 智

【要約】 【課題】LD,LED等の発光半導体と、極めて効率の高い光収束用バルク型レンズを用いて、植物の生育に適した効率のよい栽培装置を提供する。

【解決手段】植物栽培の光源として、LED1、あるいはLD1を用い、バルク型レンズ20にLED1あるいはLD1を装着し、LED1、あるいはLD1のほとんど全ての発光を収束し、極めて効率よく植物を栽培する。さらに、光源として、光波長の異なる複数の発光半導体素子を組み合わせた、例えば、赤色、緑色、青色から成るフルカラー発光体1を用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 頂部と、底部と、外周部と、前記底部から前記頂部に向かって形成された天井部と内周部とからなる凹部とを有している光学媒体からなり、前記凹部が光源の収納部であり、前記天井部が第1のレンズ面として、前記内周部が光入射面として、前記外周部が全反射面として、前記底部が反射面として、前記頂部が第2のレンズ面として機能するよう構成したバルク型レンズを有し、植物栽培用の光源の光束を、前記バルク型レンズを使用して収束することを特徴とする、植物栽培装置。
【請求項2】 前記バルク型レンズは、前記光学媒体の外周部の外径が前記内周部の内径の3倍以上10倍以下であることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】 前記第1のレンズ面を凸面に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項4】 前記第1のレンズ面を凹面に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項5】 前記第1のレンズ面を平面に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項6】 前記第1のレンズ面を平フレネルレンズ面に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項7】 前記第2のレンズ面の曲率半径をR、前記バルク型レンズの光軸方向に測った全長をL、バルク型レンズの屈折率をnとして、0.93 < k(R/L) < 1.06k = 1/(0.35 n − 0.168)
の関係を満足することを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項8】 前記第1のレンズ面の突き出し量をΔ、前記光学媒体の外周部の外径を2Roとして、0.025 < Δ/Ro < 0.075の関係を満足することを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項9】 前記光学媒体の底部に、更に背面鏡を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項10】 前記光学媒体の内部に、更に他の凹部を並列配置したことを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項11】 前記光学媒体が可とう性、若しくは屈曲性を有することを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項12】 頂部と、底部と、外周部と、前記底部から前記頂部に向かって形成された天井部と内周部からなる凹部とを有している光学媒体からなり、前記凹部が光源の収納部であり、前記天井部が第1のレンズ面として、前記内周部が光入射面として、前記外周部が全反射面として、前記底部が反射面として、前記頂部が第2のレンズ面として機能するとともに、前記内周部の光入射面が所定の傾きを有する少なくとも光波長以上の大きさの凹凸面で構成されているバルク型レンズを有し、植物栽培用の光源の光束を、前記バルク型レンズを使用して収束することを特徴とする、植物栽培装置。
【請求項13】 前記バルク型レンズの前記光入射面の所定の傾きφは、前記凹部の屈折率をn1 、前記光学媒体の屈折率をn2 、前記光学媒体内の外周部面における全反射角をθt 、上記光源の発散角をθd として、sin-1{n1 /n2 cos(θd +φ)}=θtから定まる角度であることを特徴とする、請求項12に記載の植物栽培装置。
【請求項14】 前記光源として、発光波長の異なる複数の半導体発光素子を組み合わせて用いることを特徴とする、請求項1又は12に記載の植物栽培装置。
【請求項15】 前記発光波長の異なる複数の半導体発光素子が、赤色、緑色、青色を発光する半導体発光素子から成ることを特徴とする、請求項14に記載の植物栽培装置。
【請求項16】 前記半導体発光素子を、ほぼ同一光軸上に配置したことを特徴とする、請求項14に記載の植物栽培装置。
【請求項17】 前記半導体発光素子が、LED又はLDであることを特徴とする、請求項1又は12に記載の植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な構造の光学レンズの提案に基づき、特に発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子用の光学レンズとして好適なレンズを用いた植物栽培装置に関する。更に、植物生育の光源として、半導体素子の発光、特に赤色、緑色、青色等の種々の波長の発光を新規な構造の光学レンズで拡散した光源を用いた植物栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子は電気エネルギーを直接光エネルギーに変換するため、ハロゲンランプ等の白熱球や蛍光灯に比し、高効率で、しかも発光に際し発熱を伴わないという特徴を有する。白熱球においては、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その発熱に伴う光の輻射を利用しているのであり、電気エネルギーの光への変換効率は低く1%を超えることはない。蛍光灯においては、電気エネルギーは放電エネルギーに変換されており、その光への変換効率はまだ低い。一方、LEDにおいては、電気エネルギーの光への変換効率は20%を超える程度が可能で、白熱球や蛍光灯に比し100倍を超える変換効率が容易に達成できる。さらに、LED等の半導体発光素子は、半永久的とも言える長寿命であり、かつ蛍光灯のようなちらつきの問題もないので、目や人体に悪影響を及ぼさない、人にやさしい光源ということが言える。
【0003】かかる優れた特徴をLEDは有するものの、光の出射面積が、1mm2 程度の小さな面積であるため、照明光として利用する場合は、1個のLEDでは光束が不足し、多数のLEDを配列する必要がある。また、LEDの発散角が、チップ状態では90度、パッケージタイプのものでも40度前後と大きいため、光を収束するためのレンズを必要とする。このため、多数のLEDをマトリックス状に配列し、個々のLEDに光収束用レンズを装着しなければならない。しかしながら、凸形状の球面レンズなどを使用する従来の光学系を使用したのではLEDの発散角が大きいために、低光損失で収束しようとすればレンズ系が巨大化してLEDを密に配列できない、あるいは、レンズ系を小さくしてLEDを密に配列すると極端に光損失が大きくなるといった問題が生ずる。また、従来のレンズ系を利用する場合は、LEDとレンズを光軸を合わせて保持する保持具が必要であり、このような保持具は精密加工を必要とするからコストが高くなる。また、LEDとレンズを保持具に固定するときには、光軸合わせの調整工程を必要とするのでコストが高くなる。上記問題点は、LEDが照明光として利用されていない主要な原因である。
【0004】ところで、植物を施設内で天候に左右されず、省力的に効率良く栽培するシステムが要望されている。完全制御型や太陽光利用型の植物栽培工場の光源やその補光として、従来から高圧ナトリウムランプ等が主として用いられている。この高圧ナトリウムランプの可視光域の発光効率は30%程度と高く、設備も比較的簡単である。
【0005】これに対して、レーザダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)等の発光半導体素子は、発光スペクトルが光合成あるいはクロロフィルの吸収ピークにほぼ一致したものを選べ、小型軽量、低電圧駆動で熱放射がなく長寿命である利点を有している。さらにLDの場合は光合成に有利な間欠照明に対応したパルス発信が容易で、高効率、高出力で、電流で直接変調可能などの利点がある。このため、これら発光半導体素子を植物栽培システムの光源として用いるべく、実用化研究が進められている。
【0006】半導体素子による発光は熱線を含まないので空調負荷を小さくでき、栽培工場がコンパクトにできるために照明効率が高く、寿命が高圧ナトリウムランプよりも長く光合成に有利なパルス点灯が可能等の利点がある。現在実用化されているLEDの発光波長には、赤外光780〜700nm、赤色光660〜650nm、橙色光630nm、黄橙色光610nm、黄色光590nm、黄緑色光565nm、緑色光550nm、青色光480〜490nm等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、LED、レーザダイオード(LD)等の光源に用いることが可能で、小型で、光損失が少なく、装着が容易な、かつ、容易に、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能なバルク型レンズを光源に用いた植物栽培装置を提供することである。更にまた、ナトリウムランプを用いた場合には、多量の放射熱があるため、照射する植物との距離を十分に取らなければ枯れ死する恐れがあり、照明熱を取り去るための空調の負荷が大きくなり、装置が大型化して多量の電力を消費し、生産コストの3割にも達する、といった問題を解決するために、半導体発光素子を光源とし、上記のバルク型レンズを使用した植物栽培装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の植物栽培装置は、植物栽培用の光源の光束をバルク型レンズを使用して収束することを特徴とする。すなわち、本発明に用いるバルク型レンズは、頂部と、底部と、外周部と、前記底部から前記頂部に向かって形成された天井部と内周部とからなる凹部とを有している光学媒体からなり、前記凹部が光源の収納部であり、前記天井部が第1のレンズ面として、前記内周部が光入射面として、前記外周部が全反射面として、前記底部が反射面として、さらに前記頂部が第2のレンズ面として機能するよう構成し、植物栽培用の光源の光束を、このバルク型レンズを使用して収束するよう構成したことを特徴としている。凹部の内部に光源を収納した場合は、天井部がレンズの入射面として、頂部がレンズの出射面として機能する。内周部から光学媒体に入射した光は、全反射して、又は底部で反射されて頂部に伝送される。ここで、「バルク型」とは、砲弾型、卵型、繭型、蒲鉾型等、ある程度の厚み又は膨らみを有する固形体を意味する。光軸方向に垂直な断面の形状は、真円、楕円、三角形、四角形、多角形等が可能である。バルク型のレンズ本体の外周部は、円柱、角柱の円周部のような光軸に平行な面でも良く、光軸に対してテーパを有していてもかまわない。また、天井部及び頂部のレンズ面は、凸面、凹面、平面、フレネルレンズ面のいずれかを適宜選択できる。
【0009】本植物栽培装置に用いるバルク型レンズは、レンズ作用、及び入射面と出射面とを接続する光伝送作用を有するので、光の波長に対して透明な材料であり、かつ、屈折率が空気の屈折率とは異なる必要がある。このような材料としては、アクリル樹脂等の透明樹脂(透明プラスチック材料)、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々のガラス材料等が使用可能である。或いは、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、炭化珪素(SiC)等の結晶性材料を用いてもかまわない。又、可とう性、屈曲性や伸縮性のある透明ゴムのような材料でもかまわない。なお、光源として、ハロゲンランプ等の白熱球を用いる場合は、これによる発熱を考慮し、耐熱性光学材料を用いるべきである。耐熱性光学材料としては、石英ガラス、サファイアガラス等の耐熱ガラスが好ましい。或いは、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエーテルエステルアミド樹脂、メタクリル樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルキル基を有する高分子材料等の耐熱性樹脂等の耐熱性光学材料が使用可能である。SiC等の結晶性材料も耐熱性に優れている。
【0010】光源としては、LEDや半導体レーザ等のように、発光に際して顕著な発熱作用を伴わない光源が好ましい。LED等を用いれば、本発明の第1の特徴に係るバルク型レンズの凹部(収納部)の内部に、「光源」を収納した場合において、その発熱作用によって、バルク型レンズに熱的影響を与えることがない。
【0011】前記バルク型レンズを使用すれば、植物栽培装置の光源の数を多数必要とすることなく、所望の照度を有する植物栽培装置を簡単に得ることが出来る。この照度は、光源の数を同一として較べれば、従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。本発明は、従来の技術では達成出来ない照度を簡単且つ小型な構成で実現出来る。詳細は後述するが、従来の「両凸レンズ」、「平凸レンズ」、「メニスカス凸レンズ」、「両凹レンズ」、「平凹レンズ」、「メニスカス凹レンズ」等の薄型レンズでは、直径が無限大の大型なレンズを用いなければ、本発明の植物栽培装置に用いるバルク型レンズに等価な機能を達成出来ない。
【0012】LEDには内部量子効率と外部量子効率があるが、通常、外部量子効率は内部量子効率よりも低い。本発明に用いるバルク型レンズにより、LEDを収納部(凹部)に収納することにより、内部量子効率とほぼ等しい効率で、潜在的なLEDの光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。その原理は、(a)バルク型レンズの頂部及び天井部であるレンズ面、及び外周部での反射光(迷光)が外周部で全反射することによりバルク型レンズ外にほとんど散逸しない、(b)上記反射光(迷光)の一部が頂部及び天井部であるレンズ面にもどる、(c)上記反射光(迷光)の一部が底部で反射されて頂部及び天井部であるレンズ面にもどる、(d)上記反射光(迷光)の一部がLED光源に吸収され再発光する、さらに、(e)内側面に入射する光も全反射により導光し有効利用している、ことなどが考えられる。
【0013】また、本発明に用いるバルク型レンズによれば、LED等の光源それ自身は、何ら手を加えることなく、容易に、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能である。すなわち、光源の発散角が既知であれば、第1及び第2の湾曲面の曲率半径等の選定が簡単に出来る。なお、第1及び第2の湾曲面のいずれか一方は、曲率半径が無限大、若しくは無限大に近い平坦な面であっても良い。第1及び第2の湾曲面のいずれか一方が、無限大ではない所定の(有限の)曲率半径を有していれば、光の収束、発散の制御が可能である。又、「所定の発散角」は0°、即ち平行光線であっても良い。又、発散角が90°であっても、収納部が光源の発光部を完全に光学的に覆っているため、有効にその光を集光することが可能である。これは、従来のレンズ等の光学系では不可能な作用である。即ち、天井部以外の収納部の内周部も、有効な光の入射部として機能し得る。
【0014】具体的には、本発明の第1の目的に係る光源は、チップ状の半導体発光素子、透明材料でモールドされた半導体発光素子、又は、他の光源から光を導く光ファイバの出射端面である。これらの光源を光学媒質を介して収納部に収納しても良い。屈折率によって光学媒質を適宜選択することによっても、光の発散、収束等の光路の変更や焦点の変更が可能であり、また、内周面から凹部に入射する光の屈折角を変えることができ、凹部の全反射をより効果的にすることもできる。ここで、光学媒質には、固体、液体、気体、のみならず、ゾル状、コロイド状若しくはゲル状の光の波長に対して透明な物質も含まれる。
【0015】またさらに、本発明は、頂部と、底部と、外周部と、この底部から頂部に向かって形成された天井部と内周部からなる凹部とを有している光学媒体を用い、凹部が光源の収納部であり、天井部及び頂部がレンズ面として、内周部が光入射面として、外周部が全反射面として、底部が反射面として機能するとともに、内周部の光入射面が所定の傾きを有する少なくとも光波長以上の大きさの凹凸面で構成されていることを特徴とするバルク型レンズを植物栽培装置の光源に用いるものである。この構成によれば、例えば、端面発光LEDのようにほとんどの出射光がチップの側面から出射するようなLEDを使用する場合においても、全ての出射光を集光できる。
【0016】さらにまた、バルク型レンズは、レンズ部と光源を収納する収納部とが一体で形成されているため、従来のレンズ系では必要であったレンズと光源を光学的位置合わせをして保持する保持部を必要とせず、また、光学的位置合わせ工程を必要とせず、ただ光源にかぶせるだけでよいので、極めて低コストである。
【0017】また、本発明の植物栽培装置の光源として、発光波長の異なる複数の半導体発光素子を組み合わせて用いることを特徴とする。上記発光波長の異なる複数の半導体発光素子は、赤色、緑色、青色を発光する半導体発光素子から成ることが好ましく、また、複数の半導体発光素子を、ほぼ同一光軸上に配置すれば一層好ましい。
【0018】本発明の栽培装置は、特殊なバルク型レンズを用いることにより、植物の照射強度を、半導体素子を増やすことなく大幅に上げることができ、また照射熱もほとんどないので、植物の近くに光源を設置しても植物を枯らすことがない。従って、植物の生育に好適な波長を有するLD,LED等の半導体素子の発光を有効に利用することができ、比較的高価な発光素子でも、実用として十分に利用できる。又、半導体素子を用いているので発光条件等の制御が容易であり、センサーを用いることにより、植物に最適な生育条件を容易に制御することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施例であり、以下の説明において本発明を特に限定する記載がない限り,これら実施の形態に限定するものではない。図1は、本発明の植物栽培装置の一実施例に用いる光源装置の第1の構成に係る模式的な断面図であり、所定の波長帯域の光を発するLED等の光源1と、この光源1を完全に囲むバルク型レンズ20とから少なくとも構成されている。そして、このバルク型レンズ20は、頂部3と底部7と外周部9と、底部7から頂部3に向かって形成された天井部2と内周部5とから成る凹部6とから成る光学媒体であり、この凹部6にスペーサ8を介して光源1がバルク型レンズ20と同心的に且つ完全に収納、固定され、上記天井部2がレンズの光入射面として、上記頂部3がレンズの出射面として機能するように構成されている。
【0020】図1の光源1は、LEDチップ13と、このLEDチップ13を載置する電極を兼ねた支持ピン11と、LEDチップ13のもう一方の電極に電力を供給する電極ピン12と、チップ13、支持ピン11及び電極ピン12を覆う透明な樹脂モールド14で構成されている。樹脂モールド14は、側部が円筒形を成しており、バルク型レンズ20の凹部6の円筒形を成す内周部5とスペーサ8を介して嵌合している。
【0021】樹脂モールド14の側面は、例えば、直径(2r)が2〜3mmφの円柱形状であり、バルク型レンズ20の凹部6の内周部5は、例えば、直径が2.5〜4mmφの円柱形状となっている。LED1とバルク型レンズ20とを固定するために、LED1とバルク型レンズ20の凹部6との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサ8が挿入されている。スペーサ8は、LED1の発光部を除く位置、即ち、図1においてLEDチップ13の底面より底部7側に方に配置する。
【0022】バルク型レンズ20は、例えば頂部3が凸形状球面を有し、外周部9が円柱形状を成している。この外周部9の直径(2R0 )は、例えば、10〜30mmφであるが、使用目的に応じて任意に選択できる。しかしながら、より集光効率を高くするためには、 10r>R0 >3r (1)
の関係を満足することが好ましい。バルク型レンズ20の外周部9の直径(2R0 )は、凹部6の内周部5の内径(2r)の10倍以上でも、本発明のバルク型レンズは機能するが、必要以上に大きくなり、小型化を目的とする場合は好ましくない。
【0023】上記構成のバルク型レンズは、以下に説明する理由により、従来の凸型形状の球面レンズを使用した光学系よりも極めて低損失で収束できる。LEDは発散角の大きな光源であるため、従来の凸型形状の球面レンズによって、LEDから発する全ての光を平行光線とすると光損失が避けられない。図2は、従来の凸型形状球面レンズによる集光作用を示す図で、図2(A)は凸型片球面レンズを使用して、LED光源からの光を平行光とする状態を示している。図において、レンズは曲率半径rを有し、光源から焦点距離fに配置している。片球面レンズの焦点距離は、レンズの屈折率をnとして、f=r/(n−1)であるから、屈折率n=1.5とした場合、f=2rとなる。従って、図から明らかなように、レンズが受光できる発散角の最大は30°となり、図のBに示す光線は平行光とすることができない。すなわち、従来のレンズを使用したのでは、焦点距離と曲率半径の関係から定まる開口角以上の光は取り込むことができないので、損失が大きい。LED光源は30°以上の発散角を有するものが多く、この場合には、上記理由により、大きな損失が生じる。従来はこのような場合、高屈折率レンズを使用して改善しているが、コストが高くなる。あるいは、レンズを複雑に組み合わせて対処している例もあるが、この場合には、下記に説明するフレネル反射損が増大してしまう。
【0024】図2(B)は、従来の凸型片球面レンズ入射面における反射の状況を示す図である。図において、矢印のついた線は、LED1から出射し、凸型形状球面レンズの光入射面で反射される光線を表す。θ(θ1 、θ2 )はLEDから出射角、すなわち発散角を表し、φ(φ1 、φ2 )はそれぞれの光線のレンズ面での入射角を表す。図3は、フレネルの反射の法則を表した図である。図において、横軸は光線の入射角であり、縦軸は光強度の反射率であり、レンズの屈折率を1.5とし、空気中から光線がレンズ面に入射する場合を表している。図から明らかなように、入射角が50°あたりまでは反射率が低く一定であるが、50°を越えたあたりから急激に反射率が増加するのがわかる。図2(B)に示した入射角が大きい光線は、図3のフレネルの反射の法則から明らかなように反射される割合が高い。例えば、屈折率1.5の片凸型球面レンズを使用し、このレンズの焦点距離に、発散角30°の光源をおいて平行光を作る場合には、上記の反射光による損失は全光量の30%近くに達する。従って、従来の光学系におけるように、レンズを多段に接続したのでは、フレネル反射が多段に生ずることになり、損失が増えてしまう。これらの反射光は空間に散逸してしまい、収束光として利用することはできない。
【0025】一方、本発明に使用するバルク型レンズにおいては、発散角が大きい光束であっても、全ての光束をレンズ面に入射させることができ、バルク型レンズの幾何学構造の設計により、全ての光束を平行光線にできるから、極めて損失の少ないレンズである。また、フレネルの反射を起こす反射面は、天井部2及び頂部3であるから、これらの面で反射した反射光(迷光)はバルク型レンズ内に反射される。これらの反射光(迷光)は、外周部9で全反射することによりバルク型レンズ外に散逸せず、一部が頂部3及び天井部2であるレンズ面にもどり収束光となる。また、他の一部は、底部7で反射されて頂部3又は天井部2にもどり、収束光となる。また、他の一部はLED光源で吸収されて再発光し、収束光となる。
【0026】図4は、LED光源1にもどった光が再発光する過程を示す図である。図において、もどってきた光はPN接合で吸収されてホールと電子を生じ、このホールと電子が再結合して再発光する。特にこの効果は、ヘテロ構造を有するLEDの場合に大きい。ヘテロ構造のLEDは、発光部であるPN接合部のバンドギャップ・エネルギーが、P及びN領域のバンドギャップ・エネルギーよりも小さく形成されているので、反射光(迷光)はP又はN領域では吸収されずに、PN接合部のみで吸収され、再発光する。さらにまた、本発明のバルク型レンズにおいては、内周部5に入射する光も外周面9における全反射によって頂部3に導かれ、収束光となって出射する。この効果は、LED光源1を、バルク型レンズの光学媒質よりも屈折率の高い光学媒質を介して収納部に収納するとさらに効果が高まる。本発明のバルク型レンズにおいては上記に説明した相乗効果により、内部量子効率とほぼ等しい効率で、LED光源の光を有効に収束光として取り出しているため、従来の凸型形状の球面レンズに較べ極めて低損失になると考えられる。
【0027】図5は、本発明の実施例に用いるバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで平行光を作成した場合の特性を比較するための測定系を示す図である。図5(A)はバルク型レンズ20を用いた場合の、光軸方向に対して垂直方向に光強度(照度)分布を測るための測定系を示す模式図である。バルク型レンズ20の出射面からの出力光の強度(照度)を、LED1からの測定距離x=一定とし、照度計102をy軸方向に移動して測定する。測定距離(x)は、光軸方向に測る。一方、図5(B)は、同様な測定を従来の両凸レンズを用いて行うことを示す図である。
【0028】図5(A)及び(B)に示す測定においては、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズ20の外径は30mmφとし、比較に用いた両凸レンズ101の外径は、この2倍強の63mmφとした。両凸レンズ101は、焦点距離150mmのものを用い、LED1からx方向に150mmの位置に配置した。また、LED光源1の発散角は約12度のものを使用した。
【0029】図6は、本発明の第1の実施例に用いるバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで平行光を作成した場合の特性を比較した図であり、バルク型レンズ20、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101、及びバルク型レンズを用いない裸のLEDのそれぞれの出力光のy方向に沿った強度(照度)分布を、測定距離x=1mにおいて測定した場合の結果を示す。本発明の第1の実施の形態に用いるバルク型レンズ20が、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101の2倍の照度が得られている。この結果は、バルク型レンズが従来の光学系では実現できない効果を有することを示している。
【0030】図7は、本発明の第1の実施例に用いるバルク型レンズと従来の凸形状の球面レンズとで作成した平行光の平行度を評価した図である。図5と同様にy方向に沿った強度(照度)分布を、測定距離xを変化させて測定したデータをまとめたものである。図の横軸は、測定距離xの逆数の2乗、即ち1/x2 を示し、縦軸は測定距離xにおける最大強度(ピーク強度)を示す。図から明らかなように、本発明のバルク型レンズの場合は、逆2乗則、即ち1/x2 を示す線上にきれいに測定点がプロットされる。一方、従来の薄型レンズ(両凸レンズ)101の場合は、逆2乗則からずれていることがわかる。この結果は、本発明の第1の実施例に係るバルク型レンズ20は、平行度においても十分であり、従来のレンズ系に較べ、勝るとも劣らない性能を実現できることを示している。
【0031】図8は本発明の第1の実施例に用いるバルク型レンズの幾何学的構造と集光率の関係を示す図である。ここで「集光率」とは、「バルク型レンズからの±1°以内の発散角における出力光の光量」を、「光源(LED)からの±12°以内の発散角における光量」で除した量で定義している。すなわち光線ビーム径に対応する量である。頂部3の曲率半径R、バルク型レンズの全長L、媒体長(頂部と天井部のレンズ間距離)D、収納部内径(凹部の内周部系)r、天井部2の曲率部分長さΔをパラメータとして、集光率を測定した。尚ここで、Δの符号は図1に示すように、天井部2が凹である場合を負とし、凸の場合を正と定義する。図9はバルク型レンズの幾何学的構造を示す図である。図8から、集光率を向上するためには、 0.93 < k(R/L) <1.06 ・・・・・ (2)
k = 1/(0.35 n −0.168) ・・・・・ (3)
を満足することが好ましいことが実験的にわかる。ここで、nは、バルク型レンズの材料である光学媒質の屈折率である。なお、バルク型レンズ20の円柱形状部分の半径Roと、頂部3の曲率半径をRとは、必ずしも等しい必要はない。
【0032】次に、バルク型レンズの第2の構成例を説明する。図10は、天井部2を凸形状にしたバルク型レンズの構造を示す図である。図10において、バルク型レンズ22は、天井部2の形状が異なる外は、図1に示したバルクレンズ20と同等である。測定に用いたバルク型レンズ22の円柱形状部分の外径2Roは15mmφ、バルク型レンズの全長Lは、25mm、頂部と天井部のレンズ間距離Dは16mm、収納部6の内径rは5.2mm、バルク型レンズの屈折率nは1.54である。このバルク型レンズの頂部3の曲率半径Rは8.25mmである。又、測定に用いた樹脂モールドされたLED1の外径は5mmφである。
【0033】図11(a)〜(c)及び図12(a)〜(c)は、天井部2の凸部の高さΔと、ビーム強度プロファイルとの関係を示す図である。光源からの距離x=1mで照度を測定した。図から明らかなように、天井部2を凸形状のレンズとしても集光特性が得られることがわかる。
【0034】このようにして、本発明の第1及び第2の実施例に用いる発光体によれば、樹脂モールドされたLED1の数を多数必要とすることなく、照明に寄与する光ビームとして所望の照射面積の光束を確保し、且つ所望の照度を簡単に得ることが出来る。この照度は従来公知のレンズ等の光学系では達成不可能な照度である。驚くことに、現在市販されているハロゲンランプを用いた細身の懐中電灯と同程度の照度がたった1個のLEDで実現出来たのである。このように、本発明の第1の実施例に係る発光体によれば、従来の技術では実現できない照度を、図1に示すような簡単な構造で実現できる。
【0035】なお、本発明の第1及び第2の実施例に係る発光体に用いる樹脂モールドされたLED1としては、種々の色(波長)のLEDが使用可能である。但し、懐中電灯のような照明目的のためには、白色LEDが人間の目には自然であるので好ましい。白色LEDは種々の構造のものが使用出来る。例えば、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3個のLEDチップを縦に積層して構成しても良い。この場合、樹脂モールド14から、それぞれの色のLEDチップに対応し、合計6本のピンが導出されても良く、樹脂モールド14の内部配線として、6本のピンを2本にまとめ、外部ピンとしては2本設けられた構造としてもかまわない。又、一方の電極(接地電極)を共通とすれば、外部ピンは4本でよい。又、赤(R)色、緑(G)色及び青(B)色の3枚のLEDチップの駆動電圧を互いに独立に制御出来るようにしておけば、あらゆる色の混合が可能であるので、色合いの変化を楽しむことが可能である。
【0036】本発明の第1及び第2の実施例に係る発光体に用いるバルク型レンズ20としては、アクリル樹脂等の透明プラスチック材料、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等の種々のガラス材料等が使用可能である。或いは、ZnO、ZnS、SiC等の結晶性材料を用いてもかまわない。又、可とう性、屈曲性や伸縮性のあるゾル、ゲル、ゾル・ゲル混合物、或いは透明ゴムのような材料でもかまわない。また、ゾル、ゲル、ゾル・ゲル混合物等を、透明ゴムやフレキシブルな透明プラスチック材料等に格納して用いても良い。アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等は、バルク型レンズ20を大量生産するのに好適な材料である。即ち、一度金型を作り、この金型により成形加工すればバルク型レンズ20が簡単に大量生産出来る。
【0037】次に、第1及び第2の実施例の変形例について説明する。第1及び第2の実施例の変形例におけるバルク型レンズは、端面放射型LEDのように、LEDチップの側面から発光する光源を使用する場合にも使用することができる。端面放射型LEDはLEDチップの側面から発光するものであり、そのため、上記実施例1及び2のバルク型レンズにこのLEDチップを装着した場合には、バルク型レンズの内周部5に垂直に入射する成分が多くなるため、全反射されずにバルク型レンズの外部に散逸する光が多くなる。第1及び第2の実施例の変形例のバルク型レンズはこのような光源に対しても、極めて低損失で収束光を得ることができる。
【0038】図13は、バルク型レンズの内周部5と外周部9とが傾きを有する場合の光線の光路を示す図である。図において、光源の発散角をθd 、内周部5と外周部9との傾き角をφ、外周部9の全反射角をθt 、内周部5における光線の入射角、屈折角をθ1 及びθ2、そしてバルク型レンズの光学媒質の屈折率、収納部(凹部)6の屈折率をn2及びn1 とする。図は、光源の最大出射角、すなわち、発散角の光線が傾き角をφにより、全反射条件を満たし、全反射されている状態を表している。内周部5において、スネルの屈折の法則より、θ1 とθ2 の間には、 sinθ1 /sinθ2 =n2 /n1 (4)
が成り立ち、また、図から明らかなように、θt 、φ、θ2 の間には、 θt =φ+θ2 (5)
が成り立つ。また、図から明らかなように、θd θ1 、φの間には、 θd =90°−(θ1 +φ) (6)
の関係が成り立つ。上記(4)、(5)、(6)式よりθ1 とθ2 を消去すると、バルク型レンズが全反射角θt を有し、光源の発散角がθd である場合の、全反射するために必要な傾き角φを与える関係式として、 sin-1{n1 /n2 cos(θd +φ)}=θt (7)
が得られる。すなわち、(7)式を満たす傾き角φ以上で内周部5と外周部9が傾いていれば、たとえ、内周部5に垂直に光が入射する場合(θd =90°)でも全反射され、頂部3へ、あるいは底面7で反射して頂部3へ導かれるから、収束光を得ることができる。
【0039】図14は、上記のバルク型レンズの構成を示す図である。図14(A)は、バルク型レンズ20の内周部5の表面に微細な凹凸を設けた例を示している。この凹凸は少なくとも(7)式を満足するφ以上の傾き角を有しており、また、この凹凸の大きさは光波長程度でよい。また、この凹凸は、内周部5の光源近傍に設けるだけでよい。このような凹凸は、適切な粒径の研磨剤を用いて、内周部5の表面を磨くことによって簡単に形成できる。図14(B)は、ほぼ真横方向に出射した光線がバルク型レンズ内を全反射して、又は底面7で反射してかつ側壁で全反射して、頂部3に導かれる様子を示している。このように、例えば、端面発光LEDのようにほとんどの出射光がチップの側面から出射するようなLEDを使用する場合においても、全ての出射光を収束できる。さらにまた、レンズ部と光源を収納する収納部とが一体で形成されているため、従来のレンズ系では必要であったレンズと光源を光学的位置合わせをして保持する保持部を必要とせず、また、光学的位置合わせ工程を必要とせず、ただ光源にかぶせるだけでよいので、極めて低コストである。
【0040】次に本発明の植物栽培装置について説明する。図15に示すように、本発明の植物栽培装置30は、電源部31,制御部32,駆動部33,発光部34からなり、電源部31と制御部32,制御部32と駆動部33、駆動部33と発光部34はそれぞれ導線により接続され、必要に応じて制御部32にセンサー35が接続されている。電源部31の電源としては、通常、商用電源が用いられるが、発光素子を発光させる能力を有するものであれば特に限定はない。例えば太陽光発電,燃料電池等の設備があれば、畑、山間地等の商用電源が利用できない場所でも本発明の栽培装置を用いることができる。
【0041】本発明で用いる制御部32,駆動部33は通常の半導体発光に用いられる装置でよい。本発明で用いる発光部34は、バルク型レンズ20内の凹部6に半導体発光素子1が設置された構造となっており、発光半導体素子1としては、単一の波長の発光半導体素子であってもよいが、好ましくは、波長の異なる複数の発光半導体素子を組み合わせることにより、複数の波長の混合効果(エマーソン効果)が得られる。また、発光半導体素子1は、LED(発光ダイオード)又はLD(レーザダイオード)である。
【0042】発光色としては例えば、赤色,緑色,青色の3原色の他に、赤外光,紫外光等を所望に応じて用いることができ、赤色,緑色,青色から成るフルカラー発光体が好適に用いられる。一つのバルク型レンズを有効に利用するためには、レンズのほぼ同一光軸上に、レンズに遠い方から赤色,緑色,青色の各発光半導体素子を配置することにより、各色の発光が有効に利用できるので好適である。すなわち、赤色光は、光のエネルギーが緑、及び青の発光半導体素子のバンドギャップエネルギーよりも小さいので、緑、及び青の発光半導体素子に吸収されずに緑、及び青の発光半導体素子を透過し、発光する。同様に、緑色光は、光のエネルギーが青の発光半導体素子のバンドギャップエネルギーよりも小さいので、青の発光半導体素子に吸収されずに青の発光半導体素子を透過し、発光する。フルカラー発光体は、制御部からの信号により、赤色,緑色,青色等の各色発光体の電流制御を行い、各色の発光出力レベルと照射時間等所望の制御を行うことができる。
【0043】上記構成の本発明の植物栽培装置30は、電源部31から制御部32,駆動部33に制御,駆動電力が送られる。また、制御部32から駆動部33に駆動信号が送られ、この駆動信号に基づき、駆動部33は発光部34の発光体1を発光させる。発光体1はバルク型レンズ20内の凹部6に装着されている。発光体からの発光はバルク型レンズ20によって収束されて植物36に照射される。また、制御部32に設けたセンサー35により、昼夜等の環境条件を検知したり、特定の条件を入力する等の外部制御が可能となり、所望に応じて種々の条件を設定することも可能である。
【0044】LD,LED等の発光半導体素子を用いた最近の研究によれば、植物、特にサラダナ等の栽培では、LD単独で用いると、単色性ゆえに光合成速度と成長率はやや落ちるが、赤色光(R)640〜690nmと青色光(B)420〜470nmの割合(R/B比)が、光量子束密度の単位で10対1程度の場合に、サラダナは十分健全に生育することが知られている。
【0045】特に、光合成あるいはクロロフィルの吸収ピークにほぼ合致した赤色波長660nmと青色波長450nmを、R/B比が10対1で栽培を行うと、50μmol/m2 ・secのかなり低い光量子束密度でも健全に育てられることが明らかになってきた。従って、本発明においても発光半導体素子1の波長を上記条件に揃えれば、サラダナの生育に好適である。
【0046】本発明では、上記のような半導体素子1の発光を本発明のバルク型レンズ20により収束させて用いる。バルク型レンズ20は、凹部6に装着した発光体の発散角が大きくても、天井部2、内周部5を光入射面として全ての発光を取り込み、頂部3で収束して出射し、更に、フレネル反射光は全てバルク型レンズに閉じ込められ、この反射光の一部は外周部9,内周部5に導かれ、底部7で反射され、頂部3で収束して出射し、又、発光体が半導体発光素子である場合には、この反射光の他の一部は、半導体発光素子のPN接合で吸収され、再発光するから、発光体の全ての光を収束でき、極めて効率の良い光収束用レンズ系である。また、バルク型レンズ20は、凹部6が発光体の保持部を兼ねているので、レンズと発光体との保持具を必要とせず、又、光学的位置合わせを必要とせず、ただ、発光体に被せればよいので、極めて低コストである。植物栽培においては、植物の葉、幹、又は根の部分を照明すればよいので、上記バルク型レンズを用いた本発明の植物栽培装置は、極めて少ない発光量で必要な照度を得ることができ、また、光収束に用いるバルク型レンズが極めて低コストであり光学位置合わせの工程を必要としないので、極めて低コストである。ちなみに、同一の、かつ、同数のLEDを使用して、バルク型レンズを用いて光収束した場合と、従来の凸型球面レンズによる光学系で光収束した場合で光照度を比較すると、バルク型レンズを用いた装置は、従来の光学系を用いた装置に較べ、5倍以上照度が高かった。
【0047】本発明の栽培装置30は、バルク型レンズ20を用いることにより、植物への照射強度を5倍以上に上げることができ、また照射熱もほとんどないので、植物36の近くに光源部34を設置しても植物36を枯らすことがない。従って、植物36の生育に好適な波長を有するLD,LED等の半導体素子1の発光を有効に利用でき、比較的高価な発光素子でも、実用として十分に利用できる。又、半導体素子を用いた場合には、発光条件等の制御が容易であり、センサーを用いることにより、植物36に最適な条件を容易に作り出すことができる。
【0048】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、LED、LD等の半導体光源を用いることが可能で、これらの光源の発光する実質的に全ての光を収束することができ、かつ、極めて低コストなバルク型レンズを、植物栽培装置に適用できる。従って、本発明の植物栽培装置は、このバルク型レンズを用いることにより、植物の照射強度を大幅に上げることができ、また照射熱もほとんどないので、植物の近くに光源を設置しても植物を枯らすことがない。そのため、植物の生育に好適な波長を有するLD,LED等の半導体素子の発光を有効に利用することができ、比較的高価な発光素子でも、実用として十分に利用できる。
【0049】また、半導体素子を用いた場合には、発光条件等の制御が容易であり、制御部に設けたセンサーにより、昼夜等の環境条件を検知したり、特定の条件を入力する等の外部制御が可能となり、所望に応じて種々の条件を設定でき、植物に最適な条件を容易に作り出すことができる。
【出願人】 【識別番号】599104299
【氏名又は名称】ラボ・スフィア株式会社
【出願日】 平成13年1月29日(2001.1.29)
【代理人】 【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸 (外1名)
【公開番号】 特開2002−223636(P2002−223636A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−20841(P2001−20841)